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暴君王子のおっしゃることには! (165)
2012.10.13 Sat
(俺、入ってって、怒られない…?)
侑仁には、着いたらビルのエントランスに入って来ていい、と言われているのだが、こんなすごいビル、セキュリティだって厳しそうなのに、一伽なんかが入っても大丈夫なんだろうか。
でもきっと侑仁はここから出てくるはずだから、一伽がわざわざ中まで入らなくても、ここで待っていれば、侑仁に会えるだろう。
中に入るのはやっぱり怖いから、外で待っていよう。
「侑仁、まだかな」
まるでデートの待ち合わせみたいに、ドキドキワクワクしながら、侑仁が来るのを待つ。
実際のところ、一伽の女の子とのお付き合いは、そんなかわいらしいデートよりも、気持ちいいこと優先の、超即物的な関係ばかりだったので、こんなにドキドキしながら人を待ったことはないのだが。
(久しぶりに侑仁に会うの、どんな顔してたらいいのっ?)
もう本当に今さらのことを思っては、一伽の心は弾む。
あんまり浮かれていたら、侑仁に変に思われるのは分かっているのだが、やっぱりどうしても嬉しい(でもここであんまり浮かれていると、不審者だと思われる…?)。
「侑仁、まだ…?」
ここはオフィスビルが立ち並んでいるが、1つ向こうの通りは繁華街だから、カップルやら、酔っ払いやら、元気のいい友だちグループだとかが、一伽のそばを通り過ぎていく。
何だか1人で佇んでいるの、寂しい…。
一伽はポケットを漁って携帯電話を取り出すと、時間を確認する。
先ほどん電話をした時点で、侑仁の仕事は終わっているはずだから、侑仁としては、会社の入っているフロアから、ここまで下りてくるだけでいいはずなのに。
もしかしたら、仕事で何かしらあって、まだ帰れなくなってしまったんだろうか。
だとしたら、一伽が今電話とかメールをしたら迷惑かな。でも状況が分からないし、とりあえず確認の電話……もし都合が悪くなったのなら、残念だけど、また今度にしないとだし…。
一伽が少し迷ってから侑仁に電話をすると、たったワンコールで電話は繋がった。
「もしも…」
『一伽、お前今どこいんだよ。まだ着いてねぇの?』
「はぇ?」
電話に出た侑仁は、一伽が想像していたようなセリフではなく、待ちくたびれたようにそう言った。
『お前、飛んで来るとか言ったから、そんなときに電話しても出ねぇのかな、て思って、掛けないでたんだけど……まだ着かねぇの? まさか道迷った?』
「いや、迷ってない……と思う。ビルの前にいる、今……てか、ずっと」
『ずっとぉ~?』
侑仁が、怪訝そうな声を出す。
でも一伽はずっと、侑仁が出て来るのをここで待っていたのだ。
『あ、いた』
「ぅ?」
電話越しの声と、直に聞こえる声がダブって、一伽がそちらを振り返ったら、ビルから出て来た侑仁が、携帯電話を耳に押し当てて呆れた様子で一伽を見ていた。
久しぶりに見た侑仁の姿に、浮かれすぎてちゃダメ…と自分に言い聞かせていたにも関わらず、一伽はまたドキドキがぶり返して、クラクラして、はぅっ…! てなって、どうにかなってしまいそう。
(どうしよう、俺、超ヤバい人だ、でもどうしようっ…!)
一伽は、全然自慢にならないが、たとえその期間が1週間くらいだとしても、いわゆる『彼女』としてお付き合いした女の子は何人もいるし、体だけの関係の子なら、もっとずっといっぱいいる。
けれど所詮、そんな感じの付き合い方しかしてこなかったから、本当に好きになった相手を前にして、どうしたらいいのか分からない。
今までは、嫌われたら嫌われたでいいや、とか思っていたけれど(他の子を探せばいいから)、でも侑仁の代わりなんてかいないし、侑仁に嫌われたくないし、嫌われないためにはどうしたらいいの?
back next
侑仁には、着いたらビルのエントランスに入って来ていい、と言われているのだが、こんなすごいビル、セキュリティだって厳しそうなのに、一伽なんかが入っても大丈夫なんだろうか。
でもきっと侑仁はここから出てくるはずだから、一伽がわざわざ中まで入らなくても、ここで待っていれば、侑仁に会えるだろう。
中に入るのはやっぱり怖いから、外で待っていよう。
「侑仁、まだかな」
まるでデートの待ち合わせみたいに、ドキドキワクワクしながら、侑仁が来るのを待つ。
実際のところ、一伽の女の子とのお付き合いは、そんなかわいらしいデートよりも、気持ちいいこと優先の、超即物的な関係ばかりだったので、こんなにドキドキしながら人を待ったことはないのだが。
(久しぶりに侑仁に会うの、どんな顔してたらいいのっ?)
もう本当に今さらのことを思っては、一伽の心は弾む。
あんまり浮かれていたら、侑仁に変に思われるのは分かっているのだが、やっぱりどうしても嬉しい(でもここであんまり浮かれていると、不審者だと思われる…?)。
「侑仁、まだ…?」
ここはオフィスビルが立ち並んでいるが、1つ向こうの通りは繁華街だから、カップルやら、酔っ払いやら、元気のいい友だちグループだとかが、一伽のそばを通り過ぎていく。
何だか1人で佇んでいるの、寂しい…。
一伽はポケットを漁って携帯電話を取り出すと、時間を確認する。
先ほどん電話をした時点で、侑仁の仕事は終わっているはずだから、侑仁としては、会社の入っているフロアから、ここまで下りてくるだけでいいはずなのに。
もしかしたら、仕事で何かしらあって、まだ帰れなくなってしまったんだろうか。
だとしたら、一伽が今電話とかメールをしたら迷惑かな。でも状況が分からないし、とりあえず確認の電話……もし都合が悪くなったのなら、残念だけど、また今度にしないとだし…。
一伽が少し迷ってから侑仁に電話をすると、たったワンコールで電話は繋がった。
「もしも…」
『一伽、お前今どこいんだよ。まだ着いてねぇの?』
「はぇ?」
電話に出た侑仁は、一伽が想像していたようなセリフではなく、待ちくたびれたようにそう言った。
『お前、飛んで来るとか言ったから、そんなときに電話しても出ねぇのかな、て思って、掛けないでたんだけど……まだ着かねぇの? まさか道迷った?』
「いや、迷ってない……と思う。ビルの前にいる、今……てか、ずっと」
『ずっとぉ~?』
侑仁が、怪訝そうな声を出す。
でも一伽はずっと、侑仁が出て来るのをここで待っていたのだ。
『あ、いた』
「ぅ?」
電話越しの声と、直に聞こえる声がダブって、一伽がそちらを振り返ったら、ビルから出て来た侑仁が、携帯電話を耳に押し当てて呆れた様子で一伽を見ていた。
久しぶりに見た侑仁の姿に、浮かれすぎてちゃダメ…と自分に言い聞かせていたにも関わらず、一伽はまたドキドキがぶり返して、クラクラして、はぅっ…! てなって、どうにかなってしまいそう。
(どうしよう、俺、超ヤバい人だ、でもどうしようっ…!)
一伽は、全然自慢にならないが、たとえその期間が1週間くらいだとしても、いわゆる『彼女』としてお付き合いした女の子は何人もいるし、体だけの関係の子なら、もっとずっといっぱいいる。
けれど所詮、そんな感じの付き合い方しかしてこなかったから、本当に好きになった相手を前にして、どうしたらいいのか分からない。
今までは、嫌われたら嫌われたでいいや、とか思っていたけれど(他の子を探せばいいから)、でも侑仁の代わりなんてかいないし、侑仁に嫌われたくないし、嫌われないためにはどうしたらいいの?
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けいったん ⇒
テンパり過ぎて もはや パニックな いっちゃん!ヾ(;゚ω(;゚ω゚(;゚ω゚;)゚ω゚;)ω゚;)ノアワワワワ
いっちゃんの気持ちを知らない侑仁が、普通なだけに その差が面白い♪
でも そのハンパないテンパりで 余計な事を言っちゃぁダメだからね、いっちゃん!
[ビル]・ω・` )心配だわぁ...byebye☆
いっちゃんの気持ちを知らない侑仁が、普通なだけに その差が面白い♪
でも そのハンパないテンパりで 余計な事を言っちゃぁダメだからね、いっちゃん!
[ビル]・ω・` )心配だわぁ...byebye☆
- |2012.10.13
- |Sat
- |19:07
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
久々に侑仁さんに会えるのと、思いがけずすごいビルがオフィスだっていうののビックリと、いろんな気持ちがない交ぜになって、いっちゃんパニック中です(笑)
それにしても!
>[ビル]・ω・` )心配だわぁ...
↑ この気持ち、分かります~!
陰からそっと見守りたいです(>_<) てか、私もけいったんさんと一緒に、ビルの陰でこそこそさせてくださいっ!!
コメントありがとうございました!
それにしても!
>[ビル]・ω・` )心配だわぁ...
↑ この気持ち、分かります~!
陰からそっと見守りたいです(>_<) てか、私もけいったんさんと一緒に、ビルの陰でこそこそさせてくださいっ!!
コメントありがとうございました!
- |2012.10.13
- |Sat
- |22:33
- |URL
- |EDIT|