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暴君王子のおっしゃることには! (164)
2012.10.12 Fri
「別にそういうんじゃ……ギャッ!」
『えっ? おい、どうした?』
「転んだ…」
『はぁ?』
電話越しの侑仁に気を取られていた一伽は、前を見て歩いてはいたものの、前しか見ていなかったから、足元の段差に気付かず、突っ掛かって転んでしまったのだ。
「イッテー…」
『何してんだ、お前』
痛いよりも恥ずかしくて、一伽はさっさと立ち上がって、歩き始める。
というか、転んだ恥ずかしさよりも、侑仁との電話に浮かれている自分が恥ずかしい。
「に゛ー…」
『おいおい、大丈夫かよ』
「だい…だいじょぶ…。だいじょぶだから、ご飯…」
『何だよ、そんなに腹減ってんのかよー。つか、お前のメシは血だろ? 吸わせねぇぞ?』
「吸わないもん…」
今日の夜、侑仁に連絡して、もし会えるとなったら、すぐに会いたかったから、吸血はお昼のうちに済ませておいたのだ。
何だか妙に健気な自分が、ちょっとおかしい。
『じゃ、後でな』
「うん」
待ち合わせの場所を決めて電話を切ると、一伽の口元がニンマリと上がる。
やった! 侑仁と会える! しかも、一伽が望んでいたことは侑仁に会うことで、あわよくば侑仁の家に行けるかなぁ…くらいだったのに、一緒にご飯に行けることになった!
「あひゃひゃ。嬉しー!」
周囲の訝しむ視線など気にすることなく、一伽は変な笑い声をあげながら、ピョンピョンと飛び跳ねる。嬉しくて、大人しくなんかしていられないのだ。
今までに何度だって侑仁の家に行ったことはあるし、侑仁の作ったご飯だって食べたこともあるし、何だって平気でやって来たくせに。
「でも嬉しいっ! きゃはー!」
一伽はダッシュで路地裏に入ると、コウモリに変身して飛び立った。
*****
「えと…、え、ここ?」
電話をしたとき侑仁はまだ会社にいたから、飛んで行ける一伽が向かうのが簡単だと思って(まぁ、侑仁の働いている場所を見てみたいという気持ちもあったし)、侑仁に会社の住所を聞いてやって来たのだが。
一伽は、侑仁に電話で言われた場所に到着すると、目の前に建つ……というよりそびえ立つと言ったほうがいいかもしれない高層ビルに、我が目を疑った。
「嘘……こんなすげぇビル…?」
身内ばかりの小さな会社だと聞いていたから、勝手に、ごく普通の雑居ビルの1フロアに入っていると思っていたのだが、ビルの大きさが、一伽の想像を遥かに超えていた。
いや、でもこれは一伽の勘違いで、近くの違うビル……と思ったが、辺りを見回しても高層ビルばかりで、この中の、どのビルにオフィスが入っていたとしても、やっぱり一伽は仰天するしかない。
(侑仁の会社、何階かな)
やっぱり、高層階のほうが、家賃が高いんだろうか。
でもホテルやマンションと違って、眺望を売りにするわけではないから、そんなの関係ないんだろうか。
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『えっ? おい、どうした?』
「転んだ…」
『はぁ?』
電話越しの侑仁に気を取られていた一伽は、前を見て歩いてはいたものの、前しか見ていなかったから、足元の段差に気付かず、突っ掛かって転んでしまったのだ。
「イッテー…」
『何してんだ、お前』
痛いよりも恥ずかしくて、一伽はさっさと立ち上がって、歩き始める。
というか、転んだ恥ずかしさよりも、侑仁との電話に浮かれている自分が恥ずかしい。
「に゛ー…」
『おいおい、大丈夫かよ』
「だい…だいじょぶ…。だいじょぶだから、ご飯…」
『何だよ、そんなに腹減ってんのかよー。つか、お前のメシは血だろ? 吸わせねぇぞ?』
「吸わないもん…」
今日の夜、侑仁に連絡して、もし会えるとなったら、すぐに会いたかったから、吸血はお昼のうちに済ませておいたのだ。
何だか妙に健気な自分が、ちょっとおかしい。
『じゃ、後でな』
「うん」
待ち合わせの場所を決めて電話を切ると、一伽の口元がニンマリと上がる。
やった! 侑仁と会える! しかも、一伽が望んでいたことは侑仁に会うことで、あわよくば侑仁の家に行けるかなぁ…くらいだったのに、一緒にご飯に行けることになった!
「あひゃひゃ。嬉しー!」
周囲の訝しむ視線など気にすることなく、一伽は変な笑い声をあげながら、ピョンピョンと飛び跳ねる。嬉しくて、大人しくなんかしていられないのだ。
今までに何度だって侑仁の家に行ったことはあるし、侑仁の作ったご飯だって食べたこともあるし、何だって平気でやって来たくせに。
「でも嬉しいっ! きゃはー!」
一伽はダッシュで路地裏に入ると、コウモリに変身して飛び立った。
*****
「えと…、え、ここ?」
電話をしたとき侑仁はまだ会社にいたから、飛んで行ける一伽が向かうのが簡単だと思って(まぁ、侑仁の働いている場所を見てみたいという気持ちもあったし)、侑仁に会社の住所を聞いてやって来たのだが。
一伽は、侑仁に電話で言われた場所に到着すると、目の前に建つ……というよりそびえ立つと言ったほうがいいかもしれない高層ビルに、我が目を疑った。
「嘘……こんなすげぇビル…?」
身内ばかりの小さな会社だと聞いていたから、勝手に、ごく普通の雑居ビルの1フロアに入っていると思っていたのだが、ビルの大きさが、一伽の想像を遥かに超えていた。
いや、でもこれは一伽の勘違いで、近くの違うビル……と思ったが、辺りを見回しても高層ビルばかりで、この中の、どのビルにオフィスが入っていたとしても、やっぱり一伽は仰天するしかない。
(侑仁の会社、何階かな)
やっぱり、高層階のほうが、家賃が高いんだろうか。
でもホテルやマンションと違って、眺望を売りにするわけではないから、そんなの関係ないんだろうか。
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ちよ ⇒
ウキウキいっちゃん。かわい(*^ω^*)♪~
メールか電話するかはあまり考えていなかったのに、
何気に吸血だけは、計画的にすませていたんだね。
就業後の侑仁くんってことは、普段着じゃない侑仁くん…かな?
意外な一面が見られるかな?
いずれにしても会えるだけでうれしいよね~
メールか電話するかはあまり考えていなかったのに、
何気に吸血だけは、計画的にすませていたんだね。
就業後の侑仁くんってことは、普段着じゃない侑仁くん…かな?
意外な一面が見られるかな?
いずれにしても会えるだけでうれしいよね~
- |2012.10.12
- |Fri
- |08:17
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
浮かれいっちゃん、今まではかわいい女の子限定でしたが、今は侑仁さんだけのものです~(笑)
かわいかったですか!?
ありがとうございます(*^_^*)
いっちゃん、これからはがんばると決めたからには、がんばるのですっ!
いつもと違う侑仁さんを見て、いっちゃん、さらにがんばれるでしょうか!
吸血は計画的に~(笑)
コメントありがとうございました!
かわいかったですか!?
ありがとうございます(*^_^*)
いっちゃん、これからはがんばると決めたからには、がんばるのですっ!
いつもと違う侑仁さんを見て、いっちゃん、さらにがんばれるでしょうか!
吸血は計画的に~(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.10.12
- |Fri
- |22:56
- |URL
- |EDIT|