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暴君王子のおっしゃることには! (150)
2012.09.28 Fri
『じゃあ、お仕事がんばってください。航平さんも、無理しすぎないでくださいね』
「あ…あぁ、気を付けるわ。ありがとうな。………………て、ホントにあのボケナスが~!!」
雪乃の優しい言葉に、航平は何とか平静さを保って返事をしたが、電話が切れると、沸々と怒りがたぎってきて、1人の店内で声を張り上げた。
そして翌日、ozの店内は、航平の怒鳴り声から始まった。
「ゴルァ、一伽ぁ~~~!!」
いつもと同じ様子で、いつもと同じくらいの時間に出勤した一伽は、着いて早々怒鳴られるとは思っていなかったので、ビックリして、持っていた携帯電話をポーンと放り投げてしまった。
それは、ギリギリセーフで志信が受け止めてくれたけれど、一伽より先に出勤していた志信も、いきなりキレた航平に驚いて、呆然となった。だって、一伽が来るまで、航平にキレる雰囲気など何もなかったのだ。
「な…何、いきなり」
突然のことに、さすがに一伽も、驚きのあまりキレるにも至らず、ポカンと航平を見つめた。
「お前、ホントに何してんだっ!! しばくぞ、ゴルァ!!!」
「ななな何で!? イッテ!」
まだ出勤してきただけで、本当に、ただ店に入っただけで何もしていないのに何で!? と一伽は唖然となったが、航平は、まさに鬼の表情でズカズカと一伽に詰め寄ると、有無を言わさず一伽の頭を引っ叩いた。
一伽の携帯電話を持ったままの志信は、その様子を眺めながら、自分の身に降り掛かったことではないことに、心底ホッとしていた。
前に一伽に『2発殴らせろ』と理不尽なことを言われたときは、それでも多少の猶予時間があったけれど、今は『しばくぞ』と言ってから1秒くらいで、本当に殴った!
「何!? 何なの!? ふざけんなよっ!!」
最初はポカンとしていた一伽だったが、引っ叩かれたことで正気に返ったのか、航平の胸倉に掴み掛かった。
「ちょ…ちょっと、2人とも…」
この尋常でない状況に、さすがに志信も、自分でなくてよかった…なんて、のん気に思っている場合でないと思い始めた。面倒なことには出来る限り関わらないように生きているけれど、やっぱり止めに入らないと。
だって、従業員が出勤したかと思ったら怒鳴り付け、数秒もしないうちにその頭を殴り付ける店長が、一体どこの世界にいるだろう。そして今は取っ組み合いだ。
「ねぇちょっと2人とも落ち着いて…、これからお店始まるのに、ねぇ、」
「うっせぇ志信っ! 引っ込んでろっ!!」
わざわざ志信が間に入ってやったのに、一伽にすげなく振り払われる。
あぁもうホント、この携帯電話、床に叩き付けてやろうか。
「ちょっと、航平くんも…、支度しないと間に合わないですよ…!」
「分かってるわっ! 一伽、ちょぉこっち来いっ!」
一伽が無理なら航平を、と思って声を掛けたのに、航平もこんな態度だ。
しかも、分かっていると答えたはずの航平は、一伽の手を振り解いて、その首根っこを捕まえると、そのままスタッフルームのほうに連れて行こうとする――――全然分かってないっ!
「ちょっと放してよ、航平くんっ! ふざけんなっ!」
一伽はギャーギャー喚きながら暴れるが、結局、航平に引っ張って行かれた。
バタンッ! と、うるさくスタッフルームのドアが閉まる。
「いや…、『ふざけんな』はこっちのセリフだし…」
残された志信の声は、残念ながら2人には届かなかった。
back next
「あ…あぁ、気を付けるわ。ありがとうな。………………て、ホントにあのボケナスが~!!」
雪乃の優しい言葉に、航平は何とか平静さを保って返事をしたが、電話が切れると、沸々と怒りがたぎってきて、1人の店内で声を張り上げた。
そして翌日、ozの店内は、航平の怒鳴り声から始まった。
「ゴルァ、一伽ぁ~~~!!」
いつもと同じ様子で、いつもと同じくらいの時間に出勤した一伽は、着いて早々怒鳴られるとは思っていなかったので、ビックリして、持っていた携帯電話をポーンと放り投げてしまった。
それは、ギリギリセーフで志信が受け止めてくれたけれど、一伽より先に出勤していた志信も、いきなりキレた航平に驚いて、呆然となった。だって、一伽が来るまで、航平にキレる雰囲気など何もなかったのだ。
「な…何、いきなり」
突然のことに、さすがに一伽も、驚きのあまりキレるにも至らず、ポカンと航平を見つめた。
「お前、ホントに何してんだっ!! しばくぞ、ゴルァ!!!」
「ななな何で!? イッテ!」
まだ出勤してきただけで、本当に、ただ店に入っただけで何もしていないのに何で!? と一伽は唖然となったが、航平は、まさに鬼の表情でズカズカと一伽に詰め寄ると、有無を言わさず一伽の頭を引っ叩いた。
一伽の携帯電話を持ったままの志信は、その様子を眺めながら、自分の身に降り掛かったことではないことに、心底ホッとしていた。
前に一伽に『2発殴らせろ』と理不尽なことを言われたときは、それでも多少の猶予時間があったけれど、今は『しばくぞ』と言ってから1秒くらいで、本当に殴った!
「何!? 何なの!? ふざけんなよっ!!」
最初はポカンとしていた一伽だったが、引っ叩かれたことで正気に返ったのか、航平の胸倉に掴み掛かった。
「ちょ…ちょっと、2人とも…」
この尋常でない状況に、さすがに志信も、自分でなくてよかった…なんて、のん気に思っている場合でないと思い始めた。面倒なことには出来る限り関わらないように生きているけれど、やっぱり止めに入らないと。
だって、従業員が出勤したかと思ったら怒鳴り付け、数秒もしないうちにその頭を殴り付ける店長が、一体どこの世界にいるだろう。そして今は取っ組み合いだ。
「ねぇちょっと2人とも落ち着いて…、これからお店始まるのに、ねぇ、」
「うっせぇ志信っ! 引っ込んでろっ!!」
わざわざ志信が間に入ってやったのに、一伽にすげなく振り払われる。
あぁもうホント、この携帯電話、床に叩き付けてやろうか。
「ちょっと、航平くんも…、支度しないと間に合わないですよ…!」
「分かってるわっ! 一伽、ちょぉこっち来いっ!」
一伽が無理なら航平を、と思って声を掛けたのに、航平もこんな態度だ。
しかも、分かっていると答えたはずの航平は、一伽の手を振り解いて、その首根っこを捕まえると、そのままスタッフルームのほうに連れて行こうとする――――全然分かってないっ!
「ちょっと放してよ、航平くんっ! ふざけんなっ!」
一伽はギャーギャー喚きながら暴れるが、結局、航平に引っ張って行かれた。
バタンッ! と、うるさくスタッフルームのドアが閉まる。
「いや…、『ふざけんな』はこっちのセリフだし…」
残された志信の声は、残念ながら2人には届かなかった。
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けいったん ⇒
いやぁ~私が思ってたより 航平がキレてて 吃驚!(笑)
志信じゃないけど 巻き込まれたくない状況ですね。
でも 航平、こんなケンカ腰で まともな話しが出来るの?
はい! 大きく息を吸ってぇ~吐いてぇ~深呼吸をして 気持ちを落ち着かせてね♪
スウ~(-。-)ハァ~(-0-)深呼吸...byebye☆
志信じゃないけど 巻き込まれたくない状況ですね。
でも 航平、こんなケンカ腰で まともな話しが出来るの?
はい! 大きく息を吸ってぇ~吐いてぇ~深呼吸をして 気持ちを落ち着かせてね♪
スウ~(-。-)ハァ~(-0-)深呼吸...byebye☆
- |2012.09.28
- |Fri
- |09:31
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒
今までいっちゃんと二人一緒に居たユキちゃんに
みっくんという新しいパートナーができたから、
自分は一緒に居ちゃいけないとでも思っているのかな…
いっちゃん、女の子とは気儘なお付き合いを装っているみたいだけど、
ユキちゃんの事も気になるし、
侑仁くんへの想いは止められないけど、
想う気持ちは伝えられずぐるぐる悩んじやうよね。
でも一人ぼっちで悩んでいるなら、
人生のちょっとだけ先輩(?)の航平くんにご教示いただこう。
航平くん、怒り心頭かもしれませんが、
冷静になってよろしくお願いいたします。
みっくんという新しいパートナーができたから、
自分は一緒に居ちゃいけないとでも思っているのかな…
いっちゃん、女の子とは気儘なお付き合いを装っているみたいだけど、
ユキちゃんの事も気になるし、
侑仁くんへの想いは止められないけど、
想う気持ちは伝えられずぐるぐる悩んじやうよね。
でも一人ぼっちで悩んでいるなら、
人生のちょっとだけ先輩(?)の航平くんにご教示いただこう。
航平くん、怒り心頭かもしれませんが、
冷静になってよろしくお願いいたします。
- |2012.09.28
- |Fri
- |22:25
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
航平さん、ブチ切れるの巻、です(笑)
いっちゃんも切れやすい性格ですから、本当に巻き込まれたくないですね(^_^;)
> でも 航平、こんなケンカ腰で まともな話しが出来るの?
ごもっとも!
2人ともいい大人なんで、ケンカしないで話し合ってほしいものです(>_<)
深呼吸、深呼吸!
コメントありがとうございました!
いっちゃんも切れやすい性格ですから、本当に巻き込まれたくないですね(^_^;)
> でも 航平、こんなケンカ腰で まともな話しが出来るの?
ごもっとも!
2人ともいい大人なんで、ケンカしないで話し合ってほしいものです(>_<)
深呼吸、深呼吸!
コメントありがとうございました!
- |2012.09.28
- |Fri
- |22:58
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ユキちゃんに彼氏が出来て、何だか置いてきぼり気分のいっちゃん。
気を遣っているのか、ただ単にふて腐れているのか……とにかく今はグチャグチャ中です(>_<)
悩んでいるいっちゃんは、何だからしくないですが、そんなときもありますからね。
吸血鬼だけれど、全然何百年も生きているわけではないいっちゃんにしたら、航平くんのほうが確かに少しは人生の先輩かも。
でも、いきなりブチ切れちゃってますから、全然先輩らしくないですが…(^_^;)
どうか航平くん、ちょっと冷静になって、いっちゃんと話し合ってあげてほしいものです。
コメントありがとうございました!
気を遣っているのか、ただ単にふて腐れているのか……とにかく今はグチャグチャ中です(>_<)
悩んでいるいっちゃんは、何だからしくないですが、そんなときもありますからね。
吸血鬼だけれど、全然何百年も生きているわけではないいっちゃんにしたら、航平くんのほうが確かに少しは人生の先輩かも。
でも、いきなりブチ切れちゃってますから、全然先輩らしくないですが…(^_^;)
どうか航平くん、ちょっと冷静になって、いっちゃんと話し合ってあげてほしいものです。
コメントありがとうございました!
- |2012.09.28
- |Fri
- |23:09
- |URL
- |EDIT|