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暴君王子のおっしゃることには! (145)
2012.09.23 Sun
「だってー。航平くんだって知ってるでしょ? 俺の気持ち。やっぱりさぁ、気付いちゃうと、前みたいにはいかないわけ。分かるでしょ?」
「何を女子中学生みたいなことを…。お前、そんな乙女キャラじゃねぇだろ?」
「そーだけど、でも嫌われたくないし。俺、侑仁の前でどうしていいか分かんなくなっちゃうの!」
「今までどおりでいいだろ」
侑仁は、これまでの一伽の傍若無人ぶりを目の当たりにしてきてもまだなお、一伽のことを嫌いにならずにいるんだから、別に今までどおりで何ら問題ないと思う。
それよりもむしろ、キャラ変更したほうが、どうした? と思われる可能性が高いのでは?
「今までどおりにするけど! でもやっぱ2人きりは恥ずかしい…」
「何でだよ! お前、侑仁とずっと友だちでいる気なんだろ? 友だちと2人でいて恥ずかしいとか、そんなのねぇだろうが。それは完全にお前、侑仁のこと意識しとる証拠だ!」
「うぅー…そうだけど…。そんなの、そんな簡単に気持ち切り替えらんないし! だって俺、侑仁のこと好き、て気付いたの、超最近だよ?」
先日リコに言ったとおり、一伽は、侑仁とはこれからも友だちでいるつもりだけれど、自分の気持ちに気付いたのが最近すぎて、まだ気持ちを抑え切れないのだ。
だって普通なら、これからどんどんと相手への想いが膨らんでいく時期だ。自分に素直な一伽は、そう簡単に『好き』という気持ちを抑制できない。
「だから~、一緒に侑仁の家に行こうよ~」
「だから、て何だ! 俺を巻き込むな! 恥ずかしいなら、侑仁の家じゃなくて他に行け!」
「他なんかないもんっ。俺、女の子の家しか知らないもんっ」
それは全然威張れることではないのに、一伽はプクッと頬を膨らませて、そう主張してくる。
志信の家は知っているけれど、もう2度と行きたくないし、海晴はシェアハウスなうえに場所も知らないから、行くに行けない。航平は今夜何も用事はないと言うが、航平の家に行くくらいなら、やっぱり侑仁の家がいい。
「女の子の家でいいじゃん。お前、女の子大好きだろ?」
「あ、そっか。だよね! そーする」
「え、」
もともと一伽は女の子が大好きで、そういうこともいっぱいして来たんだから、これからも、侑仁なんか気にせず、寂しい夜は女の子のところに行けばいいのだ。
侑仁のことが好きだと気が付いてから、うっかり自分を見失っていたけれど、航平に言われて気が付いた。
確かに一伽は侑仁のことが好きだけれど、どうせ叶わない恋だし、みんな今までどおりでいいて言うし、だったら何を無理に自分を変える必要があるんだろう。
女の子は……まぁいろいろ怖いところもあるけれど、かわいくて、ふわふわで、いい匂いがして、気持ちいい。
一伽は女の子のこと大好きだし、血が吸いたい、てメールすれば、応えてくれる子もいっぱいいる。それで十分だ。
「え、ちょっ…おま、ホントにそうするん?」
「え? 女の子のトコに行くかどうか、てこと?」
「お…おぅ…」
「行くけど…………何?」
売り言葉に買い言葉、みたいな感じで、航平は思わず『女の子の家』なんて言ってしまったが、それに対して一伽があっさりと納得するから、焦った。
一伽が自棄っぱちになってそんなことを言い出したのかと、航平は慌てて声を掛けたが、振り返った一伽はそんな様子もなく、どうしたの? という様子でキョトンとしている。
「侑仁の家に行かねぇの?」
「今日? うん。侑仁の予定も分かんないしね」
「まぁ…そうだけど…」
自分で、女の子の家に行ったらいい、なんて言っておいて、一伽があんまりにも素直にそれに従うものだから、航平のほうが面食らってしまった。
ここ最近の一伽は、航平の言うことに結構素直で、それはいいことなんだけれど、まさかこんな場面でもそんなに素直に言うことを聞くとは思わなかったから。
「じゃ、航平くん、お疲れさまー」
航平が次の声を掛ける前に、一伽は店を出て行った。
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「何を女子中学生みたいなことを…。お前、そんな乙女キャラじゃねぇだろ?」
「そーだけど、でも嫌われたくないし。俺、侑仁の前でどうしていいか分かんなくなっちゃうの!」
「今までどおりでいいだろ」
侑仁は、これまでの一伽の傍若無人ぶりを目の当たりにしてきてもまだなお、一伽のことを嫌いにならずにいるんだから、別に今までどおりで何ら問題ないと思う。
それよりもむしろ、キャラ変更したほうが、どうした? と思われる可能性が高いのでは?
「今までどおりにするけど! でもやっぱ2人きりは恥ずかしい…」
「何でだよ! お前、侑仁とずっと友だちでいる気なんだろ? 友だちと2人でいて恥ずかしいとか、そんなのねぇだろうが。それは完全にお前、侑仁のこと意識しとる証拠だ!」
「うぅー…そうだけど…。そんなの、そんな簡単に気持ち切り替えらんないし! だって俺、侑仁のこと好き、て気付いたの、超最近だよ?」
先日リコに言ったとおり、一伽は、侑仁とはこれからも友だちでいるつもりだけれど、自分の気持ちに気付いたのが最近すぎて、まだ気持ちを抑え切れないのだ。
だって普通なら、これからどんどんと相手への想いが膨らんでいく時期だ。自分に素直な一伽は、そう簡単に『好き』という気持ちを抑制できない。
「だから~、一緒に侑仁の家に行こうよ~」
「だから、て何だ! 俺を巻き込むな! 恥ずかしいなら、侑仁の家じゃなくて他に行け!」
「他なんかないもんっ。俺、女の子の家しか知らないもんっ」
それは全然威張れることではないのに、一伽はプクッと頬を膨らませて、そう主張してくる。
志信の家は知っているけれど、もう2度と行きたくないし、海晴はシェアハウスなうえに場所も知らないから、行くに行けない。航平は今夜何も用事はないと言うが、航平の家に行くくらいなら、やっぱり侑仁の家がいい。
「女の子の家でいいじゃん。お前、女の子大好きだろ?」
「あ、そっか。だよね! そーする」
「え、」
もともと一伽は女の子が大好きで、そういうこともいっぱいして来たんだから、これからも、侑仁なんか気にせず、寂しい夜は女の子のところに行けばいいのだ。
侑仁のことが好きだと気が付いてから、うっかり自分を見失っていたけれど、航平に言われて気が付いた。
確かに一伽は侑仁のことが好きだけれど、どうせ叶わない恋だし、みんな今までどおりでいいて言うし、だったら何を無理に自分を変える必要があるんだろう。
女の子は……まぁいろいろ怖いところもあるけれど、かわいくて、ふわふわで、いい匂いがして、気持ちいい。
一伽は女の子のこと大好きだし、血が吸いたい、てメールすれば、応えてくれる子もいっぱいいる。それで十分だ。
「え、ちょっ…おま、ホントにそうするん?」
「え? 女の子のトコに行くかどうか、てこと?」
「お…おぅ…」
「行くけど…………何?」
売り言葉に買い言葉、みたいな感じで、航平は思わず『女の子の家』なんて言ってしまったが、それに対して一伽があっさりと納得するから、焦った。
一伽が自棄っぱちになってそんなことを言い出したのかと、航平は慌てて声を掛けたが、振り返った一伽はそんな様子もなく、どうしたの? という様子でキョトンとしている。
「侑仁の家に行かねぇの?」
「今日? うん。侑仁の予定も分かんないしね」
「まぁ…そうだけど…」
自分で、女の子の家に行ったらいい、なんて言っておいて、一伽があんまりにも素直にそれに従うものだから、航平のほうが面食らってしまった。
ここ最近の一伽は、航平の言うことに結構素直で、それはいいことなんだけれど、まさかこんな場面でもそんなに素直に言うことを聞くとは思わなかったから。
「じゃ、航平くん、お疲れさまー」
航平が次の声を掛ける前に、一伽は店を出て行った。
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