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暴君王子のおっしゃることには! (144)
2012.09.22 Sat
一伽 と 航平
さすがに、リコとのことがあった翌日は、航平にかなり心配されたが、『リコちゃんとはちゃんと話したから大丈夫』と言った一伽の言葉を信じてくれたのか、航平は必要以上に追及してこなかった。
「航平くーん、終わったー」
モップ掛けを終えた一伽が、航平に声を掛けた。
一伽は、侑仁の前でもそうでなくてもちゃんとする、と侑仁に言ってしまった手前、業後の後片付けも、前よりはダラダラしないようにがんばっているのだ。
本当はもっとちゃんとすべきなんだろうけど、今の一伽にはこれが限界。
前に1度、侑仁の家に行けないから志信の家に行こう…て思ったとき、すごくシャキシャキと動いたけれど、今のところ、毎日あんなふうにするなんて、無理。
「終わったよ、航平くん!」
「あーよしよし」
「ぐふふ」
どう? ちゃんと出来た? という期待に満ちた目で見られ、航平は適当に返事をしたが、一伽は満足そうに笑って、ぱたぱたとモップを片付けに行った。
とりあえず、自己満足だけで事足りているらしい。
「え、嘘…」
しかし、モップを片付けて来た一伽は、携帯電話を見ながら顔を顰めていた。
そんな一伽を気にしつつ、航平は自分の片付けを進めていたが、手元に影が落ちて、顔を上げたら一伽がいた。
「何だ?」
「…ユキちゃん、今日、光宏んちに泊まる、て」
「ユキちゃん? あぁ、お前と一緒に住んでる?」
「ん」
光宏という名前は、航平にとって初耳だったが、一伽と同居する雪乃が、その彼の家に泊まるということを連絡してきたのは、一伽を心配させないためだろう。
それを打ち明けられて、航平的にはどんな反応をしたらいいか分からず、とりあえず適当に返してみる。
「ユキちゃん、光宏んちにお泊りするようになったの…。大人になっちゃったの。俺寂しい」
「知るか」
航平にはバカにされるかもしれないけれど、一伽はこの間、雪乃が光宏の家にお泊りして、夜に家で1人で過ごさなければいけなかった日、寂しすぎて眠れなかったのだ。
暑かったのとか、侑仁のこととかいろいろあったかもしれないけれど、少なくともあのとき雪乃がいたら、いつもどおり眠れたとは思う。
相変わらず雪乃は、『お金溜めて、エアコンのあるところに引っ越そうね』なんて一伽に言ってくれるけれど、いつか雪乃は、一伽でなく光宏と一緒に暮らすようになるだろう。
そのことを雪乃は全然分かっていないけれど、一伽は気付いている。だって、節約のために友だちと一緒に暮らすより、恋人と一緒のほうが何十倍もいいに決まっている。
そう思ったら、余計に寂しくなった。
「ユキちゃん大人になっちゃって寂しいから、今日どっか行きたい。出来れば侑仁の家」
「行けばいいじゃん」
1人が寂しいという言い分は航平にも分かるが、たった一晩くらい…と思う気持ちもある(同じような性分の人間が自分の友人にもいるので突っ込まないが)(その友人の名は、もちろん侑仁だ)。
別に侑仁の家に行くのに、航平の許可なんかいらないし、報告する必要もないのだから、行きたかったら勝手に行けばいいのに、一伽は航平を見ている。
「…航平くん、今日の夜、何か予定ある?」
「あん? いや、何もないけど」
一伽が何のつもりでそんなことを聞いてきたのか分からなかった航平は、ついうっかり、本当のことをペラッと言ってしまった。
あ、ヤベ……と気付いたのは、そのすぐ1秒後だ。一伽が急に、ニコッと笑顔になったから。
「1人で侑仁の家に行くの恥ずかしいから、航平くん、一緒に行こ?」
「いや待て、意味分からん。何で恥ずかしいんだよ、お前、今まで散々侑仁の家に行ってるだろうが!」
何を今さら…ということを言い出した一伽に、航平はすかさず突っ込んだ。
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さすがに、リコとのことがあった翌日は、航平にかなり心配されたが、『リコちゃんとはちゃんと話したから大丈夫』と言った一伽の言葉を信じてくれたのか、航平は必要以上に追及してこなかった。
「航平くーん、終わったー」
モップ掛けを終えた一伽が、航平に声を掛けた。
一伽は、侑仁の前でもそうでなくてもちゃんとする、と侑仁に言ってしまった手前、業後の後片付けも、前よりはダラダラしないようにがんばっているのだ。
本当はもっとちゃんとすべきなんだろうけど、今の一伽にはこれが限界。
前に1度、侑仁の家に行けないから志信の家に行こう…て思ったとき、すごくシャキシャキと動いたけれど、今のところ、毎日あんなふうにするなんて、無理。
「終わったよ、航平くん!」
「あーよしよし」
「ぐふふ」
どう? ちゃんと出来た? という期待に満ちた目で見られ、航平は適当に返事をしたが、一伽は満足そうに笑って、ぱたぱたとモップを片付けに行った。
とりあえず、自己満足だけで事足りているらしい。
「え、嘘…」
しかし、モップを片付けて来た一伽は、携帯電話を見ながら顔を顰めていた。
そんな一伽を気にしつつ、航平は自分の片付けを進めていたが、手元に影が落ちて、顔を上げたら一伽がいた。
「何だ?」
「…ユキちゃん、今日、光宏んちに泊まる、て」
「ユキちゃん? あぁ、お前と一緒に住んでる?」
「ん」
光宏という名前は、航平にとって初耳だったが、一伽と同居する雪乃が、その彼の家に泊まるということを連絡してきたのは、一伽を心配させないためだろう。
それを打ち明けられて、航平的にはどんな反応をしたらいいか分からず、とりあえず適当に返してみる。
「ユキちゃん、光宏んちにお泊りするようになったの…。大人になっちゃったの。俺寂しい」
「知るか」
航平にはバカにされるかもしれないけれど、一伽はこの間、雪乃が光宏の家にお泊りして、夜に家で1人で過ごさなければいけなかった日、寂しすぎて眠れなかったのだ。
暑かったのとか、侑仁のこととかいろいろあったかもしれないけれど、少なくともあのとき雪乃がいたら、いつもどおり眠れたとは思う。
相変わらず雪乃は、『お金溜めて、エアコンのあるところに引っ越そうね』なんて一伽に言ってくれるけれど、いつか雪乃は、一伽でなく光宏と一緒に暮らすようになるだろう。
そのことを雪乃は全然分かっていないけれど、一伽は気付いている。だって、節約のために友だちと一緒に暮らすより、恋人と一緒のほうが何十倍もいいに決まっている。
そう思ったら、余計に寂しくなった。
「ユキちゃん大人になっちゃって寂しいから、今日どっか行きたい。出来れば侑仁の家」
「行けばいいじゃん」
1人が寂しいという言い分は航平にも分かるが、たった一晩くらい…と思う気持ちもある(同じような性分の人間が自分の友人にもいるので突っ込まないが)(その友人の名は、もちろん侑仁だ)。
別に侑仁の家に行くのに、航平の許可なんかいらないし、報告する必要もないのだから、行きたかったら勝手に行けばいいのに、一伽は航平を見ている。
「…航平くん、今日の夜、何か予定ある?」
「あん? いや、何もないけど」
一伽が何のつもりでそんなことを聞いてきたのか分からなかった航平は、ついうっかり、本当のことをペラッと言ってしまった。
あ、ヤベ……と気付いたのは、そのすぐ1秒後だ。一伽が急に、ニコッと笑顔になったから。
「1人で侑仁の家に行くの恥ずかしいから、航平くん、一緒に行こ?」
「いや待て、意味分からん。何で恥ずかしいんだよ、お前、今まで散々侑仁の家に行ってるだろうが!」
何を今さら…ということを言い出した一伽に、航平はすかさず突っ込んだ。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
ほんと 何を今更だよね~航平♪(;¬д)(д¬;)ネェ
気弱になってる いっちゃんも可愛いけど
何か 調子が狂うなぁ~(Y@▼@Y)お手上げだーい
もう そんな感じで 侑仁の所に行って 畳に「のの字」でも書くつもり?(笑)
((o(照〃ω〃)o))φモジモジ...byebye☆
気弱になってる いっちゃんも可愛いけど
何か 調子が狂うなぁ~(Y@▼@Y)お手上げだーい
もう そんな感じで 侑仁の所に行って 畳に「のの字」でも書くつもり?(笑)
((o(照〃ω〃)o))φモジモジ...byebye☆
- |2012.09.22
- |Sat
- |21:07
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
侑仁さんちで、今まで散々してきたくせに、今さら恥ずかしがるいっちゃん…。
やっぱり好きな人のお家に行くというのは照れるものですから!
でもこんないっちゃんに、航平くんも相当調子狂っちゃってると思います(笑)
一緒に侑仁さんちに行っても、気まずいでしょうしね(^_^;)
> ((o(照〃ω〃)o))φモジモジ
↑この、モジモジいっちゃん、かわい…。
コメントありがとうございました!
やっぱり好きな人のお家に行くというのは照れるものですから!
でもこんないっちゃんに、航平くんも相当調子狂っちゃってると思います(笑)
一緒に侑仁さんちに行っても、気まずいでしょうしね(^_^;)
> ((o(照〃ω〃)o))φモジモジ
↑この、モジモジいっちゃん、かわい…。
コメントありがとうございました!
- |2012.09.22
- |Sat
- |22:34
- |URL
- |EDIT|