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暴君王子のおっしゃることには! (133)
2012.09.11 Tue
「ふぅん。ユキちゃん、お泊まりかー」
生意気ー、とか言いながら、一伽はシャワーを浴びに向かった。
気ままな一伽は、帰りが遅くなることも、そのままお泊りしちゃって、一晩帰って来ないこともしょっちゅうあるが、雪乃が外泊なんて、もしかしたら初めてかもしれない。
「ユキちゃんも大人になったということか」
…その相手が光宏というのが、何となくムカつくが。
カラスの行水を終えた一伽は、真っ直ぐ冷蔵庫に向かい、缶ビールに手を伸ばしたが、『たまには飲まない日がないとダメ』と言った雪乃の言葉を思い出し、隣にあった麦茶に変更した。
何素直に言うこと聞いてんだろ…と思いつつ、一伽は、グラスになみなみ注いだ麦茶を一気に飲み干す。
「うー」
流しの中に適当にグラスを置いて、一伽はふとんにダイブした。
まだ髪はビショビショだが、いつもと違い何か言う人もいないので、気にしない。
「んーうーんー」
枕が濡れるのも構わず、一伽は足をパタパタさせながら、ふとんの上を右に左に転がった。
…こんなことしていたら、いつもだったら雪乃が黙ってはいないのに。
もともと一伽のほうが仕事の終わる時間が遅いし、一伽はその後に吸血したり、時にはそのまま遊びに行ったりするから、一伽が帰宅して雪乃がいない、ということがなかった。
なのに今は、一伽1人。
(ユキちゃん、光宏んちにお泊りかぁ…)
当たり前だが2人は恋人同士で、もしかしたらこれからは、こういうことが増えるのかもしれない。
別にいいんだけれど、そう思ったら何となく寂しくなって、一伽は鼻先を枕に擦り付けた。
今ごろ雪乃は、光宏とよろしくやっているんだろうか、なんて下世話なことを思いつつ、一伽は寝返りを打つ。
それにしても2人は日中、cafe OKAERIでずっと一緒にいるのに、仕事が終わった後も一緒とか、何だかすごいと思う。恋人同士というのは、そういうものなのだろうか。
一伽は、女の子との経験はすごく多いけれど、『ちゃんと恋人としてお付き合いをした』ことは、実は少ないから、その辺のところが、ちょっとピンと来ない。
(そういえば、ユキちゃんがcafe OKAERIで働き出してから、行っていない…)
いつか冷やかしに行ってやろうと思っていたのに。
避けていたわけではないが、あれ以来、何となくcafe OKAERIには足を運んでいなかった。
(てか、侑仁に一緒に行こうとか言ったんだっけ)
引きこもっていた雪乃が立ち直り、cafe OKAERIで働き始めたことを侑仁に報告したときに、今度一緒に行こうという話をした。あれって今も有効なんだろうか。
…いや、有効も何も、友だちなんだから、一緒にご飯くらい別にいいのか。
でも、侑仁と一緒に行くなんて、何だかちょっと恥ずかしい。光宏や雪乃に……光宏は侑仁の存在を知らないからいいけれど、雪乃に何て思われるか…。
(いやいやいや、それは自意識過剰でしょ)
普通に、友だち同士でランチに来ているとしか思われないに決まっている。
でも、男同士でランチとか! あんなおしゃれカフェに男2人で行くて……まぁ絶対ないとは言わないけど、あんまり見掛けない光景かも…。それが恥ずかしい。
うん、恥ずかしいのは、それだ。
相手が侑仁で、雪乃たちにどう思われるかが恥ずかしいんじゃなくて、男2人でカフェ、というシチュエーションが恥ずかしいのだ。別に俺は自意識過剰じゃない。
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生意気ー、とか言いながら、一伽はシャワーを浴びに向かった。
気ままな一伽は、帰りが遅くなることも、そのままお泊りしちゃって、一晩帰って来ないこともしょっちゅうあるが、雪乃が外泊なんて、もしかしたら初めてかもしれない。
「ユキちゃんも大人になったということか」
…その相手が光宏というのが、何となくムカつくが。
カラスの行水を終えた一伽は、真っ直ぐ冷蔵庫に向かい、缶ビールに手を伸ばしたが、『たまには飲まない日がないとダメ』と言った雪乃の言葉を思い出し、隣にあった麦茶に変更した。
何素直に言うこと聞いてんだろ…と思いつつ、一伽は、グラスになみなみ注いだ麦茶を一気に飲み干す。
「うー」
流しの中に適当にグラスを置いて、一伽はふとんにダイブした。
まだ髪はビショビショだが、いつもと違い何か言う人もいないので、気にしない。
「んーうーんー」
枕が濡れるのも構わず、一伽は足をパタパタさせながら、ふとんの上を右に左に転がった。
…こんなことしていたら、いつもだったら雪乃が黙ってはいないのに。
もともと一伽のほうが仕事の終わる時間が遅いし、一伽はその後に吸血したり、時にはそのまま遊びに行ったりするから、一伽が帰宅して雪乃がいない、ということがなかった。
なのに今は、一伽1人。
(ユキちゃん、光宏んちにお泊りかぁ…)
当たり前だが2人は恋人同士で、もしかしたらこれからは、こういうことが増えるのかもしれない。
別にいいんだけれど、そう思ったら何となく寂しくなって、一伽は鼻先を枕に擦り付けた。
今ごろ雪乃は、光宏とよろしくやっているんだろうか、なんて下世話なことを思いつつ、一伽は寝返りを打つ。
それにしても2人は日中、cafe OKAERIでずっと一緒にいるのに、仕事が終わった後も一緒とか、何だかすごいと思う。恋人同士というのは、そういうものなのだろうか。
一伽は、女の子との経験はすごく多いけれど、『ちゃんと恋人としてお付き合いをした』ことは、実は少ないから、その辺のところが、ちょっとピンと来ない。
(そういえば、ユキちゃんがcafe OKAERIで働き出してから、行っていない…)
いつか冷やかしに行ってやろうと思っていたのに。
避けていたわけではないが、あれ以来、何となくcafe OKAERIには足を運んでいなかった。
(てか、侑仁に一緒に行こうとか言ったんだっけ)
引きこもっていた雪乃が立ち直り、cafe OKAERIで働き始めたことを侑仁に報告したときに、今度一緒に行こうという話をした。あれって今も有効なんだろうか。
…いや、有効も何も、友だちなんだから、一緒にご飯くらい別にいいのか。
でも、侑仁と一緒に行くなんて、何だかちょっと恥ずかしい。光宏や雪乃に……光宏は侑仁の存在を知らないからいいけれど、雪乃に何て思われるか…。
(いやいやいや、それは自意識過剰でしょ)
普通に、友だち同士でランチに来ているとしか思われないに決まっている。
でも、男同士でランチとか! あんなおしゃれカフェに男2人で行くて……まぁ絶対ないとは言わないけど、あんまり見掛けない光景かも…。それが恥ずかしい。
うん、恥ずかしいのは、それだ。
相手が侑仁で、雪乃たちにどう思われるかが恥ずかしいんじゃなくて、男2人でカフェ、というシチュエーションが恥ずかしいのだ。別に俺は自意識過剰じゃない。
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