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暴君王子のおっしゃることには! (131)
2012.09.09 Sun
「違ぇよ。そんな嫌がらせみたいな真似するか、アホ」
「なら何?」
「そんな深い意味なんかねぇよ。昨日の時点じゃ、お前が侑仁のこと好きなんて知らなかったし。ただ、お前の態度がひどすぎるから、そのうち愛想尽かされんぞ、て思っただけで」
「でも侑仁、そんなの今さらだ、て言った」
「今さらて思われるくらい、侑仁の家に行きまくってんのか、お前は」
一伽の行動なんていちいち把握していないから、一伽がどのくらい侑仁の家に行っているかは知らないけれど、一伽のこの傍若無人ぶりに愛想を尽かすのではなく、そんなことを言い出すのが今さら、というレベルに達しているのなら、相当行っているのだろう。
侑仁は、一伽がしょっちゅう家に来ることを、他の友人たちがよく来るのと同じことのように言っていたが、航平にしたら、それは絶対に違うと思う。
いくら友人たちが自由に寛いだとしても、一伽ほどやりたい放題なことはないはずだ。
「ねぇ航平くん。俺、どうしたらいい?」
「知るか」
「でも航平くんのせいで、わけ分かんなくなっちゃったんだから、どうにかして」
「俺のせい、て何だ!」
航平に自分の気持ちがバレてしまったのなら、と一伽は開き直ったのか、いつもの調子に戻って、そんなことを言い出した。
ちゃんとしないと侑仁に…と言ったのは航平で、一伽はそれを受けて侑仁の前でちゃんとしてみたのだが、侑仁の反応は結局いまいちだったし、誰の前でもちゃんとする、と宣言するはめになったのだ。責任は航平にあると思う。
「俺、関係な…」
「侑仁に、ちゃんとしないと愛想尽かされんぞ、て航平くんに言われた、て言っちゃったんだよね」
「ちょっ、バッ、何言ってんだ!」
「ホントのことじゃん」
形勢逆転。
一伽はニヤリと不敵に笑った。
「お前はぁ…」
「しょうがないじゃん、航平くんが余計なこと言うから」
「余計なことて何だ! 大事なことだろうが! ホント侑仁のヤツ、何でこんなヤツのこと好きなんだよっ」
「えっ!?」
「あっ…」
怒りに任せて航平はついペラッと口を滑らせてしまったが、一伽はもちろん、それを聞き逃していてはくれなかった。
瞬時に聞き返され、航平もすぐさま自分の失言に気が付いたが、時はすでに遅かった。
「航平くん、今何つった!?」
「な…何も言ってな…」
「嘘つけよ、このヤロ~~~」
「おま、店長に向かってっ…」
一伽は両手で航平の胸倉を掴み上げた。
手にしていたモップは当然離れ、床にうるさく転がった。
「ちょお待て! 喋るから、まず放せ! はーなーせー!!」
「航平くん!」
無理やり手を引き剥がされ、一伽は肩で息をしながら航平を睨んだ。
「…別に、侑仁から直接聞いたわけじゃないから」
「じゃあ、」
「見てたら分かる。でも侑仁は認めない」
「……」
一伽は航平の言葉を否定するでも、問い質すでもなく、黙って聞いていた。
同じような話なら、以前に海晴やニナ、エリーともした。みんな、侑仁は一伽のことが好きだって、見てれば分かるって言う。でも、侑仁本人の口からは、聞いたことがない。
「…なら別に、俺のこと好きなわけじゃないんじゃん」
あのときは、侑仁がリコの告白にオッケーしたと思っていたから、一伽のことを好きなわけではないという結論に達したけれど。
侑仁がリコと付き合うのではないと分かった今でも、侑仁がそれを認めていないのなら、結局、侑仁が好きなのは一伽ではないということだ。
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「なら何?」
「そんな深い意味なんかねぇよ。昨日の時点じゃ、お前が侑仁のこと好きなんて知らなかったし。ただ、お前の態度がひどすぎるから、そのうち愛想尽かされんぞ、て思っただけで」
「でも侑仁、そんなの今さらだ、て言った」
「今さらて思われるくらい、侑仁の家に行きまくってんのか、お前は」
一伽の行動なんていちいち把握していないから、一伽がどのくらい侑仁の家に行っているかは知らないけれど、一伽のこの傍若無人ぶりに愛想を尽かすのではなく、そんなことを言い出すのが今さら、というレベルに達しているのなら、相当行っているのだろう。
侑仁は、一伽がしょっちゅう家に来ることを、他の友人たちがよく来るのと同じことのように言っていたが、航平にしたら、それは絶対に違うと思う。
いくら友人たちが自由に寛いだとしても、一伽ほどやりたい放題なことはないはずだ。
「ねぇ航平くん。俺、どうしたらいい?」
「知るか」
「でも航平くんのせいで、わけ分かんなくなっちゃったんだから、どうにかして」
「俺のせい、て何だ!」
航平に自分の気持ちがバレてしまったのなら、と一伽は開き直ったのか、いつもの調子に戻って、そんなことを言い出した。
ちゃんとしないと侑仁に…と言ったのは航平で、一伽はそれを受けて侑仁の前でちゃんとしてみたのだが、侑仁の反応は結局いまいちだったし、誰の前でもちゃんとする、と宣言するはめになったのだ。責任は航平にあると思う。
「俺、関係な…」
「侑仁に、ちゃんとしないと愛想尽かされんぞ、て航平くんに言われた、て言っちゃったんだよね」
「ちょっ、バッ、何言ってんだ!」
「ホントのことじゃん」
形勢逆転。
一伽はニヤリと不敵に笑った。
「お前はぁ…」
「しょうがないじゃん、航平くんが余計なこと言うから」
「余計なことて何だ! 大事なことだろうが! ホント侑仁のヤツ、何でこんなヤツのこと好きなんだよっ」
「えっ!?」
「あっ…」
怒りに任せて航平はついペラッと口を滑らせてしまったが、一伽はもちろん、それを聞き逃していてはくれなかった。
瞬時に聞き返され、航平もすぐさま自分の失言に気が付いたが、時はすでに遅かった。
「航平くん、今何つった!?」
「な…何も言ってな…」
「嘘つけよ、このヤロ~~~」
「おま、店長に向かってっ…」
一伽は両手で航平の胸倉を掴み上げた。
手にしていたモップは当然離れ、床にうるさく転がった。
「ちょお待て! 喋るから、まず放せ! はーなーせー!!」
「航平くん!」
無理やり手を引き剥がされ、一伽は肩で息をしながら航平を睨んだ。
「…別に、侑仁から直接聞いたわけじゃないから」
「じゃあ、」
「見てたら分かる。でも侑仁は認めない」
「……」
一伽は航平の言葉を否定するでも、問い質すでもなく、黙って聞いていた。
同じような話なら、以前に海晴やニナ、エリーともした。みんな、侑仁は一伽のことが好きだって、見てれば分かるって言う。でも、侑仁本人の口からは、聞いたことがない。
「…なら別に、俺のこと好きなわけじゃないんじゃん」
あのときは、侑仁がリコの告白にオッケーしたと思っていたから、一伽のことを好きなわけではないという結論に達したけれど。
侑仁がリコと付き合うのではないと分かった今でも、侑仁がそれを認めていないのなら、結局、侑仁が好きなのは一伽ではないということだ。
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