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暴君王子のおっしゃることには! (129)
2012.09.07 Fri
「じゃ…じゃあ、誰の前でもちゃんとする!」
「だから、それが出来んのかっつの」
顔を上げた一伽は、再び力強く宣言した。
が、問題は、それが出来るかどうかである。いい心掛けではあるけれど、今までの傍若無人ぶりからして、口で言うほど簡単なことではない気がするのだが。
「じゃあ……誰の前でもちゃんと出来るように、侑仁の前で練習する」
「練習……ぶはっ!」
一生懸命な一伽には悪いと思ったが、一伽のその発想に、侑仁は思わず吹き出してしまった。
まぁそうだよね。何事も、練習て大切だよね。でも…。
「何笑ってんだよっ!」
「バカ、蹴んな。ちゃんとしてるヤツは、そんなことくらいで蹴らねぇんだぞ」
「あわわわわ」
笑いを堪え切れなかった侑仁に、さっそく一伽の蹴りが飛んできたが、侑仁が適当にそんなことを言ったら、一伽は本気にしたのか、慌てて足を引っ込めた。
「お前がちゃんと出来るなんて、夢のまた夢だな」
「出来るつってんだろっ! あっ…イデッ、クソッ!」
そう言いながらパンチを繰り出そうとした一伽は、ヤバイ! と、すぐに手を下げようとしたが、その拍子にテーブルに手をぶつけて、1人で勝手に怒っている。
まったく、忙しいヤツだ。
「あーもう疲れた!」
早々に根を上げた一伽は、バタリとソファに倒れ込んだ。
「お前、ちゃんとするとか……相当練習しないとじゃね?」
「う゛ー…」
笑いながらチャーハンを食べ終えた侑仁を、一伽はソファに寝転んだまま、見つめていた。
一伽 と 航平
その日は朝から、すこぶる一伽の機嫌が悪かった。
触らぬ神に…のつもりなのか、志信はずっと存在感を消しているので、当然一伽の怒りは航平が受け止めるはめになったが、それも仕方のないことだった。
何しろ、一伽の怒りの矛先は、最初から航平に向いているのだから。
「じゃ、お先に失礼しまーす…」
小声で言って志信がそそくさ帰っていくと、モップ掛けをしていた一伽が、航平に視線を向けた。
今日の一伽は、キビキビというほどではないが、そこそこ黙々と動いていたので、後片付けももうすぐ終わる。
いつかのキビキビ・シャキシャキとは言わないが、普段からせめてこのくらいでしてくれたらいいのに(…とは、今の不機嫌丸出しの一伽には言えないが)。
(てか、コイツのどこが俺を恐れてんだ! 侑仁のヤツ、何言ってんだ!)
侑仁の話では、一伽はやけに航平のことを恐れているようだったが、やはりどう考えても、そんなことはない。
現に今も、航平のほうが、なぜかハラハラしているし。
「…航平くん」
「あいっ!?」
一通りモップを掛け終えた一伽が、背を向けたまま、航平を呼んだ。
心の中でだが、いろいろと文句を言っていた航平は、焦って声が裏返ってしまった。
「航平くんのバカ! 全然ダメだったじゃん!」
「え? え? 何が!?」
クルッと振り返った一伽が、鋭い睨みを利かせて来たので、航平はさらに慌てる。
一伽の言葉が足りな過ぎて、何のことだかさっぱり分からない。
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「だから、それが出来んのかっつの」
顔を上げた一伽は、再び力強く宣言した。
が、問題は、それが出来るかどうかである。いい心掛けではあるけれど、今までの傍若無人ぶりからして、口で言うほど簡単なことではない気がするのだが。
「じゃあ……誰の前でもちゃんと出来るように、侑仁の前で練習する」
「練習……ぶはっ!」
一生懸命な一伽には悪いと思ったが、一伽のその発想に、侑仁は思わず吹き出してしまった。
まぁそうだよね。何事も、練習て大切だよね。でも…。
「何笑ってんだよっ!」
「バカ、蹴んな。ちゃんとしてるヤツは、そんなことくらいで蹴らねぇんだぞ」
「あわわわわ」
笑いを堪え切れなかった侑仁に、さっそく一伽の蹴りが飛んできたが、侑仁が適当にそんなことを言ったら、一伽は本気にしたのか、慌てて足を引っ込めた。
「お前がちゃんと出来るなんて、夢のまた夢だな」
「出来るつってんだろっ! あっ…イデッ、クソッ!」
そう言いながらパンチを繰り出そうとした一伽は、ヤバイ! と、すぐに手を下げようとしたが、その拍子にテーブルに手をぶつけて、1人で勝手に怒っている。
まったく、忙しいヤツだ。
「あーもう疲れた!」
早々に根を上げた一伽は、バタリとソファに倒れ込んだ。
「お前、ちゃんとするとか……相当練習しないとじゃね?」
「う゛ー…」
笑いながらチャーハンを食べ終えた侑仁を、一伽はソファに寝転んだまま、見つめていた。
一伽 と 航平
その日は朝から、すこぶる一伽の機嫌が悪かった。
触らぬ神に…のつもりなのか、志信はずっと存在感を消しているので、当然一伽の怒りは航平が受け止めるはめになったが、それも仕方のないことだった。
何しろ、一伽の怒りの矛先は、最初から航平に向いているのだから。
「じゃ、お先に失礼しまーす…」
小声で言って志信がそそくさ帰っていくと、モップ掛けをしていた一伽が、航平に視線を向けた。
今日の一伽は、キビキビというほどではないが、そこそこ黙々と動いていたので、後片付けももうすぐ終わる。
いつかのキビキビ・シャキシャキとは言わないが、普段からせめてこのくらいでしてくれたらいいのに(…とは、今の不機嫌丸出しの一伽には言えないが)。
(てか、コイツのどこが俺を恐れてんだ! 侑仁のヤツ、何言ってんだ!)
侑仁の話では、一伽はやけに航平のことを恐れているようだったが、やはりどう考えても、そんなことはない。
現に今も、航平のほうが、なぜかハラハラしているし。
「…航平くん」
「あいっ!?」
一通りモップを掛け終えた一伽が、背を向けたまま、航平を呼んだ。
心の中でだが、いろいろと文句を言っていた航平は、焦って声が裏返ってしまった。
「航平くんのバカ! 全然ダメだったじゃん!」
「え? え? 何が!?」
クルッと振り返った一伽が、鋭い睨みを利かせて来たので、航平はさらに慌てる。
一伽の言葉が足りな過ぎて、何のことだかさっぱり分からない。
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