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暴君王子のおっしゃることには! (127)
2012.09.05 Wed
「侑仁、これからご飯?」
「うん。…ん? お前も食いてぇの?」
「んーん」
いつもだったら、『あぁ~涼しっ!』とか言って、ソファに思いっ切りダイブして、侑仁を待たずにビールを開けているくせに、今日はなぜか侑仁の後に付いて台所のほうに来るから、何か食べたいのかと思ったのに。
「何だよ、どうした?」
「いや…、何か、侑仁がまだ何かやってんのに、勝手に『わぁ~』てやったら悪いかな、と」
「はぁ?」
いやまぁ…、その心掛けはいいことだけれど、未だかつて、一伽の口からそんなセリフ、聞いたことないのですが…。
一伽に限らず、侑仁の家に来る友人たちは、わりかしみんな、自分の家にいるみたいに寛いでいるから、別に今さらそんなに気にしなくてもいいのに。
「何急に」
「別に何でも」
「ふぅん? まぁいいけど、俺ももう向こう行くから、先行ってて」
「…ん」
侑仁が言うと、頷いた一伽は、パタパタとリビングに行った。
いつも思うのだが、一伽の歩き方て、ペンギンみたいだ。それか、何かそういうアニメのキャラ、いたっけかな。
「…何立ってんの?」
一伽はいらないと言ったけれど、侑仁が食べていると、いつも絶対に『俺も食べたい』的な感じになるので、一伽の分も取り分けてリビングに行けば、なぜか一伽はソファに座らず、立ったままそこにいた。
「や、座るけどさ」
侑仁に言われると、一伽はしかしダラ~とソファには転がらず、ちょこんとお行儀よく座った。
「ホラ、お前の分。どうせ食いたくなんだろ?」
「あ…ありがと」
「は?」
一伽の前にチャーハンを置けば、聞き慣れない言葉が耳に入り、侑仁はギョッとして一伽を見た。
今コイツ、『ありがとう』て言った?
いや、言うべきセリフとしては合っているんだけれど、一伽に、こんなに素直に礼を言われたことなんかない…。しかも、言った本人も相当照れ臭かったのか、顔を背けて、侑仁のほうを見ようとしないし。
「お前…、今日どうした?」
「何が? あ、ありがとう」
一伽にグラスを差し出すと、また『ありがとう』と言われた。
礼を言われて疑うのもおかしいが、本当に今までにないこと過ぎて、どうしたものか…。
「おい、何があったんだよ」
「別に何もないってば」
もう1度尋ねてみても、一伽はどうしてもしらばっくれるつもりらしい。
しかも、普段だったら何度も聞き返されると、それだけで『しつけぇんだよっ』とキレるのに、今日はそれすらなくて、かえって不自然。
しかし、これ以上しつこくするのも何だし、何をどう聞いていいかも分からないので、侑仁は溜め息をつくと、プラスティックのレンゲを手に取った。
いつもと同じはずなのに、何だかいつもと違う感じがして、ちょっと嫌だ。
「…ん?」
無言でチャーハンを口に運んでいたら、前方から視線を感じたので、顔を上げてみると、レンゲを銜えた一伽がジッと侑仁のことを見ていた。
「んだよ」
「何か……侑仁、怒ってる?」
「何で? 怒ってないけど」
「だって何か……いつもと感じ違う」
「そりゃおめぇだろ」
いつもと様子が違うのは一伽のほうで、その意味が分からないから、何となく侑仁は楽しい気持ちになれないではいるけれど、別に怒ってはいない。
一伽だって、毎日おもしろいことだらけではなくて、いつもと違って大人しいときだってあろうことは、侑仁にも分かるから(現に友人の雪乃が落ち込んでいるときも、元気がなかったし)。
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「うん。…ん? お前も食いてぇの?」
「んーん」
いつもだったら、『あぁ~涼しっ!』とか言って、ソファに思いっ切りダイブして、侑仁を待たずにビールを開けているくせに、今日はなぜか侑仁の後に付いて台所のほうに来るから、何か食べたいのかと思ったのに。
「何だよ、どうした?」
「いや…、何か、侑仁がまだ何かやってんのに、勝手に『わぁ~』てやったら悪いかな、と」
「はぁ?」
いやまぁ…、その心掛けはいいことだけれど、未だかつて、一伽の口からそんなセリフ、聞いたことないのですが…。
一伽に限らず、侑仁の家に来る友人たちは、わりかしみんな、自分の家にいるみたいに寛いでいるから、別に今さらそんなに気にしなくてもいいのに。
「何急に」
「別に何でも」
「ふぅん? まぁいいけど、俺ももう向こう行くから、先行ってて」
「…ん」
侑仁が言うと、頷いた一伽は、パタパタとリビングに行った。
いつも思うのだが、一伽の歩き方て、ペンギンみたいだ。それか、何かそういうアニメのキャラ、いたっけかな。
「…何立ってんの?」
一伽はいらないと言ったけれど、侑仁が食べていると、いつも絶対に『俺も食べたい』的な感じになるので、一伽の分も取り分けてリビングに行けば、なぜか一伽はソファに座らず、立ったままそこにいた。
「や、座るけどさ」
侑仁に言われると、一伽はしかしダラ~とソファには転がらず、ちょこんとお行儀よく座った。
「ホラ、お前の分。どうせ食いたくなんだろ?」
「あ…ありがと」
「は?」
一伽の前にチャーハンを置けば、聞き慣れない言葉が耳に入り、侑仁はギョッとして一伽を見た。
今コイツ、『ありがとう』て言った?
いや、言うべきセリフとしては合っているんだけれど、一伽に、こんなに素直に礼を言われたことなんかない…。しかも、言った本人も相当照れ臭かったのか、顔を背けて、侑仁のほうを見ようとしないし。
「お前…、今日どうした?」
「何が? あ、ありがとう」
一伽にグラスを差し出すと、また『ありがとう』と言われた。
礼を言われて疑うのもおかしいが、本当に今までにないこと過ぎて、どうしたものか…。
「おい、何があったんだよ」
「別に何もないってば」
もう1度尋ねてみても、一伽はどうしてもしらばっくれるつもりらしい。
しかも、普段だったら何度も聞き返されると、それだけで『しつけぇんだよっ』とキレるのに、今日はそれすらなくて、かえって不自然。
しかし、これ以上しつこくするのも何だし、何をどう聞いていいかも分からないので、侑仁は溜め息をつくと、プラスティックのレンゲを手に取った。
いつもと同じはずなのに、何だかいつもと違う感じがして、ちょっと嫌だ。
「…ん?」
無言でチャーハンを口に運んでいたら、前方から視線を感じたので、顔を上げてみると、レンゲを銜えた一伽がジッと侑仁のことを見ていた。
「んだよ」
「何か……侑仁、怒ってる?」
「何で? 怒ってないけど」
「だって何か……いつもと感じ違う」
「そりゃおめぇだろ」
いつもと様子が違うのは一伽のほうで、その意味が分からないから、何となく侑仁は楽しい気持ちになれないではいるけれど、別に怒ってはいない。
一伽だって、毎日おもしろいことだらけではなくて、いつもと違って大人しいときだってあろうことは、侑仁にも分かるから(現に友人の雪乃が落ち込んでいるときも、元気がなかったし)。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
侑仁の前で 素直に感謝するは、気遣うはと、殊勝な態度を取る いっちゃん
こんな姿を ユキちゃんや航平、志信が見れば すっごく驚くよ!
いや、驚くを通り越して 怖くなるかもーー!
絶対に 何かに憑りつかれているに 違いないと…
あっでも いっちゃんは、憑りつかれているよね~♪
侑仁への 恋心に(*^-')b
だけど 本当に霊が!?
(・-・) ー_ー) ソォーッ...byebye☆
こんな姿を ユキちゃんや航平、志信が見れば すっごく驚くよ!
いや、驚くを通り越して 怖くなるかもーー!
絶対に 何かに憑りつかれているに 違いないと…
あっでも いっちゃんは、憑りつかれているよね~♪
侑仁への 恋心に(*^-')b
だけど 本当に霊が!?
(・-・) ー_ー) ソォーッ...byebye☆
- |2012.09.05
- |Wed
- |08:30
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒ いっちゃん…
侑仁くんへの想いに気付いてから、どう接したらいいか戸惑っちゃうよね。
今まで通りには装えないしおしおいっちゃん。
(>ω<`)ちょびっと切ないねぇ…
侑仁くん、いっちゃんの意外な一面を見て、何を感じるかな?
今まで通りには装えないしおしおいっちゃん。
(>ω<`)ちょびっと切ないねぇ…
侑仁くん、いっちゃんの意外な一面を見て、何を感じるかな?
- |2012.09.05
- |Wed
- |19:20
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
こんないっちゃん、見たことない!!
確かにみんな、相当ビックリしそう…(@o@;)
> あっでも いっちゃんは、憑りつかれているよね~♪
> 侑仁への 恋心に(*^-')b
それは確かに言えてますね!
いえいえ、霊じゃなくて、恋心ですよ!
「(*^-')b 」がすっごいかわいくて、ただいまキュンキュン中です~!
コメントありがとうございました!
確かにみんな、相当ビックリしそう…(@o@;)
> あっでも いっちゃんは、憑りつかれているよね~♪
> 侑仁への 恋心に(*^-')b
それは確かに言えてますね!
いえいえ、霊じゃなくて、恋心ですよ!
「(*^-')b 」がすっごいかわいくて、ただいまキュンキュン中です~!
コメントありがとうございました!
- |2012.09.05
- |Wed
- |20:11
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
さすがの暴君さまも、恋すると、今までのようにはいきません(>_<)
いっちゃん、女の子大好きで、いっぱい遊んでは来たけれど、こんな風に本当に好きになったのは、侑仁さんが初めてなのかもしれません。
恋の力はすごいですね。。。
> 侑仁くん、いっちゃんの意外な一面を見て、何を感じるかな?
何か感じてくれたらいいんですが…(^_^;)
思った以上に、侑仁さん、手強いですから。。。
コメントありがとうございました!
いっちゃん、女の子大好きで、いっぱい遊んでは来たけれど、こんな風に本当に好きになったのは、侑仁さんが初めてなのかもしれません。
恋の力はすごいですね。。。
> 侑仁くん、いっちゃんの意外な一面を見て、何を感じるかな?
何か感じてくれたらいいんですが…(^_^;)
思った以上に、侑仁さん、手強いですから。。。
コメントありがとうございました!
- |2012.09.05
- |Wed
- |20:20
- |URL
- |EDIT|