スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (126)
2012.09.04 Tue
一伽 と 侑仁
一伽が侑仁の家に来るときは、先にメールは来るものの、その内容といったら、『これから行ってもいい?』でなく、『これから侑仁の家に行くから』とかそんな感じの断定系だ。
でも侑仁も、都合が悪いときは普通に断っていたし、そういうときは一伽も素直に応じていたから、特に何も問題はなかった。
それなのに、だ。
「何で今日に限って、こんなメール…?」
帰宅した侑仁が受信したメールは一伽からで、『今日、侑仁の家に行ってもいい? 何か用事とかある? 疲れてるとかだったらやめとくけど』なんて、妙に殊勝な内容だった。
用事があるかどうかを聞くのはともかくとして、問題はその後だ。いや、問題でも何でもないけれど、『疲れてるとかだったらやめとくけど』なんて、今までに1度だって、一伽から言われたことはない。
こんな気の遣える子だっけ?
「何なんだ?」
不審に思いながらも、侑仁は了承の返事をした。
今日は別に何もないから、来たかったら来ればいい。それが侑仁のスタンスだ。航平はあんなふうに言っていたけれど、もし予定が入っていたり、今すでに誰かが来ているなら、侑仁は、それを蹴って一伽を優先しない。
(…一伽のことかぁ)
夕食を作りながら(面倒くさかったので、適当チャーハン)、侑仁は先日の航平とのやり取りを思い出す。
航平は、侑仁が一伽のことを特別な意味で好きだと断言したけれど、果たしてそうなんだろうか。
単に航平が、一伽のことを嫌だ嫌だと言い過ぎているだけで、とりわけ侑仁だけが一伽のことを特別扱いしているとも思えないんだけれど。
(んなこと言ったら、海晴とかどうなんの?)
家に呼んでいないというだけで、海晴だって結構一伽と一緒に飲んでいるようだし。
それを言うなら、ニナやエリーだってそうだ。ましてや2人は、一伽の大好きな『女の子』だし、くっ付く可能性があるとしたら、そっちだと思う。
なのに航平は、侑仁のことだけを言うのだ。
大体、侑仁にしたら、航平のほうこそどうなのだ、と言いたい。
侑仁に対して、一伽のことをあんなにボロクソに言っていたくせに、でも結局は、様子がおかしいとか、ちゃんと心配しているし。
(でも一伽て、仕事のとき、航平の言うこと聞かねぇの?)
先日仕事を休むはめになったとき、クビになったらどうしよう…! とか大げさなことを言って航平のことを怖がっていたくせに、航平に言わせれば、『全然言うことを聞かない』なのだから、何だかおかしい。
そういえば、航平が一伽をcrazeに連れて来て侑仁と再会したとき、一伽は航平に反抗しようとしては、抑え付けられていたっけ。
でもふと思ったけれど、一伽の仕事中の様子て、当たり前だが、全然知らない。
侑仁と一伽は友人同士という関係だが、航平とは仕事の関係なのだから、そりゃ様子も態度も違うだろうけど…。
そんなことを思いながら夕食を作っていたら、玄関のチャイムが鳴った。
時間的に一伽だろう。
早く出ないとうるさいから、侑仁は手を止め、玄関に向かった。
「お邪魔しま~」
「挨拶を略して言うんじゃありません」
「うへ」
やはり来たのは一伽で、びっしょりと掻いた汗を拭っていた。
冗談でだが、侑仁がそう言って注意すると、へらっと笑う。
「今日も暑かった~。いつになったら涼しくなんの? はい、これおみやげ」
一伽はコンビニの袋に入った2本の缶ビールを、侑仁に渡した。
当初は6本パックを持って来ていた一伽だったが、いつも飲み切れずに数本残るから、いつの間にか侑仁の家の冷蔵庫がビールだらけになってしまい、侑仁がストップを掛けたのだ。
一伽としては、それ以外に出来ることがないから続けたかったんだけれど、『手ぶらで来ても、上げるから』と侑仁に言われ、1人1本ずつということで、2本だけ買ってくるようになった。
back next
一伽が侑仁の家に来るときは、先にメールは来るものの、その内容といったら、『これから行ってもいい?』でなく、『これから侑仁の家に行くから』とかそんな感じの断定系だ。
でも侑仁も、都合が悪いときは普通に断っていたし、そういうときは一伽も素直に応じていたから、特に何も問題はなかった。
それなのに、だ。
「何で今日に限って、こんなメール…?」
帰宅した侑仁が受信したメールは一伽からで、『今日、侑仁の家に行ってもいい? 何か用事とかある? 疲れてるとかだったらやめとくけど』なんて、妙に殊勝な内容だった。
用事があるかどうかを聞くのはともかくとして、問題はその後だ。いや、問題でも何でもないけれど、『疲れてるとかだったらやめとくけど』なんて、今までに1度だって、一伽から言われたことはない。
こんな気の遣える子だっけ?
「何なんだ?」
不審に思いながらも、侑仁は了承の返事をした。
今日は別に何もないから、来たかったら来ればいい。それが侑仁のスタンスだ。航平はあんなふうに言っていたけれど、もし予定が入っていたり、今すでに誰かが来ているなら、侑仁は、それを蹴って一伽を優先しない。
(…一伽のことかぁ)
夕食を作りながら(面倒くさかったので、適当チャーハン)、侑仁は先日の航平とのやり取りを思い出す。
航平は、侑仁が一伽のことを特別な意味で好きだと断言したけれど、果たしてそうなんだろうか。
単に航平が、一伽のことを嫌だ嫌だと言い過ぎているだけで、とりわけ侑仁だけが一伽のことを特別扱いしているとも思えないんだけれど。
(んなこと言ったら、海晴とかどうなんの?)
家に呼んでいないというだけで、海晴だって結構一伽と一緒に飲んでいるようだし。
それを言うなら、ニナやエリーだってそうだ。ましてや2人は、一伽の大好きな『女の子』だし、くっ付く可能性があるとしたら、そっちだと思う。
なのに航平は、侑仁のことだけを言うのだ。
大体、侑仁にしたら、航平のほうこそどうなのだ、と言いたい。
侑仁に対して、一伽のことをあんなにボロクソに言っていたくせに、でも結局は、様子がおかしいとか、ちゃんと心配しているし。
(でも一伽て、仕事のとき、航平の言うこと聞かねぇの?)
先日仕事を休むはめになったとき、クビになったらどうしよう…! とか大げさなことを言って航平のことを怖がっていたくせに、航平に言わせれば、『全然言うことを聞かない』なのだから、何だかおかしい。
そういえば、航平が一伽をcrazeに連れて来て侑仁と再会したとき、一伽は航平に反抗しようとしては、抑え付けられていたっけ。
でもふと思ったけれど、一伽の仕事中の様子て、当たり前だが、全然知らない。
侑仁と一伽は友人同士という関係だが、航平とは仕事の関係なのだから、そりゃ様子も態度も違うだろうけど…。
そんなことを思いながら夕食を作っていたら、玄関のチャイムが鳴った。
時間的に一伽だろう。
早く出ないとうるさいから、侑仁は手を止め、玄関に向かった。
「お邪魔しま~」
「挨拶を略して言うんじゃありません」
「うへ」
やはり来たのは一伽で、びっしょりと掻いた汗を拭っていた。
冗談でだが、侑仁がそう言って注意すると、へらっと笑う。
「今日も暑かった~。いつになったら涼しくなんの? はい、これおみやげ」
一伽はコンビニの袋に入った2本の缶ビールを、侑仁に渡した。
当初は6本パックを持って来ていた一伽だったが、いつも飲み切れずに数本残るから、いつの間にか侑仁の家の冷蔵庫がビールだらけになってしまい、侑仁がストップを掛けたのだ。
一伽としては、それ以外に出来ることがないから続けたかったんだけれど、『手ぶらで来ても、上げるから』と侑仁に言われ、1人1本ずつということで、2本だけ買ってくるようになった。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (127) (2012/09/05)
- 暴君王子のおっしゃることには! (126) (2012/09/04)
- 暴君王子のおっしゃることには! (125) (2012/09/03)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ いっちゃん…
お土産ビール付きで侑仁くんち訪問→ビール残る→
→次の訪問もビール持参→更に残る→また訪問→…
繰り返し繰り返しで冷蔵庫いっぱい!って、
そんなに侑仁くんち訪問していたのね。
今回のお宅訪問、どうなるのかな?
侑仁くん、いっちゃんの存在、ホントに周りのみんなと一緒ですか?
違うって事、早く気付いて欲しいな…
→次の訪問もビール持参→更に残る→また訪問→…
繰り返し繰り返しで冷蔵庫いっぱい!って、
そんなに侑仁くんち訪問していたのね。
今回のお宅訪問、どうなるのかな?
侑仁くん、いっちゃんの存在、ホントに周りのみんなと一緒ですか?
違うって事、早く気付いて欲しいな…
- |2012.09.04
- |Tue
- |20:36
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
お土産ビールの残りで、冷蔵庫の中をいっぱいにしてしまうくらいに、侑仁さんちに通い詰めていたいっちゃん…(笑)
侑仁さんも、それを平気で受け入れてたわけですから、ある意味、罪な男かと…(^_^;)
でもいっちゃん、素直に言うこと聞いて、本数を減らしての訪問です。
こんなに素直に言うこと聞く相手、侑仁さんくらいなんじゃないでしょうか。
なかなかの焦らしプレイで、侑仁さんをますます鈍感な男にしていってしまっている私ですが、どうか見捨てずにお付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!
侑仁さんも、それを平気で受け入れてたわけですから、ある意味、罪な男かと…(^_^;)
でもいっちゃん、素直に言うこと聞いて、本数を減らしての訪問です。
こんなに素直に言うこと聞く相手、侑仁さんくらいなんじゃないでしょうか。
なかなかの焦らしプレイで、侑仁さんをますます鈍感な男にしていってしまっている私ですが、どうか見捨てずにお付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!
- |2012.09.04
- |Tue
- |22:14
- |URL
- |EDIT|