恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

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暴君王子のおっしゃることには! (117)


一伽 と 侑仁

 確かに一伽は、海晴と、ニナとエリーと飲んでいたのだ。海晴の隣の席で、椅子の肘掛けのところに凭れて目を閉じながら、3人が話すのを聞いていた。
 いくら一伽がたくさん飲んだのだとしても、それは間違いない。

(なのにどうして…)

 どうして一伽は今、そのダイニングバーでなく、ベッドの中で目を覚ましたのだ。
 しかも、自分の家ではない。

「や…ヤバ…」

 このところ、外で飲むと必ず潰れちゃう。記憶の限りでは、強い酒だったかもしれないが、昨日は3杯しか飲んでなくて、今までならそのくらい、どうってことなかったのに。

 ていうか、ここはどこだ?
 昨日一緒だった3人のうちの誰かの家だとして、でも女の子の部屋ぽくないから、海晴の家だろうか。でも、何となく前にも来たような気がするから、やっぱり別の誰か?

 とりあえず、同じベッドでは誰も寝ていないことに、ちょっとだけホッとしつつ、一伽はベッドを降りる。
 自分以外のいない寝室のドアをそっと開ければ、そこは、見覚えのあり過ぎるリビングだった。

「えっ何で!」

 せっかく今まで静かに行動していたのが全部無駄になるような大きな声を上げて、一伽はドアをガバッと開けた。
 だってここ、侑仁の家だ。
 しかも、侑仁もいる。

「え、何で…?」

 本気で意味が分からなくて、一伽がもう1度口走ったら、ソファに座ってPCを広げていた侑仁が、呆れたように一伽のほうを見た。

「何でじゃねぇよ。つか、何ではこっちのセリフだよ。飲み過ぎんな、つってんのに、何で言うこと聞かねぇんだ、いっつも」
「だって…」

 怒ったような口調の侑仁に、一伽は何も言い返せなくなってしまう。
 確かに、いつもそうだ。
 いつも一伽は、侑仁にあんまり飲み過ぎるなと言われるのに、結局酔い潰れるほど飲んでしまう。侑仁が怒るのも、無理はない。

 しかも、侑仁はいつも口ではそんなこと言っていても、ここまで怒った雰囲気ではなかったから、そんな侑仁を見るのは初めてで、一伽はすごく気まずくて、下を向いた。
 リコと付き合うことになったのに、一伽がまた侑仁の家に来てしまったから、怒っているに違いない。

 別に一伽だって、来たくて来たわけじゃないのに。
 一伽は、侑仁の家にはもう来ないにしようと思っていたのに、気が付いたら侑仁の家にいたのだ。酔い潰れたのは一伽が悪いけれど、ここに来たのは一伽のせいではないと思う。

「あの…、その、何で俺、ここに…?」

 侑仁と喋るのは気まずかったけれど、これは聞いておかないと…と思って一伽が何とか顔を上げれば、侑仁は大きく溜め息をついた。
 相変わらず覚えてなくて、悪かったってば!

「海晴だよ、海晴が連れて来てくれたの。ちゃんと礼言っとけよ?」
「え、海晴…? 何で海晴が?」
「何で、て……お前、昨日、海晴たちと飲んでたんだろ? それも覚えてねぇのかよ?」
「それは覚えてる、けど…」

 というか、それしか覚えていないんだけれど。
 海晴と、ニナとエリーと飲んでいて、気が付いたら侑仁の家のベッドで寝ていたのだ。
 何でそこで一伽が酔い潰れると、侑仁の家に連れてこられるわけ? だって海晴、侑仁がリコと付き合うことになったの、知っているのに、どうしてそんなこと。
 そんなに一伽のこと、自分の家に連れて帰るの嫌だったの? 一伽て、そんなに迷惑な子なの?



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ちよ ⇒ いっちゃんは…

友達以上に好きになってしまった侑仁くんへの想いに気付いたけど、
自分の中で封印しようとして、諦めちゃっているね。
侑仁くんの気持ち…、どうなんだろう。

  • |2012.08.26
  • |Sun
  • |11:58
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如月久美子 ⇒ >ちよさん

 どちらが先に、自分の気持ちに気付くか!? 勝負はいっちゃんの勝ちでした。
 でも、気付いたけれど、その想いを封印しようとしているのだから、まだ引き分け状態でしょうか。
 ここはちゃんと侑仁さんに男になってもらいたいものですがねぇ…。
 伝えないまま、1つの恋が終わってしまうというのは、悲しいことですからね。

 コメントありがとうございました!

  • |2012.08.26
  • |Sun
  • |22:24
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