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暴君王子のおっしゃることには! (104)
2012.08.13 Mon
一伽
まったく、最悪だ。
初めて行った志信の家は、広くて涼しくて快適だったけれど、志信はバカなことばっかり言うし、話は噛み合わないし、すっごくイライラして、全然寛げなかった。
侑仁の家だったら、こんなことないのに。
「バカ志信! も~~~~~ホンット、バカバカバカバカバカ!」
志信の家を出た後、コウモリ姿に変身して家路を急ぐ一伽は、空を飛びながら、器用にジタバタと暴れた。むしゃくしゃして、ジッとしていられないのだ。
「バカ! 死ね! うわ危ねっ!」
一伽はコウモリ姿のまま、誰もいない前に志信がいると想像してパンチを繰り出したが、コウモリは羽と手が一緒だから、バランスを崩して、地面に落ちそうになる。
それはまったく自分のせいなのだが、坊主憎けりゃの世界で、それすらも志信が悪い気になってくるから不思議だ。
「あーもうムカつく!」
何であんなヤツのために、ビール買ってったんだろう。すごい損した気分。
やっぱり男の家になんか行くもんじゃない。侑仁の家が快適だったから、ちょっと勘違いしていた。これからは、暑くたってまっすぐ帰ろう(もしくは女の子のところ)。
だって一伽は、もう侑仁の家に行かないことにしたから、他に行くところがないのだ。
ちなみに、志信はバカだから分かっていなかったけれど、一伽が侑仁の家に行かないことにしたのは、もちろん侑仁との間に何かがあったからではない。
ニナが言うところの『侑仁の彼女になりたがっている1号』であるリコに、もう侑仁に近付かないで! と言われたから、やっぱ行かないほうがいいかなぁ…と思ったのだ。
一伽は別に、リコの恋路の邪魔をしたくて侑仁の家に行っていたわけではないけれど、そういうことなら、もう行かないことにする。
リコは全然一伽の好みのタイプではないけれど、やっぱり女の子は女の子だから、一伽はちゃんと、リコのことを優先してあげるのだ。
「なのに、志信のヤツってば!」
侑仁の家に行けないなら、代わりとなる誰かがいるかな、と思って、志信の家に行ってみたけれど、結局このザマだ。
あー本当にムカつく!
こうなったら、航平の家にでも行ってみようか。
給料上げるか、家に上げるか、どっちがいいか、て。
……………………。
(…いや。いやいやいやいや、航平くんちはないな)
前に1度、航平の家に行かせてくれと言ったことはあるが、よくよく考えたら、やっぱり航平の家はない。
志信なんて何か簡単に言うこと聞きそうだし、どうとでもなりそうだけれど、航平相手では絶対に自分の思うようにならないし、寛げる気もさっぱりしない。
(やっぱり自分ちか…)
今さら女の子に連絡するのも、ナンパするのも面倒くさいから、今日のところはもう帰ろう。
そして、雪乃をおちょくって気を晴らそう。
「…ぅ?」
雪乃にしたら迷惑でしかないことを思いながら、一伽がのん気に羽ばたいていたら、ポツン…と頬に雨粒が当たった。今日も1日よく晴れて暑かったけれど、いつの間にか雲が広がっていたらしい。
しかし、雨が降って涼しくなるのはいいけれど、濡れるのはイヤ…と、一伽が家路を急ごうと思ったのも束の間、雨足が強まってきて焦る。
「ひぅ…」
ポツポツだった雨がバシャバシャに変わり、その雨の勢いに押され、一伽の小さな体は、ガクッと高度を下げた。
羽を動かすのが重たい。
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まったく、最悪だ。
初めて行った志信の家は、広くて涼しくて快適だったけれど、志信はバカなことばっかり言うし、話は噛み合わないし、すっごくイライラして、全然寛げなかった。
侑仁の家だったら、こんなことないのに。
「バカ志信! も~~~~~ホンット、バカバカバカバカバカ!」
志信の家を出た後、コウモリ姿に変身して家路を急ぐ一伽は、空を飛びながら、器用にジタバタと暴れた。むしゃくしゃして、ジッとしていられないのだ。
「バカ! 死ね! うわ危ねっ!」
一伽はコウモリ姿のまま、誰もいない前に志信がいると想像してパンチを繰り出したが、コウモリは羽と手が一緒だから、バランスを崩して、地面に落ちそうになる。
それはまったく自分のせいなのだが、坊主憎けりゃの世界で、それすらも志信が悪い気になってくるから不思議だ。
「あーもうムカつく!」
何であんなヤツのために、ビール買ってったんだろう。すごい損した気分。
やっぱり男の家になんか行くもんじゃない。侑仁の家が快適だったから、ちょっと勘違いしていた。これからは、暑くたってまっすぐ帰ろう(もしくは女の子のところ)。
だって一伽は、もう侑仁の家に行かないことにしたから、他に行くところがないのだ。
ちなみに、志信はバカだから分かっていなかったけれど、一伽が侑仁の家に行かないことにしたのは、もちろん侑仁との間に何かがあったからではない。
ニナが言うところの『侑仁の彼女になりたがっている1号』であるリコに、もう侑仁に近付かないで! と言われたから、やっぱ行かないほうがいいかなぁ…と思ったのだ。
一伽は別に、リコの恋路の邪魔をしたくて侑仁の家に行っていたわけではないけれど、そういうことなら、もう行かないことにする。
リコは全然一伽の好みのタイプではないけれど、やっぱり女の子は女の子だから、一伽はちゃんと、リコのことを優先してあげるのだ。
「なのに、志信のヤツってば!」
侑仁の家に行けないなら、代わりとなる誰かがいるかな、と思って、志信の家に行ってみたけれど、結局このザマだ。
あー本当にムカつく!
こうなったら、航平の家にでも行ってみようか。
給料上げるか、家に上げるか、どっちがいいか、て。
……………………。
(…いや。いやいやいやいや、航平くんちはないな)
前に1度、航平の家に行かせてくれと言ったことはあるが、よくよく考えたら、やっぱり航平の家はない。
志信なんて何か簡単に言うこと聞きそうだし、どうとでもなりそうだけれど、航平相手では絶対に自分の思うようにならないし、寛げる気もさっぱりしない。
(やっぱり自分ちか…)
今さら女の子に連絡するのも、ナンパするのも面倒くさいから、今日のところはもう帰ろう。
そして、雪乃をおちょくって気を晴らそう。
「…ぅ?」
雪乃にしたら迷惑でしかないことを思いながら、一伽がのん気に羽ばたいていたら、ポツン…と頬に雨粒が当たった。今日も1日よく晴れて暑かったけれど、いつの間にか雲が広がっていたらしい。
しかし、雨が降って涼しくなるのはいいけれど、濡れるのはイヤ…と、一伽が家路を急ごうと思ったのも束の間、雨足が強まってきて焦る。
「ひぅ…」
ポツポツだった雨がバシャバシャに変わり、その雨の勢いに押され、一伽の小さな体は、ガクッと高度を下げた。
羽を動かすのが重たい。
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