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暴君王子のおっしゃることには! (102)
2012.08.11 Sat
しかし、それにしても一伽のこの無自覚は…。
本気で自分は、侑仁に何の迷惑も掛けていないと思っているのだろうか。
そんな一伽を普通に受け入れている侑仁て……これで一伽だけが特別じゃないなんて、もしかして侑仁の友人はみんな、一伽のような性格をしているのだろうか。だから、こんな一伽でも全然気にならないとか?
(いやいやいやいや、それはない、それはない。こんな特殊な性格、そういないってば)
志信は何とか自分を納得させようと、尤もらしい想像をしてみたが、やはりどうしても無理があった。
こんな性格の持ち主、世界中探したって、そうそう見つけ出せない。
いや、志信だって、まぁ時々イラッと来ることはあっても、基本的に一伽のことは嫌いではない。
だがそれは、仕事場で会うのと、たまに食事に行ったりするくらいの付き合いだからで、侑仁が受けたのと同じ目に遭わされていたら、絶対に家に上げはしない。
「ったく、ホントにバカなんだから。かわいそうだから、殴るのは勘弁してやるよ」
一伽はお得意の上から目線でそう言って、よじよじとソファに上ると、寝そべってビールを煽りつつ、お菓子を食べ始めた。
(…俺だったら、この時点で次はないけど)
いくら同じ職場で働く同僚とはいえ、今日初めてやって来た家で、よくもまぁここまで寛げたものだと、志信は思う。だらしないし、お菓子のクズは零れているし、最悪。
もう絶対、家になんか上げない。
なのに侑仁は、拒むことなく一伽を家に上げているなんて、心が広いにしたって広すぎる…と、志信は、まだ会ったこともない侑仁のことを、会ったことがないまま、尊敬してしまいそうになる。
(てか、一伽くんだって、侑仁さんちのほうが居心地いいみたいだし、わざわざ俺んち来なくても…)
先ほどの一伽の話では、侑仁の家に行けないことはしばしばあるようだったが、今までそういうとき、1度だって志信の家に来たことなんかないのに、今日に限ってどうして。
だって一伽は、志信の家なんか絶対にイヤだとか言っていた人だ。
「ねぇねぇ一伽くん、何で今日、俺んち来たの?」
気になったら、たとえ相手が一伽でも、遠慮することなく尋ねるのが、良くも悪くも志信だ。先ほどあれだけ一伽の機嫌を損ねたにも関わらず、平気な顔して口を開いた。
もちろん一伽は、『は?』という顔で、志信を見遣る。
「…来たら悪ぃのかよ」
「いいとか悪いとかじゃなくて。何でかな、て思って」
一伽に家に押し掛けられたらこんなになるんだ、て知ってたら、もちろん『来たらダメ』と言っただろうけど、今日のところは今さらなので、もう言わない。
それよりも、どうしてなのかが知りたかった。
「別にいいじゃん。そういう気分だったんだよ」
「だって前、俺んちなんか絶対ヤダ、て言ってなかった?」
「ッ、前は前だろ! 何だよ、もうっ!」
一伽は癇癪を起こしたように声を大きくして、ソファから起き上がった。
単に今日、侑仁の都合が悪くて、他の誰か、一伽を家に上げてくれる人も見つからなかったというなら、そんなに怒らなくたって、そう言えばいいだけなのに、こんな反応するなんて。
「侑仁さんと何かあったの?」
「はぁっ? 何で侑仁と何かあったら、お前んち来なきゃなんねぇんだよっ!」
相変わらず余計なことを付け加えては、一伽を苛立たせてしまう志信は、今日何度目になるか、再び一伽に怒鳴られてしまった。
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本気で自分は、侑仁に何の迷惑も掛けていないと思っているのだろうか。
そんな一伽を普通に受け入れている侑仁て……これで一伽だけが特別じゃないなんて、もしかして侑仁の友人はみんな、一伽のような性格をしているのだろうか。だから、こんな一伽でも全然気にならないとか?
(いやいやいやいや、それはない、それはない。こんな特殊な性格、そういないってば)
志信は何とか自分を納得させようと、尤もらしい想像をしてみたが、やはりどうしても無理があった。
こんな性格の持ち主、世界中探したって、そうそう見つけ出せない。
いや、志信だって、まぁ時々イラッと来ることはあっても、基本的に一伽のことは嫌いではない。
だがそれは、仕事場で会うのと、たまに食事に行ったりするくらいの付き合いだからで、侑仁が受けたのと同じ目に遭わされていたら、絶対に家に上げはしない。
「ったく、ホントにバカなんだから。かわいそうだから、殴るのは勘弁してやるよ」
一伽はお得意の上から目線でそう言って、よじよじとソファに上ると、寝そべってビールを煽りつつ、お菓子を食べ始めた。
(…俺だったら、この時点で次はないけど)
いくら同じ職場で働く同僚とはいえ、今日初めてやって来た家で、よくもまぁここまで寛げたものだと、志信は思う。だらしないし、お菓子のクズは零れているし、最悪。
もう絶対、家になんか上げない。
なのに侑仁は、拒むことなく一伽を家に上げているなんて、心が広いにしたって広すぎる…と、志信は、まだ会ったこともない侑仁のことを、会ったことがないまま、尊敬してしまいそうになる。
(てか、一伽くんだって、侑仁さんちのほうが居心地いいみたいだし、わざわざ俺んち来なくても…)
先ほどの一伽の話では、侑仁の家に行けないことはしばしばあるようだったが、今までそういうとき、1度だって志信の家に来たことなんかないのに、今日に限ってどうして。
だって一伽は、志信の家なんか絶対にイヤだとか言っていた人だ。
「ねぇねぇ一伽くん、何で今日、俺んち来たの?」
気になったら、たとえ相手が一伽でも、遠慮することなく尋ねるのが、良くも悪くも志信だ。先ほどあれだけ一伽の機嫌を損ねたにも関わらず、平気な顔して口を開いた。
もちろん一伽は、『は?』という顔で、志信を見遣る。
「…来たら悪ぃのかよ」
「いいとか悪いとかじゃなくて。何でかな、て思って」
一伽に家に押し掛けられたらこんなになるんだ、て知ってたら、もちろん『来たらダメ』と言っただろうけど、今日のところは今さらなので、もう言わない。
それよりも、どうしてなのかが知りたかった。
「別にいいじゃん。そういう気分だったんだよ」
「だって前、俺んちなんか絶対ヤダ、て言ってなかった?」
「ッ、前は前だろ! 何だよ、もうっ!」
一伽は癇癪を起こしたように声を大きくして、ソファから起き上がった。
単に今日、侑仁の都合が悪くて、他の誰か、一伽を家に上げてくれる人も見つからなかったというなら、そんなに怒らなくたって、そう言えばいいだけなのに、こんな反応するなんて。
「侑仁さんと何かあったの?」
「はぁっ? 何で侑仁と何かあったら、お前んち来なきゃなんねぇんだよっ!」
相変わらず余計なことを付け加えては、一伽を苛立たせてしまう志信は、今日何度目になるか、再び一伽に怒鳴られてしまった。
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