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暴君王子のおっしゃることには! (101)
2012.08.10 Fri
「ん? 侑仁さんて、一伽くんのこと大好きだよね。2人、相思相愛だね」
志信は臆することなく、同じことを繰り返した。
いや、同じことというか、『好きだよね』が『大好きだよね』にグレードアップした。しかも後半、アホなことを付け加えた。
「………………。えっと…。志信、とりあえず2発殴っていい?」
「え、何で2発!?」
もちろん1発だって殴られたくはないけれど、どうしていきなり2発!?
こういうのって普通、『1発殴らせろ!』とかでしょ、マンガのセリフでも!
「じゃあ1発殴らせて? もう1発は蹴りにするから」
「どうしても2発がいいんだね、一伽くん…」
飽くまでも1発では足りないらしい一伽は、缶をテーブルに置いて、ソファから立ち上がった。
あ、本気だ。
「とりあえず10秒待ってやっから、言い訳してみ?」
「内容次第では、1発に減らしてくれる?」
「あと5秒」
志信にパンチを繰り出すべく、脇を締めてファイティングポーズを決める一伽は、志信の言い訳を聞いたところで、その鉄拳制裁を取り止めてくれるとは、とても思えない。
しかし、言わなくても殴られるのなら、とりあえず思ったことを言っておこうか。時間がない。
「だって普通、初対面で襲い掛かってきた相手、いくら航平くんの友だちだからって、次会ったとき、酔い潰れたの泊めてくれなくない? 俺だったら、介抱すんのもヤダけど」
「……」
「まぁ100歩譲って、侑仁さんが、お店に迷惑掛けるの悪いとか思ってそうしたんだとして、でもその後、家に来たいて言われても、普通、断固拒否だと思うんだけど」
だって、一伽のこの性格だ。
最初の襲撃だって、絶対に悪いとは思っていないだろうし、その後、酔い潰れたのを家に泊めてもらい、翌朝、風呂とご飯と洋服の世話までしてもらったのも、特に感謝するでもなく、簡単にサラッと流しているに違いない。
初対面でいきなり襲ってきたのを、本当にやむなくだったのだと侑仁が納得し、一伽のことを許したのだとしても、2度目の出会いであんな仕打ちを受けたら、それから先、そうそう一伽のことを受け入れる気にはならないと思う。
まぁ少なくとも、進んで家に招き入れたくはない。
なのに侑仁は、一伽の言っていた『尽くす』が、結局ビールとかの手土産を持ってくるくらいで、他に何もしていないにもかかわらず、気軽に一伽を家に呼んでいるのだ。
これはもう、『好きだから』としか考えられない。
「違ぇよ、侑仁は別に俺のことだけが好きなわけじゃないもん」
そりゃ一伽だって、人に嫌われるよりは好かれているほうがいいから、侑仁が一伽のこと好きなの、別に嫌ではないけれど、志信の言い方じゃ、『一伽のことだけが特別』みたいな感じがする。別にそんなんじゃないのに。
とりあえず志信を殴るのは後回しにして、そこのところはちゃんと説明しておこう。
「侑仁はね、1人でいんのが嫌いなの。寂しいんだって。だから別に、俺じゃなくたっていいんだよ。だって侑仁、夜、結構しょっちゅう遊びに行ってるし」
最初のこととか、酔っ払って迷惑掛けちゃったこととか、嫌われても不思議はないけれど、幸いにもそうはならず、侑仁は一伽のことを受け入れてくれる。
だからって別に、一伽のことだけが特別なわけじゃない。だって、一伽が侑仁の家に行こうとした日に、友だちとメシ食ってて帰ってないとか、そんなことだっていっぱいあったし。
一伽は、侑仁の友だちの1人に過ぎないのだ。
「いや、一伽くんにそんだけひどい目に遭わされてんのに、嫌いになってない時点で、一伽くんのことが特別だよ」
「ひどい目て何だよ! 俺が何したってんだよ!」
「え…、…………」
志信は先ほどのように、思わず『自覚ないの?』と言いそうになったが、言ったら確実に殴られるのが分かったので、そこは空気を読んで、何とか押し黙った。
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志信は臆することなく、同じことを繰り返した。
いや、同じことというか、『好きだよね』が『大好きだよね』にグレードアップした。しかも後半、アホなことを付け加えた。
「………………。えっと…。志信、とりあえず2発殴っていい?」
「え、何で2発!?」
もちろん1発だって殴られたくはないけれど、どうしていきなり2発!?
こういうのって普通、『1発殴らせろ!』とかでしょ、マンガのセリフでも!
「じゃあ1発殴らせて? もう1発は蹴りにするから」
「どうしても2発がいいんだね、一伽くん…」
飽くまでも1発では足りないらしい一伽は、缶をテーブルに置いて、ソファから立ち上がった。
あ、本気だ。
「とりあえず10秒待ってやっから、言い訳してみ?」
「内容次第では、1発に減らしてくれる?」
「あと5秒」
志信にパンチを繰り出すべく、脇を締めてファイティングポーズを決める一伽は、志信の言い訳を聞いたところで、その鉄拳制裁を取り止めてくれるとは、とても思えない。
しかし、言わなくても殴られるのなら、とりあえず思ったことを言っておこうか。時間がない。
「だって普通、初対面で襲い掛かってきた相手、いくら航平くんの友だちだからって、次会ったとき、酔い潰れたの泊めてくれなくない? 俺だったら、介抱すんのもヤダけど」
「……」
「まぁ100歩譲って、侑仁さんが、お店に迷惑掛けるの悪いとか思ってそうしたんだとして、でもその後、家に来たいて言われても、普通、断固拒否だと思うんだけど」
だって、一伽のこの性格だ。
最初の襲撃だって、絶対に悪いとは思っていないだろうし、その後、酔い潰れたのを家に泊めてもらい、翌朝、風呂とご飯と洋服の世話までしてもらったのも、特に感謝するでもなく、簡単にサラッと流しているに違いない。
初対面でいきなり襲ってきたのを、本当にやむなくだったのだと侑仁が納得し、一伽のことを許したのだとしても、2度目の出会いであんな仕打ちを受けたら、それから先、そうそう一伽のことを受け入れる気にはならないと思う。
まぁ少なくとも、進んで家に招き入れたくはない。
なのに侑仁は、一伽の言っていた『尽くす』が、結局ビールとかの手土産を持ってくるくらいで、他に何もしていないにもかかわらず、気軽に一伽を家に呼んでいるのだ。
これはもう、『好きだから』としか考えられない。
「違ぇよ、侑仁は別に俺のことだけが好きなわけじゃないもん」
そりゃ一伽だって、人に嫌われるよりは好かれているほうがいいから、侑仁が一伽のこと好きなの、別に嫌ではないけれど、志信の言い方じゃ、『一伽のことだけが特別』みたいな感じがする。別にそんなんじゃないのに。
とりあえず志信を殴るのは後回しにして、そこのところはちゃんと説明しておこう。
「侑仁はね、1人でいんのが嫌いなの。寂しいんだって。だから別に、俺じゃなくたっていいんだよ。だって侑仁、夜、結構しょっちゅう遊びに行ってるし」
最初のこととか、酔っ払って迷惑掛けちゃったこととか、嫌われても不思議はないけれど、幸いにもそうはならず、侑仁は一伽のことを受け入れてくれる。
だからって別に、一伽のことだけが特別なわけじゃない。だって、一伽が侑仁の家に行こうとした日に、友だちとメシ食ってて帰ってないとか、そんなことだっていっぱいあったし。
一伽は、侑仁の友だちの1人に過ぎないのだ。
「いや、一伽くんにそんだけひどい目に遭わされてんのに、嫌いになってない時点で、一伽くんのことが特別だよ」
「ひどい目て何だよ! 俺が何したってんだよ!」
「え…、…………」
志信は先ほどのように、思わず『自覚ないの?』と言いそうになったが、言ったら確実に殴られるのが分かったので、そこは空気を読んで、何とか押し黙った。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
志信の爆弾を まともには喰らっては無いけど 掠ってますね~(笑)
ホラホラ、今度も! あっまた今度も!!
「相思相愛」って♪
Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ、とうとう バズーカまで!
これだけ言われても 自分の気持ちが分からないなんて
いっちゃん、君って 本当に…
バズーカ砲発射 ⊂(;^^)コ ~~~ю*(/>.<)/ ドッカーン!...byebye☆
ホラホラ、今度も! あっまた今度も!!
「相思相愛」って♪
Σ(゚Д゚ノ)ノオオォッ、とうとう バズーカまで!
これだけ言われても 自分の気持ちが分からないなんて
いっちゃん、君って 本当に…
バズーカ砲発射 ⊂(;^^)コ ~~~ю*(/>.<)/ ドッカーン!...byebye☆
- |2012.08.10
- |Fri
- |09:49
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
志信爆弾、いっちゃんがどんなにかわそうと、次から次に投下されます(爆)
そして最終兵器、「相思相愛」です!!
周りから見たら、そうなんですけどねー。
いっちゃん、ずっとユキちゃんのこと鈍感と言っていたわけですが、この人も自分のこととなると…(^_^;)
はてさていっちゃん、どこまで持ちこたえられますでしょうか!?
コメントありがとうございました!
そして最終兵器、「相思相愛」です!!
周りから見たら、そうなんですけどねー。
いっちゃん、ずっとユキちゃんのこと鈍感と言っていたわけですが、この人も自分のこととなると…(^_^;)
はてさていっちゃん、どこまで持ちこたえられますでしょうか!?
コメントありがとうございました!
- |2012.08.10
- |Fri
- |22:52
- |URL
- |EDIT|