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暴君王子のおっしゃることには! (96)
2012.08.05 Sun
リコは、侑仁と一緒なのでは? と思ったが、そばに侑仁の姿はない。トイレに行っているのを待っているのだろうか。
しかしそうだとしても、彼女が一伽に声を掛ける理由がよく分からない。
「え…何?」
リコの表情が、苛立ちを隠していない雰囲気だったので、一伽は少し警戒しつつ、尋ね直す。先ほど海晴と、女の子は怖いね、という話をしたばかりなので。
「アンタ、ホント何なの?」
「は?」
えーっと…。
何だろう。よく分からないけれど、何か恨まれてる系?
一伽は男の顔を覚えないことにかけては天下一品なので、前に会っても忘れていることは多々あるが、女の子に関しては、そういうことはほぼない。
リコと会ったのは、正真正銘、今日が初めてだ。
なのに、どうして一伽は今、リコに絡まれているんだろう。
「アンタ、侑仁の何なの?」
「え、侑仁の? 何が?」
何でいきなり侑仁の名前が? と一伽は本気で分からなくて不思議がっているのに、その様子がリコには、一伽が惚けているように映ったらしく、さらに表情を険しくする。
一伽は、女の子相手の経験値は結構高いから、女の子の扱いは苦手ではないけれど、さすがに、会ったときにすでに理由不明で怒っている女の子は、どう対処したらいいか分からない。
「えと…ゴメン、何?」
「何じゃないわよ!」
「え、」
いつもだったら、こんなふうにいきなり突っ掛られたらキレているところだけれど、今は下手に逆らわないほうがよさそうな雰囲気なので、とりあえず大人しくしている。
というか、先ほど侑仁と一緒にいるところを見たときは、結構かわい子ぶっていたけれど、わりとキツイ性格なんですね。
「ねぇ、どういうつもりなの? 何で侑仁と一緒に来るのよ。アンタが侑仁と一緒にいたんでしょ? 何なの? アンタのせいで、最近全然侑仁に会えないんだけど! しかもせっかく会えても、今日だって侑仁、アンタのこと気にしてばっかだし!」
「え? え?」
一気に捲し立てられて、口を挟む隙もなかったのだが、言われたことを頭の中で整理してみると、要は、自分が侑仁の彼女になれないのは一伽のせいだ、と言いたいらしい。
しかも、最近侑仁と会えないことすら一伽のせいらしい。
いや…確かに一伽は結構しょっちゅう侑仁の家には行っているけれど、侑仁がリコと会うのをやめさせてまでに会ったことはないし、侑仁が彼女を作るのを妨害したこともない。
リコと今日初めて会った一伽は、リコが侑仁の彼女になりたがっていることだって、今さっき知ったばかりなのに……
(何でこんなに恨まれなきゃなんないの~~~~!!!???)
一伽はあまりにもビックリしすぎて言葉に詰まり、何も言い返せなくなってしまった。
しかしそうしている間にも、リコは思いの丈を一伽にぶちまけてくる。
「え、あの、ちょっ…」
さっきまでは、別に自分が悪くなくてもとりあえず謝っとこう的な気持ちでいた一伽だったが(普段は、自分が悪くたって謝らない子なのに…)、これは謝るにしたって、ちゃんと誤解を解いておかないと…と思うのだが、それにしても、取り付く島がさっぱりない。
「あ、あの、リコちゃ…」
「もう侑仁に近付かないで!」
何とか弁解せねば…と、一伽が口を開いたのと同時、リコがビシッとそう言い捨てて背を向けたので、一伽はもうそれ以上、何か言うことが出来なくなってしまった。
「………………」
一伽は、リコを追い掛けなかった。
呆然と立ち尽くす一伽の横を、トイレから出て来たごつい感じの男が邪魔そうに通り抜けて行く。
「別に…、俺、何もしてないもん」
侑仁の家には確かによく行っているけれど、侑仁が無理ていう日には行かないし、遊びに行くのを邪魔立てしたこともない。
今日だって、侑仁と一緒にこのクラブに来たのは、海晴が一緒に来てもいいと言ってくれたからで、別に侑仁がリコと会うのを邪魔したかったからじゃない。
侑仁が一伽のことを気にしてばっかりだと言われたって、…そんなの知らない。一伽は何もしてない。
「俺…悪くないもん」
楽しかった気持ちが急にシュンと萎んで、一伽はトイレの後、フロアに戻るのはやめて、そのままクラブを後にした。
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しかしそうだとしても、彼女が一伽に声を掛ける理由がよく分からない。
「え…何?」
リコの表情が、苛立ちを隠していない雰囲気だったので、一伽は少し警戒しつつ、尋ね直す。先ほど海晴と、女の子は怖いね、という話をしたばかりなので。
「アンタ、ホント何なの?」
「は?」
えーっと…。
何だろう。よく分からないけれど、何か恨まれてる系?
一伽は男の顔を覚えないことにかけては天下一品なので、前に会っても忘れていることは多々あるが、女の子に関しては、そういうことはほぼない。
リコと会ったのは、正真正銘、今日が初めてだ。
なのに、どうして一伽は今、リコに絡まれているんだろう。
「アンタ、侑仁の何なの?」
「え、侑仁の? 何が?」
何でいきなり侑仁の名前が? と一伽は本気で分からなくて不思議がっているのに、その様子がリコには、一伽が惚けているように映ったらしく、さらに表情を険しくする。
一伽は、女の子相手の経験値は結構高いから、女の子の扱いは苦手ではないけれど、さすがに、会ったときにすでに理由不明で怒っている女の子は、どう対処したらいいか分からない。
「えと…ゴメン、何?」
「何じゃないわよ!」
「え、」
いつもだったら、こんなふうにいきなり突っ掛られたらキレているところだけれど、今は下手に逆らわないほうがよさそうな雰囲気なので、とりあえず大人しくしている。
というか、先ほど侑仁と一緒にいるところを見たときは、結構かわい子ぶっていたけれど、わりとキツイ性格なんですね。
「ねぇ、どういうつもりなの? 何で侑仁と一緒に来るのよ。アンタが侑仁と一緒にいたんでしょ? 何なの? アンタのせいで、最近全然侑仁に会えないんだけど! しかもせっかく会えても、今日だって侑仁、アンタのこと気にしてばっかだし!」
「え? え?」
一気に捲し立てられて、口を挟む隙もなかったのだが、言われたことを頭の中で整理してみると、要は、自分が侑仁の彼女になれないのは一伽のせいだ、と言いたいらしい。
しかも、最近侑仁と会えないことすら一伽のせいらしい。
いや…確かに一伽は結構しょっちゅう侑仁の家には行っているけれど、侑仁がリコと会うのをやめさせてまでに会ったことはないし、侑仁が彼女を作るのを妨害したこともない。
リコと今日初めて会った一伽は、リコが侑仁の彼女になりたがっていることだって、今さっき知ったばかりなのに……
(何でこんなに恨まれなきゃなんないの~~~~!!!???)
一伽はあまりにもビックリしすぎて言葉に詰まり、何も言い返せなくなってしまった。
しかしそうしている間にも、リコは思いの丈を一伽にぶちまけてくる。
「え、あの、ちょっ…」
さっきまでは、別に自分が悪くなくてもとりあえず謝っとこう的な気持ちでいた一伽だったが(普段は、自分が悪くたって謝らない子なのに…)、これは謝るにしたって、ちゃんと誤解を解いておかないと…と思うのだが、それにしても、取り付く島がさっぱりない。
「あ、あの、リコちゃ…」
「もう侑仁に近付かないで!」
何とか弁解せねば…と、一伽が口を開いたのと同時、リコがビシッとそう言い捨てて背を向けたので、一伽はもうそれ以上、何か言うことが出来なくなってしまった。
「………………」
一伽は、リコを追い掛けなかった。
呆然と立ち尽くす一伽の横を、トイレから出て来たごつい感じの男が邪魔そうに通り抜けて行く。
「別に…、俺、何もしてないもん」
侑仁の家には確かによく行っているけれど、侑仁が無理ていう日には行かないし、遊びに行くのを邪魔立てしたこともない。
今日だって、侑仁と一緒にこのクラブに来たのは、海晴が一緒に来てもいいと言ってくれたからで、別に侑仁がリコと会うのを邪魔したかったからじゃない。
侑仁が一伽のことを気にしてばっかりだと言われたって、…そんなの知らない。一伽は何もしてない。
「俺…悪くないもん」
楽しかった気持ちが急にシュンと萎んで、一伽はトイレの後、フロアに戻るのはやめて、そのままクラブを後にした。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
侑仁が居ない時のリコちゃんの豹変ぶりは、お見事!(ーoー:)b
しかも いっちゃんを こんなに凹ますなんて アッパレと、言うしかないよね!
と、言いながら私の内心は → オイッ!((o( ̄‐ ̄#))oプルプル
謂れの無い悪意を向けられたら 誰だって そうなるよ!
だけど 女の子は、鋭い嗅覚を持っている生き物で 恋してる相手の事なら 尚更にね!(oゝ艸・)b
やっぱり この原因は、無自覚&無意識な侑仁と いっちゃんのせいかなぁ
いっちゃんと侑仁のどちらが、先に気づく?
ウゥ~(_ _||)ヽ(^ω^ :) キニシナイ、キニシナイ♪...byebye☆
しかも いっちゃんを こんなに凹ますなんて アッパレと、言うしかないよね!
と、言いながら私の内心は → オイッ!((o( ̄‐ ̄#))oプルプル
謂れの無い悪意を向けられたら 誰だって そうなるよ!
だけど 女の子は、鋭い嗅覚を持っている生き物で 恋してる相手の事なら 尚更にね!(oゝ艸・)b
やっぱり この原因は、無自覚&無意識な侑仁と いっちゃんのせいかなぁ
いっちゃんと侑仁のどちらが、先に気づく?
ウゥ~(_ _||)ヽ(^ω^ :) キニシナイ、キニシナイ♪...byebye☆
- |2012.08.05
- |Sun
- |10:47
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
女の子大好きなので、女の子を嫌な子にしたくはなかったんですが、嫌な感じにしないと進まない~て思って、どうせなら…と、とことん嫌な感じにしてみました(笑)
でも、いっちゃんをもタジタジにするパワー、すごいですよね(^_^;)
けいったんさんの仰るとおり、恋する女子の嗅覚はさすがです!
> ウゥ~(_ _||)ヽ(^ω^ :) キニシナイ、キニシナイ♪
けいったんさんに慰めてもらって、ちょっとは上昇したかな。
かわゆいですね~(*^_^*)
コメントありがとうございました!
でも、いっちゃんをもタジタジにするパワー、すごいですよね(^_^;)
けいったんさんの仰るとおり、恋する女子の嗅覚はさすがです!
> ウゥ~(_ _||)ヽ(^ω^ :) キニシナイ、キニシナイ♪
けいったんさんに慰めてもらって、ちょっとは上昇したかな。
かわゆいですね~(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.08.05
- |Sun
- |22:40
- |URL
- |EDIT|