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暴君王子のおっしゃることには! (95)
2012.08.04 Sat
「あーあ、やっぱいっちゃん、侑仁に怒られてる~」
侑仁たちがあそこにいるうちは、新しいアルコールを頼むのは無理…と、一伽が諦めて薄まりかけたチャイナブルーに口を付けたら、一足先にバーから避難していたニナとエリーが笑っていた。
「ニナちゃん、ズルいー! 俺ばっか侑仁に怒られたー!」
この間酔い潰れたのならニナも一緒だし、今日は絶対にニナのほうがたくさん飲んでいるのに、一伽だけが怒られた! と、一伽はやり場のない怒りを、とりあえずニナにぶつけてみた。
しかもニナは、結局エリーが止め切れなかったのか、止める気がなかったのか、今も新しいカクテルを飲んでいる。
「それだけいっちゃんのことが気になるのよ」
「意味分かんない」
ニナの言葉はもちろん何の慰めにもなっておらず、一伽は分かりやすく拗ねて唇を突き出した。
「でも侑仁、気になるなら、リコじゃなくて、いっちゃんのこと構ってあげればいいのにねー」
ニナに寄り掛かりながら、エリーは、バーのところにいる侑仁とリコに視線を向けた(彼女もまた、海晴が奢ってやった2杯ではない、新しいカクテルを飲んでいる)。
「エリー、そんなん言ってると、またリコに怒られるよー」
「んー。でもエリー、何で自分がリコに怒られるのか、いまだによく分かんない」
2人にとって、リコは親友というほどではないが、特に嫌っているわけでもない、ごく普通の友人だ。
しかし侑仁の彼女になりたがっている1号のリコとしては、友人としてだが侑仁と仲のいいニナとエリーのことは何かと目に付くらしく、しばしば突っ掛られることがある。
だからこそ、程よい距離感を保たなければなのだが、エリーはつい、リコの地雷を踏んでしまうことがあるのだ、無意識に。
「つーことで、お前はそれも含めていろいろと気を付けろよ?」
一伽は女の子大好きのようだが、若干女の子に対して夢見がちな気がするので、海晴は、今のニナとエリーの会話も踏まえて、一伽にそう忠告してやった。
女の子は見た目以上にドロドロした生き物なのだ。
「…ん、女の子って怖いね…。海晴が男に走った気持ちが、今ならちょっと分かるわ…」
「走ってねぇよっ!」
親切心というか、老婆心というか、とにかくわざわざ一伽に気を遣ってやった海晴に対して、何の謝意を表す気もない一伽は、冗談とはいえ、とんでもないことを、尤もらしくポツリと漏らした。
一伽の言う『女の子は怖い』は認めないでもないが、それでも海晴は、男よりは女の子のほうがいいのに。
「いっちゃ~ん、もう飲ませてもらえないなら、踊ろっ?」
「踊ろ~」
新しいカクテルももう飲み干したニナとエリーが、陽気に一伽を誘ってくる(絶対に一伽より飲んでる…)。
「いいよ~。あ、でもその前に、俺トーイレ!」
「オッケー、先フロア行ってるよん。海晴、行こっ?」
溜め息をつきながら頭を掻いていた海晴を連れて、ニナとエリーはフロアに向かい、3人に手を振った一伽は、こっそりとバーに…ではなく、本当にトイレへと向かった。
「♪~」
これぞ、という女の子をナンパできたわけではないが、ニナやエリーと騒ぐのは楽しいし、海晴は『かわいい女の子』ではないけれど、おもしろくていいヤツだから、今日は何だかすっごく楽しい。
気付かぬうちに、一伽は鼻歌なんか歌っていた。
「ねぇ、ちょっと!」
「えっ!?」
一伽がトイレに入ろうとしたところで、背後から肩を叩かれた。
一瞬、間違えて女子トイレに入ろうとしてる!? と焦ったが、表示を見れば確かに男性用のトイレで、単に呼び止められただけだと分かった一伽が振り返ると、そこにいたのはリコだった。
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侑仁たちがあそこにいるうちは、新しいアルコールを頼むのは無理…と、一伽が諦めて薄まりかけたチャイナブルーに口を付けたら、一足先にバーから避難していたニナとエリーが笑っていた。
「ニナちゃん、ズルいー! 俺ばっか侑仁に怒られたー!」
この間酔い潰れたのならニナも一緒だし、今日は絶対にニナのほうがたくさん飲んでいるのに、一伽だけが怒られた! と、一伽はやり場のない怒りを、とりあえずニナにぶつけてみた。
しかもニナは、結局エリーが止め切れなかったのか、止める気がなかったのか、今も新しいカクテルを飲んでいる。
「それだけいっちゃんのことが気になるのよ」
「意味分かんない」
ニナの言葉はもちろん何の慰めにもなっておらず、一伽は分かりやすく拗ねて唇を突き出した。
「でも侑仁、気になるなら、リコじゃなくて、いっちゃんのこと構ってあげればいいのにねー」
ニナに寄り掛かりながら、エリーは、バーのところにいる侑仁とリコに視線を向けた(彼女もまた、海晴が奢ってやった2杯ではない、新しいカクテルを飲んでいる)。
「エリー、そんなん言ってると、またリコに怒られるよー」
「んー。でもエリー、何で自分がリコに怒られるのか、いまだによく分かんない」
2人にとって、リコは親友というほどではないが、特に嫌っているわけでもない、ごく普通の友人だ。
しかし侑仁の彼女になりたがっている1号のリコとしては、友人としてだが侑仁と仲のいいニナとエリーのことは何かと目に付くらしく、しばしば突っ掛られることがある。
だからこそ、程よい距離感を保たなければなのだが、エリーはつい、リコの地雷を踏んでしまうことがあるのだ、無意識に。
「つーことで、お前はそれも含めていろいろと気を付けろよ?」
一伽は女の子大好きのようだが、若干女の子に対して夢見がちな気がするので、海晴は、今のニナとエリーの会話も踏まえて、一伽にそう忠告してやった。
女の子は見た目以上にドロドロした生き物なのだ。
「…ん、女の子って怖いね…。海晴が男に走った気持ちが、今ならちょっと分かるわ…」
「走ってねぇよっ!」
親切心というか、老婆心というか、とにかくわざわざ一伽に気を遣ってやった海晴に対して、何の謝意を表す気もない一伽は、冗談とはいえ、とんでもないことを、尤もらしくポツリと漏らした。
一伽の言う『女の子は怖い』は認めないでもないが、それでも海晴は、男よりは女の子のほうがいいのに。
「いっちゃ~ん、もう飲ませてもらえないなら、踊ろっ?」
「踊ろ~」
新しいカクテルももう飲み干したニナとエリーが、陽気に一伽を誘ってくる(絶対に一伽より飲んでる…)。
「いいよ~。あ、でもその前に、俺トーイレ!」
「オッケー、先フロア行ってるよん。海晴、行こっ?」
溜め息をつきながら頭を掻いていた海晴を連れて、ニナとエリーはフロアに向かい、3人に手を振った一伽は、こっそりとバーに…ではなく、本当にトイレへと向かった。
「♪~」
これぞ、という女の子をナンパできたわけではないが、ニナやエリーと騒ぐのは楽しいし、海晴は『かわいい女の子』ではないけれど、おもしろくていいヤツだから、今日は何だかすっごく楽しい。
気付かぬうちに、一伽は鼻歌なんか歌っていた。
「ねぇ、ちょっと!」
「えっ!?」
一伽がトイレに入ろうとしたところで、背後から肩を叩かれた。
一瞬、間違えて女子トイレに入ろうとしてる!? と焦ったが、表示を見れば確かに男性用のトイレで、単に呼び止められただけだと分かった一伽が振り返ると、そこにいたのはリコだった。
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