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暴君王子のおっしゃることには! (94)
2012.08.03 Fri
「エリー! お前はニナを止めろ!」
「えー?」
ニナやエリーとは結構長い付き合いで、一緒に飲んだことも何度となくあるから、ニナが強いことは知っているが、それでも今の彼女は止めなければヤバいと、海晴は悟っていた。
だからエリーにそう声を掛けたのに、エリーは分かっているのかいないのか、笑いながらチェリーコークに口を付けている。
海晴は知らないが、これは以前、一伽とニナが潰れたときと同じパターンだ。エリーはおもしろがっているだけで、危機感がさっぱりない。
そんな、海晴だけが慌てている状況に、突如転機が訪れた。
「お前は、ホントに! 飲み過ぎんな、つっただろ!」
「…ぅ? !!??」
もう手に負えないっ! と海晴が音を上げそうになったところで、別の声が一伽を止めに入った――――侑仁だ。
チャイナブルーももう半分以上飲んでいた一伽は(ペース早っ!)、突然現れた侑仁に本気で驚いたのか、口をあんぐり開けて固まった。
しかし驚いたのは海晴も同じだ。
エリーの話では、侑仁はリコと一緒のはずなのに、どうしてここに現れたのだろうか。まさか一伽が心配で…?
「なっ…何で侑仁がこんなトコいんの!?」
海晴が尋ねるより先、一伽がストレートに質問をぶつけてくれた。
態度は不遜だが、ヤバイと思う気持ちはあるらしく、一伽は持っていたグラスを、何となく後ろのほうに隠そうとしているが、バレバレだ。
「いたっていいだろ? このフロアにいたんだし。つか、お前のほうこそ何なんだよ」
慌てる一伽とは対照的に、侑仁はひどく冷静だった。
同じフロアで踊っていれば、どこかしらで顔を見る可能性は大いにあるし、飲み過ぎるなと念を押して行ったのに、再会してみれば、楽しくお酒をたくさん飲んでいる一伽がそこにいたのだ。
そりゃ、何なんだ、と言いたくもなる。
「いいじゃん別に~。海晴が奢ってくれたんだし~」
「海晴が?」
「バッ…そうじゃねぇだろ!」
いきなり振られて、海晴は焦った。
気が付いたら一伽が勝手に注文していただけで、海晴だって好きで奢ったわけではない。しかし言葉の足りない一伽の説明では、まるで海晴が一伽にたくさんお酒を勧めたみたいだ(現に侑仁もそんな目で海晴を見ている)。
「あの、侑仁、いや、これは…」
何をどう話しても言い訳のようにしかならないと思うし、いやそれ以前に、海晴には何の非もないはずなのに、でもやっぱり何か言っておかないと……と海晴が焦っていたら、リコが侑仁の腕を引いた。
「ねぇ、侑仁っ」
「あ」
そんなつもりではなかったのに、侑仁がつい一伽にかまけていたので、リコは少し苛立っているようだった。
侑仁がリコのほうを振り返った隙に、一伽がここぞとばかりにサッと逃げたので、海晴もとばっちりを食う前にその場を離れた。
「バカっ…! お前、俺のせいにしてんじゃねぇよっ…」
「だって侑仁に怒られる~!」
侑仁から離れたところで、海晴はすぐさま一伽に抗議する。
大体海晴は、一伽と侑仁が来たときその場にいなくて、全然状況が分かっていないのだから、誰にも責められる筋合いはないはずだ(確かに一伽は飲んだが、海晴は1度たりとも勧めてはいないわけだし…)。
「つか侑仁、俺のこと見張ってたわけじゃないよね…? 何でこんなタイミングで現れるわけ…?」
「いや、偶然だろ。何が楽しくてお前のことなんか見張らなきゃなんねぇんだよ」
一伽がこっそりと、嫌そうに海晴に打ち明けてみたら、面倒くさそうにしながらも、海晴は律儀に返してやった。
侑仁がリコのこと、リコと同じような気持ちで同じくらい好きかどうかは分からないが、少なくとも酒癖が悪くて面倒くさい吸血鬼のお守りをするよりは、リコと一緒のほうが楽しかろう。
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「えー?」
ニナやエリーとは結構長い付き合いで、一緒に飲んだことも何度となくあるから、ニナが強いことは知っているが、それでも今の彼女は止めなければヤバいと、海晴は悟っていた。
だからエリーにそう声を掛けたのに、エリーは分かっているのかいないのか、笑いながらチェリーコークに口を付けている。
海晴は知らないが、これは以前、一伽とニナが潰れたときと同じパターンだ。エリーはおもしろがっているだけで、危機感がさっぱりない。
そんな、海晴だけが慌てている状況に、突如転機が訪れた。
「お前は、ホントに! 飲み過ぎんな、つっただろ!」
「…ぅ? !!??」
もう手に負えないっ! と海晴が音を上げそうになったところで、別の声が一伽を止めに入った――――侑仁だ。
チャイナブルーももう半分以上飲んでいた一伽は(ペース早っ!)、突然現れた侑仁に本気で驚いたのか、口をあんぐり開けて固まった。
しかし驚いたのは海晴も同じだ。
エリーの話では、侑仁はリコと一緒のはずなのに、どうしてここに現れたのだろうか。まさか一伽が心配で…?
「なっ…何で侑仁がこんなトコいんの!?」
海晴が尋ねるより先、一伽がストレートに質問をぶつけてくれた。
態度は不遜だが、ヤバイと思う気持ちはあるらしく、一伽は持っていたグラスを、何となく後ろのほうに隠そうとしているが、バレバレだ。
「いたっていいだろ? このフロアにいたんだし。つか、お前のほうこそ何なんだよ」
慌てる一伽とは対照的に、侑仁はひどく冷静だった。
同じフロアで踊っていれば、どこかしらで顔を見る可能性は大いにあるし、飲み過ぎるなと念を押して行ったのに、再会してみれば、楽しくお酒をたくさん飲んでいる一伽がそこにいたのだ。
そりゃ、何なんだ、と言いたくもなる。
「いいじゃん別に~。海晴が奢ってくれたんだし~」
「海晴が?」
「バッ…そうじゃねぇだろ!」
いきなり振られて、海晴は焦った。
気が付いたら一伽が勝手に注文していただけで、海晴だって好きで奢ったわけではない。しかし言葉の足りない一伽の説明では、まるで海晴が一伽にたくさんお酒を勧めたみたいだ(現に侑仁もそんな目で海晴を見ている)。
「あの、侑仁、いや、これは…」
何をどう話しても言い訳のようにしかならないと思うし、いやそれ以前に、海晴には何の非もないはずなのに、でもやっぱり何か言っておかないと……と海晴が焦っていたら、リコが侑仁の腕を引いた。
「ねぇ、侑仁っ」
「あ」
そんなつもりではなかったのに、侑仁がつい一伽にかまけていたので、リコは少し苛立っているようだった。
侑仁がリコのほうを振り返った隙に、一伽がここぞとばかりにサッと逃げたので、海晴もとばっちりを食う前にその場を離れた。
「バカっ…! お前、俺のせいにしてんじゃねぇよっ…」
「だって侑仁に怒られる~!」
侑仁から離れたところで、海晴はすぐさま一伽に抗議する。
大体海晴は、一伽と侑仁が来たときその場にいなくて、全然状況が分かっていないのだから、誰にも責められる筋合いはないはずだ(確かに一伽は飲んだが、海晴は1度たりとも勧めてはいないわけだし…)。
「つか侑仁、俺のこと見張ってたわけじゃないよね…? 何でこんなタイミングで現れるわけ…?」
「いや、偶然だろ。何が楽しくてお前のことなんか見張らなきゃなんねぇんだよ」
一伽がこっそりと、嫌そうに海晴に打ち明けてみたら、面倒くさそうにしながらも、海晴は律儀に返してやった。
侑仁がリコのこと、リコと同じような気持ちで同じくらい好きかどうかは分からないが、少なくとも酒癖が悪くて面倒くさい吸血鬼のお守りをするよりは、リコと一緒のほうが楽しかろう。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 侑仁くん…
タイミングよく(?)再登場ですね。
きっといっちゃんの事を、見張っていたんじゃないでしょうかw(*゜o゜*)w
無意識のうちに、
リコちゃん<いっちゃん
だと思うのですが、ホントの所はどうかな…
きっといっちゃんの事を、見張っていたんじゃないでしょうかw(*゜o゜*)w
無意識のうちに、
リコちゃん<いっちゃん
だと思うのですが、ホントの所はどうかな…
- |2012.08.03
- |Fri
- |08:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
やっぱり侑仁さん、見張ってたでしょ…と言いたくなるタイミングですよね。
そりゃいっちゃんも、アワアワするわけです(^_^;)
どう見ても「リコちゃん<いっちゃん」の侑仁さんですが、ちよさんの仰るとおり、『無意識』のようで、本人あんまり自覚してません(>_<)
何かみんな、揃いも揃って鈍感!! て言ってやりたいですよね。
でも女の勘は鋭いものです。
リコちゃんがどう感じ取っているのか……そちらにもご注目ください!
コメントありがとうございました!
そりゃいっちゃんも、アワアワするわけです(^_^;)
どう見ても「リコちゃん<いっちゃん」の侑仁さんですが、ちよさんの仰るとおり、『無意識』のようで、本人あんまり自覚してません(>_<)
何かみんな、揃いも揃って鈍感!! て言ってやりたいですよね。
でも女の勘は鋭いものです。
リコちゃんがどう感じ取っているのか……そちらにもご注目ください!
コメントありがとうございました!
- |2012.08.03
- |Fri
- |22:38
- |URL
- |EDIT|