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暴君王子のおっしゃることには! (93)
2012.08.02 Thu
しかし、どうしてこういうことに…と海晴が頭を抱えている隙に、仕事に忠実な2人のバーテンは、3人に2つずつ、計6杯のカクテルを作り上げた。
「おめぇらも素直に作ってんじゃねぇよっ!」
カウンターの上にずらりと並べられたカクテル越しに、海晴が声を張り上げて凄んでも、バーテン2人はそれよりもやはりこの状況がおかしくて、吹き出すしか出来ない。
しかし3人がこれらのカクテルを頼んだのは事実だし、バーテンが作ってしまった以上、今さらなかったことにも出来ないわけで…。
「はぁ…」
結局は海晴が溜め息とともに肩を落とすことで、決着した。
「海晴は何にするの? あ、ねぇねぇ、これ、上から順番に頼んでってよ! メニューの上から!」
「だから何で? 俺酔わせてどうすんの…?」
キラキラした目でアルコールを勧める一伽に、海晴は一応突っ込んでみたが、もう先ほどまでのような元気はない。どうしても一伽の発想には付いていけない。
「こないだニナちゃんとそうやって飲んでたら、途中で力尽きたんで、リベンジしようかと」
「いや、だったら自分でやれよ! 何で俺に勧める!?」
「だって俺、ホラ、侑仁に飲み過ぎんな、て言われてるし~」
今さらいい子ぶってみても遅いのに、一伽は、守る気もなかった侑仁からの忠告を持ち出して、とぼけてみせる。
「だから海晴~、お願いっ!」
「やんねぇよ、バカ。俺ジンバックね」
「あー! そんな無難なの頼んじゃって! 海晴、男らしくない~!」
「うるせぇよ」
話を聞いてきた限り、一伽は女の子大好きなはずなのに、一体どうしてこんなに海晴を酔わせようとするんだろう…。
もしかしてニナとエリーと過ごすのに、海晴が邪魔だから、酔い潰してしまいたいんだろうか。だとしたら、そんな回りくどいことしなくたって、違う場所に行くのに。
「違うの~、俺もいろんなの飲みたいけど、結局飲み切れなくて、前とおんなじになるから、海晴がいろいろ頼んだら、それをちょっと貰おうかな、て思って。えへへ」
「いや、口調はかわいくても、言ってる内容、全然かわいくねぇよ」
男に興味はないが、男嫌いなわけでもない一伽は、別に今一緒に海晴がいることを邪魔になんて思ってはいない。いっぱいお酒を飲むのに、何か都合がいいかなぁ~、とは思っているだけで。
「とりあえず、この2杯、残さず飲んどけ」
「はーい」
侑仁の忠告には背くことになるが、頼んだからには残さず飲んでもらわないと。
そう思って海晴が言えば、人から指図されることは嫌いでも、飲めと言われることには何の不満もないのか、一伽は素直に返事をして、グビグビッとバラライカを豪快に飲んだ。
「ちょっ、バッ、おまっ…」
驚いたのは海晴だ。
バラライカは、口当たりはいいが、アルコール度数は高い。いくらカクテルグラスで、1杯あたりの量が多くないとは言っても、一気にグラスを空にするようなものではないのに。
「ん、うま!」
「………………、侑仁が飲み過ぎんな、て言った気持ちが、よく分かるわ…」
おいしそうにグラスを空けた一伽に、海晴は口元を引き攣らせつつ、ぼそりと呟いた。
先ほどまでの飲みっぷりや話からして、一伽が酒に強いのは分かったが、それにしたってこの飲み方は…。残さず飲め、と言ってしまった先ほどの自分を、海晴は殴り飛ばしてやりたくなった。
「アタシもチャイナブルー飲む~」
「飲むなっ」
一伽に気を取られている隙に、ブラック・ルシアンもモヒートも飲み干していたニナが、一伽の飲んでいるチャイナブルーを見て、同じものをオーダーする。
目を離したらいけない人物が他にもいたことに、ようやく気が付いた海晴は、頭を抱えた。
そして今になってやっと分かったのだ、侑仁がどうしてこんなヤツの世話なんか、わざわざ焼いたのか。
(危なっかしくて、目が離せねぇ…!)
要は、そういうことだ。
別に心配するつもりも、世話を焼くつもりもないのだが、このまま放置しておいたら大変なことになる予感だけがプンプンと漂ってきて、とても放っておけないのだ。
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「おめぇらも素直に作ってんじゃねぇよっ!」
カウンターの上にずらりと並べられたカクテル越しに、海晴が声を張り上げて凄んでも、バーテン2人はそれよりもやはりこの状況がおかしくて、吹き出すしか出来ない。
しかし3人がこれらのカクテルを頼んだのは事実だし、バーテンが作ってしまった以上、今さらなかったことにも出来ないわけで…。
「はぁ…」
結局は海晴が溜め息とともに肩を落とすことで、決着した。
「海晴は何にするの? あ、ねぇねぇ、これ、上から順番に頼んでってよ! メニューの上から!」
「だから何で? 俺酔わせてどうすんの…?」
キラキラした目でアルコールを勧める一伽に、海晴は一応突っ込んでみたが、もう先ほどまでのような元気はない。どうしても一伽の発想には付いていけない。
「こないだニナちゃんとそうやって飲んでたら、途中で力尽きたんで、リベンジしようかと」
「いや、だったら自分でやれよ! 何で俺に勧める!?」
「だって俺、ホラ、侑仁に飲み過ぎんな、て言われてるし~」
今さらいい子ぶってみても遅いのに、一伽は、守る気もなかった侑仁からの忠告を持ち出して、とぼけてみせる。
「だから海晴~、お願いっ!」
「やんねぇよ、バカ。俺ジンバックね」
「あー! そんな無難なの頼んじゃって! 海晴、男らしくない~!」
「うるせぇよ」
話を聞いてきた限り、一伽は女の子大好きなはずなのに、一体どうしてこんなに海晴を酔わせようとするんだろう…。
もしかしてニナとエリーと過ごすのに、海晴が邪魔だから、酔い潰してしまいたいんだろうか。だとしたら、そんな回りくどいことしなくたって、違う場所に行くのに。
「違うの~、俺もいろんなの飲みたいけど、結局飲み切れなくて、前とおんなじになるから、海晴がいろいろ頼んだら、それをちょっと貰おうかな、て思って。えへへ」
「いや、口調はかわいくても、言ってる内容、全然かわいくねぇよ」
男に興味はないが、男嫌いなわけでもない一伽は、別に今一緒に海晴がいることを邪魔になんて思ってはいない。いっぱいお酒を飲むのに、何か都合がいいかなぁ~、とは思っているだけで。
「とりあえず、この2杯、残さず飲んどけ」
「はーい」
侑仁の忠告には背くことになるが、頼んだからには残さず飲んでもらわないと。
そう思って海晴が言えば、人から指図されることは嫌いでも、飲めと言われることには何の不満もないのか、一伽は素直に返事をして、グビグビッとバラライカを豪快に飲んだ。
「ちょっ、バッ、おまっ…」
驚いたのは海晴だ。
バラライカは、口当たりはいいが、アルコール度数は高い。いくらカクテルグラスで、1杯あたりの量が多くないとは言っても、一気にグラスを空にするようなものではないのに。
「ん、うま!」
「………………、侑仁が飲み過ぎんな、て言った気持ちが、よく分かるわ…」
おいしそうにグラスを空けた一伽に、海晴は口元を引き攣らせつつ、ぼそりと呟いた。
先ほどまでの飲みっぷりや話からして、一伽が酒に強いのは分かったが、それにしたってこの飲み方は…。残さず飲め、と言ってしまった先ほどの自分を、海晴は殴り飛ばしてやりたくなった。
「アタシもチャイナブルー飲む~」
「飲むなっ」
一伽に気を取られている隙に、ブラック・ルシアンもモヒートも飲み干していたニナが、一伽の飲んでいるチャイナブルーを見て、同じものをオーダーする。
目を離したらいけない人物が他にもいたことに、ようやく気が付いた海晴は、頭を抱えた。
そして今になってやっと分かったのだ、侑仁がどうしてこんなヤツの世話なんか、わざわざ焼いたのか。
(危なっかしくて、目が離せねぇ…!)
要は、そういうことだ。
別に心配するつもりも、世話を焼くつもりもないのだが、このまま放置しておいたら大変なことになる予感だけがプンプンと漂ってきて、とても放っておけないのだ。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 要は、そういうことなんです!
鋭いね~海晴くん。なかなかイイ線いってますよ~!
いっちゃん(お酒飲んでいても、いなくても?)、
行動や言動が危なっかしくて、目が離せなくなっちゃうんですよね。
そんないっちゃんを放っておけないのが侑仁くんなのです。
どうしてだろうねぇ(*´艸`)
引き続き調査をお願いいたします(*'へ'*)ゝケイレイ
いっちゃん(お酒飲んでいても、いなくても?)、
行動や言動が危なっかしくて、目が離せなくなっちゃうんですよね。
そんないっちゃんを放っておけないのが侑仁くんなのです。
どうしてだろうねぇ(*´艸`)
引き続き調査をお願いいたします(*'へ'*)ゝケイレイ
- |2012.08.02
- |Thu
- |08:31
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
そうなんですよ、いっちゃん、危なっかしくて目が離せないんです!
ちよさんの仰るとおり、お酒を飲んでても、飲んでなくても…(笑)
普通なら見捨てちゃうところ、侑仁さんは、なぜかしっかりお世話をしちゃうんですよね~。
でも、本人が一番よく分かってないわけで……しっかり調査してもらわないとですね!!
コメントありがとうございました!
ちよさんの仰るとおり、お酒を飲んでても、飲んでなくても…(笑)
普通なら見捨てちゃうところ、侑仁さんは、なぜかしっかりお世話をしちゃうんですよね~。
でも、本人が一番よく分かってないわけで……しっかり調査してもらわないとですね!!
コメントありがとうございました!
- |2012.08.02
- |Thu
- |22:33
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Aさん
コメントのタイミングの悪さなら、私のほうが断然負けてませんので(笑)、お気軽にどうぞ~。
足跡だけで、嬉しくて舞い上がります!!
いっちゃんの暴君たるところは、自分が危なっかしいのも、天然なのも、もちろん自分が傍若無人なのも、全然気付いていないことに由来するのかと…(笑)
どんなに酔い潰れても、かわいい女の子と飲めるのなら、そんなのお構いなしです!
ちなみに女の子は、自分の好みの性格で書いていたら、やっぱりお気に入りになって、登場回数が増えました…(笑)
ツボだなんて、こちらこそありがとうございます(*^_^*)
このメンバーで飲んだら、真っ先に潰れそうですが、それでもやっぱり一緒に飲みたいですよね。
海晴さん、奢ってくれないかしら(笑)?
お返事不要とのことでしたが、嬉しくて返信してしまいました。
いつもありがとうございます!
足跡だけで、嬉しくて舞い上がります!!
いっちゃんの暴君たるところは、自分が危なっかしいのも、天然なのも、もちろん自分が傍若無人なのも、全然気付いていないことに由来するのかと…(笑)
どんなに酔い潰れても、かわいい女の子と飲めるのなら、そんなのお構いなしです!
ちなみに女の子は、自分の好みの性格で書いていたら、やっぱりお気に入りになって、登場回数が増えました…(笑)
ツボだなんて、こちらこそありがとうございます(*^_^*)
このメンバーで飲んだら、真っ先に潰れそうですが、それでもやっぱり一緒に飲みたいですよね。
海晴さん、奢ってくれないかしら(笑)?
お返事不要とのことでしたが、嬉しくて返信してしまいました。
いつもありがとうございます!
- |2012.08.02
- |Thu
- |22:40
- |URL
- |EDIT|