スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (92)
2012.08.01 Wed
「侑仁はいっちゃんのこと、怒らないわよー。心配するだけで。ねっ」
ニナにからかわれて焦っている一伽に、エリーがのん気に笑い掛ける。
おそらく以前、一伽とニナが酔い潰れたときのことを言っているのだろう(侑仁にしたら、あれは一伽の心配というより、店に迷惑を掛けたくないからだが)。
「は? 何で侑仁がコイツの心配するわけ?」
「だって侑仁、いっちゃんと仲良しだもん? 心配するわよ。でしょ?」
「へ…へぇー…、仲良し…?」
ニナとエリーの話を聞いていた海晴が、意味不明…と眉を寄せれば、エリーが笑顔で返してくるので、海晴は言葉が続かなくて、口元をわずかに引き攣らせつつ、乾いた笑みを浮かべた。
一伽に(かなり無理やり)吸血されたあの後、友人になったのも、ケンカして友情が深まる的な高校生男子のノリといえば、分からなくもないが、飲み過ぎないように心配するまでになるなんて、ちょっと…。
しかも、海晴から侑仁が一伽に襲われた話を聞いたはずのニナとエリーも、『結局それはご飯でした』というオチを知ったせいで実感が湧かないのか、侑仁が一伽を心配することに違和感を覚えてはいないらしい。
「ま、とにかく飲もうよ! 海晴が奢るって言ってるし」
「言ってねぇよ!」
海晴はまだ納得し切れていないのに、その根源である一伽があっさりとそう纏めてポンと海晴の肩を叩いたので、海晴はすかさず突っ込んだ(これはもう反射神経みたいなもの)。
「しかも…何かよく分かんねぇけど、お前、侑仁に『あんま飲み過ぎんな』て言われてんだろ? だったらやめとけ?」
「何で俺、侑仁にそんなこと言われなきゃなんねぇの?」
「知るかよ。心配してんだろ?」
海晴に侑仁の気持ちは分からないが、ニナやエリーの言葉を借りるとすれば、『心配している』ということだろう。そうでなければ、酔っ払った一伽に、散々手こずらされた経験があるに違いない。
想像してみて、海晴は後者が正解だな、と思った。
そうだ。侑仁は一伽が飲み過ぎて具合が悪くならないかとか、そんな心配をしているのではなく、酔い潰れでもしたら、面倒を見てやらなければならなくなるのが面倒くさいから、飲み過ぎるな、と言ったのだ。
(…でも、コイツが酔っ払って、何で侑仁が面倒見ないといけないわけ…?)
やっぱり理解不能…。
途中まではいい線行ってると思ったんだけどなぁ…と、海晴は、底を尽いた自分の想像力にガックリした。
「ねぇねぇじゃあバーのほう行かないー?」
「いやニナ、お前は何でコイツに飲まそうとするわけ? 飲ますな、て侑仁に言われてんだろ?」
「だっていっちゃんと飲むの、楽しいんだもん」
気が付けば、海晴まで一伽の心配をしている始末。
しかし女子2人は、のん気に、そして豪快に、「さぁ行こ~!」と一伽を連れてバーのほうへと向かったので、仕方なく海晴も後に続いた。
「じゃあアタシねー、ブラック・ルシアンとモヒート!」
「ちょっと待て。何でお前、2杯頼むんだよ。しかもテイスト全然違ぇし!」
バーテンになぜか2つのカクテルを注文したニナに、海晴は即座に突っ込む。
ニナが酒豪なのは知っているので、飲んだ後のことはそんなに心配していないが、いきなり2杯頼む意味が分からない。しかも甘口と辛口のカクテルをそれぞれ。
「だって海晴が奢ってくれるって言うから」
「いや、奢んねぇし。つか奢ってもいいけど、何で2杯?」
「どうせ飲むし」
「…」
言っていることは、別に間違ってはいない気はするけれど、何か間違っている気もする…。
大体、人からごちそうになろうとしているのに、少しも遠慮がないあたり……何となく一伽と似ている。
「いっちゃんは~?」
「じゃあ俺ねぇ、バラライカとチャイナブルー」
「お前も2杯頼むな」
「エリーは、カイピリーニャとチェリーコークにするー」
「お前もかっ!」
次々にカクテルを2杯ずつ頼む一伽とエリーにも、ご丁寧に海晴はそれぞれに突っ込んでやる。
back next
ニナにからかわれて焦っている一伽に、エリーがのん気に笑い掛ける。
おそらく以前、一伽とニナが酔い潰れたときのことを言っているのだろう(侑仁にしたら、あれは一伽の心配というより、店に迷惑を掛けたくないからだが)。
「は? 何で侑仁がコイツの心配するわけ?」
「だって侑仁、いっちゃんと仲良しだもん? 心配するわよ。でしょ?」
「へ…へぇー…、仲良し…?」
ニナとエリーの話を聞いていた海晴が、意味不明…と眉を寄せれば、エリーが笑顔で返してくるので、海晴は言葉が続かなくて、口元をわずかに引き攣らせつつ、乾いた笑みを浮かべた。
一伽に(かなり無理やり)吸血されたあの後、友人になったのも、ケンカして友情が深まる的な高校生男子のノリといえば、分からなくもないが、飲み過ぎないように心配するまでになるなんて、ちょっと…。
しかも、海晴から侑仁が一伽に襲われた話を聞いたはずのニナとエリーも、『結局それはご飯でした』というオチを知ったせいで実感が湧かないのか、侑仁が一伽を心配することに違和感を覚えてはいないらしい。
「ま、とにかく飲もうよ! 海晴が奢るって言ってるし」
「言ってねぇよ!」
海晴はまだ納得し切れていないのに、その根源である一伽があっさりとそう纏めてポンと海晴の肩を叩いたので、海晴はすかさず突っ込んだ(これはもう反射神経みたいなもの)。
「しかも…何かよく分かんねぇけど、お前、侑仁に『あんま飲み過ぎんな』て言われてんだろ? だったらやめとけ?」
「何で俺、侑仁にそんなこと言われなきゃなんねぇの?」
「知るかよ。心配してんだろ?」
海晴に侑仁の気持ちは分からないが、ニナやエリーの言葉を借りるとすれば、『心配している』ということだろう。そうでなければ、酔っ払った一伽に、散々手こずらされた経験があるに違いない。
想像してみて、海晴は後者が正解だな、と思った。
そうだ。侑仁は一伽が飲み過ぎて具合が悪くならないかとか、そんな心配をしているのではなく、酔い潰れでもしたら、面倒を見てやらなければならなくなるのが面倒くさいから、飲み過ぎるな、と言ったのだ。
(…でも、コイツが酔っ払って、何で侑仁が面倒見ないといけないわけ…?)
やっぱり理解不能…。
途中まではいい線行ってると思ったんだけどなぁ…と、海晴は、底を尽いた自分の想像力にガックリした。
「ねぇねぇじゃあバーのほう行かないー?」
「いやニナ、お前は何でコイツに飲まそうとするわけ? 飲ますな、て侑仁に言われてんだろ?」
「だっていっちゃんと飲むの、楽しいんだもん」
気が付けば、海晴まで一伽の心配をしている始末。
しかし女子2人は、のん気に、そして豪快に、「さぁ行こ~!」と一伽を連れてバーのほうへと向かったので、仕方なく海晴も後に続いた。
「じゃあアタシねー、ブラック・ルシアンとモヒート!」
「ちょっと待て。何でお前、2杯頼むんだよ。しかもテイスト全然違ぇし!」
バーテンになぜか2つのカクテルを注文したニナに、海晴は即座に突っ込む。
ニナが酒豪なのは知っているので、飲んだ後のことはそんなに心配していないが、いきなり2杯頼む意味が分からない。しかも甘口と辛口のカクテルをそれぞれ。
「だって海晴が奢ってくれるって言うから」
「いや、奢んねぇし。つか奢ってもいいけど、何で2杯?」
「どうせ飲むし」
「…」
言っていることは、別に間違ってはいない気はするけれど、何か間違っている気もする…。
大体、人からごちそうになろうとしているのに、少しも遠慮がないあたり……何となく一伽と似ている。
「いっちゃんは~?」
「じゃあ俺ねぇ、バラライカとチャイナブルー」
「お前も2杯頼むな」
「エリーは、カイピリーニャとチェリーコークにするー」
「お前もかっ!」
次々にカクテルを2杯ずつ頼む一伽とエリーにも、ご丁寧に海晴はそれぞれに突っ込んでやる。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (93) (2012/08/02)
- 暴君王子のおっしゃることには! (92) (2012/08/01)
- 暴君王子のおっしゃることには! (91) (2012/07/31)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 女子2人、強いね…
したたかお酒を飲むお嬢さま達のことは、誰にも止められないね~(;^_^A
そんな2人に便乗(?)しちゃったいっちゃん。
侑仁くんが心配しちゃうよ。
何で心配しなくちゃいけないのかわからずに…。
海晴くん、侑仁くんといっちゃんを|д°)しっかりと観察して下さい~!
女子お2人は、気づいている…のかな?
そんな2人に便乗(?)しちゃったいっちゃん。
侑仁くんが心配しちゃうよ。
何で心配しなくちゃいけないのかわからずに…。
海晴くん、侑仁くんといっちゃんを|д°)しっかりと観察して下さい~!
女子お2人は、気づいている…のかな?
- |2012.08.01
- |Wed
- |08:30
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
おや( ̄ー ̄)...? やっと いっちゃんと侑仁の関係に疑問を持つ一人が!
さすが、侑仁をよく知る友達ですね♪
鋭いぞぉ~海晴!゚*。イェイd(d∀゚)(゚∀b)bイェイ。*゚
だけど 肝心のいっちゃんと侑仁の本人達が、気づいてないからなぁ
海晴も 何か変だと感じるけど、確信は持てないよね!
□ヾ(≧∇≦ )カンパーイ!! Σ⊂(゚Д゚ :)なんでやなん!?...byebye☆
さすが、侑仁をよく知る友達ですね♪
鋭いぞぉ~海晴!゚*。イェイd(d∀゚)(゚∀b)bイェイ。*゚
だけど 肝心のいっちゃんと侑仁の本人達が、気づいてないからなぁ
海晴も 何か変だと感じるけど、確信は持てないよね!
□ヾ(≧∇≦ )カンパーイ!! Σ⊂(゚Д゚ :)なんでやなん!?...byebye☆
- |2012.08.01
- |Wed
- |09:47
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
いっちゃんじゃないですが、女の子大好きなので、つい好みのタイプのキャラにしてしまいます。
やっぱり女の子は、性格もお酒も強くなくちゃ!?
…てことで、侑仁さんの心配は尽きません。。。
ちよさんの仰るとおり、何で心配しなきゃいけないのか、分からないまま…(笑)
あと、いつものことながら、ご指摘ありがとうございます!
私ってヤツは…!!!
すぐに直しますね(>_<)
コメントありがとうございました!
やっぱり女の子は、性格もお酒も強くなくちゃ!?
…てことで、侑仁さんの心配は尽きません。。。
ちよさんの仰るとおり、何で心配しなきゃいけないのか、分からないまま…(笑)
あと、いつものことながら、ご指摘ありがとうございます!
私ってヤツは…!!!
すぐに直しますね(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.08.01
- |Wed
- |22:36
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
海晴さんも、航平くんとはまた違った、侑仁さんをよく知る人の1人ですので。
というか、海晴さんが鋭いのか、いっちゃんたちが分かっていなさすぎるのか…(^_^;)
本人たちがあまりにも気付いていなさすぎて、確信が持てないわけです。
そして、わけが分からないまま、大量のお酒を奢るはめに…(笑)
侑仁さんとは違った意味で、かわいそうな人です。。。
でも、一緒に飲んだら楽しそうなメンバーですよね。
相当お酒強くないと、ついていけないとは思いますが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
というか、海晴さんが鋭いのか、いっちゃんたちが分かっていなさすぎるのか…(^_^;)
本人たちがあまりにも気付いていなさすぎて、確信が持てないわけです。
そして、わけが分からないまま、大量のお酒を奢るはめに…(笑)
侑仁さんとは違った意味で、かわいそうな人です。。。
でも、一緒に飲んだら楽しそうなメンバーですよね。
相当お酒強くないと、ついていけないとは思いますが…(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.08.01
- |Wed
- |22:40
- |URL
- |EDIT|