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暴君王子のおっしゃることには! (91)
2012.07.31 Tue
「そんな、連絡してもいいとか言う子がいんだ? すげ」
「いるよー。徐々に増やしてってる。あ、そうだ。せっかくだから、ニナちゃんたちもそういう人になって? いざって言うとき」
この際だから…と一伽は、事情を知ったニナとエリーにも、そうお願いしてみる(海晴も事情は知ったけれど、男だから…)。
「いいよー」
「え、マジ?」
するとニナは、「どうしよっかな」と笑ったが、エリーは意外にもあっさりとオッケーしてくれた。
エリーがあんまりにも簡単に了承してくれたので、かえって一伽のほうが面食らったというか、本当に一伽の言ったことの意味、理解してる? と心配になってしまった。
しかし――――エリーは緩いテンポで生きているものの、実のところ、一伽より1枚どころでなく上手だった。
「1回1,000円ね」
「えっ…」
エリーはニッコリ笑って、人差し指を立て、『1回1,000円』を分かりやすく示してくれた。
一伽はもちろん唖然となって言葉を詰まらせたが、その様子に、海晴とニナは思わず「ブッ…!」と吹き出した。
「エリーちゃん…、お金取るの…?」
「うん。だってご飯でしょ? ランチて1,000円くらいしない? いっちゃんだから、ちょっと割り引きしてあげてもいいけど」
「………………、エリーちゃんから血を吸うのは、本当の本当にいざってときだけにしよう…」
まさかエリーにこんな切り返しが出来るとは思っていなかった一伽は、いつもナンパするときとか、前に侑仁にお願いしたときのように、自分のペースに持っていくことが出来ず、大人しく引き下がった。
まぁエリーの場合、うまく切り返したというより、本気で金を払ってくれるなら吸血させてもいいと思ったのかもしれないが…。
「てか、吸血鬼て、血だけ吸ってりゃいいわけじゃねぇんだ?」
先ほどから一伽が傾けているグラスの中身が、単なる水でないことなら海晴にも分かる。
血がご飯と言うなら、そういうものもいらないんじゃないかなぁ、とは思うが、ずっとうまそうに飲んでいるところを見ると、そういう類はまた別物のようだ。
「いっちゃん、お酒大好きだよね」
「大好き~」
ニナの言葉に、一伽は素直に頷く。
人間の口にするものは、吸血鬼にとって、特に有益というわけではないが害もないので、一伽は気が向いたときとか、気に入ったものとかは食べている。
もちろんお酒は大好きだから、しょっちゅう飲んでいるし、飲み過ぎてしまうこともしばしば…。
「食っちゃいけないモンとか、そういうのねぇの? ホラ、犬って玉ねぎダメじゃん?」
「犬と一緒にすんな!」
何気に失礼な海晴の言い草に、一伽はその足を蹴っ飛ばしてやった。
犬は好きだけれど、そういう意味で一緒くたにされたくない。
「もぉ~、海晴ムカつく!」
「ははっ、悪ぃ」
「ホントに悪いって思ってる? なら、次の1杯、海晴の奢りねっ?」
わざとらしく頬を膨らませた一伽は、空になったグラスを海晴に見せ付けて、ちゃっかりとお代わりをおねだりする。
もちろん海晴は、『は? 何で?』という顔で笑った。
「でもいっちゃん、今日は飲み過ぎるなよー、て侑仁に言われてなかった?」
「でもニナちゃんは、いっちゃんなら大丈夫、てゆった」
先ほど侑仁が言い残していった言葉を思い出したニナが、意地悪な顔で突っ込んでも、一伽は平然と返す。
確かに侑仁にはそう言われたけれど、ニナには大丈夫と言われたし(何が大丈夫なんだかは知らないが)、どうせニナもエリーも飲み足りないだろうから、やっぱりまだ飲む。
「侑仁に怒られたって、アタシ、知らな~い」
「おっ…怒られないもんっ。俺、怒られるようなこと、したことないもん!」
たぶん大丈夫だと思うけれど、そういうふうに言われるとちょっと心配になって、一伽は焦る。
大体一伽は、侑仁に怒られるようなことなんてしたことがないんだから、大丈夫。
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「いるよー。徐々に増やしてってる。あ、そうだ。せっかくだから、ニナちゃんたちもそういう人になって? いざって言うとき」
この際だから…と一伽は、事情を知ったニナとエリーにも、そうお願いしてみる(海晴も事情は知ったけれど、男だから…)。
「いいよー」
「え、マジ?」
するとニナは、「どうしよっかな」と笑ったが、エリーは意外にもあっさりとオッケーしてくれた。
エリーがあんまりにも簡単に了承してくれたので、かえって一伽のほうが面食らったというか、本当に一伽の言ったことの意味、理解してる? と心配になってしまった。
しかし――――エリーは緩いテンポで生きているものの、実のところ、一伽より1枚どころでなく上手だった。
「1回1,000円ね」
「えっ…」
エリーはニッコリ笑って、人差し指を立て、『1回1,000円』を分かりやすく示してくれた。
一伽はもちろん唖然となって言葉を詰まらせたが、その様子に、海晴とニナは思わず「ブッ…!」と吹き出した。
「エリーちゃん…、お金取るの…?」
「うん。だってご飯でしょ? ランチて1,000円くらいしない? いっちゃんだから、ちょっと割り引きしてあげてもいいけど」
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まさかエリーにこんな切り返しが出来るとは思っていなかった一伽は、いつもナンパするときとか、前に侑仁にお願いしたときのように、自分のペースに持っていくことが出来ず、大人しく引き下がった。
まぁエリーの場合、うまく切り返したというより、本気で金を払ってくれるなら吸血させてもいいと思ったのかもしれないが…。
「てか、吸血鬼て、血だけ吸ってりゃいいわけじゃねぇんだ?」
先ほどから一伽が傾けているグラスの中身が、単なる水でないことなら海晴にも分かる。
血がご飯と言うなら、そういうものもいらないんじゃないかなぁ、とは思うが、ずっとうまそうに飲んでいるところを見ると、そういう類はまた別物のようだ。
「いっちゃん、お酒大好きだよね」
「大好き~」
ニナの言葉に、一伽は素直に頷く。
人間の口にするものは、吸血鬼にとって、特に有益というわけではないが害もないので、一伽は気が向いたときとか、気に入ったものとかは食べている。
もちろんお酒は大好きだから、しょっちゅう飲んでいるし、飲み過ぎてしまうこともしばしば…。
「食っちゃいけないモンとか、そういうのねぇの? ホラ、犬って玉ねぎダメじゃん?」
「犬と一緒にすんな!」
何気に失礼な海晴の言い草に、一伽はその足を蹴っ飛ばしてやった。
犬は好きだけれど、そういう意味で一緒くたにされたくない。
「もぉ~、海晴ムカつく!」
「ははっ、悪ぃ」
「ホントに悪いって思ってる? なら、次の1杯、海晴の奢りねっ?」
わざとらしく頬を膨らませた一伽は、空になったグラスを海晴に見せ付けて、ちゃっかりとお代わりをおねだりする。
もちろん海晴は、『は? 何で?』という顔で笑った。
「でもいっちゃん、今日は飲み過ぎるなよー、て侑仁に言われてなかった?」
「でもニナちゃんは、いっちゃんなら大丈夫、てゆった」
先ほど侑仁が言い残していった言葉を思い出したニナが、意地悪な顔で突っ込んでも、一伽は平然と返す。
確かに侑仁にはそう言われたけれど、ニナには大丈夫と言われたし(何が大丈夫なんだかは知らないが)、どうせニナもエリーも飲み足りないだろうから、やっぱりまだ飲む。
「侑仁に怒られたって、アタシ、知らな~い」
「おっ…怒られないもんっ。俺、怒られるようなこと、したことないもん!」
たぶん大丈夫だと思うけれど、そういうふうに言われるとちょっと心配になって、一伽は焦る。
大体一伽は、侑仁に怒られるようなことなんてしたことがないんだから、大丈夫。
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けいったん ⇒
エリーったら いっちゃんからお金を取るなんて 凄い発想!(ノ∀≦。)ノぷぷ-ッ♪
だけど 血だよ?血!!
1000円だなんて 絶対に安いと思うんだけどなぁ~ヽ(´~`;ウーン
いっちゃんは、確かに侑仁に怒られる事は、してないかもしれない
でも!
厭られる事は、テンコ盛りしてるよね♪(笑)
今日は、呑み過ぎない方が いいんじゃないの?
これ以上 厭きられたら 侑仁の家に出入り禁止になっちゃうよ~
No!( ̄乂 ̄)No!...byebye☆
だけど 血だよ?血!!
1000円だなんて 絶対に安いと思うんだけどなぁ~ヽ(´~`;ウーン
いっちゃんは、確かに侑仁に怒られる事は、してないかもしれない
でも!
厭られる事は、テンコ盛りしてるよね♪(笑)
今日は、呑み過ぎない方が いいんじゃないの?
これ以上 厭きられたら 侑仁の家に出入り禁止になっちゃうよ~
No!( ̄乂 ̄)No!...byebye☆
- |2012.07.31
- |Tue
- |09:18
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
たぶんエリーちゃんは、冗談でなく本気で言っているかなぁ…(笑)
でもそれが、いっちゃんを絶句させます。
いっちゃんは、誰よりも最強のはずなんですが、どうもこの人たちには敵わないようです。。。
で、本気で、侑仁さんには怒られることしてないと思ってます(^_^;)
けいったんさんの仰るとおり、出入り禁止にならないよう、程々にしておかないとですよね。
でも問題は、どうやってそれをいっちゃんに納得させられるか、です…(>_<)
コメントありがとうございました!
でもそれが、いっちゃんを絶句させます。
いっちゃんは、誰よりも最強のはずなんですが、どうもこの人たちには敵わないようです。。。
で、本気で、侑仁さんには怒られることしてないと思ってます(^_^;)
けいったんさんの仰るとおり、出入り禁止にならないよう、程々にしておかないとですよね。
でも問題は、どうやってそれをいっちゃんに納得させられるか、です…(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.31
- |Tue
- |22:52
- |URL
- |EDIT|