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暴君王子のおっしゃることには! (90)
2012.07.30 Mon
「侑仁のせいでナンパ失敗したから、侑仁に襲い掛かったの?」
「だから襲ったんじゃないってばー! ご飯したかっただけだし!」
「侑仁に飛び掛かっちゃうくらい、お腹空いてたんだ?」
「じゃなきゃ、男の血なんか吸わない」
何度も言うけれど、一伽は女の子が好きで、血を吸うのだって、そういう子限定なのだ。あんな切羽詰った状況でなければ、男の血なんか吸うわけがない。
「えー、じゃあ侑仁だけ特別?」
「違うってば。侑仁が特別なんじゃなくて、あのときの状況が特別だったの! じゃなきゃ侑仁の血だって…」
飽くまでも空腹すぎたのが原因だと言おうとした一伽は、ふとその後にも、欲望に負けて侑仁の血を吸ったことを思い出した。
いや、でもあれは、侑仁が指切って血なんか流すから、何かもったいないって思っちゃったからで……うん、俺のせいじゃないな。
「とにかく! 俺は女の子の血がいいのっ」
「うひゃひゃ、そこまで女の子が好きなのに、たまたまバッティングしちゃったせいで、血吸われたのかよ、侑仁~!」
一伽の必死の主張に、今度は海晴が笑い出す。
やっぱり侑仁にとっては災難だったんだろうか。でも、うまかったからいいようなものの、一伽にしたって、男の血を吸うなんて災難みたいなものだけれど。
「つか、あんなむちゃくちゃした後で、普通に友だちになってんのがすげぇよ」
「でしょ~?」
「いや、お前じゃなくて、侑仁がだよ」
海晴が『すごい』と言ってくれたのでノッてみたら、サラッと突っ込まれた。
どうして? 一伽がすごいんじゃないの?
「でも、お前もある意味すげぇけど。何かどんな天変地異が起こっても、お前だけは生き残りそうだよな」
「それって褒めてる? てか俺、一伽くんですけど? お前お前、て何だよぉ!」
「あーはいはい、一伽くんね」
海晴と話していると、どうも自分のペースが崩される! と思って、どうでもいいことに突っ掛ってみたら、笑いながらあっさりと躱されてしまった。
「つかさ、吸血鬼て毎日吸血しないとなわけ?」
「そーだよ。最低1日1吸血ね。結構メンドイっしょ?」
「いや、人間だって基本1日3食だし」
「でも人間なら、食いたいモン買って食えばいいじゃん? コンビニ行くとか外食するとかどうにでもなるけど、血吸う場合、どうしたっていちいち誰かに声掛けないといけないからね」
こういう基本的なことは初対面の人間にはよく聞かれることで、もう何回となく答えているから、答えるのももう飽きたていうか、面倒くさいんだけれど、ニナとエリーも興味があるみたいだから、真面目に答えることにする。
「あぁそれで女の子ナンパしようとして侑仁と被ったのか」
「ったく、侑仁はただ女の子と遊びたいから声掛けただけかもしんないけど、俺のほうは大変だったんだからね!」
「でもお前、女の子がいい~! て、そんだけ言ってるてことは、そこまで空腹じゃないときは、それなりにしてんじゃねぇの? 血吸うときに」
「…」
海晴の言い分に、一伽は思わず言葉を詰まらせた。
まだ会って間もないというのに、どうして海晴はそんな、見てきたようなことを言うんだろう。まったくそのとおりすぎて、返す言葉がない。
「でっ…でも、大変は大変だろ? ナンパするか、いちいち誰かに連絡しなきゃいけないんだからっ」
「連絡て?」
「だって、知らない人に声掛けて、いつも血吸わせてもらえるとは限んないし。だから、俺が吸血鬼だってこと知ってて、血吸いたくなったら連絡してもいいよ、て言ってくれる子に連絡して、吸血することもあんの」
どちらにしたって、誰かしらに声を掛けなければならないわけだから、人間より吸血鬼のほうが面倒くさい生き物だと思う。
一伽は、わりといつでも誰かそばにいてほしいタイプだからいいけれど、もともと1人が好きな吸血鬼とか、1人でいたい気分の日とかは、かなり厄介だ。
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「だから襲ったんじゃないってばー! ご飯したかっただけだし!」
「侑仁に飛び掛かっちゃうくらい、お腹空いてたんだ?」
「じゃなきゃ、男の血なんか吸わない」
何度も言うけれど、一伽は女の子が好きで、血を吸うのだって、そういう子限定なのだ。あんな切羽詰った状況でなければ、男の血なんか吸うわけがない。
「えー、じゃあ侑仁だけ特別?」
「違うってば。侑仁が特別なんじゃなくて、あのときの状況が特別だったの! じゃなきゃ侑仁の血だって…」
飽くまでも空腹すぎたのが原因だと言おうとした一伽は、ふとその後にも、欲望に負けて侑仁の血を吸ったことを思い出した。
いや、でもあれは、侑仁が指切って血なんか流すから、何かもったいないって思っちゃったからで……うん、俺のせいじゃないな。
「とにかく! 俺は女の子の血がいいのっ」
「うひゃひゃ、そこまで女の子が好きなのに、たまたまバッティングしちゃったせいで、血吸われたのかよ、侑仁~!」
一伽の必死の主張に、今度は海晴が笑い出す。
やっぱり侑仁にとっては災難だったんだろうか。でも、うまかったからいいようなものの、一伽にしたって、男の血を吸うなんて災難みたいなものだけれど。
「つか、あんなむちゃくちゃした後で、普通に友だちになってんのがすげぇよ」
「でしょ~?」
「いや、お前じゃなくて、侑仁がだよ」
海晴が『すごい』と言ってくれたのでノッてみたら、サラッと突っ込まれた。
どうして? 一伽がすごいんじゃないの?
「でも、お前もある意味すげぇけど。何かどんな天変地異が起こっても、お前だけは生き残りそうだよな」
「それって褒めてる? てか俺、一伽くんですけど? お前お前、て何だよぉ!」
「あーはいはい、一伽くんね」
海晴と話していると、どうも自分のペースが崩される! と思って、どうでもいいことに突っ掛ってみたら、笑いながらあっさりと躱されてしまった。
「つかさ、吸血鬼て毎日吸血しないとなわけ?」
「そーだよ。最低1日1吸血ね。結構メンドイっしょ?」
「いや、人間だって基本1日3食だし」
「でも人間なら、食いたいモン買って食えばいいじゃん? コンビニ行くとか外食するとかどうにでもなるけど、血吸う場合、どうしたっていちいち誰かに声掛けないといけないからね」
こういう基本的なことは初対面の人間にはよく聞かれることで、もう何回となく答えているから、答えるのももう飽きたていうか、面倒くさいんだけれど、ニナとエリーも興味があるみたいだから、真面目に答えることにする。
「あぁそれで女の子ナンパしようとして侑仁と被ったのか」
「ったく、侑仁はただ女の子と遊びたいから声掛けただけかもしんないけど、俺のほうは大変だったんだからね!」
「でもお前、女の子がいい~! て、そんだけ言ってるてことは、そこまで空腹じゃないときは、それなりにしてんじゃねぇの? 血吸うときに」
「…」
海晴の言い分に、一伽は思わず言葉を詰まらせた。
まだ会って間もないというのに、どうして海晴はそんな、見てきたようなことを言うんだろう。まったくそのとおりすぎて、返す言葉がない。
「でっ…でも、大変は大変だろ? ナンパするか、いちいち誰かに連絡しなきゃいけないんだからっ」
「連絡て?」
「だって、知らない人に声掛けて、いつも血吸わせてもらえるとは限んないし。だから、俺が吸血鬼だってこと知ってて、血吸いたくなったら連絡してもいいよ、て言ってくれる子に連絡して、吸血することもあんの」
どちらにしたって、誰かしらに声を掛けなければならないわけだから、人間より吸血鬼のほうが面倒くさい生き物だと思う。
一伽は、わりといつでも誰かそばにいてほしいタイプだからいいけれど、もともと1人が好きな吸血鬼とか、1人でいたい気分の日とかは、かなり厄介だ。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
いっちゃんのペースを掻き乱せる事が出来る人を初めて見たよ、私!Σ(・o・)b
海晴、君って最強キャラ~♪(笑)
いっちゃんと海晴、いいコンビになると思うなぁ
あっそうだ、最強なのは、ニナとエリーもだった!
侑仁の周りって 個性が強い人が多いんだね~
ほんと お疲れ様ですペコリ(o_ _)o))
暑い日が続いております。くれぐれも お体に無理の無い様に お過ごし下さいませ。
(*゚-゚o【─+゚*。─暑中見舞い─。*゚+─】o゚-゚*)...byebye☆
海晴、君って最強キャラ~♪(笑)
いっちゃんと海晴、いいコンビになると思うなぁ
あっそうだ、最強なのは、ニナとエリーもだった!
侑仁の周りって 個性が強い人が多いんだね~
ほんと お疲れ様ですペコリ(o_ _)o))
暑い日が続いております。くれぐれも お体に無理の無い様に お過ごし下さいませ。
(*゚-゚o【─+゚*。─暑中見舞い─。*゚+─】o゚-゚*)...byebye☆
- |2012.07.30
- |Mon
- |09:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
私が思うに、いっちゃんは図星を突かれると、一気にペースを乱されるんじゃないかなぁ…と(笑)
ちょっと今まで、ヘタレ男子を多く出し過ぎてましたんで、ここらでちょっと強い子も(^_^;)
> あっそうだ、最強なのは、ニナとエリーもだった!
そうですね。
女子はいつでも強いのです!!
侑仁さんは、そんな子たちをいつも相手にしてるから、器の大きい男になったんでしょうかね。
あのいっちゃんを、軽々と受け入れられるのも、そのおかげかも~。
夏風邪、なかなか完治には至らず。。。
熱や怠さがないのでまだいいんですが、喉の痛みも切ないですね(>_<)
けいったんさんも、ご自愛くださいませ。
コメントありがとうございました!
ちょっと今まで、ヘタレ男子を多く出し過ぎてましたんで、ここらでちょっと強い子も(^_^;)
> あっそうだ、最強なのは、ニナとエリーもだった!
そうですね。
女子はいつでも強いのです!!
侑仁さんは、そんな子たちをいつも相手にしてるから、器の大きい男になったんでしょうかね。
あのいっちゃんを、軽々と受け入れられるのも、そのおかげかも~。
夏風邪、なかなか完治には至らず。。。
熱や怠さがないのでまだいいんですが、喉の痛みも切ないですね(>_<)
けいったんさんも、ご自愛くださいませ。
コメントありがとうございました!
- |2012.07.30
- |Mon
- |22:31
- |URL
- |EDIT|