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暴君王子のおっしゃることには! (88)
2012.07.28 Sat
「ま、侑仁とリコのことはいいじゃん。ウチラはウチラで飲もうよ。それとも踊るっ?」
「んー、とりあえずこれ飲んだら」
じゃカンパーイ、とノリで、3人でグラスを合わせる。
侑仁には飲み過ぎるなと念を押されたから気を付けるけれど、カミカゼはかなり強いお酒だから、量は飲まなくてもいろいろ気を付けないと(…と、何を飲むときも、最初はそう思っているのだ、一伽も)。
「あ、海晴~! 海晴も一緒に飲もっ?」
エリーが誰かに向かって手を振るので、一伽もそちらに視線を向けたら、グラス片手の男が歩いてくる。
侑仁よりいくらかワイルドな感じで、ちょっとヤンチャ系? (何度も言うが、一伽にとって、男なんてどうでもいいことなのだが。)
「侑仁は? まだ来てねぇの? 俺が電話してから、だいぶ経ってね?」
「来たよー。今リコと踊ってるー」
「あっそ、ならいいんだけど」
辺りを見回した男は、侑仁がいないことに首を傾げたが、エリーにそう言われてあっさりと納得した。
どうやら侑仁に電話をしてきたのはこの男で、それはリコに頼まれてのことだったようだ(つまりリコは、一伽というおまけがいたとしても、侑仁に来てほしかったのだろう。侑仁と一緒にいたのが彼女でなくてよかったね)。
「つか、お前…」
「ぅん?」
ふと一伽のほうを見た男が、なぜかギョッとした顔をする。
侑仁に電話をくれたのがこの男なら、侑仁と一緒にいた一伽に来てもいいと言ったのもこの男なわけで、それなのに、何でそんな顔?
「海晴、いっちゃんとお友だち?」
「いや、友だちていうか…、お前らこそ?」
男の名は、海晴というらしい。
海晴も一伽のことは友だちではないと言っているから、一伽がこの男のことを忘れているわけではなく、本当に知らない人なんだろう。
しかしそんな顔をするところを見ると、やっぱり知り合い? 侑仁と一緒に来るのが一伽だと思っていなかったから、一伽が来てビックリしているんだろうか。
「エリー、いっちゃんとお友だちよ? ニナもそうでしょ? 海晴は違うの?」
「違わないわよ。だって海晴が、いっちゃんも一緒に来ていい、てゆったんだから。ね?」
ウェーブの掛かった髪に指を絡ませながら、エリーがコテンと首を傾ければ、海晴の代わりにニナが笑って答えた。
「『いっちゃん』? え、コイツが侑仁と一緒に来たの? マジで?」
「そうよ? 海晴どうしたの?」
さすがにニナもエリーも、海晴の態度を訝しく思い始めたのか、怪訝な顔をする。
一伽だって、こんなに言われたら、何だかおもしろくない。文句の1つでも言ってやろうかと思ったら、しかしそれより先に海晴が口を開いた。
「いや…前、侑仁に襲い掛かったヤツとすげぇ似てたから…」
「侑仁に? いっちゃんが? 襲い掛かったの?」
「や、さすがに違うよな。何かすげぇ似てたから、一瞬ビビっただけ」
悪ぃ、と言いながら海晴は頭を掻くが、海晴の言葉に一伽が記憶を辿らせれば、思い当たることが1つだけあった。
初めて侑仁と会ったとき、空腹すぎた一伽は、何とかご飯にあり付こうと侑仁に飛び掛かったのだ(一伽的には飛び付いただけで、襲い掛かったつもりは……ないこともないが、まぁない)。
相変わらず男のことなんて記憶する気が更々ない一伽は、あんまりよく覚えてないけれど、そういえばあのとき、侑仁の他に誰かいた……それが、この海晴だったんだろうか。
「あー…あのさ、海晴が言ってるの、その侑仁が襲われた、て……もしかしてクラブのトイレで…」
「うん? あーそうそう。侑仁が『首噛まれた!』とか言い出して。何それ、とか思ってたら、ソイツがまた侑仁に飛び掛かって来て、でも何か急に力尽きてぶっ倒れちゃって」
「…」
念のために海晴に聞いてみれば、ますます海晴の言っている人物が、自分に重なる。
どうしよう、一応言ったほうがいいんだろうか。あのとき侑仁に襲い掛かったのは、やっぱり自分です、て。
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「んー、とりあえずこれ飲んだら」
じゃカンパーイ、とノリで、3人でグラスを合わせる。
侑仁には飲み過ぎるなと念を押されたから気を付けるけれど、カミカゼはかなり強いお酒だから、量は飲まなくてもいろいろ気を付けないと(…と、何を飲むときも、最初はそう思っているのだ、一伽も)。
「あ、海晴~! 海晴も一緒に飲もっ?」
エリーが誰かに向かって手を振るので、一伽もそちらに視線を向けたら、グラス片手の男が歩いてくる。
侑仁よりいくらかワイルドな感じで、ちょっとヤンチャ系? (何度も言うが、一伽にとって、男なんてどうでもいいことなのだが。)
「侑仁は? まだ来てねぇの? 俺が電話してから、だいぶ経ってね?」
「来たよー。今リコと踊ってるー」
「あっそ、ならいいんだけど」
辺りを見回した男は、侑仁がいないことに首を傾げたが、エリーにそう言われてあっさりと納得した。
どうやら侑仁に電話をしてきたのはこの男で、それはリコに頼まれてのことだったようだ(つまりリコは、一伽というおまけがいたとしても、侑仁に来てほしかったのだろう。侑仁と一緒にいたのが彼女でなくてよかったね)。
「つか、お前…」
「ぅん?」
ふと一伽のほうを見た男が、なぜかギョッとした顔をする。
侑仁に電話をくれたのがこの男なら、侑仁と一緒にいた一伽に来てもいいと言ったのもこの男なわけで、それなのに、何でそんな顔?
「海晴、いっちゃんとお友だち?」
「いや、友だちていうか…、お前らこそ?」
男の名は、海晴というらしい。
海晴も一伽のことは友だちではないと言っているから、一伽がこの男のことを忘れているわけではなく、本当に知らない人なんだろう。
しかしそんな顔をするところを見ると、やっぱり知り合い? 侑仁と一緒に来るのが一伽だと思っていなかったから、一伽が来てビックリしているんだろうか。
「エリー、いっちゃんとお友だちよ? ニナもそうでしょ? 海晴は違うの?」
「違わないわよ。だって海晴が、いっちゃんも一緒に来ていい、てゆったんだから。ね?」
ウェーブの掛かった髪に指を絡ませながら、エリーがコテンと首を傾ければ、海晴の代わりにニナが笑って答えた。
「『いっちゃん』? え、コイツが侑仁と一緒に来たの? マジで?」
「そうよ? 海晴どうしたの?」
さすがにニナもエリーも、海晴の態度を訝しく思い始めたのか、怪訝な顔をする。
一伽だって、こんなに言われたら、何だかおもしろくない。文句の1つでも言ってやろうかと思ったら、しかしそれより先に海晴が口を開いた。
「いや…前、侑仁に襲い掛かったヤツとすげぇ似てたから…」
「侑仁に? いっちゃんが? 襲い掛かったの?」
「や、さすがに違うよな。何かすげぇ似てたから、一瞬ビビっただけ」
悪ぃ、と言いながら海晴は頭を掻くが、海晴の言葉に一伽が記憶を辿らせれば、思い当たることが1つだけあった。
初めて侑仁と会ったとき、空腹すぎた一伽は、何とかご飯にあり付こうと侑仁に飛び掛かったのだ(一伽的には飛び付いただけで、襲い掛かったつもりは……ないこともないが、まぁない)。
相変わらず男のことなんて記憶する気が更々ない一伽は、あんまりよく覚えてないけれど、そういえばあのとき、侑仁の他に誰かいた……それが、この海晴だったんだろうか。
「あー…あのさ、海晴が言ってるの、その侑仁が襲われた、て……もしかしてクラブのトイレで…」
「うん? あーそうそう。侑仁が『首噛まれた!』とか言い出して。何それ、とか思ってたら、ソイツがまた侑仁に飛び掛かって来て、でも何か急に力尽きてぶっ倒れちゃって」
「…」
念のために海晴に聞いてみれば、ますます海晴の言っている人物が、自分に重なる。
どうしよう、一応言ったほうがいいんだろうか。あのとき侑仁に襲い掛かったのは、やっぱり自分です、て。
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けいったん ⇒
Σ(・д・o)ハッ!
そう言えば、いっちゃんと侑仁が 最初に出会った時に
確か 侑仁のツレが一人 居たよね~
そうか この海晴って人なのか‥((o(・Д・o*)ホウホウ
・・・って、納得している場合じゃなーーい!
いっちゃん!正直に言っちゃダメ~~!
話しの流れで 襲った理由(血を吸う為)まで言いそうだもん!
アカンデェ~!ヾ(´囗`。)ノ...byebye☆
そう言えば、いっちゃんと侑仁が 最初に出会った時に
確か 侑仁のツレが一人 居たよね~
そうか この海晴って人なのか‥((o(・Д・o*)ホウホウ
・・・って、納得している場合じゃなーーい!
いっちゃん!正直に言っちゃダメ~~!
話しの流れで 襲った理由(血を吸う為)まで言いそうだもん!
アカンデェ~!ヾ(´囗`。)ノ...byebye☆
- |2012.07.28
- |Sat
- |10:06
- |URL
- |EDIT|
音夜 ⇒
いっちゃん大丈夫かなぁ、強い酒飲んで酔っ払って今度は海晴くんにガブッってなりませんか?(笑)
侑人くんはやっぱイイ男だからモテるんですね。優しいしね。何かといっちゃんの暴君を受け止めてやってるしw
みっくんとゆきくんはハッピーになったけど、いっちゃんと侑人くんはまだ遠いかなぁ。
夏風邪、大丈夫ですか?ご無理なさらずしてくださいませ。
侑人くんはやっぱイイ男だからモテるんですね。優しいしね。何かといっちゃんの暴君を受け止めてやってるしw
みっくんとゆきくんはハッピーになったけど、いっちゃんと侑人くんはまだ遠いかなぁ。
夏風邪、大丈夫ですか?ご無理なさらずしてくださいませ。
- |2012.07.28
- |Sat
- |11:24
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
そうなんです!
みなさんもうお忘れかもですが、実はいっちゃんが初めて侑仁さんに会ったとき、一緒にいた人……それが海晴さんです!!
もうすっかり忘れ去られたころに再登場させる私です(笑)
> いっちゃん!正直に言っちゃダメ~~!
> 話しの流れで 襲った理由(血を吸う為)まで言いそうだもん!
けいったんさんの心配をよそに、思ったことは口に出さずにはいられない一伽さん…。
どこまで話しちゃう気なんでしょうか!?
お楽しみにです~。
コメントありがとうございました!
みなさんもうお忘れかもですが、実はいっちゃんが初めて侑仁さんに会ったとき、一緒にいた人……それが海晴さんです!!
もうすっかり忘れ去られたころに再登場させる私です(笑)
> いっちゃん!正直に言っちゃダメ~~!
> 話しの流れで 襲った理由(血を吸う為)まで言いそうだもん!
けいったんさんの心配をよそに、思ったことは口に出さずにはいられない一伽さん…。
どこまで話しちゃう気なんでしょうか!?
お楽しみにです~。
コメントありがとうございました!
- |2012.07.29
- |Sun
- |09:30
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
> いっちゃん大丈夫かなぁ、強い酒飲んで酔っ払って今度は海晴くんにガブッってなりませんか?(笑)
酔っ払って手当たり次第にならなければいいんですが…(^_^;)、まぁ基本、女の子大好き! 男の血なんて…(-"-)のいっちゃんなんで(笑)
侑仁さんは本当にいい人ですよ。
いい人すぎて、このままいい人で終わらなきゃ…て心配すら…(笑)
でも一伽を止められるのも、この人しかいないんじゃないかなぁ。。。とも思ってます。
5月にインフルエンザをして以来、何だかず~っと微妙な体調不良です…。
今までは年に1回かそこらしか病院に行かない人なのに、今年は花粉症も含めてもうすでに4回くらいかかってる。。。
喉がなかなか治らなくて、体調以上に重症に見えるので、それも厄介です(^_^;)
ご心配おかけしてます~。
コメントありがとうございました!
酔っ払って手当たり次第にならなければいいんですが…(^_^;)、まぁ基本、女の子大好き! 男の血なんて…(-"-)のいっちゃんなんで(笑)
侑仁さんは本当にいい人ですよ。
いい人すぎて、このままいい人で終わらなきゃ…て心配すら…(笑)
でも一伽を止められるのも、この人しかいないんじゃないかなぁ。。。とも思ってます。
5月にインフルエンザをして以来、何だかず~っと微妙な体調不良です…。
今までは年に1回かそこらしか病院に行かない人なのに、今年は花粉症も含めてもうすでに4回くらいかかってる。。。
喉がなかなか治らなくて、体調以上に重症に見えるので、それも厄介です(^_^;)
ご心配おかけしてます~。
コメントありがとうございました!
- |2012.07.29
- |Sun
- |09:37
- |URL
- |EDIT|