スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (87)
2012.07.27 Fri
「ねぇねぇニナちゃん、あの子、侑仁の彼女?」
「あー違う違う」
そんな2人の様子を眺めていた一伽が、ホワイト・ルシアンなんて強いお酒を平気な顔して飲んでいるニナにこっそり尋ねれば、ニナはにんまり笑って首を振った。
「彼女になりたがってる1号よ、リコは」
「リコちゃんてゆーんだ? つか、1号て?」
「だって、侑仁の彼女になりたい子なんて、いっぱいいるもん。その中でも、リコが一番熱心なのよ」
ニナは平然とそう言って、意味ありげな視線を侑仁に向けた。
そういえば、一伽が侑仁の家に寛ぎに行こうと考えていたとき、志信のアドバイスもあって、侑仁に彼女の有無を確認したら、いないと言われていたんだっけ。
リコは、そのころからがんばっているんだろうか(でも侑仁は、一伽と初めて会った日、全然違う雰囲気の女の子をナンパしようとしてたけどね)。
「つか侑仁てモテるんだー、ムカつくー」
「そりゃモテるっしょ。イケメンだし、無駄に優しいし」
一伽も大概ヒドイことを言っているが、ニナの言い分も、さりげなくヒドイ。
せっかくの優しさに『無駄』とか付けなくてもいいのに。
「あ、リコがまたがんばってるー」
リコに口説かれている侑仁を見ていたら、グラスを2つ持ったエリーがやって来た。
姿がないと思っていたが、やはりニナとエリーはセットのようだ。
「はい、これ、いっちゃんの分ー。ドリンク頼んでたらね、いっちゃん見えたから、買って来たの。奢りよ?」
「ありがとー……て、これ何?」
「カミカゼ。だっていっちゃん、強いお酒好きでしょ?」
「…」
笑顔でグラスを差し出すエリーに聞いたら、あっさりとそんな返事が。何となくいろいろ誤解もあるようだが、アルコールは嫌いではないので、一伽はありがたく頂戴する。
それに侑仁はリコにかまけているから、一伽が飲んでいたって何も言われないだろう――――そう思ったのに。
「…おい、」
「ッ、」
ゴクッと一伽が一口飲んだところで後ろから肩を掴まれて、驚いて振り返れば、そこにはひどく嫌そうな顔をした侑仁がいた。隣にはリコがいて、早く行こう、と腕を引いているのに。
「お前、マジで今日は飲み過ぎんなよ? 分かってんだろうな?」
「…」
…侑仁がいなくなった隙に、いろいろ飲んじゃおっかなぁー、て思ったの、どうしてバレちゃったんだろう。
前に一伽が酔い潰れたのも、この3人で席に残されてたときだったっけ。一伽は全然まったく覚えていないけれど、侑仁には大変ご迷惑をおかけしたようで…。
「いっちゃんなら大丈夫よ、侑仁。ねっ?」
「今日も、ちゃんと侑仁がお持ち帰りするから」
一伽が何と答えよう…と珍しく言い淀んでいたら、代わりにニナとエリーが答えてくれた。
しかし、何の根拠もない、むしろ不安だらけのニナとエリーの言葉に、侑仁は頭を抱えた。この2人と一緒だから全然大丈夫ではないのだし、お持ち帰りしたくないから飲み過ぎるなと言っているのに。
「とにかくマジで…」
「ねぇ侑仁、まだぁ?」
「え? あ」
今日は間違っても一伽の面倒を見るつもりはない、とはっきり言ってやろうと思ったのに、それより先にリコに腕を引かれて、侑仁は結局、言いたいことを伝え切れないまま、フロアに引っ張られていってしまった。
「リコちゃん、今日こそ侑仁のこと、ゲットかな?」
「無理なんじゃなぁい? あれで落とせるなら、とっくに彼女になってるって」
残された一伽は、リコの誘いに一応は乗っている侑仁を見てそう言ってみたが、ニナはバッサリと切り捨てた。
一伽的には、リコが侑仁の彼女になろうが、別の誰かが彼女になろうがどうだっていいんだけれど、侑仁に彼女が出来ると、侑仁の家に行きづらくなって、せっかく手に入れた居心地のいい空間を手放さなければならなくなるのが切ない。
back next
「あー違う違う」
そんな2人の様子を眺めていた一伽が、ホワイト・ルシアンなんて強いお酒を平気な顔して飲んでいるニナにこっそり尋ねれば、ニナはにんまり笑って首を振った。
「彼女になりたがってる1号よ、リコは」
「リコちゃんてゆーんだ? つか、1号て?」
「だって、侑仁の彼女になりたい子なんて、いっぱいいるもん。その中でも、リコが一番熱心なのよ」
ニナは平然とそう言って、意味ありげな視線を侑仁に向けた。
そういえば、一伽が侑仁の家に寛ぎに行こうと考えていたとき、志信のアドバイスもあって、侑仁に彼女の有無を確認したら、いないと言われていたんだっけ。
リコは、そのころからがんばっているんだろうか(でも侑仁は、一伽と初めて会った日、全然違う雰囲気の女の子をナンパしようとしてたけどね)。
「つか侑仁てモテるんだー、ムカつくー」
「そりゃモテるっしょ。イケメンだし、無駄に優しいし」
一伽も大概ヒドイことを言っているが、ニナの言い分も、さりげなくヒドイ。
せっかくの優しさに『無駄』とか付けなくてもいいのに。
「あ、リコがまたがんばってるー」
リコに口説かれている侑仁を見ていたら、グラスを2つ持ったエリーがやって来た。
姿がないと思っていたが、やはりニナとエリーはセットのようだ。
「はい、これ、いっちゃんの分ー。ドリンク頼んでたらね、いっちゃん見えたから、買って来たの。奢りよ?」
「ありがとー……て、これ何?」
「カミカゼ。だっていっちゃん、強いお酒好きでしょ?」
「…」
笑顔でグラスを差し出すエリーに聞いたら、あっさりとそんな返事が。何となくいろいろ誤解もあるようだが、アルコールは嫌いではないので、一伽はありがたく頂戴する。
それに侑仁はリコにかまけているから、一伽が飲んでいたって何も言われないだろう――――そう思ったのに。
「…おい、」
「ッ、」
ゴクッと一伽が一口飲んだところで後ろから肩を掴まれて、驚いて振り返れば、そこにはひどく嫌そうな顔をした侑仁がいた。隣にはリコがいて、早く行こう、と腕を引いているのに。
「お前、マジで今日は飲み過ぎんなよ? 分かってんだろうな?」
「…」
…侑仁がいなくなった隙に、いろいろ飲んじゃおっかなぁー、て思ったの、どうしてバレちゃったんだろう。
前に一伽が酔い潰れたのも、この3人で席に残されてたときだったっけ。一伽は全然まったく覚えていないけれど、侑仁には大変ご迷惑をおかけしたようで…。
「いっちゃんなら大丈夫よ、侑仁。ねっ?」
「今日も、ちゃんと侑仁がお持ち帰りするから」
一伽が何と答えよう…と珍しく言い淀んでいたら、代わりにニナとエリーが答えてくれた。
しかし、何の根拠もない、むしろ不安だらけのニナとエリーの言葉に、侑仁は頭を抱えた。この2人と一緒だから全然大丈夫ではないのだし、お持ち帰りしたくないから飲み過ぎるなと言っているのに。
「とにかくマジで…」
「ねぇ侑仁、まだぁ?」
「え? あ」
今日は間違っても一伽の面倒を見るつもりはない、とはっきり言ってやろうと思ったのに、それより先にリコに腕を引かれて、侑仁は結局、言いたいことを伝え切れないまま、フロアに引っ張られていってしまった。
「リコちゃん、今日こそ侑仁のこと、ゲットかな?」
「無理なんじゃなぁい? あれで落とせるなら、とっくに彼女になってるって」
残された一伽は、リコの誘いに一応は乗っている侑仁を見てそう言ってみたが、ニナはバッサリと切り捨てた。
一伽的には、リコが侑仁の彼女になろうが、別の誰かが彼女になろうがどうだっていいんだけれど、侑仁に彼女が出来ると、侑仁の家に行きづらくなって、せっかく手に入れた居心地のいい空間を手放さなければならなくなるのが切ない。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (88) (2012/07/28)
- 暴君王子のおっしゃることには! (87) (2012/07/27)
- 暴君王子のおっしゃることには! (86) (2012/07/26)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒ 切なくなっちゃったの…?
いっちゃん、切なくなっちゃう理由は、なんだろうね~
きっと、居心地のいい場所は、侑仁くん宅だけじゃないと思うよ。
あんまり強すぎる大人のお酒飲んで大変な事になりませんように!
でも、何気に、「飲みすぎ注意!」って
心配してくれている侑仁くん、無駄じゃない優しさだね。
きっと、居心地のいい場所は、侑仁くん宅だけじゃないと思うよ。
あんまり強すぎる大人のお酒飲んで大変な事になりませんように!
でも、何気に、「飲みすぎ注意!」って
心配してくれている侑仁くん、無駄じゃない優しさだね。
- |2012.07.27
- |Fri
- |08:18
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
> いっちゃん、切なくなっちゃう理由は、なんだろうね~
> きっと、居心地のいい場所は、侑仁くん宅だけじゃないと思うよ。
うぅん、ちよさん、それをいっちゃんに言ってあげてください~。
侑仁さんちに行けなくなるのが切ないの、涼しい場所を手放さなきゃだからだと、本気で思ってる子なので…(-_-;)
酔っ払いの心配をするのは本当に大変なことですが、いちいちでも言ってくれるのは、優しい人ですよね。
どうでもいいと思ってる相手には、わざわざ言わないですから。
だからいっちゃん、侑仁さんのこと、うるさがっちゃダメよ! と言ってあげたいです(笑)
コメントありがとうございました!
> きっと、居心地のいい場所は、侑仁くん宅だけじゃないと思うよ。
うぅん、ちよさん、それをいっちゃんに言ってあげてください~。
侑仁さんちに行けなくなるのが切ないの、涼しい場所を手放さなきゃだからだと、本気で思ってる子なので…(-_-;)
酔っ払いの心配をするのは本当に大変なことですが、いちいちでも言ってくれるのは、優しい人ですよね。
どうでもいいと思ってる相手には、わざわざ言わないですから。
だからいっちゃん、侑仁さんのこと、うるさがっちゃダメよ! と言ってあげたいです(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.27
- |Fri
- |23:28
- |URL
- |EDIT|