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暴君王子のおっしゃることには! (86)
2012.07.26 Thu
「でもさ、cafe OKAERIのご飯、おいしいから、今度行こうよ。まぁ俺は奢んないけど」
「はいはい」
お前には何も期待していないよ、と侑仁がビールを煽ったところで、侑仁の携帯電話が音を立てた。
「はい?」
一緒にいるのは別に彼女でも何でもなく一伽なので、侑仁は気にすることなく電話に出る。
一伽も電話の相手には興味がないらしく、次のビールを開けている(興味がないのは別にいいけれど、もう少し気を遣うとかはしてほしい…)。
「え、今から? んー…、いや今ちょっと…え? いや、彼女じゃねぇけど、人が…」
いや、人ていうか…と付け加えた侑仁の言葉に、一伽はソファに転がったまま、侑仁に視線を向けた。
どうやら侑仁は、電話の相手に何か誘われたが、一伽がいるので、その誘いに乗るのにやや躊躇っているようだった。
「あー…ちょっと待って、聞いてみる。…なぁ一伽、俺のダチからなんだけど、今から来ねぇ? つってんだけど、お前も行く?」
「俺? どこに?」
行こうかどうしようか迷っている侑仁に、電話越しの友人は、今侑仁と一緒にいる一伽も一緒にどうかと誘ってくれたらしい。
侑仁は相手に、一緒にいるのが彼女ではないと言っただけで、一伽のことを全然話していないのに、気安く誘ってくれるなんて、フレンドリーだなぁ。あ、それだけ侑仁に来てほしいということか。
「craze。こないだ航平と一緒にお前も来たじゃん。ホラお前が潰れたとき」
「うっせ」
余計なことを付け加えた侑仁に、一伽は唇を突き出す。
確かにcrazeは、航平の奢りで一伽が連れて行ってもらったクラブで、一伽は侑仁の友人のニナと散々飲んで酔い潰れ、侑仁に大変お世話になった、ある意味思い出の場所だ。
「行ってもいいなら行くけど、侑仁の奢り?」
「何でだよ」
「ケチー」
「嫌なら来んな」
「行くもん!」
来るなと言われれば行きたくなるのが、へそ曲がりで素直でない一伽だ。「行くもん行くもん行くも~ん!」とソファの上でジタバタし始めた。
まだ酔っ払ってはいないだろうけど、何となくこの間の二の舞になるのではないかと侑仁は心配になったが、もうすっかり行く気満々の一伽を止める術はなかった。
一伽 と 海晴 と ニナ と エリー
「いっちゃん、久し振り~! 会いたかったのー! 誰か侑仁と一緒に来る、てゆってたから、誰かなて思ってたのー」
「俺だよー!」
「嬉しー」
賑やかなフロアを抜けると、テンション高めのニナが、笑顔で一伽を迎えてくれた。
この間は2人して飲みまくって酔い潰れてはしまったけれど、ニナと飲むのは楽しかったから、一伽も『わーい』と近づいていって、ハイタッチを交わした。
「侑仁、遅ぉ~い!」
ニナとはまた違ったテンションの、甘ったるい声が侑仁を呼んだ。一伽が知らない女の子だ。
黒のストレートヘアで、一見するとクールな印象を与える顔立ちだが、笑った顔と甘い声があどけなさとかわいらしさを醸し出している(でも、ちょっと計算ぽいかな)。
「侑仁、どーして最近遊びに来なかったのぉ? 海晴に聞いても知らないって言うしー」
「まぁいろいろ…仕事とか」
その子に腕を絡められながら、尋ねられた侑仁はそんなふうに答えるが、一伽は最近も結構侑仁の家に行っているし、夜遊びが全然出来ないほど残業ばかりでもないのに、どうして侑仁、そんなこと言うんだろう。
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「はいはい」
お前には何も期待していないよ、と侑仁がビールを煽ったところで、侑仁の携帯電話が音を立てた。
「はい?」
一緒にいるのは別に彼女でも何でもなく一伽なので、侑仁は気にすることなく電話に出る。
一伽も電話の相手には興味がないらしく、次のビールを開けている(興味がないのは別にいいけれど、もう少し気を遣うとかはしてほしい…)。
「え、今から? んー…、いや今ちょっと…え? いや、彼女じゃねぇけど、人が…」
いや、人ていうか…と付け加えた侑仁の言葉に、一伽はソファに転がったまま、侑仁に視線を向けた。
どうやら侑仁は、電話の相手に何か誘われたが、一伽がいるので、その誘いに乗るのにやや躊躇っているようだった。
「あー…ちょっと待って、聞いてみる。…なぁ一伽、俺のダチからなんだけど、今から来ねぇ? つってんだけど、お前も行く?」
「俺? どこに?」
行こうかどうしようか迷っている侑仁に、電話越しの友人は、今侑仁と一緒にいる一伽も一緒にどうかと誘ってくれたらしい。
侑仁は相手に、一緒にいるのが彼女ではないと言っただけで、一伽のことを全然話していないのに、気安く誘ってくれるなんて、フレンドリーだなぁ。あ、それだけ侑仁に来てほしいということか。
「craze。こないだ航平と一緒にお前も来たじゃん。ホラお前が潰れたとき」
「うっせ」
余計なことを付け加えた侑仁に、一伽は唇を突き出す。
確かにcrazeは、航平の奢りで一伽が連れて行ってもらったクラブで、一伽は侑仁の友人のニナと散々飲んで酔い潰れ、侑仁に大変お世話になった、ある意味思い出の場所だ。
「行ってもいいなら行くけど、侑仁の奢り?」
「何でだよ」
「ケチー」
「嫌なら来んな」
「行くもん!」
来るなと言われれば行きたくなるのが、へそ曲がりで素直でない一伽だ。「行くもん行くもん行くも~ん!」とソファの上でジタバタし始めた。
まだ酔っ払ってはいないだろうけど、何となくこの間の二の舞になるのではないかと侑仁は心配になったが、もうすっかり行く気満々の一伽を止める術はなかった。
一伽 と 海晴 と ニナ と エリー
「いっちゃん、久し振り~! 会いたかったのー! 誰か侑仁と一緒に来る、てゆってたから、誰かなて思ってたのー」
「俺だよー!」
「嬉しー」
賑やかなフロアを抜けると、テンション高めのニナが、笑顔で一伽を迎えてくれた。
この間は2人して飲みまくって酔い潰れてはしまったけれど、ニナと飲むのは楽しかったから、一伽も『わーい』と近づいていって、ハイタッチを交わした。
「侑仁、遅ぉ~い!」
ニナとはまた違ったテンションの、甘ったるい声が侑仁を呼んだ。一伽が知らない女の子だ。
黒のストレートヘアで、一見するとクールな印象を与える顔立ちだが、笑った顔と甘い声があどけなさとかわいらしさを醸し出している(でも、ちょっと計算ぽいかな)。
「侑仁、どーして最近遊びに来なかったのぉ? 海晴に聞いても知らないって言うしー」
「まぁいろいろ…仕事とか」
その子に腕を絡められながら、尋ねられた侑仁はそんなふうに答えるが、一伽は最近も結構侑仁の家に行っているし、夜遊びが全然出来ないほど残業ばかりでもないのに、どうして侑仁、そんなこと言うんだろう。
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