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暴君王子のおっしゃることには! (85)
2012.07.25 Wed
一伽 と 侑仁
「――――……そして2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
クーラーの効いた涼しくて快適な侑仁の家で、ソファに寝転がってビールを飲みながら、一伽は、光宏と雪乃がお付き合いすることになった話をしてやった。
侑仁からしたら不器用すぎる2人だが、この傍若無人な吸血鬼が(素直にはなれないものの)相当心配していたので、侑仁もそれなりに気にはしていたのだが、どうやら2人はうまくいったらしい。
それにしても、一伽はなぜ、最後を昔話調にまとめたんだろう。もしかして、もうすでに酔っ払ってる?
「あ~よかった! これで俺、心置きなく侑仁の家に来れる!」
「ちょっと待て、そういうことか!」
「だって、ユキちゃん引きこもってる間、血も飲ませてやんなきゃだけど、めっちゃ凹んでるからさぁ、1人にしておけないっつか、俺ばっか寛いでても悪いかな、とか思っちゃって! この俺が!」
侑仁は一伽の言い分に思わず突っ込んだが、自分の性格をよく分かっている一伽は、自分が柄にもないことをしたのは自覚しているらしい。
何だかんだで、友だち思いではあるようだ。
「でもさぁ、ウケるのが、ユキちゃん、今度から光宏の働いてるカフェで一緒に働くんだよ。何それ! ラブラブすぎて恥ずかしくね?」
「マジで? あー…それはちょっと照れるな、周りが…」
10日間もバイトを休んでしまった雪乃は、結局仕事を辞めざるを得なくなって、そのままニート一直線になりかけたのだが、それを救ったのは光宏だった。
もともと光宏は、理不尽にも、雪乃を社会復帰させなかったら、一伽にタダ飯をたかられるはめになっていたこともあり、それだけは阻止すべく、自分の働くカフェでも仕事を提案した。
しかし美也子がこれ以上人を雇う気がないことも分かっていたので、先日自分がジンジャーエールを1本ダメにしてしまったことを打ち明け、その責任を取って自分は辞めるから、代わりに雪乃を雇ってほしいと申し出たのだ。
「マジで!? ソイツ超すごくね!? そこまで!?」
そこまで雪乃のことを想っているからなのか、そこまで一伽にたかられるのが嫌だったのか、その辺はあまり追及しないでおくが、とにかくすごいことはすごい。
それに、光宏もすごいが、店長である美也子も、何だかすごい。
「え、でもじゃあ、光宏さんが店辞めちゃったんなら、一緒には働かないんじゃん?」
「いや、結局光宏も辞めないことになった」
「へ? そうなの?」
あの日、光宏が1人ジンジャーエール祭りを繰り広げたことは、大橋も、茉莉江をはじめとした他のお客も、もちろん一伽も黙っていたが、実は美也子はすべて知っていたのだという。
あのとき、厨房から出て行ってみようかとも思ったらしいが、料理の手を止めるのが嫌だったので、行かなかっただけなのだそうだ。
ジンジャーエールをダメにされたのはムカついたが、まぁ失敗は誰にでもあることだし、自分で零したジンジャーエールに滑って、すってんころりんしている光宏はおもしろかったから、まぁいっか、となったらしい。
だから、今さら光宏にそのときのことを持ち出されて、店を辞めたいと言われても、美也子の中ではもう済んだことになっていたので、結局光宏を辞めさせることはなかったのだ。
「で、ユキちゃんも雇ってあげることに?」
「世の中にニートが蔓延るのを阻止したいらしい」
「蔓延る…」
美也子に、世の若者をどうにかしてあげたい気持ちがそこまで強いのかは分かりかねるが、とにかく雪乃が社会復帰を果たし、光宏が一伽にたかられずに済んだことはよかったと、侑仁は思う。
まぁその分、侑仁の家で、嫌というほど寛いではいるが。
「ねぇ侑仁、今度一緒に、光宏んトコにメシ食いに行こうよー」
「はぁ? 今度は俺に奢れって?」
「違ぇよ。光宏とユキちゃんが一緒に仕事してんの、冷やかしに行くのー」
「お前ね、そういう性格、ちょっとは直したほうがいいよ?」
そのカフェの売り上げに貢献すること自体は何ら構わないし、毎回でなければ、一伽にメシくらい奢るのもいいけれど、そこにどうして、うまくいった2人を冷やかす、というオプションを付けなければならないのか…。
普通にメシでいいだろう、と侑仁は突っ込むが、一伽は素知らぬ顔だ。
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「――――……そして2人は末永く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
クーラーの効いた涼しくて快適な侑仁の家で、ソファに寝転がってビールを飲みながら、一伽は、光宏と雪乃がお付き合いすることになった話をしてやった。
侑仁からしたら不器用すぎる2人だが、この傍若無人な吸血鬼が(素直にはなれないものの)相当心配していたので、侑仁もそれなりに気にはしていたのだが、どうやら2人はうまくいったらしい。
それにしても、一伽はなぜ、最後を昔話調にまとめたんだろう。もしかして、もうすでに酔っ払ってる?
「あ~よかった! これで俺、心置きなく侑仁の家に来れる!」
「ちょっと待て、そういうことか!」
「だって、ユキちゃん引きこもってる間、血も飲ませてやんなきゃだけど、めっちゃ凹んでるからさぁ、1人にしておけないっつか、俺ばっか寛いでても悪いかな、とか思っちゃって! この俺が!」
侑仁は一伽の言い分に思わず突っ込んだが、自分の性格をよく分かっている一伽は、自分が柄にもないことをしたのは自覚しているらしい。
何だかんだで、友だち思いではあるようだ。
「でもさぁ、ウケるのが、ユキちゃん、今度から光宏の働いてるカフェで一緒に働くんだよ。何それ! ラブラブすぎて恥ずかしくね?」
「マジで? あー…それはちょっと照れるな、周りが…」
10日間もバイトを休んでしまった雪乃は、結局仕事を辞めざるを得なくなって、そのままニート一直線になりかけたのだが、それを救ったのは光宏だった。
もともと光宏は、理不尽にも、雪乃を社会復帰させなかったら、一伽にタダ飯をたかられるはめになっていたこともあり、それだけは阻止すべく、自分の働くカフェでも仕事を提案した。
しかし美也子がこれ以上人を雇う気がないことも分かっていたので、先日自分がジンジャーエールを1本ダメにしてしまったことを打ち明け、その責任を取って自分は辞めるから、代わりに雪乃を雇ってほしいと申し出たのだ。
「マジで!? ソイツ超すごくね!? そこまで!?」
そこまで雪乃のことを想っているからなのか、そこまで一伽にたかられるのが嫌だったのか、その辺はあまり追及しないでおくが、とにかくすごいことはすごい。
それに、光宏もすごいが、店長である美也子も、何だかすごい。
「え、でもじゃあ、光宏さんが店辞めちゃったんなら、一緒には働かないんじゃん?」
「いや、結局光宏も辞めないことになった」
「へ? そうなの?」
あの日、光宏が1人ジンジャーエール祭りを繰り広げたことは、大橋も、茉莉江をはじめとした他のお客も、もちろん一伽も黙っていたが、実は美也子はすべて知っていたのだという。
あのとき、厨房から出て行ってみようかとも思ったらしいが、料理の手を止めるのが嫌だったので、行かなかっただけなのだそうだ。
ジンジャーエールをダメにされたのはムカついたが、まぁ失敗は誰にでもあることだし、自分で零したジンジャーエールに滑って、すってんころりんしている光宏はおもしろかったから、まぁいっか、となったらしい。
だから、今さら光宏にそのときのことを持ち出されて、店を辞めたいと言われても、美也子の中ではもう済んだことになっていたので、結局光宏を辞めさせることはなかったのだ。
「で、ユキちゃんも雇ってあげることに?」
「世の中にニートが蔓延るのを阻止したいらしい」
「蔓延る…」
美也子に、世の若者をどうにかしてあげたい気持ちがそこまで強いのかは分かりかねるが、とにかく雪乃が社会復帰を果たし、光宏が一伽にたかられずに済んだことはよかったと、侑仁は思う。
まぁその分、侑仁の家で、嫌というほど寛いではいるが。
「ねぇ侑仁、今度一緒に、光宏んトコにメシ食いに行こうよー」
「はぁ? 今度は俺に奢れって?」
「違ぇよ。光宏とユキちゃんが一緒に仕事してんの、冷やかしに行くのー」
「お前ね、そういう性格、ちょっとは直したほうがいいよ?」
そのカフェの売り上げに貢献すること自体は何ら構わないし、毎回でなければ、一伽にメシくらい奢るのもいいけれど、そこにどうして、うまくいった2人を冷やかす、というオプションを付けなければならないのか…。
普通にメシでいいだろう、と侑仁は突っ込むが、一伽は素知らぬ顔だ。
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- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ いっちゃんのラブの行方は!?
超凹んで、引きこもりだったユキちゃん、
みっくんと同じ職場だなんて、ますますラブラブだね~(*^ω^*)
いっちゃんも、お家で寛いだって、遠慮しなくたっていいんじゃないの~?
侑仁くん宅に通うのは、涼みに来るだけじゃない…よね?
みっくんと同じ職場だなんて、ますますラブラブだね~(*^ω^*)
いっちゃんも、お家で寛いだって、遠慮しなくたっていいんじゃないの~?
侑仁くん宅に通うのは、涼みに来るだけじゃない…よね?
- |2012.07.25
- |Wed
- |08:22
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
な~に語り部になってるの、いっちゃん!
アンタは、時田さんか、市原さんか!?(笑)
ユキちゃんと みっくんが、同じカフェでねー(*・`o´・*)ホ―
冷やかし目的のいっちゃんじゃないけど、そりゃぁ 私だって 見に行きたいわ~♪
新規の店に一人で行く勇気が無いので 如月さま、ちよさん、一緒に行きませんか?
そしてぇーー!!
2人の様子を しかと見させて頂こうではありませんかぁ~~!
ダ─ヽ(・ω・´(`・ω・´)ノ`・ω・)ノ─ッ!(←気合入れすぎかな?(笑))...byebye☆
アンタは、時田さんか、市原さんか!?(笑)
ユキちゃんと みっくんが、同じカフェでねー(*・`o´・*)ホ―
冷やかし目的のいっちゃんじゃないけど、そりゃぁ 私だって 見に行きたいわ~♪
新規の店に一人で行く勇気が無いので 如月さま、ちよさん、一緒に行きませんか?
そしてぇーー!!
2人の様子を しかと見させて頂こうではありませんかぁ~~!
ダ─ヽ(・ω・´(`・ω・´)ノ`・ω・)ノ─ッ!(←気合入れすぎかな?(笑))...byebye☆
- |2012.07.25
- |Wed
- |09:40
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
何とか社会復帰を果たしたユキちゃん、ラブラブすぎて、こっちが恥ずかしいかもですね…(笑)
そしてこれでいっちゃんも、再び侑仁さんち通いを再開できます(^_^;)
いっちゃん、どこまで分かってて侑仁さんちに行っているのか…。
人のことには敏感でも、自分のことには鈍感な人……いますからねぇ…( ̄ー ̄)
これからは一伽さんのこと、見守ってあげてください!
コメントありがとうございました!
そしてこれでいっちゃんも、再び侑仁さんち通いを再開できます(^_^;)
いっちゃん、どこまで分かってて侑仁さんちに行っているのか…。
人のことには敏感でも、自分のことには鈍感な人……いますからねぇ…( ̄ー ̄)
これからは一伽さんのこと、見守ってあげてください!
コメントありがとうございました!
- |2012.07.25
- |Wed
- |22:49
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
語り部一伽さん。
たぶん全然うまい調子じゃない…(笑)
同じカフェでみっくんとユキちゃんが働いてる、てなったら、そりゃいっちゃんじゃなくたって、冷やかしに行きたいですよね!
ぜひ一緒に行きましょう!!
カウンターでなくてもいいので、奥のほうの席でもいいので、ずーっと2人を眺めて…(笑)
> ダ─ヽ(・ω・´(`・ω・´)ノ`・ω・)ノ─ッ!(←気合入れすぎかな?(笑))...byebye☆
今まで焦らされた分、気合の入り方もひとしおですよね。
もし行けるのなら、私もこのくらいの気合い入れて行っちゃいます!!
コメントありがとうございました!
たぶん全然うまい調子じゃない…(笑)
同じカフェでみっくんとユキちゃんが働いてる、てなったら、そりゃいっちゃんじゃなくたって、冷やかしに行きたいですよね!
ぜひ一緒に行きましょう!!
カウンターでなくてもいいので、奥のほうの席でもいいので、ずーっと2人を眺めて…(笑)
> ダ─ヽ(・ω・´(`・ω・´)ノ`・ω・)ノ─ッ!(←気合入れすぎかな?(笑))...byebye☆
今まで焦らされた分、気合の入り方もひとしおですよね。
もし行けるのなら、私もこのくらいの気合い入れて行っちゃいます!!
コメントありがとうございました!
- |2012.07.25
- |Wed
- |22:53
- |URL
- |EDIT|