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暴君王子のおっしゃることには! (82)
2012.07.22 Sun
「ゴメンなさい…」
「だから、いいってば。もう平気?」
「…ん」
「最近、一伽の血しか吸ってなかったんだって?」
「なっ…、何でそれ…あ、いっちゃん…?」
雪乃はそのことを誰にも言っていないんだから、もし他の誰かが知っているのだとすれば、一伽が話したに他ならない。
その一伽が今日に限って未だに帰って来ておらず、代わりに光宏がこの部屋の鍵を持って現れた……ということは、まさか光宏はここに来る前に一伽と?
「あー…うん。さっきまで一伽と一緒だった。で、ちゃんとしろ、つって怒られた」
「怒られ…? え、ちゃんとしろ、て?」
「ちゃんと、ユキともっかい話しろって」
本当は自分でそう決心してここに来たんだ、て言えれば、嘘でもそう言ってやったら、少しは様になったんだろうけど、そういうのは、光宏の性分ではないから、結局本当のことを言った。
「いっちゃん、みっくんにそんなこと言ったの…?」
「まぁ、そんなこととか、いろいろ」
自分の人生が左右されるとか、雪乃が社会復帰しないと収入が減って生活に困るとか、自分勝手な理由もたくさん並べたけれど、結局は光宏と雪乃のことを心配しているの、素直に言えないだけだった。
あの傍若無人な一伽にここまでしてもらって、自分では1歩も進めないなんて、そんな情けない話ってない。
「でも…、一伽にちゃんと話しろて言われて、でも正直、何話せばいいんだろ…て思いながら、ここ来た」
「……」
「ユキがめっちゃ凹んで引きこもってる、て一伽から聞いて、それは俺の……俺があんなこと言っちゃったせいで、ちゃんと謝らなきゃとは思ったけど、でもあのとき言ったことはホントだから、なかったことにはしたくないし……だからあの…何だろ、何ていうか…」
雪乃に何を話そうかずっと考えながらここへ向かって、でも考えが纏まらないまま到着しちゃって、とりあえず雪乃に吸血させて、それで話を始めたけれど、やっぱりうまく話せなかった。
「ユキは、山下さんのことが好きじゃん? だから、…どこまでがんばれるか分かんないけど、ちゃんと自分の気持ちにけりを付けて、ユキと山下さんのこと応援しなきゃ、て思って…」
「え…?」
「俺もさ、買い物行って山下さん見たんだけど、すっげぇイケメンだったな。ユキが好きになるのも無理ない、て思った。ホント、もうマジ勝ち目ねぇ! て思ったもん」
肩を落として苦笑いする光宏に、雪乃は何も言えなかった。
一伽に言われて、ちゃんと雪乃と話をしなきゃって、でもその内容が、雪乃が何となくだけれど思っていたのとは違ったから、頭の中が真っ白になってしまったのだ。
光宏は雪乃のこと好きだけれど、あのとき好きて言ったことをなかったことにはしたくないのに、でも、その気持ちにけりを付けて、雪乃と山下さんのことを応援するの?
「だから…、いや、俺らはもう友だちには戻れないかもだし、俺がユキのこと傷付けたのにこんなこと言うのも何だけど……もう引きこもるのやめて、次に進も?」
「……」
「もっとがんばって、山下さんと仲良くなって、そんで…」
光宏の話を聞きながら、雪乃はなぜだか悲しい気持ちになっていた。
山下さんのことが好きで、がんばって仲良くなって……て、それはずっと思っていたことだけれど。
「ユキ?」
「ぁ…うん」
「ユキが吸血する人いなくて困るなら連絡くれていいし、…嫌でなかったら、ウチの店にもご飯食べに来て? …え、何? いや、別に嫌なら無理しなくてもいいんだけどっ…」
黙って光宏の話を聞いていた雪乃は、最後、なぜか首を横に振っていた。
それを、もう自分にこれ以上会うのは嫌なのだと受け止めた光宏は、慌てて言葉を付け加えたが、そうしたら雪乃は余計に大きく首を振った。
「え、え、何? どうした?」
「みっく…」
「え、あの、ゴメ、泣くほど嫌だった!? あの、ホント、」
「ちが…」
雪乃の瞳に涙が浮かんでいることに気付いて、光宏はさらに慌てたが、雪乃は「違う」と言いながら涙を拭って首を振る。
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「だから、いいってば。もう平気?」
「…ん」
「最近、一伽の血しか吸ってなかったんだって?」
「なっ…、何でそれ…あ、いっちゃん…?」
雪乃はそのことを誰にも言っていないんだから、もし他の誰かが知っているのだとすれば、一伽が話したに他ならない。
その一伽が今日に限って未だに帰って来ておらず、代わりに光宏がこの部屋の鍵を持って現れた……ということは、まさか光宏はここに来る前に一伽と?
「あー…うん。さっきまで一伽と一緒だった。で、ちゃんとしろ、つって怒られた」
「怒られ…? え、ちゃんとしろ、て?」
「ちゃんと、ユキともっかい話しろって」
本当は自分でそう決心してここに来たんだ、て言えれば、嘘でもそう言ってやったら、少しは様になったんだろうけど、そういうのは、光宏の性分ではないから、結局本当のことを言った。
「いっちゃん、みっくんにそんなこと言ったの…?」
「まぁ、そんなこととか、いろいろ」
自分の人生が左右されるとか、雪乃が社会復帰しないと収入が減って生活に困るとか、自分勝手な理由もたくさん並べたけれど、結局は光宏と雪乃のことを心配しているの、素直に言えないだけだった。
あの傍若無人な一伽にここまでしてもらって、自分では1歩も進めないなんて、そんな情けない話ってない。
「でも…、一伽にちゃんと話しろて言われて、でも正直、何話せばいいんだろ…て思いながら、ここ来た」
「……」
「ユキがめっちゃ凹んで引きこもってる、て一伽から聞いて、それは俺の……俺があんなこと言っちゃったせいで、ちゃんと謝らなきゃとは思ったけど、でもあのとき言ったことはホントだから、なかったことにはしたくないし……だからあの…何だろ、何ていうか…」
雪乃に何を話そうかずっと考えながらここへ向かって、でも考えが纏まらないまま到着しちゃって、とりあえず雪乃に吸血させて、それで話を始めたけれど、やっぱりうまく話せなかった。
「ユキは、山下さんのことが好きじゃん? だから、…どこまでがんばれるか分かんないけど、ちゃんと自分の気持ちにけりを付けて、ユキと山下さんのこと応援しなきゃ、て思って…」
「え…?」
「俺もさ、買い物行って山下さん見たんだけど、すっげぇイケメンだったな。ユキが好きになるのも無理ない、て思った。ホント、もうマジ勝ち目ねぇ! て思ったもん」
肩を落として苦笑いする光宏に、雪乃は何も言えなかった。
一伽に言われて、ちゃんと雪乃と話をしなきゃって、でもその内容が、雪乃が何となくだけれど思っていたのとは違ったから、頭の中が真っ白になってしまったのだ。
光宏は雪乃のこと好きだけれど、あのとき好きて言ったことをなかったことにはしたくないのに、でも、その気持ちにけりを付けて、雪乃と山下さんのことを応援するの?
「だから…、いや、俺らはもう友だちには戻れないかもだし、俺がユキのこと傷付けたのにこんなこと言うのも何だけど……もう引きこもるのやめて、次に進も?」
「……」
「もっとがんばって、山下さんと仲良くなって、そんで…」
光宏の話を聞きながら、雪乃はなぜだか悲しい気持ちになっていた。
山下さんのことが好きで、がんばって仲良くなって……て、それはずっと思っていたことだけれど。
「ユキ?」
「ぁ…うん」
「ユキが吸血する人いなくて困るなら連絡くれていいし、…嫌でなかったら、ウチの店にもご飯食べに来て? …え、何? いや、別に嫌なら無理しなくてもいいんだけどっ…」
黙って光宏の話を聞いていた雪乃は、最後、なぜか首を横に振っていた。
それを、もう自分にこれ以上会うのは嫌なのだと受け止めた光宏は、慌てて言葉を付け加えたが、そうしたら雪乃は余計に大きく首を振った。
「え、え、何? どうした?」
「みっく…」
「え、あの、ゴメ、泣くほど嫌だった!? あの、ホント、」
「ちが…」
雪乃の瞳に涙が浮かんでいることに気付いて、光宏はさらに慌てたが、雪乃は「違う」と言いながら涙を拭って首を振る。
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けいったん ⇒
山下さんとの事を応援・・・!(゚Д゚ )ハッ?
もっと頑張って 仲良くなれ・・・!(・Д・:)ハァ?
吸血する人がいなかったら連絡くれ・・・!(ーoーメ)アァッ~?
嫌なら無理しなくていい・・・!(ーωー♯)オイッ!
みっくん、黙って聞いてたら 何をグダグダと言ってるの!
また そうやって 自分の気持ちよりユキちゃんを優先して!
我が侭になって~正直になって~くれ~~!!!
もう みっくんは放っといて...ォリャ!(ノ`^´)ノ ⌒バタッ ○┼< ~ドテッ
なに?何?
ユキちゃんは、”違う”って 何が違うのかな?
おばさん、怒らないから 言ってみて♪
( i_i)\(^-^ ) ヨシヨシ...byebye☆
もっと頑張って 仲良くなれ・・・!(・Д・:)ハァ?
吸血する人がいなかったら連絡くれ・・・!(ーoーメ)アァッ~?
嫌なら無理しなくていい・・・!(ーωー♯)オイッ!
みっくん、黙って聞いてたら 何をグダグダと言ってるの!
また そうやって 自分の気持ちよりユキちゃんを優先して!
我が侭になって~正直になって~くれ~~!!!
もう みっくんは放っといて...ォリャ!(ノ`^´)ノ ⌒バタッ ○┼< ~ドテッ
なに?何?
ユキちゃんは、”違う”って 何が違うのかな?
おばさん、怒らないから 言ってみて♪
( i_i)\(^-^ ) ヨシヨシ...byebye☆
- |2012.07.22
- |Sun
- |10:08
- |URL
- |EDIT|
ちよ ⇒ みっくん~!!
音夜 ⇒
みっくん、優し過ぎるほど優しい男なんやろなぁ。
ユキくんを傷つけたくないって気持ちが強すぎて、そんでもって、自分に自信が無いのも強すぎて。
ユキくんはどう思ってんやろな
一伽くんは男前ですよね。素直にいえないけどw
でもみっくんに伝わった。
ユキくんを傷つけたくないって気持ちが強すぎて、そんでもって、自分に自信が無いのも強すぎて。
ユキくんはどう思ってんやろな
一伽くんは男前ですよね。素直にいえないけどw
でもみっくんに伝わった。
- |2012.07.22
- |Sun
- |19:10
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
周りで見てると、みっくん、自分の気持ちは!? て思い切り問いかけてやりたくなりますよね。
仕事に集中できないくらい、ユキちゃんのこと考えてたくせに(>_<)
とうとうけいったんさんにまで、ポイされちゃったじゃない~~~!!!
けいったんさん、どうかユキちゃんには優しくしてあげてくださいね~(笑)
ヨシヨシされたら、素直にお話してくれるかな。
コメントありがとうございました!
仕事に集中できないくらい、ユキちゃんのこと考えてたくせに(>_<)
とうとうけいったんさんにまで、ポイされちゃったじゃない~~~!!!
けいったんさん、どうかユキちゃんには優しくしてあげてくださいね~(笑)
ヨシヨシされたら、素直にお話してくれるかな。
コメントありがとうございました!
- |2012.07.22
- |Sun
- |21:24
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
> またもや、みっくんから一方的にお話して、
> ユキちゃんの想いを聞かないつもりなの~?o(;>ω<;)o
ですよね!
何のためにここまで来とるんだ、君は!!
あれだけいっちゃんに言われたのに、まだ分かってないんでしょうか(-_-;)
人の気持ちだけを優先しすぎるのも、やっぱり時と場合によっては…。
どうか怒らず見守ってあげてください~!
コメントありがとうございました!
> ユキちゃんの想いを聞かないつもりなの~?o(;>ω<;)o
ですよね!
何のためにここまで来とるんだ、君は!!
あれだけいっちゃんに言われたのに、まだ分かってないんでしょうか(-_-;)
人の気持ちだけを優先しすぎるのも、やっぱり時と場合によっては…。
どうか怒らず見守ってあげてください~!
コメントありがとうございました!
- |2012.07.22
- |Sun
- |21:26
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
優しすぎるのも、時には罪ですね(-_-;)
もうちょっと強引に生きたって、逆に誰も傷つかない気もしますが…、それが出来ないのがみっくんです。
> 一伽くんは男前ですよね。素直にいえないけどw
> でもみっくんに伝わった。
そうなんです。
一伽さんのツンデレっぷりは、久々にメインカプの悠ちゃんを超える粋かと。
とにかく素直ではないけれど、友だちのことはちゃんと思っていて、どうにかしてあげたい気持ちは持ってるんです。
ホント、一伽の10分の1の図太さがあればねぇ…(笑)
コメントありがとうございました!
もうちょっと強引に生きたって、逆に誰も傷つかない気もしますが…、それが出来ないのがみっくんです。
> 一伽くんは男前ですよね。素直にいえないけどw
> でもみっくんに伝わった。
そうなんです。
一伽さんのツンデレっぷりは、久々にメインカプの悠ちゃんを超える粋かと。
とにかく素直ではないけれど、友だちのことはちゃんと思っていて、どうにかしてあげたい気持ちは持ってるんです。
ホント、一伽の10分の1の図太さがあればねぇ…(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.22
- |Sun
- |21:29
- |URL
- |EDIT|