スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (75)
2012.07.15 Sun
「で、何があったの?」
結局何があったのかさっぱり分からない一伽は、食後のコーヒーを飲んでいた茉莉江に尋ねた。
大橋に聞くよりも、絶対にこっちのほうがいいと思ったから。
「何か光宏くんがジンジャーエールぶちまけちゃって」
「ジンジャーエール祭りだから?」
「いや、多分何も祭ってはいないと思うけどね。で、そんなのママにバレたらどうなるか分かんないでしょ? だから早く片付けないと、てバタバタしてたら、光宏くんが足滑らせて引っ繰り返ったの」
「それでアイツ、おパンツ、ビショビショにしてんのか」
一伽が入って来たとき、光宏の姿が見えないと思ったら、いきなりカウンターの中から現れたのは、そういうわけか。
確かに、ジンジャーエール零してダメにしたなんて美也子に知れたら、本当、どうなるか分からない。
「てか光宏くん、今日何かボーッとしてるよね」
「今日だけじゃないですよぉ、昨日も一昨日もあんなです」
茉莉江の『今日』という言葉を否定しつつ、大橋がランチプレートを持ってやって来た。
実は茉莉江は昨日まで買い付けでフランスに行っていて、cafe OKAERIに来るのは久々だったので知らなかったが、大橋の話だと、光宏はもう1週間以上もこんな調子なのだという。
「ふぅん、珍しいね、光宏くんがそんななんて」
「ねぇ」
「大橋くんはしょっちゅうボーッとしてるのにね」
「ねぇ」
大橋は、自分のことを言われているのに、全然気にしたふうもなく、茉莉江の言葉に相槌を打っている。
そんな2人を眺めながら、一伽は、光宏分かりやす! と、心の中で思った。光宏がいつになくボンヤリしているのは、雪乃とのことが原因で間違いない。1週間以上も、という期間からしてもそうだ。
(ホントにもう…、ヘタレなんだから!)
光宏が、侑仁くらい強気な男だったらよかったのに。
雪乃が山下さんのこと好きでも、まだ全然進展してないならって、どんどん仕掛けてって、自分のほうに気持ちを向けさせるくらいの器用さとか強引さが、光宏にあったらよかったのに。 だって獲物は、毎日自分のほうから光宏のテリトリーにやって来ていたんだから。
まったくもぉ! と一伽は、奥に着替えに行っている光宏のことを思いながら、バクバクとご飯を掻き込む。
「じゃ私帰るわね。いっちゃん、バイバーイ」
「んん、まりふぇさん、バイバ…んぅ、」
ランチプレートの鶏のから揚げを口いっぱいに頬張っていた一伽は、立ち上がった茉莉江に慌てて挨拶をするが、口の中がいっぱい過ぎて何を言っているのかさっぱり分からない。
そんな一伽を笑いながら、会計を済ませた茉莉江は出て行った。
昼どきの、一番混雑する時間帯はもう終わったものの、店内にはまだそこそこお客さんはいるが、みんな思い思いに時間を過ごしている。
だから別に大橋が、カウンターの中でボーッとなっていたって構わないことは構わないんだけれど。
でも。
「…なぁ大橋」
「……――――何ですか?」
「人が食ってるトコ、ジロジロ見てんじゃねぇよっ」
「ほぇ?」
ただボケッとしていただけなのだが、その視線の先が一伽だったものだから、一伽は食事をしている姿を思いっ切り見られている状態で、それが気になって仕方ないのだ。
しかし、一伽が口汚くそう言ってみても、大橋は何だか分かっていない様子で、コテンと首を横に傾けた。
「お前がやってもかわいくねぇよっ」
「何がです?」
きっとかわいらしい女の子がやれば、その仕草も似合うんだろうけど、いくらイケメンとはいえ、身の丈180㎝の男が小首を傾げても、別にかわいいものではない。
あーもうっ。
大橋ののんびりペースは、一伽の性に合わない。
back next
結局何があったのかさっぱり分からない一伽は、食後のコーヒーを飲んでいた茉莉江に尋ねた。
大橋に聞くよりも、絶対にこっちのほうがいいと思ったから。
「何か光宏くんがジンジャーエールぶちまけちゃって」
「ジンジャーエール祭りだから?」
「いや、多分何も祭ってはいないと思うけどね。で、そんなのママにバレたらどうなるか分かんないでしょ? だから早く片付けないと、てバタバタしてたら、光宏くんが足滑らせて引っ繰り返ったの」
「それでアイツ、おパンツ、ビショビショにしてんのか」
一伽が入って来たとき、光宏の姿が見えないと思ったら、いきなりカウンターの中から現れたのは、そういうわけか。
確かに、ジンジャーエール零してダメにしたなんて美也子に知れたら、本当、どうなるか分からない。
「てか光宏くん、今日何かボーッとしてるよね」
「今日だけじゃないですよぉ、昨日も一昨日もあんなです」
茉莉江の『今日』という言葉を否定しつつ、大橋がランチプレートを持ってやって来た。
実は茉莉江は昨日まで買い付けでフランスに行っていて、cafe OKAERIに来るのは久々だったので知らなかったが、大橋の話だと、光宏はもう1週間以上もこんな調子なのだという。
「ふぅん、珍しいね、光宏くんがそんななんて」
「ねぇ」
「大橋くんはしょっちゅうボーッとしてるのにね」
「ねぇ」
大橋は、自分のことを言われているのに、全然気にしたふうもなく、茉莉江の言葉に相槌を打っている。
そんな2人を眺めながら、一伽は、光宏分かりやす! と、心の中で思った。光宏がいつになくボンヤリしているのは、雪乃とのことが原因で間違いない。1週間以上も、という期間からしてもそうだ。
(ホントにもう…、ヘタレなんだから!)
光宏が、侑仁くらい強気な男だったらよかったのに。
雪乃が山下さんのこと好きでも、まだ全然進展してないならって、どんどん仕掛けてって、自分のほうに気持ちを向けさせるくらいの器用さとか強引さが、光宏にあったらよかったのに。 だって獲物は、毎日自分のほうから光宏のテリトリーにやって来ていたんだから。
まったくもぉ! と一伽は、奥に着替えに行っている光宏のことを思いながら、バクバクとご飯を掻き込む。
「じゃ私帰るわね。いっちゃん、バイバーイ」
「んん、まりふぇさん、バイバ…んぅ、」
ランチプレートの鶏のから揚げを口いっぱいに頬張っていた一伽は、立ち上がった茉莉江に慌てて挨拶をするが、口の中がいっぱい過ぎて何を言っているのかさっぱり分からない。
そんな一伽を笑いながら、会計を済ませた茉莉江は出て行った。
昼どきの、一番混雑する時間帯はもう終わったものの、店内にはまだそこそこお客さんはいるが、みんな思い思いに時間を過ごしている。
だから別に大橋が、カウンターの中でボーッとなっていたって構わないことは構わないんだけれど。
でも。
「…なぁ大橋」
「……――――何ですか?」
「人が食ってるトコ、ジロジロ見てんじゃねぇよっ」
「ほぇ?」
ただボケッとしていただけなのだが、その視線の先が一伽だったものだから、一伽は食事をしている姿を思いっ切り見られている状態で、それが気になって仕方ないのだ。
しかし、一伽が口汚くそう言ってみても、大橋は何だか分かっていない様子で、コテンと首を横に傾けた。
「お前がやってもかわいくねぇよっ」
「何がです?」
きっとかわいらしい女の子がやれば、その仕草も似合うんだろうけど、いくらイケメンとはいえ、身の丈180㎝の男が小首を傾げても、別にかわいいものではない。
あーもうっ。
大橋ののんびりペースは、一伽の性に合わない。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (76) (2012/07/16)
- 暴君王子のおっしゃることには! (75) (2012/07/15)
- 暴君王子のおっしゃることには! (74) (2012/07/14)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
音夜 ⇒
みっくんもっと自信持とう!
いい男だよみっくんは。
一伽くんや侑仁くんぐらい思ったことハッキリ言ってしまえw
山下がイケメンなのかなんのかわかんないけど、顔だけじゃない!(あえて主張させてもらいますw)
本気で心配してくれる友達がいるみっくんは、絶対いいやつなんです。うん、がんばれ。
ユキくんは鈍感(失礼;)だから、気持ちのまま態度を見せればなんとかなりそうだと思うんだけどなww
にしても一伽くんがコウモリになって侑仁くんも若干戸惑ってましたよね。吸血鬼だからなぁw
コウモリに変身したはいいけど、力なくてポテンと床に落ちた一伽くんを、侑仁くんが手に乗せたシーンは可愛かったです♪
いい男だよみっくんは。
一伽くんや侑仁くんぐらい思ったことハッキリ言ってしまえw
山下がイケメンなのかなんのかわかんないけど、顔だけじゃない!(あえて主張させてもらいますw)
本気で心配してくれる友達がいるみっくんは、絶対いいやつなんです。うん、がんばれ。
ユキくんは鈍感(失礼;)だから、気持ちのまま態度を見せればなんとかなりそうだと思うんだけどなww
にしても一伽くんがコウモリになって侑仁くんも若干戸惑ってましたよね。吸血鬼だからなぁw
コウモリに変身したはいいけど、力なくてポテンと床に落ちた一伽くんを、侑仁くんが手に乗せたシーンは可愛かったです♪
- |2012.07.15
- |Sun
- |10:47
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
みっくん・・・フー ( ̄‥ ̄) = =3
いっちゃんが思う様にすればいいじゃん!と、私も思うけど。
でも これが みっくんなんだからねー
そうでなきゃ とっくに ユキちゃんと・・ダヨネェ♪(oゝД・)b
それはそうと 如月さま!
大橋くんって 慎重180cmのイケメン君だったのー!
ノンビリ屋さんで 何かホノボノして いいではないですか♪
(´ ▽`).。o♪♪ ボケ~...byebye☆
いっちゃんが思う様にすればいいじゃん!と、私も思うけど。
でも これが みっくんなんだからねー
そうでなきゃ とっくに ユキちゃんと・・ダヨネェ♪(oゝД・)b
それはそうと 如月さま!
大橋くんって 慎重180cmのイケメン君だったのー!
ノンビリ屋さんで 何かホノボノして いいではないですか♪
(´ ▽`).。o♪♪ ボケ~...byebye☆
- |2012.07.15
- |Sun
- |11:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
みっくん、いい男なんですけどねぇ…。
「いい男」ていうより、「いい人」になりかけてますが、大丈夫でしょうか…(笑)
鈍感なユキには、はっきり言わなきゃ通じないんだから、落ち込むことなくもっと突っ走ってもいいと思うんですけどね。
コウモリになったのに力尽きちゃった一伽さん。
ポテッと落っこちちゃったところは、私もお気に入りです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
「いい男」ていうより、「いい人」になりかけてますが、大丈夫でしょうか…(笑)
鈍感なユキには、はっきり言わなきゃ通じないんだから、落ち込むことなくもっと突っ走ってもいいと思うんですけどね。
コウモリになったのに力尽きちゃった一伽さん。
ポテッと落っこちちゃったところは、私もお気に入りです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.07.16
- |Mon
- |09:39
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
みっくんも結構ウジウジウジウジウジウジ……もぉ~~~はっきりしなさい! て感じですよね(^_^;)
でもこれがみっくんなんです(>_<)
侑仁さんくらい強気だったら、それはやっぱりみっくんじゃないかも…(笑)
けいったんさん、大橋さん、気に入ってくださいました~??
実は長身のイケメンなんです!
いっちゃんには、熊とか言われてますが…(^_^;)
イケメンなのにぼんやりさんとかかわいいなぁ、と思ってます。
コメントありがとうございました!
でもこれがみっくんなんです(>_<)
侑仁さんくらい強気だったら、それはやっぱりみっくんじゃないかも…(笑)
けいったんさん、大橋さん、気に入ってくださいました~??
実は長身のイケメンなんです!
いっちゃんには、熊とか言われてますが…(^_^;)
イケメンなのにぼんやりさんとかかわいいなぁ、と思ってます。
コメントありがとうございました!
- |2012.07.16
- |Mon
- |09:45
- |URL
- |EDIT|