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暴君王子のおっしゃることには! (58)
2012.06.28 Thu
「だってさ、侑仁さん、男なんでしょ?」
「そうだけど?」
「なのに侑仁さんの血は飲むし、メールするし、いっちゃん、その人のことが特別なんじゃないの?」
「いやいや、何でそうなるの?」
雪乃があまりにも突拍子もないことを言うものだから、面倒くさかったけれど、律儀に一伽は起き上がって雪乃に向き直った。
「あのねユキちゃん、俺が侑仁の血を飲んだのは、お腹空き過ぎて狩りする力が残ってなかったからだし、今もメール、侑仁に彼女いるか確認するだけだから」
「ほら! 彼女がいるか確認するなんて、侑仁さんのことが好きだからでしょ!?」
「違うってば。彼女がいるなら、あんまり侑仁の家に行ったらマズいんじゃない? て志信が言うから確認すんの」
「やっぱ行きたいんじゃん、侑仁さんち! 彼女いなかったらいっぱい行く気なんでしょ!? 侑仁さんに会いたいんでしょ!?」
ますますヒートアップしてくる雪乃に、一伽はどうしたものかと頭を抱える。
一伽が侑仁の家に行きたいのは、侑仁の家にクーラーがあって涼しいからで、別に侑仁に会いたいからではないのに。
「で? で? 侑仁さん、彼女いるって?」
雪乃は興味津々に一伽のほうにずり寄って来て、この暑いのにピトッと一伽に貼り付いた。
「ね、ね、いっちゃん、どうなの?」
「…まだメールしてないよ。つかユキちゃん、自分のほうこそどうなの?」
「え、何が?」
一伽にすごく迷惑そうな顔で押し戻され、雪乃はちょこんと座ったまま、小首を傾げた。
「山下さんに彼女いないの?」
「えっ…」
「え? いないの? ならいいけど、だってユキちゃん、山下さんの彼氏になりたいんでしょ? 友だちじゃなくて。なら、山下さんに彼女いたらダメじゃん? …て、え?」
今さらのことながら一伽が聞いてみたら、雪乃は口をあんぐりと開けたまま固まった。
もしかして、そのことは未確認? 未確認のまま、恋人になるべく突っ走ってたの?
「マジで知らないの? 山下さんに彼女がいるかどうか」
「…だって、そんなの知る術がないもん」
「そんなにしょっちゅう通ってて? お総菜のおばちゃんとは仲良くなったんでしょ?」
「だって山下さん、殆ど大体レジにいるんだもん。話す機会なんてないし」
自慢ではないが、雪乃が山下と話をしたのは、ココアの売り場が分からなくて雪乃が困っていたところに声を掛けてもらった、その1度きりなのだ。
山下に彼女がいるかどうかを聞くどころか、まともに会話したことすらない。
シュンとしてしまった雪乃に、一伽は溜め息を零した。
そのスーパーに通い詰めることで山下と仲良くなるという作戦のはずなのに、ただ買い物をして、山下さんを見て幸せ気分を味わっているだけなら、ただの店員さんと常連客の関係でしかないではないか。
「じゃあさ、山下さんが仕事終わるの待って、後付いてってみたら?」
「そんなの完全にストーカーじゃんっ!」
「なら、コウモリの姿になって…」
「どっちだって同じだよ! つか、むしろそのほうがストーカー臭いし!」
とんでもない提案をする一伽に、雪乃は激しく突っ込む。
いくら山下のことが好きでも、雪乃はそんなことをするつもりは更々ないのだ。
「そんなの直接聞けないユキちゃんが悪いんじゃん! 後付けるのがヤダったら、山下さんに直接聞いてみなよ、彼女いるんですか? て!」
「グッ…」
一伽に尤もなことを返されて、雪乃は反論の言葉を失った。
「大体さぁ、ユキちゃんが好きなのは光宏じゃなくて、その山下さんなんでしょ!?」
「そ…そーだけど…、何でそこにみっくんが出てくんの?」
「………………。ユキちゃんのバカッ! 鈍感!」
「なっ、何急に…」
てんで分かっていない雪乃に、一伽は一瞬言葉をなくして頭を抱えた後、思い切り思いの丈をぶつけてやった。
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「そうだけど?」
「なのに侑仁さんの血は飲むし、メールするし、いっちゃん、その人のことが特別なんじゃないの?」
「いやいや、何でそうなるの?」
雪乃があまりにも突拍子もないことを言うものだから、面倒くさかったけれど、律儀に一伽は起き上がって雪乃に向き直った。
「あのねユキちゃん、俺が侑仁の血を飲んだのは、お腹空き過ぎて狩りする力が残ってなかったからだし、今もメール、侑仁に彼女いるか確認するだけだから」
「ほら! 彼女がいるか確認するなんて、侑仁さんのことが好きだからでしょ!?」
「違うってば。彼女がいるなら、あんまり侑仁の家に行ったらマズいんじゃない? て志信が言うから確認すんの」
「やっぱ行きたいんじゃん、侑仁さんち! 彼女いなかったらいっぱい行く気なんでしょ!? 侑仁さんに会いたいんでしょ!?」
ますますヒートアップしてくる雪乃に、一伽はどうしたものかと頭を抱える。
一伽が侑仁の家に行きたいのは、侑仁の家にクーラーがあって涼しいからで、別に侑仁に会いたいからではないのに。
「で? で? 侑仁さん、彼女いるって?」
雪乃は興味津々に一伽のほうにずり寄って来て、この暑いのにピトッと一伽に貼り付いた。
「ね、ね、いっちゃん、どうなの?」
「…まだメールしてないよ。つかユキちゃん、自分のほうこそどうなの?」
「え、何が?」
一伽にすごく迷惑そうな顔で押し戻され、雪乃はちょこんと座ったまま、小首を傾げた。
「山下さんに彼女いないの?」
「えっ…」
「え? いないの? ならいいけど、だってユキちゃん、山下さんの彼氏になりたいんでしょ? 友だちじゃなくて。なら、山下さんに彼女いたらダメじゃん? …て、え?」
今さらのことながら一伽が聞いてみたら、雪乃は口をあんぐりと開けたまま固まった。
もしかして、そのことは未確認? 未確認のまま、恋人になるべく突っ走ってたの?
「マジで知らないの? 山下さんに彼女がいるかどうか」
「…だって、そんなの知る術がないもん」
「そんなにしょっちゅう通ってて? お総菜のおばちゃんとは仲良くなったんでしょ?」
「だって山下さん、殆ど大体レジにいるんだもん。話す機会なんてないし」
自慢ではないが、雪乃が山下と話をしたのは、ココアの売り場が分からなくて雪乃が困っていたところに声を掛けてもらった、その1度きりなのだ。
山下に彼女がいるかどうかを聞くどころか、まともに会話したことすらない。
シュンとしてしまった雪乃に、一伽は溜め息を零した。
そのスーパーに通い詰めることで山下と仲良くなるという作戦のはずなのに、ただ買い物をして、山下さんを見て幸せ気分を味わっているだけなら、ただの店員さんと常連客の関係でしかないではないか。
「じゃあさ、山下さんが仕事終わるの待って、後付いてってみたら?」
「そんなの完全にストーカーじゃんっ!」
「なら、コウモリの姿になって…」
「どっちだって同じだよ! つか、むしろそのほうがストーカー臭いし!」
とんでもない提案をする一伽に、雪乃は激しく突っ込む。
いくら山下のことが好きでも、雪乃はそんなことをするつもりは更々ないのだ。
「そんなの直接聞けないユキちゃんが悪いんじゃん! 後付けるのがヤダったら、山下さんに直接聞いてみなよ、彼女いるんですか? て!」
「グッ…」
一伽に尤もなことを返されて、雪乃は反論の言葉を失った。
「大体さぁ、ユキちゃんが好きなのは光宏じゃなくて、その山下さんなんでしょ!?」
「そ…そーだけど…、何でそこにみっくんが出てくんの?」
「………………。ユキちゃんのバカッ! 鈍感!」
「なっ、何急に…」
てんで分かっていない雪乃に、一伽は一瞬言葉をなくして頭を抱えた後、思い切り思いの丈をぶつけてやった。
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けいったん ⇒
チョッチョッ、いっちゃん、言い過ぎだって~!ヾ(´д`;)ノぁゎゎ
ユキちゃんも ショゲないの、ねっ。( i_i)\(^-^ :) ヨシヨシ
仲良くしようよ~ねっねっ!友達でしょ?
(私にすれば どっちも どっちなんだけどなぁ(苦笑)~by心の声)
ムスーp(`ε´q)ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??( ´-ェ-` )シュン...byebye☆
ユキちゃんも ショゲないの、ねっ。( i_i)\(^-^ :) ヨシヨシ
仲良くしようよ~ねっねっ!友達でしょ?
(私にすれば どっちも どっちなんだけどなぁ(苦笑)~by心の声)
ムスーp(`ε´q)ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??( ´-ェ-` )シュン...byebye☆
- |2012.06.28
- |Thu
- |12:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
どっちもどっちの2人ですが、一伽にしたら、ユキちゃんの鈍感はブチ切れて当然……我慢知らずの子なんで、しっかりブチ切れました(^_^;)
暑いんだから、おとなしくしてればいいのに…(笑)
けいったんさんに慰めてもらって、ユキちゃん、少しは元気出たでしょうか。
> ムスーp(`ε´q)ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??( ´-ェ-` )シュン...byebye☆
↑これ、2人の関係をすごぉ~くよく表してるっ!!
「ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??」のユキちゃん、ホントに何も分かってないっ!!
コメントありがとうございました!
暑いんだから、おとなしくしてればいいのに…(笑)
けいったんさんに慰めてもらって、ユキちゃん、少しは元気出たでしょうか。
> ムスーp(`ε´q)ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??( ´-ェ-` )シュン...byebye☆
↑これ、2人の関係をすごぉ~くよく表してるっ!!
「ァレレレ?? ヾ(・ω・; 三;・ω・)ノァレレレ??」のユキちゃん、ホントに何も分かってないっ!!
コメントありがとうございました!
- |2012.06.28
- |Thu
- |22:48
- |URL
- |EDIT|