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暴君王子のおっしゃることには! (57)
2012.06.27 Wed
少しだけチクリとした感触の後は、熱が広がっていく感じがするだけ。痛くも何ともないが…………ちょっといっちゃん、長く吸い過ぎなんじゃ…?
「いっいっちゃん…?」
「んっ、んー…」
「ね、ねぇっ」
「んーーーっっ」
「ヒッ…」
「ん、ぷはっ!」
ギャーーーー!! 体中の血液を全部飲み干される~~~~~!!! と雪乃が悲鳴を上げそうになった瞬間、非常に満足げに一伽が雪乃の首筋から顔を上げた。
「はぁ~ごちそうさまでした」
「ふ…ぁ…」
ようやく一伽から解放された雪乃は、そのままでは上体を保っていられなくて、床に手を突いて何とか体を支えた。
今の、絶対に飲み過ぎでしょ!
「いっちゃんヒドイ…」
「何が?」
「いくら何でも飲み過ぎ! 俺、本気で干からびるまで飲まれるのかと思った! いっちゃんの鬼! 悪魔!」
「悪魔じゃなくて、吸血鬼だってば」
「そういうこと言ってんじゃないのー!」
分かっていて惚けようとしているのか、本気で吸血しすぎたことに気付いていないのか、一伽はシレッとした顔をしている。
まぁ実際、1人で一気に干からびるまで血を飲むことは、どんなに大食漢の吸血鬼でも物理的に不可能なので、雪乃の言い草は大げさと言えば大げさなのだが。
でも本気で怖かった雪乃は、『もう絶対いっちゃんに血なんか飲ませない!』と言ってやろうと思ったが、そうすると、今度は自分も一伽から血を飲ませてもらえなくなるかもしれないので、グッと我慢した。
「もぉ…、せっかくご飯して来たのに、いっちゃんに飲ませ過ぎた。またお腹空きそう…」
「そしたら俺の血、飲ませてあげる」
「それでいっちゃんがお腹空いたら、俺の血飲むの? 何かそれって、効率いいようで、そうでもない気がする」
そうやって2人で自給自足し合っていれば、ご飯に困ることはなくなりそうだけれど、そうすると後から血を吸われたほうが、何となく不利だと思う。
「で、いっちゃん、マジで男の血飲むようになったの?」
「なってないよ」
「でも俺の血飲んだじゃん。俺男だよ?」
「ユキちゃんが男なのは知ってるってば。男の血は侑仁とユキちゃんのしか飲んだことないし」
侑仁の血を飲んでみて、男の血も意外と悪くないと知ったが、そうだとしても、どうせ噛み付くなら、男の首より、女の子の柔らかい首筋のほうがいい。
「侑仁てあの、前いっちゃんが服借りて来た人? あの人の血も飲んだんだ?」
確か、酔い潰れた一伽を家に泊めてあげ、パスタを食べさせてあげ、服まで貸してくれたという、とんでもなく甲斐甲斐しい人。
多分一伽がむちゃくちゃ言ってそうさせたんだろうけど、文句も言わず(いや、言ったかもしれないが)、一伽の面倒を見てあげて、血まで飲ませてあげたなんて。
「つか、侑仁にメールするんだったんだ」
床にほっぽり出したままの携帯電話を手繰り寄せ、一伽は面倒くさそうにメールの画面を起動させた。
雪乃は一伽のそばに座って、その様子を見つめている(血を吸われ過ぎたので、動くのが怠いせいもある)。
「いっちゃんが、男にメールしてる…」
基本的に脳内から『男』という存在を抹消している一伽が、仕事の関係でもない男性に、自分からメールしているなんて、雪乃は俄かには信じられなかった。
けれど一伽は、間違いなく侑仁にメールしているわけで。
「ねぇいっちゃん」
「んー?」
「いっちゃん、侑仁さんて人のこと、好きなの?」
「…はぁ?」
携帯電話から雪乃のほうに視線をずらした一伽が、何を言っているんだ? という顔で雪乃を見遣った。
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「いっいっちゃん…?」
「んっ、んー…」
「ね、ねぇっ」
「んーーーっっ」
「ヒッ…」
「ん、ぷはっ!」
ギャーーーー!! 体中の血液を全部飲み干される~~~~~!!! と雪乃が悲鳴を上げそうになった瞬間、非常に満足げに一伽が雪乃の首筋から顔を上げた。
「はぁ~ごちそうさまでした」
「ふ…ぁ…」
ようやく一伽から解放された雪乃は、そのままでは上体を保っていられなくて、床に手を突いて何とか体を支えた。
今の、絶対に飲み過ぎでしょ!
「いっちゃんヒドイ…」
「何が?」
「いくら何でも飲み過ぎ! 俺、本気で干からびるまで飲まれるのかと思った! いっちゃんの鬼! 悪魔!」
「悪魔じゃなくて、吸血鬼だってば」
「そういうこと言ってんじゃないのー!」
分かっていて惚けようとしているのか、本気で吸血しすぎたことに気付いていないのか、一伽はシレッとした顔をしている。
まぁ実際、1人で一気に干からびるまで血を飲むことは、どんなに大食漢の吸血鬼でも物理的に不可能なので、雪乃の言い草は大げさと言えば大げさなのだが。
でも本気で怖かった雪乃は、『もう絶対いっちゃんに血なんか飲ませない!』と言ってやろうと思ったが、そうすると、今度は自分も一伽から血を飲ませてもらえなくなるかもしれないので、グッと我慢した。
「もぉ…、せっかくご飯して来たのに、いっちゃんに飲ませ過ぎた。またお腹空きそう…」
「そしたら俺の血、飲ませてあげる」
「それでいっちゃんがお腹空いたら、俺の血飲むの? 何かそれって、効率いいようで、そうでもない気がする」
そうやって2人で自給自足し合っていれば、ご飯に困ることはなくなりそうだけれど、そうすると後から血を吸われたほうが、何となく不利だと思う。
「で、いっちゃん、マジで男の血飲むようになったの?」
「なってないよ」
「でも俺の血飲んだじゃん。俺男だよ?」
「ユキちゃんが男なのは知ってるってば。男の血は侑仁とユキちゃんのしか飲んだことないし」
侑仁の血を飲んでみて、男の血も意外と悪くないと知ったが、そうだとしても、どうせ噛み付くなら、男の首より、女の子の柔らかい首筋のほうがいい。
「侑仁てあの、前いっちゃんが服借りて来た人? あの人の血も飲んだんだ?」
確か、酔い潰れた一伽を家に泊めてあげ、パスタを食べさせてあげ、服まで貸してくれたという、とんでもなく甲斐甲斐しい人。
多分一伽がむちゃくちゃ言ってそうさせたんだろうけど、文句も言わず(いや、言ったかもしれないが)、一伽の面倒を見てあげて、血まで飲ませてあげたなんて。
「つか、侑仁にメールするんだったんだ」
床にほっぽり出したままの携帯電話を手繰り寄せ、一伽は面倒くさそうにメールの画面を起動させた。
雪乃は一伽のそばに座って、その様子を見つめている(血を吸われ過ぎたので、動くのが怠いせいもある)。
「いっちゃんが、男にメールしてる…」
基本的に脳内から『男』という存在を抹消している一伽が、仕事の関係でもない男性に、自分からメールしているなんて、雪乃は俄かには信じられなかった。
けれど一伽は、間違いなく侑仁にメールしているわけで。
「ねぇいっちゃん」
「んー?」
「いっちゃん、侑仁さんて人のこと、好きなの?」
「…はぁ?」
携帯電話から雪乃のほうに視線をずらした一伽が、何を言っているんだ? という顔で雪乃を見遣った。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ ユキちゃん…
血が少なくなって、フラフラなのに、何気に考える事はしっかりさん?
普段はぼんやりさんなのに~(*^ω^*)
脳内から男の存在を削除しているはずのいっちゃんが、しつこく拘る侑仁くん。
今回のメールでは、どんなお誘いをするのかな?
楽しみ~ヾ(=^▽^=)ノ
普段はぼんやりさんなのに~(*^ω^*)
脳内から男の存在を削除しているはずのいっちゃんが、しつこく拘る侑仁くん。
今回のメールでは、どんなお誘いをするのかな?
楽しみ~ヾ(=^▽^=)ノ
- |2012.06.27
- |Wed
- |08:31
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
いっちゃんから ユキちゃんが吸って!(o・*)(ε`)ズズズウ~♪
ユキちゃんから いっちゃんが吸う!ズズズウ~♪(´з)(*・▽)
”鬼ごっこ”は知っているけど、”吸血鬼ごっこ”は、聞いた事はないなぁ~
それも 二人っきりだから 限が無いし~(笑)
ユキちゃん、良い所を突くね!(^∇^d) ナイス☆!!
如何して 侑仁に固執するのか?
面倒くさがり屋のいっちゃんが、その理由を考えてくれるのは いつになるやら・・・
ヤレ┐((-ω-。;)(;。-ω-))┌ヤレ...byebye☆
ユキちゃんから いっちゃんが吸う!ズズズウ~♪(´з)(*・▽)
”鬼ごっこ”は知っているけど、”吸血鬼ごっこ”は、聞いた事はないなぁ~
それも 二人っきりだから 限が無いし~(笑)
ユキちゃん、良い所を突くね!(^∇^d) ナイス☆!!
如何して 侑仁に固執するのか?
面倒くさがり屋のいっちゃんが、その理由を考えてくれるのは いつになるやら・・・
ヤレ┐((-ω-。;)(;。-ω-))┌ヤレ...byebye☆
- |2012.06.27
- |Wed
- |11:02
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ユキちゃん、しっかり者なのか…、鋭いのか…、何にも考えないで言ったのか…。
自分のこと以外には、よく気が付く子なんです(笑)
でも、男なんて眼中にないのに、侑仁さんだけには拘ってるいっちゃん。
その自覚があるのかないのか……だからいっちゃんも天然さんて言われちゃうんですね(^_^;)
果たしていっちゃん、何のメールを送ったのか。
常人の考えを遥か超えてることだけは確かです(笑)
コメントありがとうございました!
自分のこと以外には、よく気が付く子なんです(笑)
でも、男なんて眼中にないのに、侑仁さんだけには拘ってるいっちゃん。
その自覚があるのかないのか……だからいっちゃんも天然さんて言われちゃうんですね(^_^;)
果たしていっちゃん、何のメールを送ったのか。
常人の考えを遥か超えてることだけは確かです(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.06.27
- |Wed
- |23:16
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
> いっちゃんから ユキちゃんが吸って!(o・*)(ε`)ズズズウ~♪
> ユキちゃんから いっちゃんが吸う!ズズズウ~♪(´з)(*・▽)
↑何かかわいいんですけど、これっ!!
血を吸われてるユキちゃんが、何かぽわんとなってるっキュン。
自分のことについては限りなく鈍感なユキちゃんが、果たして鋭く追及することが出来るのか!
そして意外と自分のことに気が付いてないいっちゃんが、それに気付く日は来るのか…(笑)
まさに「ヤレ┐((-ω-。;)(;。-ω-))┌ヤレ」状態です(^_^;)
コメントありがとうございました!
> ユキちゃんから いっちゃんが吸う!ズズズウ~♪(´з)(*・▽)
↑何かかわいいんですけど、これっ!!
血を吸われてるユキちゃんが、何かぽわんとなってるっキュン。
自分のことについては限りなく鈍感なユキちゃんが、果たして鋭く追及することが出来るのか!
そして意外と自分のことに気が付いてないいっちゃんが、それに気付く日は来るのか…(笑)
まさに「ヤレ┐((-ω-。;)(;。-ω-))┌ヤレ」状態です(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2012.06.27
- |Wed
- |23:25
- |URL
- |EDIT|