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暴君王子のおっしゃることには! (55)
2012.06.25 Mon
「でもなぁ志信、それって、男から男にも有効なのか?」
「どうかなぁ。俺、その侑仁て人、知らないし。一伽くんのこと好きなら、喜ぶんじゃない?」
「アホか。メシ作って喜ぶとか、そういう意味で『好き』なら、そんなことしなくても、家に上げてるわ」
「あ、そっか」
せっかくの志信の案も、一伽が何か言う前に、オチが付いてしまった。
まぁそれ以前に、一伽は料理なんて全然出来ないんだから、侑仁どころか、誰の胃袋も掴めそうもない。
けれど、その胃袋作戦なら、雪乃が光宏に実行中のヤツだ(本来の目的とは少し違うが、不憫にも光宏はガッチリ掴まれているはず)。
やはり男は胃袋か。
一伽だって、おいしい血の子に出会うと、うっかり恋に落ちそうだし。
「うんうん。志信もたまにはいいこと言うじゃん!」
「は?」
話は、この作戦ではダメだということで落ち着いたはずなのに、なぜか一伽が突如志信を褒めたので(かなり上からだが)、志信は首を傾げる。
「俺その作戦で行くわ」
「は? え? ご飯作ってあげるってこと? 一伽くんが? 作るの? ご飯?」
一伽と料理があまりにも結び付かな過ぎて、志信はしつこいくらいに聞き返す。
そして当然、「しつけぇよっ」と、一伽に蹴っ飛ばされた。
「いや、そうじゃなくて、一伽くんの料理の腕を信用してないとか、そういうんじゃなくて、いや、それもあるけど、そうじゃなくて、」
「何だよ、ウゼェな」
「その侑仁て人、彼女とかいないわけ?」
「ぅ?」
一伽が、侑仁の家に行くこと前提で話をしていたから、何となく聞きそびれていたのだが、これはかなり重要な問題だ。
そう思って志信が尋ねたのに、一伽は『それが今、何の関係あんの?』みたいな顔で首を傾げた。
「一伽くん、その人んち行く気満々だけど、もし彼女いる人だったら、一伽くんがしょっちゅう押し掛けんのって、まずくない? いくら尽くすって言ったって」
「え、そう? 俺、女の子じゃないけど、ダメ?」
空気の読めない志信にしては、珍しく的を射た問い掛けだったのに、肝心の一伽は、何がダメなの? といった表情だ。
たとえ侑仁に彼女がいたとしても、女の子ではない一伽が侑仁の家に行ったところで浮気にはならないけれど、頻繁に一伽が訪れれば、彼女が侑仁に会いに行きづらい。
一伽が気にしなくても、侑仁と彼女にしたら大いに迷惑だし、いくら浮気にはならないと言ったって、侑仁と侑仁の彼女と一伽が1つ屋根の下にいるのは、どう考えてもシュールだ。
「そういえば前クラブで会ったとき、侑仁、女の子ナンパしようとしてたけど。航平くん、侑仁て彼女いんの?」
「知らねぇよ、アイツの女なんて」
話を振られた航平は、あっさりとそう答えた。
彼女がいるのに他の女の子をナンパするようなヤツではないと、友人としては思っているが、別に侑仁と、彼女がいるかなんてガールズトークはしないので、現在進行形で彼女がいるかを、航平は知らない。
「ま、彼女いるかどうかなんて、聞いてみればいっか」
「でも聞いてみて、彼女かいる、て言われたらどうすんの?」
「えっ…あ。えっと…もしそうなら、彼女がいない隙に行くってのは、どう?」
「いや、『どう?』て言われても。それこそ、浮気してるみたいじゃない? つか、もし彼女がいるなら、多分その人の胃袋は、彼女がガッチリ掴んでるんじゃないかなぁ? と思うのですが」
一伽の突飛な発想に苦笑した志信は、ふと、尤もなことに気が付いた。
たとえ一伽の料理の腕前がプロ級にうまかったとしても、よく分からない吸血鬼の男の作った料理より、やはり愛する彼女の手料理のほうが、彼の心を掴むだろう。
「何だよもうっ! ダメじゃん、この作戦! お前が言い出したくせにっ」
「いや、ゴメン」
一伽の言うことがむちゃくちゃ過ぎるだけであって、別に志信は何も悪くないのだが、無駄な期待を持たせてしまったかな…と、結局は一伽に甘い志信は、素直に謝った。
「…一伽、もういい加減、諦めろ? な?」
どう考えても、一伽が侑仁の家に行って、涼しく過ごすための作戦なんて見つかりそうもなくて、航平は諭すようにそう言った。
気付けば、閉店後、早1時間が経過しているのに、まだ後片付けも終わっていないのだ。いい加減、家に帰りたい。
「むぅ~。じゃあ、航平くんち行かせて?」
「ダメ!」
一伽の暑い夏は、まだ始まったばかりだ。
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「どうかなぁ。俺、その侑仁て人、知らないし。一伽くんのこと好きなら、喜ぶんじゃない?」
「アホか。メシ作って喜ぶとか、そういう意味で『好き』なら、そんなことしなくても、家に上げてるわ」
「あ、そっか」
せっかくの志信の案も、一伽が何か言う前に、オチが付いてしまった。
まぁそれ以前に、一伽は料理なんて全然出来ないんだから、侑仁どころか、誰の胃袋も掴めそうもない。
けれど、その胃袋作戦なら、雪乃が光宏に実行中のヤツだ(本来の目的とは少し違うが、不憫にも光宏はガッチリ掴まれているはず)。
やはり男は胃袋か。
一伽だって、おいしい血の子に出会うと、うっかり恋に落ちそうだし。
「うんうん。志信もたまにはいいこと言うじゃん!」
「は?」
話は、この作戦ではダメだということで落ち着いたはずなのに、なぜか一伽が突如志信を褒めたので(かなり上からだが)、志信は首を傾げる。
「俺その作戦で行くわ」
「は? え? ご飯作ってあげるってこと? 一伽くんが? 作るの? ご飯?」
一伽と料理があまりにも結び付かな過ぎて、志信はしつこいくらいに聞き返す。
そして当然、「しつけぇよっ」と、一伽に蹴っ飛ばされた。
「いや、そうじゃなくて、一伽くんの料理の腕を信用してないとか、そういうんじゃなくて、いや、それもあるけど、そうじゃなくて、」
「何だよ、ウゼェな」
「その侑仁て人、彼女とかいないわけ?」
「ぅ?」
一伽が、侑仁の家に行くこと前提で話をしていたから、何となく聞きそびれていたのだが、これはかなり重要な問題だ。
そう思って志信が尋ねたのに、一伽は『それが今、何の関係あんの?』みたいな顔で首を傾げた。
「一伽くん、その人んち行く気満々だけど、もし彼女いる人だったら、一伽くんがしょっちゅう押し掛けんのって、まずくない? いくら尽くすって言ったって」
「え、そう? 俺、女の子じゃないけど、ダメ?」
空気の読めない志信にしては、珍しく的を射た問い掛けだったのに、肝心の一伽は、何がダメなの? といった表情だ。
たとえ侑仁に彼女がいたとしても、女の子ではない一伽が侑仁の家に行ったところで浮気にはならないけれど、頻繁に一伽が訪れれば、彼女が侑仁に会いに行きづらい。
一伽が気にしなくても、侑仁と彼女にしたら大いに迷惑だし、いくら浮気にはならないと言ったって、侑仁と侑仁の彼女と一伽が1つ屋根の下にいるのは、どう考えてもシュールだ。
「そういえば前クラブで会ったとき、侑仁、女の子ナンパしようとしてたけど。航平くん、侑仁て彼女いんの?」
「知らねぇよ、アイツの女なんて」
話を振られた航平は、あっさりとそう答えた。
彼女がいるのに他の女の子をナンパするようなヤツではないと、友人としては思っているが、別に侑仁と、彼女がいるかなんてガールズトークはしないので、現在進行形で彼女がいるかを、航平は知らない。
「ま、彼女いるかどうかなんて、聞いてみればいっか」
「でも聞いてみて、彼女かいる、て言われたらどうすんの?」
「えっ…あ。えっと…もしそうなら、彼女がいない隙に行くってのは、どう?」
「いや、『どう?』て言われても。それこそ、浮気してるみたいじゃない? つか、もし彼女がいるなら、多分その人の胃袋は、彼女がガッチリ掴んでるんじゃないかなぁ? と思うのですが」
一伽の突飛な発想に苦笑した志信は、ふと、尤もなことに気が付いた。
たとえ一伽の料理の腕前がプロ級にうまかったとしても、よく分からない吸血鬼の男の作った料理より、やはり愛する彼女の手料理のほうが、彼の心を掴むだろう。
「何だよもうっ! ダメじゃん、この作戦! お前が言い出したくせにっ」
「いや、ゴメン」
一伽の言うことがむちゃくちゃ過ぎるだけであって、別に志信は何も悪くないのだが、無駄な期待を持たせてしまったかな…と、結局は一伽に甘い志信は、素直に謝った。
「…一伽、もういい加減、諦めろ? な?」
どう考えても、一伽が侑仁の家に行って、涼しく過ごすための作戦なんて見つかりそうもなくて、航平は諭すようにそう言った。
気付けば、閉店後、早1時間が経過しているのに、まだ後片付けも終わっていないのだ。いい加減、家に帰りたい。
「むぅ~。じゃあ、航平くんち行かせて?」
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
いっちゃんは、何も出来ないし、ヤル気もねぇ~
志信と航平は、考えてくれるだけ 良い人だね♪
いっちゃん!
こうなったら 頑張って働いて 冷風扇(水使用のアレ!)を買いなされ~!m9(#`・ω・´)君ッッ!!!
アレだったら工事も要らないし、エアコンよりは確実に安いから!
でも いっちゃんの辞書には、”頑張る”という言葉は乗ってないと、思うな(苦笑)
┏(((卍)))~熱風~(#`Д´)o暑ぃぞ!!...byebye☆
志信と航平は、考えてくれるだけ 良い人だね♪
いっちゃん!
こうなったら 頑張って働いて 冷風扇(水使用のアレ!)を買いなされ~!m9(#`・ω・´)君ッッ!!!
アレだったら工事も要らないし、エアコンよりは確実に安いから!
でも いっちゃんの辞書には、”頑張る”という言葉は乗ってないと、思うな(苦笑)
┏(((卍)))~熱風~(#`Д´)o暑ぃぞ!!...byebye☆
- |2012.06.25
- |Mon
- |10:20
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
一伽さん、やる気はないんですけど、何かやったほうがいい気はするからやってみるか~、くらいの気持ちはあります(笑)
何だかんだで航平くんも、いい人ですよね。ちゃんと付き合ってあげて。
冷風扇て確かに工事いらないし、出てくる空気は冷たいんですが、その本体が発する熱がすごくて……私の部屋が狭かったから、向いてなかったのかな?? (^_^;)
音も結構すごいですよね。
> でも いっちゃんの辞書には、”頑張る”という言葉は乗ってないと、思うな(苦笑)
けいったんさん、大正解~~♪
『がんばる』と『忍耐』は、確実にないでしょうね(笑)
コメントありがとうございました!
何だかんだで航平くんも、いい人ですよね。ちゃんと付き合ってあげて。
冷風扇て確かに工事いらないし、出てくる空気は冷たいんですが、その本体が発する熱がすごくて……私の部屋が狭かったから、向いてなかったのかな?? (^_^;)
音も結構すごいですよね。
> でも いっちゃんの辞書には、”頑張る”という言葉は乗ってないと、思うな(苦笑)
けいったんさん、大正解~~♪
『がんばる』と『忍耐』は、確実にないでしょうね(笑)
コメントありがとうございました!
- |2012.06.25
- |Mon
- |22:22
- |URL
- |EDIT|