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暴君王子のおっしゃることには! (54)
2012.06.24 Sun
「あ、だったら、志信の家に行けよ。志信に尽くしてやれ?」
航平は勝手にそう決め付けて、話を志信に振った。
しかし。
「ヤダ。絶対」
「ちょっ、何でそこは即行拒否!?」
きっぱりすっぱりあっさり一伽に拒否され、志信にしては珍しく、即行の突っ込みを入れた。
別に一伽に押し掛けられたくはないが、こうもあっさり拒否されるのは、結構ショック。というか、ここまで涼しい場所を求めているくせに、志信家だけは拒絶とか、意味が分からない。
「だって、志信には何か尽くしたくない」
ガーン! となっている志信に、追い打ちをかけるように、一伽は真顔でそう言い切った。
「何でだよ、簡単じゃん。メイドさんの格好で、『ご主人様~』て言うだけだろ? やってやれよ。後は涼み放題だぜ?」
「やんねぇよっ! つかそれ、全然寛げねぇし!」
他人事だと思って、航平がニヤニヤしながらそんなことを言っている。
志信は、相手が店長であるにもかかわらず、思わず航平を睨んでしまった。
「…一伽くん、こうなったら、人に尽くして涼もうとするより、エアコン買ったほうが早いんじゃない?」
一伽が、志信に尽くす気がないのは十二分に分かったので(志信も別に、同僚の女装姿をそこまで見たいわけではないし)、自宅に押し掛けられないうちに、他のアイディアを提案してみる。
「むぅ。そんなことないもん。エアコンなんて買えないもん。ユキちゃんだって、アパートだから勝手に設置できないって言ってたもん」
「まぁそうだけど…」
志信と航平は顔を見合わせた。
どうしていつも、一伽の話し相手になって、帰り時間が遅くなっているんだろう…。
「何だよ、みんなして、俺のこと迷惑がりやがって」
何としても、侑仁の家で暑い夏を涼しく過ごそう作戦を決行したかった一伽は、何だかいろいろおもしろくない。
一伽の計画としては、航平や志信に聞いたら意外とあっさりと、侑仁のために何をしたらいいかが思い付くと思っていたのに。
「一伽くん、ちなみに女の子……その、いざってときのための、連絡する人には、何してあげてるわけ? そういう子にも、何かしてるんでしょ?」
一伽がすっかり機嫌を損ねてしまったので、仕方なく志信は、考える気はあるのだというアピールをしてみる。
既にいる、キープのような『いざというとき要員』にも、何かしら返しているからこそ、相手が侑仁だとしても、何かしなければ、と思ったのだろうから。
「んー…まぁ相手は女の子だからさぁ、何かいろいろ、気持ちいいこと」
「…………」
一伽らしい答えが返って来て、志信も航平も口を噤む。
まぁ、相手もそれで満足しているのなら、それはそれでいいのかもしれないが、そこから、『侑仁のために』ということに結び付けるのは、なかなか難しいかもしれない。
「あ、言っとくけど俺、侑仁にそういう『ご奉仕』するつもりないからね?」
「分かってるわ!」
一伽が女の子大好きなのは、嫌というほど知っているし、侑仁だって、そういう意味での『尽くす』だったら、一伽よりもかわいい女の子のほうがいいだろう。
わざわざ口に出して忠告してくれなくたって、そんな提案、最初からするつもりはない。
「あ、よくさ、彼の心を掴むには胃袋を掴め、みたいなこと言うじゃん? そういう作戦は?」
かなりベタだが、男なんて単純な生き物だから、そういうのは意外とウケるかもしれない、と志信が提案してみる。
志信だって、彼女がただかわいいだけでなく、料理上手だったら、やっぱり嬉しいし。
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航平は勝手にそう決め付けて、話を志信に振った。
しかし。
「ヤダ。絶対」
「ちょっ、何でそこは即行拒否!?」
きっぱりすっぱりあっさり一伽に拒否され、志信にしては珍しく、即行の突っ込みを入れた。
別に一伽に押し掛けられたくはないが、こうもあっさり拒否されるのは、結構ショック。というか、ここまで涼しい場所を求めているくせに、志信家だけは拒絶とか、意味が分からない。
「だって、志信には何か尽くしたくない」
ガーン! となっている志信に、追い打ちをかけるように、一伽は真顔でそう言い切った。
「何でだよ、簡単じゃん。メイドさんの格好で、『ご主人様~』て言うだけだろ? やってやれよ。後は涼み放題だぜ?」
「やんねぇよっ! つかそれ、全然寛げねぇし!」
他人事だと思って、航平がニヤニヤしながらそんなことを言っている。
志信は、相手が店長であるにもかかわらず、思わず航平を睨んでしまった。
「…一伽くん、こうなったら、人に尽くして涼もうとするより、エアコン買ったほうが早いんじゃない?」
一伽が、志信に尽くす気がないのは十二分に分かったので(志信も別に、同僚の女装姿をそこまで見たいわけではないし)、自宅に押し掛けられないうちに、他のアイディアを提案してみる。
「むぅ。そんなことないもん。エアコンなんて買えないもん。ユキちゃんだって、アパートだから勝手に設置できないって言ってたもん」
「まぁそうだけど…」
志信と航平は顔を見合わせた。
どうしていつも、一伽の話し相手になって、帰り時間が遅くなっているんだろう…。
「何だよ、みんなして、俺のこと迷惑がりやがって」
何としても、侑仁の家で暑い夏を涼しく過ごそう作戦を決行したかった一伽は、何だかいろいろおもしろくない。
一伽の計画としては、航平や志信に聞いたら意外とあっさりと、侑仁のために何をしたらいいかが思い付くと思っていたのに。
「一伽くん、ちなみに女の子……その、いざってときのための、連絡する人には、何してあげてるわけ? そういう子にも、何かしてるんでしょ?」
一伽がすっかり機嫌を損ねてしまったので、仕方なく志信は、考える気はあるのだというアピールをしてみる。
既にいる、キープのような『いざというとき要員』にも、何かしら返しているからこそ、相手が侑仁だとしても、何かしなければ、と思ったのだろうから。
「んー…まぁ相手は女の子だからさぁ、何かいろいろ、気持ちいいこと」
「…………」
一伽らしい答えが返って来て、志信も航平も口を噤む。
まぁ、相手もそれで満足しているのなら、それはそれでいいのかもしれないが、そこから、『侑仁のために』ということに結び付けるのは、なかなか難しいかもしれない。
「あ、言っとくけど俺、侑仁にそういう『ご奉仕』するつもりないからね?」
「分かってるわ!」
一伽が女の子大好きなのは、嫌というほど知っているし、侑仁だって、そういう意味での『尽くす』だったら、一伽よりもかわいい女の子のほうがいいだろう。
わざわざ口に出して忠告してくれなくたって、そんな提案、最初からするつもりはない。
「あ、よくさ、彼の心を掴むには胃袋を掴め、みたいなこと言うじゃん? そういう作戦は?」
かなりベタだが、男なんて単純な生き物だから、そういうのは意外とウケるかもしれない、と志信が提案してみる。
志信だって、彼女がただかわいいだけでなく、料理上手だったら、やっぱり嬉しいし。
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