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暴君王子のおっしゃることには! (47)
2012.06.17 Sun
「侑仁、コップ貸して」
「えー、そのまま飲めばー?」
「ヤダ! 缶臭い!」
まったく、面倒くさいわがままを言う一伽に、仕方なく侑仁は食器棚からグラスを1つ取り出して、一伽に渡した。
一伽のわがままも相当だが、どうして自分はそれを素直に聞いているんだろう。
「はぁ~おいしっ!」
涼しい部屋で、冷たいビール。ホント、最高っ!
一伽は、満足そうにグラスを空けた。
「お前、ホントうまそうに飲むね」
「だってうまいもん。ウチで飲んだってさぁ、ビール、一瞬でぬるくなるかんね。あ、侑仁も飲む?」
タバコを吸い終わった侑仁に、一伽が自分の持っていたグラスを差し出した。
いや、ここは侑仁の家で、このグラスも侑仁のもので、このビールだって侑仁が買ったんだけど……と思いつつ、それでもうっかり、侑仁は手を差し出した。
しかし。
「あっしまっ…」
「うわっツッ!」
ダメだった。
一伽が持っていたグラスは、侑仁の手に渡るより前に、ツルッと一伽の手から滑り落ちた。慌てて侑仁は手を伸ばしたけれど、残念ながら間に合わなかった。
侑仁の手を掠めもしないで、グラスは床へと落ちてしまった。
「手が、滑りました…」
床の上で、無残にも砕けたグラス。
侑仁は嫌そうに一伽を睨んだ。さすがの一伽も、申し訳なさそうな顔をしている。
「…てめぇ、やっぱ酔ってんじゃねぇか」
「ゴメンなさい、です…」
一伽は、素直に頭を下げた。
グラス1杯のビールくらいでは酔わないけれど、酔っ払っていると言われたって、今は否定できない。
「はぁ~…今片付けるから、お前、そこ動くなよ?」
「え、俺も手伝うっ」
「裸足!」
こればっかりは自分が悪い…と一伽が手伝おうとしたら、侑仁に裸足であることを指摘され、一伽は片足を上げた状態で、ピタッと動きを止めた。
侑仁はスリッパを履いているけれど、一伽は家に上がったときからずっと裸足だ。これで破片でも踏んだ日には、目も当てられない。
一伽が足を上げた状態で待っていたら(近くに破片が飛び散っていると思ったら、どこに足をついたらいいか分からなくなった)、侑仁が戻って来た。
「侑仁、ゴメン」
「…別にいいけど。ホラ」
侑仁はビニル袋と雑巾と、それから一伽が履くためのスリッパを持って来てくれた。意外と甲斐甲斐しい男。見た目ほど、チャラいヤツではないのかも。
侑仁はまず、ビニル袋に大きめの破片を気を付けながら入れていく。それから細かいのを雑巾で拭き集める作戦らしい。
「侑仁ー、何か手伝おっか?」
「寧ろジッとしてて」
「何だよ、もぅ!」
せっかく言ってみたのに。
一伽は少しだけ唇を突き出し、足を振り上げるマネをする。しかしそれは本当にマネだけで、もちろん侑仁を蹴ってもいないし、足だってほんのちょっとしか上げていない。
なのに。
「テッ…」
直後、侑仁が小さく呻いた。
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「えー、そのまま飲めばー?」
「ヤダ! 缶臭い!」
まったく、面倒くさいわがままを言う一伽に、仕方なく侑仁は食器棚からグラスを1つ取り出して、一伽に渡した。
一伽のわがままも相当だが、どうして自分はそれを素直に聞いているんだろう。
「はぁ~おいしっ!」
涼しい部屋で、冷たいビール。ホント、最高っ!
一伽は、満足そうにグラスを空けた。
「お前、ホントうまそうに飲むね」
「だってうまいもん。ウチで飲んだってさぁ、ビール、一瞬でぬるくなるかんね。あ、侑仁も飲む?」
タバコを吸い終わった侑仁に、一伽が自分の持っていたグラスを差し出した。
いや、ここは侑仁の家で、このグラスも侑仁のもので、このビールだって侑仁が買ったんだけど……と思いつつ、それでもうっかり、侑仁は手を差し出した。
しかし。
「あっしまっ…」
「うわっツッ!」
ダメだった。
一伽が持っていたグラスは、侑仁の手に渡るより前に、ツルッと一伽の手から滑り落ちた。慌てて侑仁は手を伸ばしたけれど、残念ながら間に合わなかった。
侑仁の手を掠めもしないで、グラスは床へと落ちてしまった。
「手が、滑りました…」
床の上で、無残にも砕けたグラス。
侑仁は嫌そうに一伽を睨んだ。さすがの一伽も、申し訳なさそうな顔をしている。
「…てめぇ、やっぱ酔ってんじゃねぇか」
「ゴメンなさい、です…」
一伽は、素直に頭を下げた。
グラス1杯のビールくらいでは酔わないけれど、酔っ払っていると言われたって、今は否定できない。
「はぁ~…今片付けるから、お前、そこ動くなよ?」
「え、俺も手伝うっ」
「裸足!」
こればっかりは自分が悪い…と一伽が手伝おうとしたら、侑仁に裸足であることを指摘され、一伽は片足を上げた状態で、ピタッと動きを止めた。
侑仁はスリッパを履いているけれど、一伽は家に上がったときからずっと裸足だ。これで破片でも踏んだ日には、目も当てられない。
一伽が足を上げた状態で待っていたら(近くに破片が飛び散っていると思ったら、どこに足をついたらいいか分からなくなった)、侑仁が戻って来た。
「侑仁、ゴメン」
「…別にいいけど。ホラ」
侑仁はビニル袋と雑巾と、それから一伽が履くためのスリッパを持って来てくれた。意外と甲斐甲斐しい男。見た目ほど、チャラいヤツではないのかも。
侑仁はまず、ビニル袋に大きめの破片を気を付けながら入れていく。それから細かいのを雑巾で拭き集める作戦らしい。
「侑仁ー、何か手伝おっか?」
「寧ろジッとしてて」
「何だよ、もぅ!」
せっかく言ってみたのに。
一伽は少しだけ唇を突き出し、足を振り上げるマネをする。しかしそれは本当にマネだけで、もちろん侑仁を蹴ってもいないし、足だってほんのちょっとしか上げていない。
なのに。
「テッ…」
直後、侑仁が小さく呻いた。
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けいったん ⇒
おっ!
素直に「ごめんなさい」って言ってる!
やれば 出来る子なんだね、いっちゃんは~(笑)
エライ エライ♪(*--)ヾ( ̄▽ ̄*) ナデナデ...byebye☆
素直に「ごめんなさい」って言ってる!
やれば 出来る子なんだね、いっちゃんは~(笑)
エライ エライ♪(*--)ヾ( ̄▽ ̄*) ナデナデ...byebye☆
- |2012.06.17
- |Sun
- |18:37
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
自分の仕出かした悪いことに対して謝っただけなのに、驚かれた上に、褒められてる一伽さん…(笑)
まぁ確かに、そのくらいビックリすることではありますけどね(^_^;)
褒められて伸びる子なんで(本人談)、いっぱい褒めてあげてください~!
コメントありがとうございました!
まぁ確かに、そのくらいビックリすることではありますけどね(^_^;)
褒められて伸びる子なんで(本人談)、いっぱい褒めてあげてください~!
コメントありがとうございました!
- |2012.06.17
- |Sun
- |22:33
- |URL
- |EDIT|