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暴君王子のおっしゃることには! (46)
2012.06.16 Sat
「だってさぁ、侑仁聞いてよ~」
「あぁっ?」
「ウチさぁ、エアコンないんだよねー。あり得なくねっ!?」
「それはあり得ない」
面倒くさそうに返事をした侑仁だったが、この猛暑にエアコンがないという事実だけは、確かにあり得ない。
エアコンはあるけれど、エコとか節電とかのために稼働させないというなら分かるけれど、それ自体がないなんて、侑仁もちょっとこの夏を乗り切る自信がない…。
「なっ? あり得ないだろ!? かわいそうだろっ!? つーことで侑仁、もうちょっと涼ませて」
「おいっ」
「お・ね・が・いっ★」
「いや…別にかわいくねぇし」
エアコンのない一伽には同情するけれど、それとここに居座られるのは、わけが違う。
しかも、そんなおねだりモードの声を出されたって、女の子ではないから、別にかわいくもない(いや、その上目遣いは、少しかわいかったかも)。
「はぁ~…」
一伽には何を言っても無駄なのかもしれない。
そう思ったら、いちいち突っ込むのも面倒くさくなって、侑仁はタバコを吸うためにキッチンへと向かった。
ここは自分の家だが、来客の中にはタバコのにおいを嫌がる連中もいるので、気を遣って、1人でも、換気扇のあるキッチンで吸うのが侑仁の常だった。
「侑仁ー、俺も何か飲みたいー」
一息吸い込んで、煙を吐き出したところで、一伽がペタペタとキッチンへやって来た。
俺も、て……別に侑仁は、何かを飲むためにキッチンに来たわけではなかったのに、一伽はそう勘違いしたらしい。
「ぅん? タバコ? 侑仁てタバコ吸う人なの?」
「そうだよ。何か飲みてぇなら、冷蔵庫ん中。勝手に出せよ」
もう、勝手に家に上がり込んで、勝手にソファに寛いでいる時点で、一伽の勝手さ加減には慣れてしまった。飲み物くらい、どうということもない。
面倒くさいから、勝手に飲んでくれ。
「ヘビー?」
「あん?」
「侑仁、ヘビースモーカー?」
「いや…どうだろ? 1日に1箱も吸わねぇけど。え、あ、ワリ。煙行った?」
どうして侑仁が一伽に気を遣わなければならないのかと思いつつ、侑仁は灰皿を引き寄せた。
侑仁が知らないだけで、吸血鬼は人間よりもタバコがダメとかかも…と、考えてしまったから。
「うぅん、俺は吸わないけど、別に平気。じゃなくて、こないだ侑仁の血吸ったとき、タバコ吸ってる感じしなかったから、ちょっとビックリしただけ」
「え、そんなん分かんの? タバコ吸ってるとか、吸ってないとか」
「分かるよー。タバコ吸う人と吸わない人じゃ、血の味、全然違うし」
一伽に平気と言われたので、侑仁はタバコを消すのをやめ、再び口元に持っていた。
しかしそれでも、一伽のほうに煙が行かないようには気を付ける(そんな気遣い、どうせ気付いてはもらえないんだろうけど)。
「やっぱ、吸わない人のほうがうまいんだ?」
「それは好みの問題。吸血鬼だって、タバコ吸うヤツいるし」
侑仁に勝手にしろと言われたので、一伽は勝手に人の家の冷蔵庫を開けた。
勝手というか……なぜか開ける際に、『お邪魔しまーす』とか言っている。
「うわっ、ビールばっか。何か他にないのぉ?」
「他って何だよ。つかお前、酒飲むなよ。こないだ超面倒くさかったんだから」
人の冷蔵庫の中身に文句を言っている一伽に、侑仁はそう忠告する。
一伽が酔い潰れたおかげで、侑仁は散々な目に遭ったのだ。
「あれはー、いろいろおいしく飲んじゃったから! ビール1本くらいじゃ酔っ払わないしっ! ビール飲むっ」
「はいはい」
確かに、酒豪のニナをあれだけベロベロに酔っ払わせたくらいだから、一伽だって相当酒は強いんだろうけど。
ムキになる一伽に、少しだけ笑う。
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「あぁっ?」
「ウチさぁ、エアコンないんだよねー。あり得なくねっ!?」
「それはあり得ない」
面倒くさそうに返事をした侑仁だったが、この猛暑にエアコンがないという事実だけは、確かにあり得ない。
エアコンはあるけれど、エコとか節電とかのために稼働させないというなら分かるけれど、それ自体がないなんて、侑仁もちょっとこの夏を乗り切る自信がない…。
「なっ? あり得ないだろ!? かわいそうだろっ!? つーことで侑仁、もうちょっと涼ませて」
「おいっ」
「お・ね・が・いっ★」
「いや…別にかわいくねぇし」
エアコンのない一伽には同情するけれど、それとここに居座られるのは、わけが違う。
しかも、そんなおねだりモードの声を出されたって、女の子ではないから、別にかわいくもない(いや、その上目遣いは、少しかわいかったかも)。
「はぁ~…」
一伽には何を言っても無駄なのかもしれない。
そう思ったら、いちいち突っ込むのも面倒くさくなって、侑仁はタバコを吸うためにキッチンへと向かった。
ここは自分の家だが、来客の中にはタバコのにおいを嫌がる連中もいるので、気を遣って、1人でも、換気扇のあるキッチンで吸うのが侑仁の常だった。
「侑仁ー、俺も何か飲みたいー」
一息吸い込んで、煙を吐き出したところで、一伽がペタペタとキッチンへやって来た。
俺も、て……別に侑仁は、何かを飲むためにキッチンに来たわけではなかったのに、一伽はそう勘違いしたらしい。
「ぅん? タバコ? 侑仁てタバコ吸う人なの?」
「そうだよ。何か飲みてぇなら、冷蔵庫ん中。勝手に出せよ」
もう、勝手に家に上がり込んで、勝手にソファに寛いでいる時点で、一伽の勝手さ加減には慣れてしまった。飲み物くらい、どうということもない。
面倒くさいから、勝手に飲んでくれ。
「ヘビー?」
「あん?」
「侑仁、ヘビースモーカー?」
「いや…どうだろ? 1日に1箱も吸わねぇけど。え、あ、ワリ。煙行った?」
どうして侑仁が一伽に気を遣わなければならないのかと思いつつ、侑仁は灰皿を引き寄せた。
侑仁が知らないだけで、吸血鬼は人間よりもタバコがダメとかかも…と、考えてしまったから。
「うぅん、俺は吸わないけど、別に平気。じゃなくて、こないだ侑仁の血吸ったとき、タバコ吸ってる感じしなかったから、ちょっとビックリしただけ」
「え、そんなん分かんの? タバコ吸ってるとか、吸ってないとか」
「分かるよー。タバコ吸う人と吸わない人じゃ、血の味、全然違うし」
一伽に平気と言われたので、侑仁はタバコを消すのをやめ、再び口元に持っていた。
しかしそれでも、一伽のほうに煙が行かないようには気を付ける(そんな気遣い、どうせ気付いてはもらえないんだろうけど)。
「やっぱ、吸わない人のほうがうまいんだ?」
「それは好みの問題。吸血鬼だって、タバコ吸うヤツいるし」
侑仁に勝手にしろと言われたので、一伽は勝手に人の家の冷蔵庫を開けた。
勝手というか……なぜか開ける際に、『お邪魔しまーす』とか言っている。
「うわっ、ビールばっか。何か他にないのぉ?」
「他って何だよ。つかお前、酒飲むなよ。こないだ超面倒くさかったんだから」
人の冷蔵庫の中身に文句を言っている一伽に、侑仁はそう忠告する。
一伽が酔い潰れたおかげで、侑仁は散々な目に遭ったのだ。
「あれはー、いろいろおいしく飲んじゃったから! ビール1本くらいじゃ酔っ払わないしっ! ビール飲むっ」
「はいはい」
確かに、酒豪のニナをあれだけベロベロに酔っ払わせたくらいだから、一伽だって相当酒は強いんだろうけど。
ムキになる一伽に、少しだけ笑う。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒ あれまぁ…w(°□°)w
何だか、お二人さんの会話が弾んでる?かみ合っている?
侑仁くんも、いっちゃんのおねだり作戦にたじたじですね。
なんだかんだ言っても、いろんな表情を見せてくれるいっちゃん。
魅力的だと思うけど、侑仁くん、いかがですか?
お・ね・が・い(*゜▽^)⌒★ (*°∀°)アレ?かわいい…かも?
侑仁くんも、いっちゃんのおねだり作戦にたじたじですね。
なんだかんだ言っても、いろんな表情を見せてくれるいっちゃん。
魅力的だと思うけど、侑仁くん、いかがですか?
お・ね・が・い(*゜▽^)⌒★ (*°∀°)アレ?かわいい…かも?
- |2012.06.16
- |Sat
- |09:35
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
会話がかみ合ってない感じなのは、やっぱり一伽が自分の好きなようにお喋りしてるからでしょうか…? (笑)
> なんだかんだ言っても、いろんな表情を見せてくれるいっちゃん。
> 魅力的だと思うけど、侑仁くん、いかがですか?
確かに!
いっちゃんは、自分の感情に素直なので、良くも悪くも感情が顔に出ちゃいますからね。
子どもといえば子どもですが、それが彼の魅力でもありますよね!
> お・ね・が・い(*゜▽^)⌒★ (*°∀°)アレ?かわいい…かも?
↑こんなことされたら、私、すぐにお願い聞いちゃうかも~! かわゆい。
コメントありがとうございました!
> なんだかんだ言っても、いろんな表情を見せてくれるいっちゃん。
> 魅力的だと思うけど、侑仁くん、いかがですか?
確かに!
いっちゃんは、自分の感情に素直なので、良くも悪くも感情が顔に出ちゃいますからね。
子どもといえば子どもですが、それが彼の魅力でもありますよね!
> お・ね・が・い(*゜▽^)⌒★ (*°∀°)アレ?かわいい…かも?
↑こんなことされたら、私、すぐにお願い聞いちゃうかも~! かわゆい。
コメントありがとうございました!
- |2012.06.16
- |Sat
- |12:28
- |URL
- |EDIT|
けいったん ⇒
この流れはーー!Σ(゚ω゚)b
「侑仁~ビールの~オツマミ~」→「ハイハイ」
「侑仁~腹減った~飯~」→「ハイハイ」
「侑仁~汗かいた~お風呂~」→「ハイハイ」
「侑仁~面倒だから~ここに住む~」→「ハイハイ...エッ!」
って、なっちゃう予感~♪
同居の始まり~始まり~(*>ω<*)ぷっー...byebye☆
「侑仁~ビールの~オツマミ~」→「ハイハイ」
「侑仁~腹減った~飯~」→「ハイハイ」
「侑仁~汗かいた~お風呂~」→「ハイハイ」
「侑仁~面倒だから~ここに住む~」→「ハイハイ...エッ!」
って、なっちゃう予感~♪
同居の始まり~始まり~(*>ω<*)ぷっー...byebye☆
- |2012.06.16
- |Sat
- |15:24
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
けいったんさん、一伽のこと、よくお分かりで!!
でも一伽、こんだけおねだりしてても、自分がわがまま言ってるとは微塵も思ってないので(…)、もちろん感謝の言葉もなしですが(>_<)、まぁかわいいいっちゃんを見られれば、安いものでしょうか(笑)
侑仁さんも、何でも「はいはい」言ってると、取り返しのつかないことになるぞ~。
コメントありがとうございました!
でも一伽、こんだけおねだりしてても、自分がわがまま言ってるとは微塵も思ってないので(…)、もちろん感謝の言葉もなしですが(>_<)、まぁかわいいいっちゃんを見られれば、安いものでしょうか(笑)
侑仁さんも、何でも「はいはい」言ってると、取り返しのつかないことになるぞ~。
コメントありがとうございました!
- |2012.06.16
- |Sat
- |23:44
- |URL
- |EDIT|