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暴君王子のおっしゃることには! (45)
2012.06.15 Fri
「そんなの言い訳にもなんないよ、いっちゃん…。なら、いつなら行っていいー? てメールすればいいじゃん」
「メンドイ…。最初に張り切って持ってったときに返せなかったから、もう気分萎えた…」
「そういう問題じゃないでしょ!」
雪乃は人のことなのに、なぜかプリプリ怒っている。
まぁ確かに、人から物を借りておいて、借りっぱなしというのもよくないか…。
(…ちょっと待て。アイツんち、エアコンあるよな? 絶対)
何たって、セレブだし。
…侑仁がセレブだというのは、一伽の勝手な思い込みだ。
けれど、彼の家にエアコンがあるのは確かで、それならば、服を返しに行くという名目で、涼みに行くというのはどうだろう。
(俺って、頭いー!)
何も侑仁の家でなくたって、涼みたいなら他にも場所はあるだろうに、一伽は名案だとばかりに起き上がった。
「返しに行く! 俺、服返しに行ってくんね!」
「えっ、今から!?」
先ほどまで、怠そうにウダウダしていた一伽が、急にシャキシャキ動き出したので、テレビを見ていた雪乃が、驚いた顔をする。
「え、いっちゃん、その侑仁て人に連絡したの? 今から行ってもいいって?」
この間も、残業でまだ帰っていなかったんだから、今日だってちゃんと連絡を取ったほうがいいのでは?
「んー…。じゃあ、今から行く、てメールしよっかな」
「いっちゃん! 『今から行く』じゃなくて、『今から行ってもいい?』でしょっ」
「『行く』なのっ。これから行くのっ!」
雪乃に止められようが、今の一伽は、侑仁の家に行く気満々だ。
エアコンのある侑仁の家に行って、涼むんだ。
「よし、と…。ほんじゃユキちゃん、行ってくるねー」
侑仁にメールを送信し終えると、一伽はコウモリの姿へと変身して、全開の窓から飛び立っていった。
一伽 と 侑仁
「お前って、ホントあり得ねぇー…」
エコの時代だし、設定温度はそこそこ高めだけれど、一伽の家より格段に涼しい侑仁の家。
一伽は、侑仁の呆れた声なんて聞こえない振りで、ゆったりとしたソファに寝転んで、う~んと大きく伸びをした。
はぁ~…最高っ!
「お前、いつまでそうしてるつもり…?」
「ん~…はぁ~…涼しっ!」
「聞けよっ!」
話を聞く気ゼロの一伽に突っ込んでみても、少しも動じない。
侑仁はグシャグシャと頭を掻いた。
『まぁまぁ。せっかく家まで届けに来てやったんだから、ちょっとくらい上げてよ』
なんて、恩着せがましいことを言って上がり込んできた一伽の目的が、『借りていた服を返しに来た』わけではないことは、十分に分かっていたのに。
なのに結局家に上げてしまったことを、侑仁は激しく後悔していた。
「おまっ…寛ぎ過ぎっ!」
来るのはこれで2回目だというのに、まるで自分の家のようにリラックスしている一伽に言ってみたって、まったく通じない。
ここまで図太い神経に、侑仁はある意味、尊敬する(でも、真似はしたくない)。
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「メンドイ…。最初に張り切って持ってったときに返せなかったから、もう気分萎えた…」
「そういう問題じゃないでしょ!」
雪乃は人のことなのに、なぜかプリプリ怒っている。
まぁ確かに、人から物を借りておいて、借りっぱなしというのもよくないか…。
(…ちょっと待て。アイツんち、エアコンあるよな? 絶対)
何たって、セレブだし。
…侑仁がセレブだというのは、一伽の勝手な思い込みだ。
けれど、彼の家にエアコンがあるのは確かで、それならば、服を返しに行くという名目で、涼みに行くというのはどうだろう。
(俺って、頭いー!)
何も侑仁の家でなくたって、涼みたいなら他にも場所はあるだろうに、一伽は名案だとばかりに起き上がった。
「返しに行く! 俺、服返しに行ってくんね!」
「えっ、今から!?」
先ほどまで、怠そうにウダウダしていた一伽が、急にシャキシャキ動き出したので、テレビを見ていた雪乃が、驚いた顔をする。
「え、いっちゃん、その侑仁て人に連絡したの? 今から行ってもいいって?」
この間も、残業でまだ帰っていなかったんだから、今日だってちゃんと連絡を取ったほうがいいのでは?
「んー…。じゃあ、今から行く、てメールしよっかな」
「いっちゃん! 『今から行く』じゃなくて、『今から行ってもいい?』でしょっ」
「『行く』なのっ。これから行くのっ!」
雪乃に止められようが、今の一伽は、侑仁の家に行く気満々だ。
エアコンのある侑仁の家に行って、涼むんだ。
「よし、と…。ほんじゃユキちゃん、行ってくるねー」
侑仁にメールを送信し終えると、一伽はコウモリの姿へと変身して、全開の窓から飛び立っていった。
一伽 と 侑仁
「お前って、ホントあり得ねぇー…」
エコの時代だし、設定温度はそこそこ高めだけれど、一伽の家より格段に涼しい侑仁の家。
一伽は、侑仁の呆れた声なんて聞こえない振りで、ゆったりとしたソファに寝転んで、う~んと大きく伸びをした。
はぁ~…最高っ!
「お前、いつまでそうしてるつもり…?」
「ん~…はぁ~…涼しっ!」
「聞けよっ!」
話を聞く気ゼロの一伽に突っ込んでみても、少しも動じない。
侑仁はグシャグシャと頭を掻いた。
『まぁまぁ。せっかく家まで届けに来てやったんだから、ちょっとくらい上げてよ』
なんて、恩着せがましいことを言って上がり込んできた一伽の目的が、『借りていた服を返しに来た』わけではないことは、十分に分かっていたのに。
なのに結局家に上げてしまったことを、侑仁は激しく後悔していた。
「おまっ…寛ぎ過ぎっ!」
来るのはこれで2回目だというのに、まるで自分の家のようにリラックスしている一伽に言ってみたって、まったく通じない。
ここまで図太い神経に、侑仁はある意味、尊敬する(でも、真似はしたくない)。
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粟津原栗子 ⇒
いっちゃん…!!www
返しに行ってない、と読んだ時にはユキちゃん並に「まだなのっ!?」と突っ込んだわけですが、冷房につられてすぐさま飛んでっちゃう(文字通り!)行動の早さもいっちゃんらしい!
周囲はひっかきまわされちゃいますねぇ。侑仁くんはうまくあしらえたりするんでしょうか?続きが気になります!w
返しに行ってない、と読んだ時にはユキちゃん並に「まだなのっ!?」と突っ込んだわけですが、冷房につられてすぐさま飛んでっちゃう(文字通り!)行動の早さもいっちゃんらしい!
周囲はひっかきまわされちゃいますねぇ。侑仁くんはうまくあしらえたりするんでしょうか?続きが気になります!w
- |2012.06.15
- |Fri
- |09:03
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >粟津原さん
普通に返しに行ってなかった一伽さん。
何も言わない侑仁さんも侑仁さんですが、来られたらこうなるって分かってたからでしょう…(笑)
とりあえず涼むためなら何でもやっちゃう一伽さんに、ホント周囲は引っ掻き回されっ放しです(>_<)
粟津原さんトコの吸血鬼さんと違って、こちらは落ち着きもなければ、趣きもありませんが(^_^;)、まだまだ続きますので、お楽しみにです!
コメントありがとうございました!
何も言わない侑仁さんも侑仁さんですが、来られたらこうなるって分かってたからでしょう…(笑)
とりあえず涼むためなら何でもやっちゃう一伽さんに、ホント周囲は引っ掻き回されっ放しです(>_<)
粟津原さんトコの吸血鬼さんと違って、こちらは落ち着きもなければ、趣きもありませんが(^_^;)、まだまだ続きますので、お楽しみにです!
コメントありがとうございました!
- |2012.06.16
- |Sat
- |12:25
- |URL
- |EDIT|