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暴君王子のおっしゃることには! (39)
2012.06.09 Sat
「…?? みっくん? どしたの?」
言いたいことを一通り言い終えて気が済んだ雪乃は、光宏が黙り込んでいることに、ようやく気が付いた。
しかし、光宏の様子がこんななのが、自分のテンションが高すぎたせいだとも、ましてや自分の言動が光宏を傷付けているとも思っていないから、ただただキョトンとするばかりだ。
「…別にどうもしない。それよか血は? 今日は吸うの?」
「え、あ、うん。えっと…」
何かみっくんが素っ気ない…。
ちょっとはしゃぎすぎたかな、と雪乃は反省しつつ、前回光宏に血を吸わせてもらってから何日経ったか数えてみる。
1回の吸血の量がそれほどでないにしても、毎日吸血されたら血液が回復しないので、献血と同じように、吸血もある程度の間隔を開けなければならない。
そんなことにお構いなしの、極悪非道な吸血鬼もいると聞いたことはあるが、雪乃はそんな真似しないで、ちゃんと考えている。
きっと一伽みたいに、毎回いろんな人に声を掛けている吸血鬼なら、そこまで考えなくてもいいんだろうけど、何しろ雪乃は、数少ない事情を知る人間から吸わせてもらっているのだ。うまくローテーションを組まなくては。
「んと…、もう4日開いてるよね? じゃ…吸わせて?」
前は10日1回くらいのペースで光宏から吸血させてもらっていたのだが、雪乃が毎晩光宏のところに行くようになってから、一伽は吸血させてくれなくなったし、料理やら買い物やらに時間を取られて、他の人のところに行く余裕もなくなってしまったので、光宏から吸血する回数が増えてしまった。
そのことは大変申し訳なく思っているのだが、雪乃も背に腹は代えられないので、光宏にお願いするしかない。
「…………。何か…あの、みっくん、怒ってる…?」
「怒ってないよ、何で?」
「いや、何か…」
確かにその表情は、怒ってはいない。
口調も別に、怒っている感じではない、穏やか。
でも、何か…。
「別に怒ってないから、吸うなら早くして」
「ん…ぅん」
雪乃は戸惑いつつも、光宏の肩に手を置いて口を大きく開けた。
相変わらず光宏は、悲壮感の漂った顔で目を瞑っているから、吸血の前は、何となくいつもグチャグチャ考えることもあるんだけれど、でも空腹と血の魅力には敵わず、雪乃は光宏の首筋に牙を立てた。
光宏からの吸血の間隔が短くなったこともあって、雪乃はなるべく、今までよりたくさんは血を吸わないようにしている。
光宏は大丈夫と言うけれど、何かあったら怖いから(1回くらい吸血したくらいでは何もないけれど、同じ人から頻繁に血を吸えば、少なからず体にも影響があるはずなので)。
「ごちそうさまでした!」
血を吸い終わった後、雪乃はいつものように、ちゃんと手を合わせた。
今日は山下さんとお話も出来たし、光宏から血も吸わせてもらって、元気いっぱい! さぁご飯を作ろう、と雪乃は立ち上がる。
「みっくん、平気? クラクラする?」
「だから、平気だって。いつも言ってんじゃん」
「そぉだけど…。でも、その時々で違うかもじゃん。ねぇみっくん、やっぱ怒ってるよね? え、俺何かした?」
「何もないってば。怒ってないし」
雪乃は鈍感だし、一伽に言わせるところの『完全に空気読めてない子』なので、いろいろと気付けないことが多いのだが、でもさすがに、毎日顔を合わせている光宏の様子がいつもと違うことくらいは分かる。
back next
言いたいことを一通り言い終えて気が済んだ雪乃は、光宏が黙り込んでいることに、ようやく気が付いた。
しかし、光宏の様子がこんななのが、自分のテンションが高すぎたせいだとも、ましてや自分の言動が光宏を傷付けているとも思っていないから、ただただキョトンとするばかりだ。
「…別にどうもしない。それよか血は? 今日は吸うの?」
「え、あ、うん。えっと…」
何かみっくんが素っ気ない…。
ちょっとはしゃぎすぎたかな、と雪乃は反省しつつ、前回光宏に血を吸わせてもらってから何日経ったか数えてみる。
1回の吸血の量がそれほどでないにしても、毎日吸血されたら血液が回復しないので、献血と同じように、吸血もある程度の間隔を開けなければならない。
そんなことにお構いなしの、極悪非道な吸血鬼もいると聞いたことはあるが、雪乃はそんな真似しないで、ちゃんと考えている。
きっと一伽みたいに、毎回いろんな人に声を掛けている吸血鬼なら、そこまで考えなくてもいいんだろうけど、何しろ雪乃は、数少ない事情を知る人間から吸わせてもらっているのだ。うまくローテーションを組まなくては。
「んと…、もう4日開いてるよね? じゃ…吸わせて?」
前は10日1回くらいのペースで光宏から吸血させてもらっていたのだが、雪乃が毎晩光宏のところに行くようになってから、一伽は吸血させてくれなくなったし、料理やら買い物やらに時間を取られて、他の人のところに行く余裕もなくなってしまったので、光宏から吸血する回数が増えてしまった。
そのことは大変申し訳なく思っているのだが、雪乃も背に腹は代えられないので、光宏にお願いするしかない。
「…………。何か…あの、みっくん、怒ってる…?」
「怒ってないよ、何で?」
「いや、何か…」
確かにその表情は、怒ってはいない。
口調も別に、怒っている感じではない、穏やか。
でも、何か…。
「別に怒ってないから、吸うなら早くして」
「ん…ぅん」
雪乃は戸惑いつつも、光宏の肩に手を置いて口を大きく開けた。
相変わらず光宏は、悲壮感の漂った顔で目を瞑っているから、吸血の前は、何となくいつもグチャグチャ考えることもあるんだけれど、でも空腹と血の魅力には敵わず、雪乃は光宏の首筋に牙を立てた。
光宏からの吸血の間隔が短くなったこともあって、雪乃はなるべく、今までよりたくさんは血を吸わないようにしている。
光宏は大丈夫と言うけれど、何かあったら怖いから(1回くらい吸血したくらいでは何もないけれど、同じ人から頻繁に血を吸えば、少なからず体にも影響があるはずなので)。
「ごちそうさまでした!」
血を吸い終わった後、雪乃はいつものように、ちゃんと手を合わせた。
今日は山下さんとお話も出来たし、光宏から血も吸わせてもらって、元気いっぱい! さぁご飯を作ろう、と雪乃は立ち上がる。
「みっくん、平気? クラクラする?」
「だから、平気だって。いつも言ってんじゃん」
「そぉだけど…。でも、その時々で違うかもじゃん。ねぇみっくん、やっぱ怒ってるよね? え、俺何かした?」
「何もないってば。怒ってないし」
雪乃は鈍感だし、一伽に言わせるところの『完全に空気読めてない子』なので、いろいろと気付けないことが多いのだが、でもさすがに、毎日顔を合わせている光宏の様子がいつもと違うことくらいは分かる。
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音夜 ⇒ ご無沙汰しております
続きが気になりながら読めなくて悶々してましたがやっと読めました♪
天然のユキくん、早くみっくんの気持ちに気づいてやってください(ノд`)
好きな子から恋話を聞かされるみっくんが気の毒なんですが。しかも血まで提供って…うぅ。
身近過ぎて恋には発展しないのでしょうかね。だったらさらに悲しい。
そして一伽くんは僕君振り発揮してますよねw
侑仁くんとはまだ恋の気配無いけどどうなるのかな。
何気に一伽くんにハマっていきそな侑仁くんですよね。確かに無茶振りな一伽くんが可愛いと思う気さえする読者です(´ω`)
しかし吸血鬼も大変ですよね。食事するのもお伺い立てなきゃならないのですから。
ていうか一伽くんにとって女子は食するだけの存在なんかな。恋愛には結びついてない様子ですよね。
天然のユキくん、早くみっくんの気持ちに気づいてやってください(ノд`)
好きな子から恋話を聞かされるみっくんが気の毒なんですが。しかも血まで提供って…うぅ。
身近過ぎて恋には発展しないのでしょうかね。だったらさらに悲しい。
そして一伽くんは僕君振り発揮してますよねw
侑仁くんとはまだ恋の気配無いけどどうなるのかな。
何気に一伽くんにハマっていきそな侑仁くんですよね。確かに無茶振りな一伽くんが可愛いと思う気さえする読者です(´ω`)
しかし吸血鬼も大変ですよね。食事するのもお伺い立てなきゃならないのですから。
ていうか一伽くんにとって女子は食するだけの存在なんかな。恋愛には結びついてない様子ですよね。
- |2012.06.09
- |Sat
- |12:54
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
超ド天然で鈍感のユキちゃん、果たして自分1人の力だけで、みっくんの気持ちに気付くことが出来るんでしょうか…┐('~`;)┌
でも音夜さんに言われて気付きましたが、確かにみっくん、ただ単にかわいそうなだけでなく、血まで提供してるんですよね…。
気の毒にもほどがあるっ!!
一伽さんに至っては…!
もうホントに、ここまで悪気がないと、笑っちゃうしかないですよね。
周りで見てる分には楽しいですが、振り回されるほうにしたら…(笑)
女の子大好き一伽さん、今のところ、ご飯と気持ちいいことのために女の子は存在しているようです…(>_<)
コメントありがとうございました!
でも音夜さんに言われて気付きましたが、確かにみっくん、ただ単にかわいそうなだけでなく、血まで提供してるんですよね…。
気の毒にもほどがあるっ!!
一伽さんに至っては…!
もうホントに、ここまで悪気がないと、笑っちゃうしかないですよね。
周りで見てる分には楽しいですが、振り回されるほうにしたら…(笑)
女の子大好き一伽さん、今のところ、ご飯と気持ちいいことのために女の子は存在しているようです…(>_<)
コメントありがとうございました!
- |2012.06.10
- |Sun
- |00:48
- |URL
- |EDIT|