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暴君王子のおっしゃることには! (22)
2012.05.23 Wed
「え、何?」
一伽にそんな顔をされる理由も分からないのか、侑仁はキョトンとしているが、一伽にしたら、侑仁が航平の友人らしいので我慢したが、そうでなかったら、本当に『はぁっ!? 何言ってんの!?』と口に出しているところだった。
吸血鬼が血を吸うことに対して、『何?』と聞くことは、『人は何で息をするの?』と同じレベルの質問だと思う。バカバカしい。
「いや、えっと、一伽…」
侑仁の質問に大変憤慨している一伽に、事情の分かる航平は頭を抱えた。
一伽は、吸血鬼が広く万人に知られていて、人間の身近な存在だと思っているのだが、残念ながら侑仁は、吸血鬼という存在自体に認識が薄い人種だったのだ。
それを何と言って一伽に説明したらいいのやら…。
「ねぇ航平くん、何なの、この人っ…」
「いや、だから…」
ムッとしている一伽にはかわいそうだが、実際のところ、侑仁のような人間は多い。
吸血鬼の存在を信じていないわけではないが、実際に会ったり係わったりしたことがないので、半信半疑というか……ちょうど芸能人なんかと一緒で、こんなに身近にいるものなの? という反応になってしまうのだ。
それに、まさか自分が吸血されるなんて、思ってもみないだろうし。
「え、アンタ、マジで吸血鬼なの? 俺、血吸われちゃったの? 首噛まれただけじゃなくて?」
「あったりまえだろ! 血吸うんじゃなくて、何で俺がお前の首なんか噛まなきゃなんないんだよ!」
やはりまだ完全には信用していないらしい侑仁に、一伽はキャンキャンと言い返した。
吸血するんでなくて、初対面の人間の首をいきなり噛んだだけだったら、本当の本当にただの変態さんになってしまう。
「いや、だってあんなの、普通に変質者だろ。吸血鬼て、あんなふうに血吸うの?」
一伽が吸血鬼だと分かってしまえば、侑仁の理解は早い。初めて会ったときは何も知らなかったから、突然の一伽の行動に驚き、腹を立てたけれど、吸血鬼が血を吸ったのだというなら納得できる。
しかしそれにしても、あのときの一伽の吸血の仕方はめちゃくちゃだったと、侑仁は怒りを通り越して、苦笑しながら突っ込んだ。
「…一伽、お前、何やったんだ?」
「……」
だが、侑仁の突っ込みに反応したのは、航平だった。先ほどの困っていた様子から一転して、航平が低い声で尋ねる。
確かに航平は、一伽がとうとう男の血を吸ってしまったとき、わりと無理やりだったのは聞いていたが、侑仁に『十分変質者だろ』と言わしめるくらいの無理やり、て一体。
「おい、一伽――――て、待たんかい、オラァ!」
「ギャッ」
侑仁の口からあのときの状況が明かされそうになり、ヤバイ! と悟った一伽は、そぉ~っとその場を逃げ出そうとしたが、それは一瞬だけ遅かった。
凄みを利かせた航平が、一伽の首根っこを捕まえると、元の位置へと引き摺り戻したのだ。
基本的には優しい性格の航平だが、こういうときの凄み方は並大抵ではないので、捕獲された一伽は、大人しく抵抗をやめた。
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一伽にそんな顔をされる理由も分からないのか、侑仁はキョトンとしているが、一伽にしたら、侑仁が航平の友人らしいので我慢したが、そうでなかったら、本当に『はぁっ!? 何言ってんの!?』と口に出しているところだった。
吸血鬼が血を吸うことに対して、『何?』と聞くことは、『人は何で息をするの?』と同じレベルの質問だと思う。バカバカしい。
「いや、えっと、一伽…」
侑仁の質問に大変憤慨している一伽に、事情の分かる航平は頭を抱えた。
一伽は、吸血鬼が広く万人に知られていて、人間の身近な存在だと思っているのだが、残念ながら侑仁は、吸血鬼という存在自体に認識が薄い人種だったのだ。
それを何と言って一伽に説明したらいいのやら…。
「ねぇ航平くん、何なの、この人っ…」
「いや、だから…」
ムッとしている一伽にはかわいそうだが、実際のところ、侑仁のような人間は多い。
吸血鬼の存在を信じていないわけではないが、実際に会ったり係わったりしたことがないので、半信半疑というか……ちょうど芸能人なんかと一緒で、こんなに身近にいるものなの? という反応になってしまうのだ。
それに、まさか自分が吸血されるなんて、思ってもみないだろうし。
「え、アンタ、マジで吸血鬼なの? 俺、血吸われちゃったの? 首噛まれただけじゃなくて?」
「あったりまえだろ! 血吸うんじゃなくて、何で俺がお前の首なんか噛まなきゃなんないんだよ!」
やはりまだ完全には信用していないらしい侑仁に、一伽はキャンキャンと言い返した。
吸血するんでなくて、初対面の人間の首をいきなり噛んだだけだったら、本当の本当にただの変態さんになってしまう。
「いや、だってあんなの、普通に変質者だろ。吸血鬼て、あんなふうに血吸うの?」
一伽が吸血鬼だと分かってしまえば、侑仁の理解は早い。初めて会ったときは何も知らなかったから、突然の一伽の行動に驚き、腹を立てたけれど、吸血鬼が血を吸ったのだというなら納得できる。
しかしそれにしても、あのときの一伽の吸血の仕方はめちゃくちゃだったと、侑仁は怒りを通り越して、苦笑しながら突っ込んだ。
「…一伽、お前、何やったんだ?」
「……」
だが、侑仁の突っ込みに反応したのは、航平だった。先ほどの困っていた様子から一転して、航平が低い声で尋ねる。
確かに航平は、一伽がとうとう男の血を吸ってしまったとき、わりと無理やりだったのは聞いていたが、侑仁に『十分変質者だろ』と言わしめるくらいの無理やり、て一体。
「おい、一伽――――て、待たんかい、オラァ!」
「ギャッ」
侑仁の口からあのときの状況が明かされそうになり、ヤバイ! と悟った一伽は、そぉ~っとその場を逃げ出そうとしたが、それは一瞬だけ遅かった。
凄みを利かせた航平が、一伽の首根っこを捕まえると、元の位置へと引き摺り戻したのだ。
基本的には優しい性格の航平だが、こういうときの凄み方は並大抵ではないので、捕獲された一伽は、大人しく抵抗をやめた。
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