スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (21)
2012.05.22 Tue
「お前、こないだのっ!」
「え、何? 何だっけ?」
どうやら一伽は最近、この男と何かがあったようだが、基本的に一伽は男の顔を覚える気があまりないので、『この間会った』みたいなことを言われても、話が見えてこない。
ただ、こんなに驚かれるようなことなら、覚えていてもよさそうだけれど…と、一伽は首を傾げる。
「お前、こないだ俺の首にいきなり噛み付きやがっただろうがっ!」
「えっ…」
男に詰め寄られても、一伽には覚えがなくて、思わず固まってしまう。
一伽が首に噛み付くといったら、その人の血を吸うときくらいなもので、でも一伽は男の血なんか吸わないから、それは人違い、ていうか、吸血鬼違いなんじゃ。
「一伽一伽、お前、こないだ男の血吸ったって言ってなかったか?」
「うぇ!? あっ!」
先にピンと来たのは航平だった。
航平に服の袖を引っ張られた一伽は、そこでようやく事の次第を思い出した。
そういえば先日、空腹に耐えかねて、男の血を吸ったんだった。
男の血を吸ったなんてこと、一伽の中では忘れ去りたい出来事だったんで、航平や志信に話した後は、本当にすっかり忘れていたのだが、そのとき血を吸った相手がこの男、侑仁だったのだ。
「お前、忘れてたんかい!」
「だってしょうがないじゃん! 血吸った相手の顔なんて、いちいち覚えてないよっ!」
しかも、男だし。
というか、血を吸われた相手って、いちいちその吸血鬼の顔を覚えているんだろうか。そうだったら、何だか面倒くさいな。
「…つか航平、普通に話してっけど……知り合いなの? コイツと」
侑仁を抜きにして、航平と一伽でコソコソ(というには大きすぎる声で)話しているのに、侑仁は訝しむように声を掛けた。
だって、いきなり自分の首に噛み付いてきた変態と、友人である航平が知り合いだなんて、出来れば思いたくない。
「あー…いや、知り合いっていうか…」
一伽が完全に侑仁のことを忘れていたようなので、仕方がない、航平が代わりに説明することにした(なぜか一伽は逆ギレ気味なので)。
「コイツ、俺の店で働いてんだよ」
「マジで!? こんなのが!?」
「こんなのが」
………………。
一伽が黙って聞いていれば、侑仁だけでなく、航平の言い草も随分ひどい。
誰が『こんなの』だ。
「そんで……何? 血吸うとか。俺がコイツに首噛まれた話はどうなっちゃうわけ?」
「あー…あのな、侑仁…」
確か最初は侑仁のほうが怒っていたはずなのに、いつの間にか一伽がキレているし、侑仁の話は何だかスルーされ掛けているし、わけが分からない。
そう思って侑仁が尋ねれば、なぜか航平は歯切れが悪いし、一伽には思い切り『はぁっ!?』という顔をされた。
back next
「え、何? 何だっけ?」
どうやら一伽は最近、この男と何かがあったようだが、基本的に一伽は男の顔を覚える気があまりないので、『この間会った』みたいなことを言われても、話が見えてこない。
ただ、こんなに驚かれるようなことなら、覚えていてもよさそうだけれど…と、一伽は首を傾げる。
「お前、こないだ俺の首にいきなり噛み付きやがっただろうがっ!」
「えっ…」
男に詰め寄られても、一伽には覚えがなくて、思わず固まってしまう。
一伽が首に噛み付くといったら、その人の血を吸うときくらいなもので、でも一伽は男の血なんか吸わないから、それは人違い、ていうか、吸血鬼違いなんじゃ。
「一伽一伽、お前、こないだ男の血吸ったって言ってなかったか?」
「うぇ!? あっ!」
先にピンと来たのは航平だった。
航平に服の袖を引っ張られた一伽は、そこでようやく事の次第を思い出した。
そういえば先日、空腹に耐えかねて、男の血を吸ったんだった。
男の血を吸ったなんてこと、一伽の中では忘れ去りたい出来事だったんで、航平や志信に話した後は、本当にすっかり忘れていたのだが、そのとき血を吸った相手がこの男、侑仁だったのだ。
「お前、忘れてたんかい!」
「だってしょうがないじゃん! 血吸った相手の顔なんて、いちいち覚えてないよっ!」
しかも、男だし。
というか、血を吸われた相手って、いちいちその吸血鬼の顔を覚えているんだろうか。そうだったら、何だか面倒くさいな。
「…つか航平、普通に話してっけど……知り合いなの? コイツと」
侑仁を抜きにして、航平と一伽でコソコソ(というには大きすぎる声で)話しているのに、侑仁は訝しむように声を掛けた。
だって、いきなり自分の首に噛み付いてきた変態と、友人である航平が知り合いだなんて、出来れば思いたくない。
「あー…いや、知り合いっていうか…」
一伽が完全に侑仁のことを忘れていたようなので、仕方がない、航平が代わりに説明することにした(なぜか一伽は逆ギレ気味なので)。
「コイツ、俺の店で働いてんだよ」
「マジで!? こんなのが!?」
「こんなのが」
………………。
一伽が黙って聞いていれば、侑仁だけでなく、航平の言い草も随分ひどい。
誰が『こんなの』だ。
「そんで……何? 血吸うとか。俺がコイツに首噛まれた話はどうなっちゃうわけ?」
「あー…あのな、侑仁…」
確か最初は侑仁のほうが怒っていたはずなのに、いつの間にか一伽がキレているし、侑仁の話は何だかスルーされ掛けているし、わけが分からない。
そう思って侑仁が尋ねれば、なぜか航平は歯切れが悪いし、一伽には思い切り『はぁっ!?』という顔をされた。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (22) (2012/05/23)
- 暴君王子のおっしゃることには! (21) (2012/05/22)
- 暴君王子のおっしゃることには! (20) (2012/05/21)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
粟津原栗子 ⇒ なごむ…w
ようやくここまで読めましたー(っていつもこんなことばっかり書いている気がする…)
登場人物がイチイチ濃くて、一息に読むのはもったいないと思ってじっくり読んでいたらいつの間にかお話進んでいた!あー、いっちゃんのドS!!w
(人物紹介のページもありがとうございます!!)
この吸血鬼たち、すぐその辺を歩いてそう。カフェでお茶してたりお酒飲んでたり普通にいそう。とても好きですw
今後この再会でどうなっちゃうんでしょうね。楽しみですww
登場人物がイチイチ濃くて、一息に読むのはもったいないと思ってじっくり読んでいたらいつの間にかお話進んでいた!あー、いっちゃんのドS!!w
(人物紹介のページもありがとうございます!!)
この吸血鬼たち、すぐその辺を歩いてそう。カフェでお茶してたりお酒飲んでたり普通にいそう。とても好きですw
今後この再会でどうなっちゃうんでしょうね。楽しみですww
- |2012.05.22
- |Tue
- |07:39
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >粟津原さん
> ようやくここまで読めましたー(っていつもこんなことばっかり書いている気がする…)
私もよく言ってます…(笑)
そして今回は、私も登場人物たくさんです!
人物紹介のページ、初めて作ったんで、分かりやすいのか、若干心配です…。いかがですか?
> この吸血鬼たち、すぐその辺を歩いてそう。カフェでお茶してたりお酒飲んでたり普通にいそう。とても好きですw
> 今後この再会でどうなっちゃうんでしょうね。楽しみですww
粟津原さんトコの吸血鬼さんに比べて、さっぱり格調高くない2人です(笑)
血さえ吸ってれば、ご飯とかいらないのに、おいしいからという理由で、結構ご飯も食べまくってるという。
ユキちゃんのほうも、いっちゃんのほうも、まだまだ始まったばかりですが、今後どうなるか、お楽しみにです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
私もよく言ってます…(笑)
そして今回は、私も登場人物たくさんです!
人物紹介のページ、初めて作ったんで、分かりやすいのか、若干心配です…。いかがですか?
> この吸血鬼たち、すぐその辺を歩いてそう。カフェでお茶してたりお酒飲んでたり普通にいそう。とても好きですw
> 今後この再会でどうなっちゃうんでしょうね。楽しみですww
粟津原さんトコの吸血鬼さんに比べて、さっぱり格調高くない2人です(笑)
血さえ吸ってれば、ご飯とかいらないのに、おいしいからという理由で、結構ご飯も食べまくってるという。
ユキちゃんのほうも、いっちゃんのほうも、まだまだ始まったばかりですが、今後どうなるか、お楽しみにです(*^_^*)
コメントありがとうございました!
- |2012.05.22
- |Tue
- |22:24
- |URL
- |EDIT|