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暴君王子のおっしゃることには! (15)
2012.05.16 Wed
「え、何? よく分かんない、ユキ。カッコいい人に会ったって?」
「だからぁ、こないだ俺、超カッコいい人に会って、めっちゃ嬉しかったのに、いっちゃんが冷たいの。見ただけで声も掛けないなんてー、て呆れてさぁ」
「えっとー…、カッコいい人に会ったっていうか、それってもしかして、見ただけ、てことじゃなくて?」
「見ただけだけど」
「…………」
カッコいい人を見掛けて喜ぶ気持ちは何となく分かるけれど、それをここまで嬉しそうに話されると、もしかして声でも掛けて、仲良くなれたの? と誰でも思う。
なのに、話を聞いてみれば、ただ見ただけ……て、そりゃ一伽でなくたって呆れる。
「でもね、でもね、みっくん聞いて! 俺、今日またその人に会えたんだよっ!」
「へぇー……て、おい、箸こっち向けんな」
興奮した雪乃が、ブン! と腕を振り上げ、そのまま箸先で光宏のことを指すものだから、光宏は眉を顰めて雪乃の手を叩いた。
でも雪乃はめげずに、箸を置くと、光宏のほうを向き直る。
「今日買い物してきたスーパー! そこのレジんトコに、その人がいたのっ! すごくないっ!?」
「す…すご、すごいすごい…」
「ね、すごいでしょ!? まさか再会できるなんてっっ!!!」
テンションの高い雪乃に圧倒され、光宏は口元を引き攣らせているが、雪乃はお構いなしに喋り続ける。
それにしても、以前『ただ見掛けただけ』の相手を、今日また見掛けたところで、そういうのは『再会』と言わないのでは?
…まぁ、雪乃がそれを『再会』と言いたいのならそれでいいけれど、これだけ喜んでいるということは、見ただけでなく、声を掛けたとか、何かあったのだろうか。
「もうね、今日もね、超カッコよかった~! 俺さぁ、レジ隣の列に並んだのに、ずっとその人のこと見ちゃってた!」
「…ふぅん。………………。…え?」
目をハートマークにさせんばかりの勢いで、雪乃は嬉しそうに話してくれるが、今の話からすると、どうも雪乃はそのイケメンに声を掛けたという感じがしない。
まさか2度目の邂逅も、ただ見ただけ?
「あのさ、ユキ。えっと…、何か…その人に声掛けたとか、そういうんじゃないの?」
「ぅ? 声は掛けてないよ? 見ただけ」
「へー…」
見ただけで、この喜びよう…。
まるで大好きな芸能人にでも会えたかのような反応だが、聞く限り相手は、『超イケメン』とはいえ、スーパーで働く一般人なのに。
「でもね、みっくん! 俺、いいこと思い付いたの! 俺の作戦、聞いてくれる?」
「は? 作戦?」
「俺、あのスーパーのお客さんになる! いっぱい通えば、顔とか覚えてもらえると思わない!? んで、あわよくばお友だちに…」
「……」
大体からして、雪乃が『いいこと思い付いた』というときは、ロクなことがないことを、光宏は知っている。
そしてそれは、残念ながら今回もだった。
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「だからぁ、こないだ俺、超カッコいい人に会って、めっちゃ嬉しかったのに、いっちゃんが冷たいの。見ただけで声も掛けないなんてー、て呆れてさぁ」
「えっとー…、カッコいい人に会ったっていうか、それってもしかして、見ただけ、てことじゃなくて?」
「見ただけだけど」
「…………」
カッコいい人を見掛けて喜ぶ気持ちは何となく分かるけれど、それをここまで嬉しそうに話されると、もしかして声でも掛けて、仲良くなれたの? と誰でも思う。
なのに、話を聞いてみれば、ただ見ただけ……て、そりゃ一伽でなくたって呆れる。
「でもね、でもね、みっくん聞いて! 俺、今日またその人に会えたんだよっ!」
「へぇー……て、おい、箸こっち向けんな」
興奮した雪乃が、ブン! と腕を振り上げ、そのまま箸先で光宏のことを指すものだから、光宏は眉を顰めて雪乃の手を叩いた。
でも雪乃はめげずに、箸を置くと、光宏のほうを向き直る。
「今日買い物してきたスーパー! そこのレジんトコに、その人がいたのっ! すごくないっ!?」
「す…すご、すごいすごい…」
「ね、すごいでしょ!? まさか再会できるなんてっっ!!!」
テンションの高い雪乃に圧倒され、光宏は口元を引き攣らせているが、雪乃はお構いなしに喋り続ける。
それにしても、以前『ただ見掛けただけ』の相手を、今日また見掛けたところで、そういうのは『再会』と言わないのでは?
…まぁ、雪乃がそれを『再会』と言いたいのならそれでいいけれど、これだけ喜んでいるということは、見ただけでなく、声を掛けたとか、何かあったのだろうか。
「もうね、今日もね、超カッコよかった~! 俺さぁ、レジ隣の列に並んだのに、ずっとその人のこと見ちゃってた!」
「…ふぅん。………………。…え?」
目をハートマークにさせんばかりの勢いで、雪乃は嬉しそうに話してくれるが、今の話からすると、どうも雪乃はそのイケメンに声を掛けたという感じがしない。
まさか2度目の邂逅も、ただ見ただけ?
「あのさ、ユキ。えっと…、何か…その人に声掛けたとか、そういうんじゃないの?」
「ぅ? 声は掛けてないよ? 見ただけ」
「へー…」
見ただけで、この喜びよう…。
まるで大好きな芸能人にでも会えたかのような反応だが、聞く限り相手は、『超イケメン』とはいえ、スーパーで働く一般人なのに。
「でもね、みっくん! 俺、いいこと思い付いたの! 俺の作戦、聞いてくれる?」
「は? 作戦?」
「俺、あのスーパーのお客さんになる! いっぱい通えば、顔とか覚えてもらえると思わない!? んで、あわよくばお友だちに…」
「……」
大体からして、雪乃が『いいこと思い付いた』というときは、ロクなことがないことを、光宏は知っている。
そしてそれは、残念ながら今回もだった。
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