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暴君王子のおっしゃることには! (14)
2012.05.15 Tue
「…何か手伝おうか?」
しばらくベッドで横になっていた光宏だが(別に貧血を起こしたわけでなく、することがなかったので)、やはり暇を持て余し、台所へとやって来た。
「もぅ、みっくんが手伝ったら、お返しになんないじゃん!」
「そうだけど、…パスタ茹でるの、お湯沸かす?」
「あ、うん、沸かす沸かす」
手伝わなくていいよ! と向きになり掛けた雪乃は、しかし光宏の言葉に、あっそれもしなきゃいけないんだ、と気を取られ、あっさりと光宏の手伝いを許してしまう。
単純な雪乃は、いつだってこの調子なのだ。
結局2人で手分けして、パスタと肉じゃがをこしらえた。
光宏は調理担当でないとはいえ、カフェに勤めているから、何だかんだ言っても、光宏のほうが手際がいい。雪乃が見た目よく盛り付けようとがんばっているうちに、さっさと鍋やらまな板やらを洗って片付けてしまった。
「もぅ…そういうのも、俺がすんのに!」
「別にいいじゃん、冷めないうちに食おうよ」
「むー」
先ほど光宏の血を飲ませてもらった雪乃は、実質、食事は終わっているのだが、いつも作った料理は2人で食べる。
雪乃は味見をしたいというのもあるし、光宏的にも、1人で食事をするのも、またその姿を雪乃にただ見られているというのも、何だか居心地悪いので。
「いただきま~す」
先ほど『ごちそうさま』をしたばかりの雪乃は、また元気よく合掌し、箸を手にした。
…が、自分で食べるより先、光宏が料理を口に運ぶのを見届けてから。肉じゃがに合うように、一応パスタも和風のたらこスパにしてみたんだけど、どう?
「え、うまいよ。そんな顔しなくても」
「そんな顔て何」
「だってユキ、すっごい顔でこっち見てるから。そんなに心配しなくても、うまいってば」
よほど心配そうに、怪訝そうに光宏のことを見ていたのか、パスタと肉じゃが、どちらも口にした光宏が苦笑する。
何しろカフェ勤務の光宏は、賄い飯でおいしいご飯をほぼ毎日食べているから、口だって肥えていると思うのだ。
「そんなに気になるなら、ユキ、そんなしてないで、自分でも食べなよ」
光宏に言われ、雪乃は箸の先にジャガイモを刺して(雪乃の箸使いの下手くそさは、今に始まったことではない)口へ運ぶ。
…ん、しょっぱすぎず、おいしいかも。
「あ、そういえばね、みっくん、聞いて!」
「ん?」
うまい、という言葉に嘘偽りがないように、パクパクと料理を口に運んでいた光宏に、雪乃は思い出したように顔を上げた。
「あのね、俺ね、こないだ、超~~~~カッコいい人に会ったの!」
「…………。…へぇ?」
「でね、でねっ、血もめっちゃおいしそうで、キャ~~~て思ったのに、それ言ったらいっちゃん、『だから?』とかって、超ひどくないっ!?」
「…はい?」
話しているうちにヒートアップしてきたのか、箸を握り締めて力説する雪乃の話は、何だかいまいちよく分からない。
光宏は、ぅん? と眉を寄せるが、雪乃自身、自分では十分説明した気になっているから、光宏に伝わっていないとは思っていないようで、「え、何?」と小首を傾げる。
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しばらくベッドで横になっていた光宏だが(別に貧血を起こしたわけでなく、することがなかったので)、やはり暇を持て余し、台所へとやって来た。
「もぅ、みっくんが手伝ったら、お返しになんないじゃん!」
「そうだけど、…パスタ茹でるの、お湯沸かす?」
「あ、うん、沸かす沸かす」
手伝わなくていいよ! と向きになり掛けた雪乃は、しかし光宏の言葉に、あっそれもしなきゃいけないんだ、と気を取られ、あっさりと光宏の手伝いを許してしまう。
単純な雪乃は、いつだってこの調子なのだ。
結局2人で手分けして、パスタと肉じゃがをこしらえた。
光宏は調理担当でないとはいえ、カフェに勤めているから、何だかんだ言っても、光宏のほうが手際がいい。雪乃が見た目よく盛り付けようとがんばっているうちに、さっさと鍋やらまな板やらを洗って片付けてしまった。
「もぅ…そういうのも、俺がすんのに!」
「別にいいじゃん、冷めないうちに食おうよ」
「むー」
先ほど光宏の血を飲ませてもらった雪乃は、実質、食事は終わっているのだが、いつも作った料理は2人で食べる。
雪乃は味見をしたいというのもあるし、光宏的にも、1人で食事をするのも、またその姿を雪乃にただ見られているというのも、何だか居心地悪いので。
「いただきま~す」
先ほど『ごちそうさま』をしたばかりの雪乃は、また元気よく合掌し、箸を手にした。
…が、自分で食べるより先、光宏が料理を口に運ぶのを見届けてから。肉じゃがに合うように、一応パスタも和風のたらこスパにしてみたんだけど、どう?
「え、うまいよ。そんな顔しなくても」
「そんな顔て何」
「だってユキ、すっごい顔でこっち見てるから。そんなに心配しなくても、うまいってば」
よほど心配そうに、怪訝そうに光宏のことを見ていたのか、パスタと肉じゃが、どちらも口にした光宏が苦笑する。
何しろカフェ勤務の光宏は、賄い飯でおいしいご飯をほぼ毎日食べているから、口だって肥えていると思うのだ。
「そんなに気になるなら、ユキ、そんなしてないで、自分でも食べなよ」
光宏に言われ、雪乃は箸の先にジャガイモを刺して(雪乃の箸使いの下手くそさは、今に始まったことではない)口へ運ぶ。
…ん、しょっぱすぎず、おいしいかも。
「あ、そういえばね、みっくん、聞いて!」
「ん?」
うまい、という言葉に嘘偽りがないように、パクパクと料理を口に運んでいた光宏に、雪乃は思い出したように顔を上げた。
「あのね、俺ね、こないだ、超~~~~カッコいい人に会ったの!」
「…………。…へぇ?」
「でね、でねっ、血もめっちゃおいしそうで、キャ~~~て思ったのに、それ言ったらいっちゃん、『だから?』とかって、超ひどくないっ!?」
「…はい?」
話しているうちにヒートアップしてきたのか、箸を握り締めて力説する雪乃の話は、何だかいまいちよく分からない。
光宏は、ぅん? と眉を寄せるが、雪乃自身、自分では十分説明した気になっているから、光宏に伝わっていないとは思っていないようで、「え、何?」と小首を傾げる。
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