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暴君王子のおっしゃることには! (13)
2012.05.14 Mon
「つかみっくん、それより先に、血飲ませて!」
「え、あ、うん」
光宏から血を吸わせてもらい、代わりにご飯を作ってあげる、という中で、どのタイミングで吸血するのがいいかいろいろ考えたのだが、どんな人間も、血を吸われた後は多少体力が消耗してしまうので、先に血を吸い、雪乃がご飯を作っている間に光宏には休んでもらって、それからご飯を食べて元気を取り戻す、というのがいいのでは? と思ってからは、この順序にしている。
雪乃的には、空腹の人間よりも、お腹いっぱいで栄養の行き届いている状態の人間のほうがおいしいし、雪乃も十分な栄養を補給できるのだが、こちらはお願いしている身なので、あまりわがままは言わないようにしているのだ。
「じゃあ、いただきま~す」
血を吸っている間に、光宏がクラッと来て倒れてしまっては危ないので、ベッドの縁に座らせてから、雪乃はその両肩に手を置くと、首筋目がけて口を大きく開けた。
「――――ッ…」
光宏は雪乃に、血くらい好きに吸っていいよ、と言ってくれるのだが、極度の痛がりで怖がりなので、雪乃の牙が近付いてくる瞬間は、ギュッと目を瞑り、この世の終わりみたいな顔をする。
本人にその自覚はないらしいのだが、雪乃は少し胸が痛むのだが、結局は食欲に敵わなくて、その白くてきれいな首筋に牙を立ててしまう。
「はぁっ…」
チューチューと存分に光宏の血を味わってから、雪乃はその首元から顔を上げた。
雪乃が血を吸った痕に限らず、ほんのちょこっとの傷でも、血を見ると光宏は大げさに騒ぐので、雪乃は十分に光宏の首元を拭い、自分の口元に血が付いていないかを確認する。
「ごちそうさまでした」
お腹いっぱいになって、満足そうに雪乃は両手を合わせた。
光宏は、本当は血を吸われるのは、何度経験してもちょっと怖いんだけれど、それでも雪乃を見過ごせない気持ちはあるし、ごちそうさまのときの幸せそうな顔を見るのは嫌でないので、雪乃の吸血を拒もうとは思わない。
「みっくん、平気? クラクラする?」
「いや別に、そこまでじゃない」
光宏は、体格的にはやせ気味……というか、やせ過ぎ? という感じだから、雪乃が調子に乗って血を吸い過ぎると、貧血ぽくなってしまうことも…。
1度そんなことがあってから、雪乃はすごく気を付け、気に掛けている。だって光宏は絶対に、『大したことないし、気にしないで飲んでいいから』て言うから。
「ご飯作るから、ちょっと待っててね? つかみっくん、しんどかったらマジで言ってよ!?」
「だから平気だって。で、何作ることにしたわけ?」
「パスタと肉じゃが!」
「…マジか」
作ってくれるというのに文句を言うつもりはないが、そのメニューの組み合わせに、雪乃自身は何の違和も感じないのだろうか。
光宏は若干心配しつつも、張り切って台所に立つ雪乃の背中を見送った。
雪乃の料理の腕前はというと、基本的に本人が食べなくても平気という人(吸血鬼)が作っていることもあってか、食べられないほどマズイことはないが、料理は大得意です! と言えるほどでもない。
まぁ、20代前半の男子が作るにしては上出来か? というレベル。
それでも、作ってやりたい! という気持ちだけは人一倍あるので、回を重ねるごとにはうまくはなっているのだが。
back next
「え、あ、うん」
光宏から血を吸わせてもらい、代わりにご飯を作ってあげる、という中で、どのタイミングで吸血するのがいいかいろいろ考えたのだが、どんな人間も、血を吸われた後は多少体力が消耗してしまうので、先に血を吸い、雪乃がご飯を作っている間に光宏には休んでもらって、それからご飯を食べて元気を取り戻す、というのがいいのでは? と思ってからは、この順序にしている。
雪乃的には、空腹の人間よりも、お腹いっぱいで栄養の行き届いている状態の人間のほうがおいしいし、雪乃も十分な栄養を補給できるのだが、こちらはお願いしている身なので、あまりわがままは言わないようにしているのだ。
「じゃあ、いただきま~す」
血を吸っている間に、光宏がクラッと来て倒れてしまっては危ないので、ベッドの縁に座らせてから、雪乃はその両肩に手を置くと、首筋目がけて口を大きく開けた。
「――――ッ…」
光宏は雪乃に、血くらい好きに吸っていいよ、と言ってくれるのだが、極度の痛がりで怖がりなので、雪乃の牙が近付いてくる瞬間は、ギュッと目を瞑り、この世の終わりみたいな顔をする。
本人にその自覚はないらしいのだが、雪乃は少し胸が痛むのだが、結局は食欲に敵わなくて、その白くてきれいな首筋に牙を立ててしまう。
「はぁっ…」
チューチューと存分に光宏の血を味わってから、雪乃はその首元から顔を上げた。
雪乃が血を吸った痕に限らず、ほんのちょこっとの傷でも、血を見ると光宏は大げさに騒ぐので、雪乃は十分に光宏の首元を拭い、自分の口元に血が付いていないかを確認する。
「ごちそうさまでした」
お腹いっぱいになって、満足そうに雪乃は両手を合わせた。
光宏は、本当は血を吸われるのは、何度経験してもちょっと怖いんだけれど、それでも雪乃を見過ごせない気持ちはあるし、ごちそうさまのときの幸せそうな顔を見るのは嫌でないので、雪乃の吸血を拒もうとは思わない。
「みっくん、平気? クラクラする?」
「いや別に、そこまでじゃない」
光宏は、体格的にはやせ気味……というか、やせ過ぎ? という感じだから、雪乃が調子に乗って血を吸い過ぎると、貧血ぽくなってしまうことも…。
1度そんなことがあってから、雪乃はすごく気を付け、気に掛けている。だって光宏は絶対に、『大したことないし、気にしないで飲んでいいから』て言うから。
「ご飯作るから、ちょっと待っててね? つかみっくん、しんどかったらマジで言ってよ!?」
「だから平気だって。で、何作ることにしたわけ?」
「パスタと肉じゃが!」
「…マジか」
作ってくれるというのに文句を言うつもりはないが、そのメニューの組み合わせに、雪乃自身は何の違和も感じないのだろうか。
光宏は若干心配しつつも、張り切って台所に立つ雪乃の背中を見送った。
雪乃の料理の腕前はというと、基本的に本人が食べなくても平気という人(吸血鬼)が作っていることもあってか、食べられないほどマズイことはないが、料理は大得意です! と言えるほどでもない。
まぁ、20代前半の男子が作るにしては上出来か? というレベル。
それでも、作ってやりたい! という気持ちだけは人一倍あるので、回を重ねるごとにはうまくはなっているのだが。
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音夜 ⇒
吸血鬼は食事が大変やーw
雪くんとみっくんは等価交換?
けど雪くんがみっくんの血を頂いて体力温存し、雪くんの料理でみっくんも体力温存。ギブアンドテイクなんかな。
みっくんには貧血にならないよう鉄分いっぱいのものを食べさせてあげてください雪くんw
けど肉じゃがにはやはり白飯がいいかとww
雪くんとみっくんは等価交換?
けど雪くんがみっくんの血を頂いて体力温存し、雪くんの料理でみっくんも体力温存。ギブアンドテイクなんかな。
みっくんには貧血にならないよう鉄分いっぱいのものを食べさせてあげてください雪くんw
けど肉じゃがにはやはり白飯がいいかとww
- |2012.05.14
- |Mon
- |23:32
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
ユキちゃん、吸血鬼なのにめっちゃいい子です。
ご飯であるはずの血液も、常にギブ&テイク。ユキちゃんのギブ&テイクとは大違いです(笑)
でもそうですよね、鉄分いっぱいのご飯がいいですよね。
肉じゃがとパスタ…。
その組み合わせの違和感には気付いてない、超鈍感ユキちゃんでした!
コメントありがとうございました!
ご飯であるはずの血液も、常にギブ&テイク。ユキちゃんのギブ&テイクとは大違いです(笑)
でもそうですよね、鉄分いっぱいのご飯がいいですよね。
肉じゃがとパスタ…。
その組み合わせの違和感には気付いてない、超鈍感ユキちゃんでした!
コメントありがとうございました!
- |2012.05.15
- |Tue
- |06:26
- |URL
- |EDIT|