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暴君王子のおっしゃることには! (12)
2012.05.13 Sun
雪乃 と 光宏
たとえ志信に『タチの悪いナンパだね』と言われようと、毎回ちゃんと自分でご飯にあり付いている一伽と違って、雪乃は大抵一伽に血を吸わせてもらっているのだが、それ以外にも雪乃のことを理解し、血を吸わせてくれる人が何人かいる。
でないと、一伽と一緒でないとき、ご飯が出来ないからだ。
その理解者 兼 ご飯の1人が霜村光宏(しもむら みつひろ)。
光宏は、雪乃がバイトしている本屋の近くにあるカフェ『cafe OKAERI』の従業員で、2人ともが互いの店を利用するうちに知り合い、仲良くなった間柄だ。
ちなみに、吸血鬼である雪乃は、血さえ吸っていれば、人間が食べるようなものを口にしなくても生きていけるが、食べたからと言って何か害になるわけでもない。
だから、友だちとの付き合いとかで人間の食べ物を食べることはあるし、単純に味がおいしいからという理由で、カフェに行くこともあるのだ。
「みっく~ん、来たよ~」
雪乃が住んでいるところより、少し新しくて、きれいで、広い、光宏の住んでいるアパート。
買い物袋を両手に下げた雪乃は、がんばってピンポンを押した後、ドア越しに光宏に声を掛けた。
ちなみに、『みっくん』というかわいらしいあだ名は、酔っ払った雪乃が勝手に付けた呼び方で、光宏のことをこう呼ぶのは今のところ雪乃だけだ。
「…いらっしゃい」
少しだけ眠そうな顔で、光宏は雪乃を出迎えてくれた。
今日は、光宏からご飯をごちそうになる日。
ごちそうになる…というか、雪乃は光宏から血を飲ませてもらう代わりに、光宏のために夕ご飯を作ってあげるのだから、お相子だ(光宏は、ご飯を作ってくれなくても、血くらい飲ませてやると言ったのだが、それでは雪乃の気が済まなかったので)。
「何かユキ、買い物多くね? 何そんなに買ってきたの?」
雪乃の手にある2つの買い物袋を、光宏は怪訝そうに見る。
2人で食事なのに、それにしては量が多いのでは?
「いろいろー。材料の他にね、おいしそうなスイーツとかあったから、買っちゃった。後で食べようね?」
「そうなの?」
光宏も実のところ、甘いものは嫌いではないので、おいしそうなスイーツがあるなら、ちょっと嬉しいかも。
とりあえず買い物袋の1つを持ってやり、雪乃を中に通す。
「ねぇねぇ、パスタとグラタン、どっちがいいー?」
「パスタとグラタン? え、それ関連性低くね? どっちも作れるだけの材料、買って来たの?」
「ジャガイモがねぇ、おいしそうだったからさぁ」
買い物袋をガサガサ漁りながら、雪乃はまずスイーツを冷蔵庫にしまい、それから次々の食材を取り出していく。
「パスタにするなら、ジャガイモ、ポテトサラダにでもしようかな、て。みっくん、ポテトサラダ好き?」
「うん、まぁ…普通」
「普通て何だよ、普通て!」
「だって」
普通は普通だし、と言う光宏に、雪乃は「じゃあ肉じゃがにする!」と言い出す。
肉じゃがも嫌いではないけれど、……パスタと肉じゃが?
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たとえ志信に『タチの悪いナンパだね』と言われようと、毎回ちゃんと自分でご飯にあり付いている一伽と違って、雪乃は大抵一伽に血を吸わせてもらっているのだが、それ以外にも雪乃のことを理解し、血を吸わせてくれる人が何人かいる。
でないと、一伽と一緒でないとき、ご飯が出来ないからだ。
その理解者 兼 ご飯の1人が霜村光宏(しもむら みつひろ)。
光宏は、雪乃がバイトしている本屋の近くにあるカフェ『cafe OKAERI』の従業員で、2人ともが互いの店を利用するうちに知り合い、仲良くなった間柄だ。
ちなみに、吸血鬼である雪乃は、血さえ吸っていれば、人間が食べるようなものを口にしなくても生きていけるが、食べたからと言って何か害になるわけでもない。
だから、友だちとの付き合いとかで人間の食べ物を食べることはあるし、単純に味がおいしいからという理由で、カフェに行くこともあるのだ。
「みっく~ん、来たよ~」
雪乃が住んでいるところより、少し新しくて、きれいで、広い、光宏の住んでいるアパート。
買い物袋を両手に下げた雪乃は、がんばってピンポンを押した後、ドア越しに光宏に声を掛けた。
ちなみに、『みっくん』というかわいらしいあだ名は、酔っ払った雪乃が勝手に付けた呼び方で、光宏のことをこう呼ぶのは今のところ雪乃だけだ。
「…いらっしゃい」
少しだけ眠そうな顔で、光宏は雪乃を出迎えてくれた。
今日は、光宏からご飯をごちそうになる日。
ごちそうになる…というか、雪乃は光宏から血を飲ませてもらう代わりに、光宏のために夕ご飯を作ってあげるのだから、お相子だ(光宏は、ご飯を作ってくれなくても、血くらい飲ませてやると言ったのだが、それでは雪乃の気が済まなかったので)。
「何かユキ、買い物多くね? 何そんなに買ってきたの?」
雪乃の手にある2つの買い物袋を、光宏は怪訝そうに見る。
2人で食事なのに、それにしては量が多いのでは?
「いろいろー。材料の他にね、おいしそうなスイーツとかあったから、買っちゃった。後で食べようね?」
「そうなの?」
光宏も実のところ、甘いものは嫌いではないので、おいしそうなスイーツがあるなら、ちょっと嬉しいかも。
とりあえず買い物袋の1つを持ってやり、雪乃を中に通す。
「ねぇねぇ、パスタとグラタン、どっちがいいー?」
「パスタとグラタン? え、それ関連性低くね? どっちも作れるだけの材料、買って来たの?」
「ジャガイモがねぇ、おいしそうだったからさぁ」
買い物袋をガサガサ漁りながら、雪乃はまずスイーツを冷蔵庫にしまい、それから次々の食材を取り出していく。
「パスタにするなら、ジャガイモ、ポテトサラダにでもしようかな、て。みっくん、ポテトサラダ好き?」
「うん、まぁ…普通」
「普通て何だよ、普通て!」
「だって」
普通は普通だし、と言う光宏に、雪乃は「じゃあ肉じゃがにする!」と言い出す。
肉じゃがも嫌いではないけれど、……パスタと肉じゃが?
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