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暴君王子のおっしゃることには! (10)
2012.05.11 Fri
「うっせっ! 仕事しないヤツはクビにすんぞっ!」
「何だとぅ! ふとうかいこ、反対! ろーどーキジュンホウで、」
「自分でも言えない言葉使うな!」
…確か一伽は、航平に何か話したいことがあって声を掛けたはずだったのに、いつの間にか全然違う方向に2人で盛り上がっている。
2人は別に仲が悪いということは全然ないのだが、口を開けば、いつもこんな感じだ。
「2人ともー。俺、もう帰りたいんだけどー…」
パソコンから顔を上げ、騒いでいる2人に視線を向けたのは、同じくozで働く小松崎志信(こまつざき しのぶ)。ずり落ちたメガネを面倒くさそうに押し上げながら、さらに面倒くさそうに航平と一伽を見遣った。
「あっ、店長! 志信が掃除しないで帰ろうとしてます! ダメダメダメ~!」
普段は『店長』なんて呼ばないくせに、こんなときばかり航平のことをそんなふうに呼んで、一伽は逃がすまいと志信のシャツを掴む。
志信にだって、掃除させるんだから!
「えー…じゃあ今度から俺が店の掃除するから、一伽くん、オンラインのほうの管理やってよ」
「うぐっ…」
別に志信は閉店後、パソコンに向かって遊んでいたわけではない。
ozのオンラインショップ版の管理は、殆どすべて志信が行っていて、今も受注や在庫の確認を終えたばかりなのだ。
もともとパソコンを弄るのは嫌いではないので、この仕事を任されることは嫌じゃないけれど、閉店後の掃除と比べたら、責任や大変さの度合いは大きい。
一伽が変わってくれると言うなら、喜んで変わるけれど。
「志信くん、お疲れ様ー」
さっと志信のシャツから手を離し、一伽はバイバイするみたいに志信に手を振った。
「…まぁいいけどね。てか、一伽くん、航平くんに何か話しようとしてたんじゃないの? まさかホントに掃除が嫌だってだけの話だったの?」
「あっ違うっ! 違う違う、つか志信も聞いて!」
「えー…、俺帰る、て言ってんのに…」
志信に言われて、一伽はようやく肝心なことを思い出した。
航平に話したいことがあって声を掛けたのに、ケツキックはされるわ、面倒くさいネットショップの管理をさせられそうになるやらで、忘れていた。
「あのさー、俺さー、昨日とうとう男の血、吸っちゃったんだよねー…」
一伽は遠い目をしながら、昨日の夜のことを打ち明けた。
「はぁ? とうとうお前、宗旨替えしたのか」
「へぇ、じゃあ一伽くん、今度から男も女もイケちゃうんだ」
航平も志信も、一伽が吸血鬼であることは知っているから、今さらその事実には驚かないが、かわいい女の子限定でしか血を飲まなかった一伽が、とうとう男にまで手を出すようになったとなれば、やはり驚く。
…が、驚いたものの、2人ともその驚きの部分はサラッと流して、真面目な顔でボケのような突っ込みをした。
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「何だとぅ! ふとうかいこ、反対! ろーどーキジュンホウで、」
「自分でも言えない言葉使うな!」
…確か一伽は、航平に何か話したいことがあって声を掛けたはずだったのに、いつの間にか全然違う方向に2人で盛り上がっている。
2人は別に仲が悪いということは全然ないのだが、口を開けば、いつもこんな感じだ。
「2人ともー。俺、もう帰りたいんだけどー…」
パソコンから顔を上げ、騒いでいる2人に視線を向けたのは、同じくozで働く小松崎志信(こまつざき しのぶ)。ずり落ちたメガネを面倒くさそうに押し上げながら、さらに面倒くさそうに航平と一伽を見遣った。
「あっ、店長! 志信が掃除しないで帰ろうとしてます! ダメダメダメ~!」
普段は『店長』なんて呼ばないくせに、こんなときばかり航平のことをそんなふうに呼んで、一伽は逃がすまいと志信のシャツを掴む。
志信にだって、掃除させるんだから!
「えー…じゃあ今度から俺が店の掃除するから、一伽くん、オンラインのほうの管理やってよ」
「うぐっ…」
別に志信は閉店後、パソコンに向かって遊んでいたわけではない。
ozのオンラインショップ版の管理は、殆どすべて志信が行っていて、今も受注や在庫の確認を終えたばかりなのだ。
もともとパソコンを弄るのは嫌いではないので、この仕事を任されることは嫌じゃないけれど、閉店後の掃除と比べたら、責任や大変さの度合いは大きい。
一伽が変わってくれると言うなら、喜んで変わるけれど。
「志信くん、お疲れ様ー」
さっと志信のシャツから手を離し、一伽はバイバイするみたいに志信に手を振った。
「…まぁいいけどね。てか、一伽くん、航平くんに何か話しようとしてたんじゃないの? まさかホントに掃除が嫌だってだけの話だったの?」
「あっ違うっ! 違う違う、つか志信も聞いて!」
「えー…、俺帰る、て言ってんのに…」
志信に言われて、一伽はようやく肝心なことを思い出した。
航平に話したいことがあって声を掛けたのに、ケツキックはされるわ、面倒くさいネットショップの管理をさせられそうになるやらで、忘れていた。
「あのさー、俺さー、昨日とうとう男の血、吸っちゃったんだよねー…」
一伽は遠い目をしながら、昨日の夜のことを打ち明けた。
「はぁ? とうとうお前、宗旨替えしたのか」
「へぇ、じゃあ一伽くん、今度から男も女もイケちゃうんだ」
航平も志信も、一伽が吸血鬼であることは知っているから、今さらその事実には驚かないが、かわいい女の子限定でしか血を飲まなかった一伽が、とうとう男にまで手を出すようになったとなれば、やはり驚く。
…が、驚いたものの、2人ともその驚きの部分はサラッと流して、真面目な顔でボケのような突っ込みをした。
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COMMENT-FORM
しろ ⇒ なぬっ!!
一伽ちゃん、周囲にカミングアウト済みなのー!!
ビックリだよー(@_@;)
ますますこれから気になります。
いつもかわいくて天然さんをありがとう(^o^)丿
ビックリだよー(@_@;)
ますますこれから気になります。
いつもかわいくて天然さんをありがとう(^o^)丿
- |2012.05.11
- |Fri
- |14:42
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >しろさん
6畳2間で暮らしてるわ、鏡に映るわ、普通にお仕事してるわ、現代の吸血鬼さんは、自分が吸血鬼だってこと隠す理由がないみたいです(笑)
私、常々、キャラに「かわいい」て言ってもらえるの、ホント最高の褒め言葉だと思ってるんですが、「天然」て言われるのも、嬉しいと最近気が付きました(*^_^*)
でも天然キャラにしようと思って書いてるんじゃないのに、なぜかみんなに天然ちゃんと言われちゃう、私のキャラ…。
不思議だにゃ。
コメントありがとうございました!
私、常々、キャラに「かわいい」て言ってもらえるの、ホント最高の褒め言葉だと思ってるんですが、「天然」て言われるのも、嬉しいと最近気が付きました(*^_^*)
でも天然キャラにしようと思って書いてるんじゃないのに、なぜかみんなに天然ちゃんと言われちゃう、私のキャラ…。
不思議だにゃ。
コメントありがとうございました!
- |2012.05.11
- |Fri
- |21:51
- |URL
- |EDIT|