スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (9)
2012.05.10 Thu
「おい、侑仁、大丈夫か? え、てか、ソイツ…」
先ほどは、一伽がぶっ倒れるところを見ている海晴だ。
床に座ったままの状態とはいえ、全然平気そうな顔をしている一伽を見つけ、面食らったような顔になる。
「え…、何? もう大丈夫なわけ? は? 何で?」
「知るかよっ」
侑仁は苛立たしげに立ち上がると、海晴とスタッフを押し退けて、フロアのほうへと向かって行ってしまった。
取り残された2人はもちろんポカンとなったが、肝心の一伽は、「何アイツ、超感じ悪っ」とか言っている。
「えっと…あの、大丈夫っすか…?」
1人でプンプンしている一伽に、海晴が恐る恐る声を掛けてみる。
出来れば海晴もあまり係わり合いになりたくないが、心配は心配だし。
「え、俺? あ、俺はもう大丈夫。アイツ……えと、侑仁? 侑仁からいろいろ……いや、いろいろでもないか。えっと…」
「は? え? 侑仁が助けてやった…?」
「あー…まぁ、うん。俺が勝手に助けられたというか……いや、まぁいっか」
一伽は勝手に侑仁から栄養補給をして、勝手に元気を取り戻したのだが、説明するのも面倒くさいので、「いろいろ助けてもらいました」と、思い切り話を省略して終わらせた。
一伽 と 航平 と 志信
吸血鬼とはいえ、毎日毎日、ただ血を吸っていればいいというわけではない。
その名の如く、血を吸うのが仕事と言えば仕事だが(それだけで腹は膨れるし、生き延びることは出来る)、しかしこの現代社会において、金が掛かるのは食費だけではない。
生きていくには、金を稼げる仕事をしなければならないのだ。
だから雪乃も、『職業・吸血鬼』と言いつつ、ちゃんと本屋でお仕事している。
そのとき雪乃は、『俺の職業は吸血鬼なのー! 本屋の仕事は副業なのー!!』という、どうでもいい主張を忘れてはいないが、雪乃の本屋での雇用形態は『アルバイト』なので、その言い分は間違っていない。
ちなみに一伽は、メンズファッションを取り扱う「oz」というセレクトショップで働いている。
取り扱っている品が一伽の好みやセンスに合っているし、店長も年齢が近いから、とっても働きやすくてやりがいがある。
「航平(こうへい)くーん…」
「何だ」
閉店時間を過ぎ、タラタラと店内の掃除をしていた一伽が声を掛けると、本日の売り上げや在庫の確認をしていた店長の航平が顔を上げ――――眉を顰めた。
「お前なぁ、店閉まっても、まだ勤務時間中なんだから、もっとキビキビ働かんかいっ!」
「ギャー、暴力! 暴力店長! パワハラで訴えてやる!」
モップを手にしてはいるものの、殆ど掃除のはかどっていない一伽にケツキックを食らわしてやったら、一伽が大げさに騒いだ。
ケツキックと言っても、本気で蹴ったわけではなく、ちょっと足が当たったか? くらいの強さなのに。
back next
先ほどは、一伽がぶっ倒れるところを見ている海晴だ。
床に座ったままの状態とはいえ、全然平気そうな顔をしている一伽を見つけ、面食らったような顔になる。
「え…、何? もう大丈夫なわけ? は? 何で?」
「知るかよっ」
侑仁は苛立たしげに立ち上がると、海晴とスタッフを押し退けて、フロアのほうへと向かって行ってしまった。
取り残された2人はもちろんポカンとなったが、肝心の一伽は、「何アイツ、超感じ悪っ」とか言っている。
「えっと…あの、大丈夫っすか…?」
1人でプンプンしている一伽に、海晴が恐る恐る声を掛けてみる。
出来れば海晴もあまり係わり合いになりたくないが、心配は心配だし。
「え、俺? あ、俺はもう大丈夫。アイツ……えと、侑仁? 侑仁からいろいろ……いや、いろいろでもないか。えっと…」
「は? え? 侑仁が助けてやった…?」
「あー…まぁ、うん。俺が勝手に助けられたというか……いや、まぁいっか」
一伽は勝手に侑仁から栄養補給をして、勝手に元気を取り戻したのだが、説明するのも面倒くさいので、「いろいろ助けてもらいました」と、思い切り話を省略して終わらせた。
一伽 と 航平 と 志信
吸血鬼とはいえ、毎日毎日、ただ血を吸っていればいいというわけではない。
その名の如く、血を吸うのが仕事と言えば仕事だが(それだけで腹は膨れるし、生き延びることは出来る)、しかしこの現代社会において、金が掛かるのは食費だけではない。
生きていくには、金を稼げる仕事をしなければならないのだ。
だから雪乃も、『職業・吸血鬼』と言いつつ、ちゃんと本屋でお仕事している。
そのとき雪乃は、『俺の職業は吸血鬼なのー! 本屋の仕事は副業なのー!!』という、どうでもいい主張を忘れてはいないが、雪乃の本屋での雇用形態は『アルバイト』なので、その言い分は間違っていない。
ちなみに一伽は、メンズファッションを取り扱う「oz」というセレクトショップで働いている。
取り扱っている品が一伽の好みやセンスに合っているし、店長も年齢が近いから、とっても働きやすくてやりがいがある。
「航平(こうへい)くーん…」
「何だ」
閉店時間を過ぎ、タラタラと店内の掃除をしていた一伽が声を掛けると、本日の売り上げや在庫の確認をしていた店長の航平が顔を上げ――――眉を顰めた。
「お前なぁ、店閉まっても、まだ勤務時間中なんだから、もっとキビキビ働かんかいっ!」
「ギャー、暴力! 暴力店長! パワハラで訴えてやる!」
モップを手にしてはいるものの、殆ど掃除のはかどっていない一伽にケツキックを食らわしてやったら、一伽が大げさに騒いだ。
ケツキックと言っても、本気で蹴ったわけではなく、ちょっと足が当たったか? くらいの強さなのに。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (10) (2012/05/11)
- 暴君王子のおっしゃることには! (9) (2012/05/10)
- 暴君王子のおっしゃることには! (8) (2012/05/09)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!