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暴君王子のおっしゃることには! (8)
2012.05.09 Wed
「ッ…」
どれほどの時間が経ったのか、店の人間を呼びに行った海晴がまだ戻って来ないところを見ると、大した時間ではないのかもしれない、しかし侑仁には一瞬が何分にも、何時間にも思えた。
海晴、早く戻って来て助けろ! と念じてみるが、全然まったく通じていないようで、焦る侑仁とは裏腹に、フロアからはミュージックが溢れてくる。
「ん~~~~……ふはっ…」
もうダメかもしれない…なんて不吉な予感が侑仁の脳裏をよぎり掛けた瞬間――――唐突に一伽の口が侑仁から離れた。
途端、支えをなくした侑仁の体はガクリと崩れ、侑仁はその場にペタリと座り込んでしまった。
「ッ…、てめっ…何しやがった…」
本当は今すぐにでも殴り飛ばしてやりたいのに、体にうまく力が入らない。
それでも侑仁は、怒りに満ちた瞳で、目の前の男を睨み付けた――――が。
「はぁ~おいしかった。ごちそうさまでした」
侑仁に睨まれても一伽はのん気なもので、床にちょこんと座ったまま、『ごちそうさまでした』と侑仁に向かって合掌した。
「何しやがったんだ、てめぇ…」
「何が?」
「俺に何したんだっつのっ!」
「あぅ」
我慢ならなくて、侑仁は一伽の胸倉を掴み上げた。
目の前がクラッとする、しかしそれは怒りと気力でカバーした。
「苦ちぃ…」
侑仁に胸倉を取られ、勢いで首がガクンとなったのが痛かったのと、首元が締って苦しいのとで、一伽は眉を寄せた。
しかし侑仁は力を緩めない。痛かったのなら、侑仁だって同じだ。いきなり首筋を噛まれたのだ、冗談で済む話ではない。
「だって、ご飯…」
「はぁっ? お前、さっきから何言って…、何が『ご飯』だ、ざけんなっ!」
「むぅ~…。だってすっごいお腹空いてたんだもん、しょうがないじゃん。大体! 最初にお前がご飯の邪魔したのが悪いんだろっ!」
侑仁の怒りに触発されたのか、一伽は、先ほど女の子に逃げられたときと同じように頬を膨らますと、無理やり自分の胸元から侑仁の手を剥ぎ取った。
けれど侑仁にしたら、そんなの単なる言いがかりでしかない。
そこまで本気であの子を落としに掛かっていたわけではないから、今となっては、逃げられたことに因縁を付けるつもりはないが、ナンパの邪魔をしたのは一伽のほうだ。
「つか、何で腹減って俺に噛み付くんだよ、意味分かんねぇし。大体、このケガどうしてくれんだよっ」
「大丈夫、すぐ治るから」
「いやいやいや、それのどこが『大丈夫』てことになるわけ?」
そりゃ、すぐにでも治ってもらわなければ困るけれど、それで『大丈夫』とか言われても、もっと困る。
それって結局、単なる自然治癒? 侑仁の自然治癒力に期待してる?
「侑仁!」
コイツとまともに話をするなんて無理かも…と、侑仁がいろいろ諦め掛けたとき、ようやく待っていた声が背後からした。
海晴がスタッフを連れて戻って来たのだ。
back next
どれほどの時間が経ったのか、店の人間を呼びに行った海晴がまだ戻って来ないところを見ると、大した時間ではないのかもしれない、しかし侑仁には一瞬が何分にも、何時間にも思えた。
海晴、早く戻って来て助けろ! と念じてみるが、全然まったく通じていないようで、焦る侑仁とは裏腹に、フロアからはミュージックが溢れてくる。
「ん~~~~……ふはっ…」
もうダメかもしれない…なんて不吉な予感が侑仁の脳裏をよぎり掛けた瞬間――――唐突に一伽の口が侑仁から離れた。
途端、支えをなくした侑仁の体はガクリと崩れ、侑仁はその場にペタリと座り込んでしまった。
「ッ…、てめっ…何しやがった…」
本当は今すぐにでも殴り飛ばしてやりたいのに、体にうまく力が入らない。
それでも侑仁は、怒りに満ちた瞳で、目の前の男を睨み付けた――――が。
「はぁ~おいしかった。ごちそうさまでした」
侑仁に睨まれても一伽はのん気なもので、床にちょこんと座ったまま、『ごちそうさまでした』と侑仁に向かって合掌した。
「何しやがったんだ、てめぇ…」
「何が?」
「俺に何したんだっつのっ!」
「あぅ」
我慢ならなくて、侑仁は一伽の胸倉を掴み上げた。
目の前がクラッとする、しかしそれは怒りと気力でカバーした。
「苦ちぃ…」
侑仁に胸倉を取られ、勢いで首がガクンとなったのが痛かったのと、首元が締って苦しいのとで、一伽は眉を寄せた。
しかし侑仁は力を緩めない。痛かったのなら、侑仁だって同じだ。いきなり首筋を噛まれたのだ、冗談で済む話ではない。
「だって、ご飯…」
「はぁっ? お前、さっきから何言って…、何が『ご飯』だ、ざけんなっ!」
「むぅ~…。だってすっごいお腹空いてたんだもん、しょうがないじゃん。大体! 最初にお前がご飯の邪魔したのが悪いんだろっ!」
侑仁の怒りに触発されたのか、一伽は、先ほど女の子に逃げられたときと同じように頬を膨らますと、無理やり自分の胸元から侑仁の手を剥ぎ取った。
けれど侑仁にしたら、そんなの単なる言いがかりでしかない。
そこまで本気であの子を落としに掛かっていたわけではないから、今となっては、逃げられたことに因縁を付けるつもりはないが、ナンパの邪魔をしたのは一伽のほうだ。
「つか、何で腹減って俺に噛み付くんだよ、意味分かんねぇし。大体、このケガどうしてくれんだよっ」
「大丈夫、すぐ治るから」
「いやいやいや、それのどこが『大丈夫』てことになるわけ?」
そりゃ、すぐにでも治ってもらわなければ困るけれど、それで『大丈夫』とか言われても、もっと困る。
それって結局、単なる自然治癒? 侑仁の自然治癒力に期待してる?
「侑仁!」
コイツとまともに話をするなんて無理かも…と、侑仁がいろいろ諦め掛けたとき、ようやく待っていた声が背後からした。
海晴がスタッフを連れて戻って来たのだ。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
新作品は、中々 感想コメを書くまで 時間がかかるので まだ書けない私です。
如月さま、ごめんなさい(*_ _)
この時季にインフルエンザとは~!
毎日のの更新は、すっごく嬉しいですが、くれぐれも お体に無理の無い様に お過ごし下さい。
オミマイノオハナ♪(*´ー`)ノ轡 o(´0`||)ゴホゴホッ...byebye☆
P.S.このコメには、もちろん 返事不要で♪
如月さま、ごめんなさい(*_ _)
この時季にインフルエンザとは~!
毎日のの更新は、すっごく嬉しいですが、くれぐれも お体に無理の無い様に お過ごし下さい。
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P.S.このコメには、もちろん 返事不要で♪
- |2012.05.09
- |Wed
- |10:01
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
私、本気でインフルエンザは冬にしか発症しないと思ってたんで、まさか5月になるとは、それだけでビックリしてます(>_<)
これから体に気を付け、更新がんばります!
お見舞いのお花、ありがとうございます!
しっかり受け取りました!!
コメントありがとうございました!
これから体に気を付け、更新がんばります!
お見舞いのお花、ありがとうございます!
しっかり受け取りました!!
コメントありがとうございました!
- |2012.05.11
- |Fri
- |21:44
- |URL
- |EDIT|