スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (7)
2012.05.08 Tue
「つか、どうすんだよ、コイツ。このまま放置?」
「そうしようぜ。俺もう関わりたくない…」
「でも侑仁ー、何かコイツ、めっちゃ執念深そうだったじゃん。何とかしねぇと、また追い掛けられるかもよ?」
「ちょっ…マジ勘弁」
海晴の言葉に、侑仁は宙を仰いだ。
でも確かにこの男は、訳もなく2度も侑仁に襲い掛かって来たのだ。3度目がないとも限らない。それに、いきなり襲い掛かってきた変質者だが、倒れたのを放置していくのは、人としてどうかとも思う。
「スタッフ、呼んで来るか?」
「おぅ」
救急車を呼ぶにしても、店としての対応があるだろうから、一先ずは店の関係者に話をするのがいいだろう。
どのみちここは、電波の状況も悪くて携帯電話も繋がりにくいし。
「なぁ、アンタ、大丈夫?」
海晴が店の人を呼びに行っている間、侑仁は屈んで、倒れたまま動かない一伽を抱き起して声を掛けてみた。
もしかして倒れているのが振りで、油断した隙にまた襲われたらどうしようとも思ったが、一伽は青白い顔でグッタリとしたままだ。とりあえず、息はしているみたいだけれど。
「おいってば」
「ん…ぅん…」
「おい、大丈夫かよ」
一伽の意識がわずかに戻ったことに気が付いて、侑仁はその肩を揺さぶってみる。
「お腹…」
「え? 腹? 痛ぇの?」
「…空い、た…」
「…………」
人が深刻になっているときに、何だろう、この気の抜けるような言葉は。
でもそういえばさっきも、『ご飯』とか、しきりに言っていたっけ。腹減り過ぎて、ぶっ倒れちゃったってこと?
「腹減ってんの? 何か食う? …つっても、ここじゃ何もないし…」
どうしたものかと侑仁が思案していると、侑仁の腕の中、一伽が目を開けて、ジーッと見つめていた。
「ご飯…」
「え? あぁ、うん。今何か持って――――……ッ…」
ただ腹が減っているだけなら、救急車なんて呼ぶのは大げさだろう。
それよりも何か食べ物を…と、侑仁が思案し掛けたのも束の間、一伽は口を大きく開けて、そのまま侑仁の首筋に噛み付いた。
「なっ…――――!?」
不意打ちを食らった侑仁は、先ほどのように素早く反応できず、首筋から肩に掛けて走った痛みに、思わず歯を食い縛った。
噛み付かれていると気が付いて、侑仁は慌てて一伽を引き剥がそうとしたが、両腕がしっかりと侑仁の首の後ろに回っていて、ビクともしない。
「やめっ…」
侑仁は抵抗したが、クラッと立ち眩みのような感覚に襲われて、立ち上がるどころか、逆に、一伽の背中に回していた手を床に突いてしまった。
半身が、一伽が噛み付いている左側の、首から肩に掛けてが、熱い。
back next
「そうしようぜ。俺もう関わりたくない…」
「でも侑仁ー、何かコイツ、めっちゃ執念深そうだったじゃん。何とかしねぇと、また追い掛けられるかもよ?」
「ちょっ…マジ勘弁」
海晴の言葉に、侑仁は宙を仰いだ。
でも確かにこの男は、訳もなく2度も侑仁に襲い掛かって来たのだ。3度目がないとも限らない。それに、いきなり襲い掛かってきた変質者だが、倒れたのを放置していくのは、人としてどうかとも思う。
「スタッフ、呼んで来るか?」
「おぅ」
救急車を呼ぶにしても、店としての対応があるだろうから、一先ずは店の関係者に話をするのがいいだろう。
どのみちここは、電波の状況も悪くて携帯電話も繋がりにくいし。
「なぁ、アンタ、大丈夫?」
海晴が店の人を呼びに行っている間、侑仁は屈んで、倒れたまま動かない一伽を抱き起して声を掛けてみた。
もしかして倒れているのが振りで、油断した隙にまた襲われたらどうしようとも思ったが、一伽は青白い顔でグッタリとしたままだ。とりあえず、息はしているみたいだけれど。
「おいってば」
「ん…ぅん…」
「おい、大丈夫かよ」
一伽の意識がわずかに戻ったことに気が付いて、侑仁はその肩を揺さぶってみる。
「お腹…」
「え? 腹? 痛ぇの?」
「…空い、た…」
「…………」
人が深刻になっているときに、何だろう、この気の抜けるような言葉は。
でもそういえばさっきも、『ご飯』とか、しきりに言っていたっけ。腹減り過ぎて、ぶっ倒れちゃったってこと?
「腹減ってんの? 何か食う? …つっても、ここじゃ何もないし…」
どうしたものかと侑仁が思案していると、侑仁の腕の中、一伽が目を開けて、ジーッと見つめていた。
「ご飯…」
「え? あぁ、うん。今何か持って――――……ッ…」
ただ腹が減っているだけなら、救急車なんて呼ぶのは大げさだろう。
それよりも何か食べ物を…と、侑仁が思案し掛けたのも束の間、一伽は口を大きく開けて、そのまま侑仁の首筋に噛み付いた。
「なっ…――――!?」
不意打ちを食らった侑仁は、先ほどのように素早く反応できず、首筋から肩に掛けて走った痛みに、思わず歯を食い縛った。
噛み付かれていると気が付いて、侑仁は慌てて一伽を引き剥がそうとしたが、両腕がしっかりと侑仁の首の後ろに回っていて、ビクともしない。
「やめっ…」
侑仁は抵抗したが、クラッと立ち眩みのような感覚に襲われて、立ち上がるどころか、逆に、一伽の背中に回していた手を床に突いてしまった。
半身が、一伽が噛み付いている左側の、首から肩に掛けてが、熱い。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (8) (2012/05/09)
- 暴君王子のおっしゃることには! (7) (2012/05/08)
- 暴君王子のおっしゃることには! (6) (2012/05/07)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!