スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
暴君王子のおっしゃることには! (3)
2012.05.04 Fri
「でもね、ホントにカッコよかったんだよ! 血も、めっちゃおいしそうだった!」
「だったらユキちゃん、何でその人の血、飲まなかったの? そんなにうまそうだったら、飲めばよかったのに」
「だってそんな、見ず知らずの人いきなり襲うなんて、変態くさいじゃん! 俺は、そういう恥知らずなことはしたくないの!」
「…いっつも腹ペコのユキちゃんに言われたくない」
「ウグッ…」
尤もらしいことを力説する雪乃だが、そのせいでうまく吸血できなくて、いつも腹を空かせているのだ。
空腹に耐えかねて、一伽に血を飲ませてもらうのだって、吸血鬼としては十分恥ずかしい気がする(というか、こんななのに、堂々と『職業・吸血鬼』と言うほうが恥ずかしいと思う)。
「あーあ。今度こそユキちゃんがカッコいい男ナンパして、彼氏いない歴に終止符を打ったのかと思ったのに。つーまんないの」
「うっさい!」
言いたい放題の一伽を引っ叩いてやろうかと思ったら、振り下ろした手は、スカッと空を切った。
今まで人の形をしていた一伽は、コウモリの姿となって羽ばたいていたのだ。
「ご飯行ってくる。じゃーねー」
「あっ、ちょっ、いっちゃん!」
まだ言い返してやりたいことあったのにー! とジタバタする雪乃を無視して、一伽は夜の街へと飛び立っていった。
一伽
「まぁーったく、ユキちゃんはしょうがないんだから」
なんて言いながら、今日のご飯を探すべく、一伽はコウモリ姿のまま、空から辺りを見回す。
夜で暗いはずなのに、街はネオンで明るい。
「どこ行こっかな…」
一伽は大抵、1人でいる女の子に声を掛けるのだが、今日はだいぶお腹が空いているので、のん気に物色している暇はなさそうだ。
しかも、今日は雪乃に血を吸わせていたせいで、時間が結構遅い。こういう時間に声を掛けると、キャッチと間違われてうまく行かないことを、一伽は経験上知っている。
となれば仕方がない、金は掛かるが、若い女の子がいっぱい集まっているクラブへ行くしかない(いや、行くしかないというか、『夜に若い女の子から』という一伽の無駄な条件さえなければ、金が掛かることは何もないのだが)。
一伽は賑わっているクラブを見つけると、近くで人間の姿に戻った。
コウモリは飛べるし便利だから、一伽は結構気に入っているのだが、残念ながら、コウモリのままでは血を吸うことが出来ないのだ(それに、コウモリのまま忍び込んだら、泥棒さんみたいだし)。
ちなみに、いちいち人間の姿にならなくても吸血できる生き物はないかと考えたところ、『蚊、か…?』とも思ったのだが、血を吸っている最中に叩き潰されそうな気がしたので、やめている。
「よし、…と」
鏡を覗いて身だしなみを確認すると、一伽はクラブの中に入る。
先ほど雪乃に血を吸わせたせいもあって、腹は減っている。早くご飯を見つけないと。
どうしようかな…と一伽が思案していたら、ちょうどトイレから出て来たところの、1人の女の子が目に入った。
顔は若干メイクが濃い気もしたが、まぁまぁかわいいし、襟ぐりの大きく開いた服を着ているから、血も吸いやすそうだ。それに、声を掛けたら簡単に付いて来そうなタイプだと、直感で分かった。
back next
「だったらユキちゃん、何でその人の血、飲まなかったの? そんなにうまそうだったら、飲めばよかったのに」
「だってそんな、見ず知らずの人いきなり襲うなんて、変態くさいじゃん! 俺は、そういう恥知らずなことはしたくないの!」
「…いっつも腹ペコのユキちゃんに言われたくない」
「ウグッ…」
尤もらしいことを力説する雪乃だが、そのせいでうまく吸血できなくて、いつも腹を空かせているのだ。
空腹に耐えかねて、一伽に血を飲ませてもらうのだって、吸血鬼としては十分恥ずかしい気がする(というか、こんななのに、堂々と『職業・吸血鬼』と言うほうが恥ずかしいと思う)。
「あーあ。今度こそユキちゃんがカッコいい男ナンパして、彼氏いない歴に終止符を打ったのかと思ったのに。つーまんないの」
「うっさい!」
言いたい放題の一伽を引っ叩いてやろうかと思ったら、振り下ろした手は、スカッと空を切った。
今まで人の形をしていた一伽は、コウモリの姿となって羽ばたいていたのだ。
「ご飯行ってくる。じゃーねー」
「あっ、ちょっ、いっちゃん!」
まだ言い返してやりたいことあったのにー! とジタバタする雪乃を無視して、一伽は夜の街へと飛び立っていった。
一伽
「まぁーったく、ユキちゃんはしょうがないんだから」
なんて言いながら、今日のご飯を探すべく、一伽はコウモリ姿のまま、空から辺りを見回す。
夜で暗いはずなのに、街はネオンで明るい。
「どこ行こっかな…」
一伽は大抵、1人でいる女の子に声を掛けるのだが、今日はだいぶお腹が空いているので、のん気に物色している暇はなさそうだ。
しかも、今日は雪乃に血を吸わせていたせいで、時間が結構遅い。こういう時間に声を掛けると、キャッチと間違われてうまく行かないことを、一伽は経験上知っている。
となれば仕方がない、金は掛かるが、若い女の子がいっぱい集まっているクラブへ行くしかない(いや、行くしかないというか、『夜に若い女の子から』という一伽の無駄な条件さえなければ、金が掛かることは何もないのだが)。
一伽は賑わっているクラブを見つけると、近くで人間の姿に戻った。
コウモリは飛べるし便利だから、一伽は結構気に入っているのだが、残念ながら、コウモリのままでは血を吸うことが出来ないのだ(それに、コウモリのまま忍び込んだら、泥棒さんみたいだし)。
ちなみに、いちいち人間の姿にならなくても吸血できる生き物はないかと考えたところ、『蚊、か…?』とも思ったのだが、血を吸っている最中に叩き潰されそうな気がしたので、やめている。
「よし、…と」
鏡を覗いて身だしなみを確認すると、一伽はクラブの中に入る。
先ほど雪乃に血を吸わせたせいもあって、腹は減っている。早くご飯を見つけないと。
どうしようかな…と一伽が思案していたら、ちょうどトイレから出て来たところの、1人の女の子が目に入った。
顔は若干メイクが濃い気もしたが、まぁまぁかわいいし、襟ぐりの大きく開いた服を着ているから、血も吸いやすそうだ。それに、声を掛けたら簡単に付いて来そうなタイプだと、直感で分かった。
back next
- 関連記事
-
- 暴君王子のおっしゃることには! (4) (2012/05/05)
- 暴君王子のおっしゃることには! (3) (2012/05/04)
- 暴君王子のおっしゃることには! (2) (2012/05/03)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:暴君王子のおっしゃることには!