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2. 「そんなんじゃ分かんないよ」
2008.06.05 Thu
片倉は、困ったように篠崎を見ていた。
「篠崎、教科書」
「答えてくんなきゃ返さない」
「いいかげんに、」
「何で答えてくんないの? 答えたら返すって言ってんのに」
「…………。いないよ」
はぁ、と、溜め息と共に、片倉はそう答えた。そして、教科書を返せと手を差し出す。けれど篠崎はまだ返す気がないらしく、教科書を片倉の届かない位置に持ち返る。
「ね、じゃあ、俺のこと恋人にして?」
「は? 何言ってんの? それより教科書返してよ」
「イヤ」
「篠崎!」
片倉の声が荒くなる。
「ふざけてないよ。超本気。俺、先生のことが好きなの」
「そんなこと…」
真剣な表情の篠崎に見つめられ、不覚にも片倉はドキリとする。落ち着きなく指を動かしながら、視線を彷徨わせる。
「そ、そんなこと言われたって…………困る」
篠崎の視線から逃げるように、片倉は目を伏せた。
「困るって、何で? 俺のこと、嫌い?」
「そうじゃなくて! だって男だし、俺!」
「俺だって男だよ」
「だったら!」
どうして篠崎は分かってくれないのだろう。俺の言ってること、何か変? 俺も男、篠崎も男なのに、何で好きだとか言うの?
「それに……俺、先生だし」
「知ってるよ。で、俺生徒」
「なら、恋人にはなれないでしょ?」
「何で? 何その答え。そんなんじゃ分かんないよ。じゃあ先生、」
片倉はゆっくりと顔を上げた。
「先生、何でよく俺のこと見てんの?」
「ッ、」
篠崎と目が合って、片倉はハッと息を飲んだ。
「篠崎、教科書」
「答えてくんなきゃ返さない」
「いいかげんに、」
「何で答えてくんないの? 答えたら返すって言ってんのに」
「…………。いないよ」
はぁ、と、溜め息と共に、片倉はそう答えた。そして、教科書を返せと手を差し出す。けれど篠崎はまだ返す気がないらしく、教科書を片倉の届かない位置に持ち返る。
「ね、じゃあ、俺のこと恋人にして?」
「は? 何言ってんの? それより教科書返してよ」
「イヤ」
「篠崎!」
片倉の声が荒くなる。
「ふざけてないよ。超本気。俺、先生のことが好きなの」
「そんなこと…」
真剣な表情の篠崎に見つめられ、不覚にも片倉はドキリとする。落ち着きなく指を動かしながら、視線を彷徨わせる。
「そ、そんなこと言われたって…………困る」
篠崎の視線から逃げるように、片倉は目を伏せた。
「困るって、何で? 俺のこと、嫌い?」
「そうじゃなくて! だって男だし、俺!」
「俺だって男だよ」
「だったら!」
どうして篠崎は分かってくれないのだろう。俺の言ってること、何か変? 俺も男、篠崎も男なのに、何で好きだとか言うの?
「それに……俺、先生だし」
「知ってるよ。で、俺生徒」
「なら、恋人にはなれないでしょ?」
「何で? 何その答え。そんなんじゃ分かんないよ。じゃあ先生、」
片倉はゆっくりと顔を上げた。
「先生、何でよく俺のこと見てんの?」
「ッ、」
篠崎と目が合って、片倉はハッと息を飲んだ。
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