スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
1. 「教えてよセンセー」 (後編)
2008.06.04 Wed
「セーンセ、」
ノックもなしにドアを開けたのは、数学準備室。篠崎は、デスクに向かっている背中を見つけ、口元を緩ませる。
「篠崎。どうした?」
椅子を回転させて振り返ったのは、篠崎たちの数学を受け持っている教諭の片倉。
「先生に会いたくて」
「え? 何か授業で分からないことあった? 篠崎は数学の補習、なかったよね?」
「ないよ。だから今会いに来たの。聞きたいことあって」
「篠崎は真面目だね」
補習を受けるほどの成績でもないのに、わざわざ質問に来る篠崎を勉強熱心な生徒と思ったのか、片倉は嬉しそうな表情を見せる。
「どこが分かんないの? あ、そこ座って?」
促されるまま、篠崎は来客用のソファに腰掛けた。片倉はその向かいに腰を下ろす。
「ねぇ、先生って恋人いるの?」
「…は?」
教科書を捲っていた片倉の手が止まった。
「何?」
「恋人。いるの? いないの? 教えてよ、センセー」
「何でそんなこと、篠崎に教えなきゃいけないの?」
「どんな人?」
「だから、何で教えなきゃいけないんだって」
困ったような、怒ったような、片倉の表情。
少しあどけなくて、いとおしい。
「ホラ、早く教科書広げなよ。聞きたいことあるんだろ?」
「うん。だから聞いてるじゃん」
「は?」
「恋人いないのかって」
「何言って…」
「答えてよ、片倉センセー」
片倉の手から、教科書を奪い取った。
ノックもなしにドアを開けたのは、数学準備室。篠崎は、デスクに向かっている背中を見つけ、口元を緩ませる。
「篠崎。どうした?」
椅子を回転させて振り返ったのは、篠崎たちの数学を受け持っている教諭の片倉。
「先生に会いたくて」
「え? 何か授業で分からないことあった? 篠崎は数学の補習、なかったよね?」
「ないよ。だから今会いに来たの。聞きたいことあって」
「篠崎は真面目だね」
補習を受けるほどの成績でもないのに、わざわざ質問に来る篠崎を勉強熱心な生徒と思ったのか、片倉は嬉しそうな表情を見せる。
「どこが分かんないの? あ、そこ座って?」
促されるまま、篠崎は来客用のソファに腰掛けた。片倉はその向かいに腰を下ろす。
「ねぇ、先生って恋人いるの?」
「…は?」
教科書を捲っていた片倉の手が止まった。
「何?」
「恋人。いるの? いないの? 教えてよ、センセー」
「何でそんなこと、篠崎に教えなきゃいけないの?」
「どんな人?」
「だから、何で教えなきゃいけないんだって」
困ったような、怒ったような、片倉の表情。
少しあどけなくて、いとおしい。
「ホラ、早く教科書広げなよ。聞きたいことあるんだろ?」
「うん。だから聞いてるじゃん」
「は?」
「恋人いないのかって」
「何言って…」
「答えてよ、片倉センセー」
片倉の手から、教科書を奪い取った。
- 関連記事
-
- 2. 「そんなんじゃ分かんないよ」 (2008/06/05)
- 1. 「教えてよセンセー」 (後編) (2008/06/04)
- 1. 「教えてよセンセー」 (前編) (2008/06/03)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。