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君を覆うやさしい銀河 (1)
2011.12.25 Sun
プレゼントの中身を確認する前に、みなさまに注意事項がございます。
必ずお読みになってから、用法・用量を守ってお進みください。
注意1
お話は、「君といる~」シリーズですが、なぜか突然のパラレルストーリーです。むっちゃんとかが、大学生じゃないし、何かいろいろアレです。
注意2
BLていうか、え、BL? え? みたいな感じです。BLじゃなくね? みたいな。
注意3
どうしても今日中に全部アップしたかったんで、1話辺りがいつもの倍くらいの長さです。ゴメンなさい。それでも5話になってしまいました。いつもの長さで10話のほうがよかったですかね…?
以上の注意点を理解し、許してくださる方のみ、お進みください。
ダメそうな方は…すみません、24日分の通常更新はこちらです。続きは26日となります。
タイトルは、約30の嘘さまからお借りしました。ありがとう!
みなさん、サンタクロースって知ってます?
あ、知ってる? それは失礼しました。そりゃ知ってますよね、サンタさんくらい。
え? 子どものころ、本気で信じてた?
いやいや、ちょっと待って。その言い方じゃあ、まるでサンタクロースが、本当はいないと言ってるようじゃないですか。
え、そう言ってる? もしかしてあなた、サンタクロースを架空の生き物だと思ってらっしゃるんですか?
はぁ~…。
時々いるんですよね、そういう人が。サンタクロースが苦労して置いてったプレゼントも、お父さんかお母さんがコッソリ置いたものだと思い込んでる人。
あぁ、サンタさんてホント、報われない。
ここではっきりと申し上げましょう。
サンタクロースは、本当にいるんです。
クリスマスの夜、いい子にしていた子どもたちにプレゼントを配っているのは、お父さんでもお母さんでもなく、サンタさんなんです。
「さ゛ーむ゛ーい゛ー」
ズビズビと鼻を啜りながら、コートの前をしっかりと上まで上げ、嫌そうに顔を顰めながら身を竦ませているのは、サンタの睦月。
ただでさえ寒いのは苦手だというのに、24日の今日に限って、雪まで振り出す始末。本当に、やっていられない。
「ちょっと、むっちゃん! 荷物の確認、一緒にしてよ!」
自分たちが配るプレゼントが載ったリストを片手に、睦月に向かって声を張り上げたのは、同じくサンタの翔真。
睦月は今晩、彼と一緒にプレゼントを配りに行くのだ(一人前のサンタは1人で全部こなすけれど、若いサンタはみんな、ペアで仕事をするのだ)。
ちなみにここは、クリスマスにサンタクロースが子どもたちに配るプレゼントを保管・管理しているセンター。
どのサンタも、自分の担当地区の子どもたちをリサーチして、クリスマスまでにプレゼントを用意したら、ここでソリに積んで、子どもたちに配りに行くのである。
誰にどのプレゼントを配るのかはコンピュータ管理されているけれど、先に回る家のプレゼントが手前に来るように積まないといけないから、最終確認は、そのソリのサンタが自分たちで行わなければならないのに、睦月は先ほどから寒がってばかりで、何もしていない。
「むぁ~~~、ショウちゃん、寒い~~~!!!」
「しょうがないでしょ、冬なんだから。サンタが寒がってどうすんの! ホラ、早く確認して、ソリに積も? 遅れちゃう」
「ん゛ん゛~~~」
サンタだって寒いものは寒いのに、翔真はまったく相手にしてくれなくて、睦月はしょんぼりとしながら、翔真から手渡されるプレゼントをソリに積み込んでいく。
ソリの見た目は小さいが、実は中にいっぱい積み込める仕様になっていて、この1台で、結構な数のプレゼントを配ることになる。
つまりサンタクロースは、へたな運送屋よりも、よっぽど仕事をこなさなければならないのだ。
「でもそれだって、一晩だけのことでしょ。運送屋さんは、雨が降っても雪が降っても、毎日配んなきゃいけないんだから。はい、あと10個で終わりだから、むっちゃん、ガンバ」
「にゃ~~~」
翔真から、何の慰めにもなっていない慰めの言葉を貰いつつ、睦月は、あと10個も入るかなぁ…? と残りスペースを見ながら、若干心配になってくる。
ソリは、たくさんプレゼントを積める構造にはなっているが、魔法のポケットではないので、スペースには限りがあって、ちゃんと考えて積まないと、積み切れないという事態にもなる。
実は睦月は去年それで失敗して、残り6個が入らなくて、全部積み直したという前科があるのだ(プレゼントをソリに積む練習なら、学校でもするのに…)。
「えと、ショウちゃん、あと何個て…?」
「むっちゃん、ホラ、早く積んで! え、何?」
睦月が恐る恐る聞き返した言葉は、翔真には届いていなかったようで、次のプレゼントを手渡してくるから、睦月は慌ててストップを掛けた。
次に見えてるプレゼント、デカすぎるって!
「むっちゃん? え、まさかもう入んないとか…?」
翔真ももちろん、睦月の前科を知っているのだが(去年も睦月とペアだったから)、睦月が1年掛けて、プレゼントをきっちり積み込む練習をしてきた(いや、させられてきた)のを知っているから、大丈夫だと思って、積み込み作業を任せたのに。
「え、まさかもう入んないとか?」
翔真も相当ビックリしているのか、同じセリフをもう1度言って来た。
去年は残り6個までがんばれたのに、1年練習して、今年は残り10個でアウト?
「だ…大丈夫だよショウちゃん! ここまだ入る! ギュッてすれば」
「ちょっと待った、むっちゃん! ギュッてしちゃダメ!」
中身は子どもたちに配るプレゼントなのだ。
考えなしにギュッと詰め込んだら、プレゼントが潰れたりグチャグチャになったりしてしまう。
「ちょっと待って。ここのをこっちにずらして…」
このまま睦月に任せていたら、無理やりにでもプレゼントを押し込めてしまいそうだと思い、翔真は、中の荷物を少しずつ動かしてスペースを作っていく。
それにしてもこの積み方は、ちゃんと練習の成果が出てるのかなぁ…。
「よし、これでまだ入る。むっちゃん、次のプレゼント貸して?」
「…ん。でもこれ、超デカいよ? 入る?」
先ほど睦月がビビったとおり、次に積むべきプレゼントは、結構かさばっていて、これを入れると、その次のものが難しそう。
それとも、翔真に任せればどうにかなるのだろうか。
「んー…、じゃあその次の貸して? そのデカいのは一番最後にしよ」
「そう?」
よく分からないが、翔真がそう言うのだから間違いないのだろう、と睦月は素直にその次のプレゼントをチェックして、翔真に手渡す。
先ほどまで、あと10個なんてとても無理! と思っていたはずのスペースに、どんどんとプレゼントが積み込まれていく。やっぱり、睦月に任せなくて正解だった。
「ショウちゃん、最後はこのデカいヤツだよ? 入りそう?」
「うーん…、さすがにそれは厳しいかも…」
「マジ? どうする? 置いてく?」
「いやいや、置いてっちゃダメでしょ」
サンタさんなのに、プレゼント置いてってどうするの、と翔真は頭を抱える。
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必ずお読みになってから、用法・用量を守ってお進みください。
注意1
お話は、「君といる~」シリーズですが、なぜか突然のパラレルストーリーです。むっちゃんとかが、大学生じゃないし、何かいろいろアレです。
注意2
BLていうか、え、BL? え? みたいな感じです。BLじゃなくね? みたいな。
注意3
どうしても今日中に全部アップしたかったんで、1話辺りがいつもの倍くらいの長さです。ゴメンなさい。それでも5話になってしまいました。いつもの長さで10話のほうがよかったですかね…?
以上の注意点を理解し、許してくださる方のみ、お進みください。
ダメそうな方は…すみません、24日分の通常更新はこちらです。続きは26日となります。
タイトルは、約30の嘘さまからお借りしました。ありがとう!
みなさん、サンタクロースって知ってます?
あ、知ってる? それは失礼しました。そりゃ知ってますよね、サンタさんくらい。
え? 子どものころ、本気で信じてた?
いやいや、ちょっと待って。その言い方じゃあ、まるでサンタクロースが、本当はいないと言ってるようじゃないですか。
え、そう言ってる? もしかしてあなた、サンタクロースを架空の生き物だと思ってらっしゃるんですか?
はぁ~…。
時々いるんですよね、そういう人が。サンタクロースが苦労して置いてったプレゼントも、お父さんかお母さんがコッソリ置いたものだと思い込んでる人。
あぁ、サンタさんてホント、報われない。
ここではっきりと申し上げましょう。
サンタクロースは、本当にいるんです。
クリスマスの夜、いい子にしていた子どもたちにプレゼントを配っているのは、お父さんでもお母さんでもなく、サンタさんなんです。
「さ゛ーむ゛ーい゛ー」
ズビズビと鼻を啜りながら、コートの前をしっかりと上まで上げ、嫌そうに顔を顰めながら身を竦ませているのは、サンタの睦月。
ただでさえ寒いのは苦手だというのに、24日の今日に限って、雪まで振り出す始末。本当に、やっていられない。
「ちょっと、むっちゃん! 荷物の確認、一緒にしてよ!」
自分たちが配るプレゼントが載ったリストを片手に、睦月に向かって声を張り上げたのは、同じくサンタの翔真。
睦月は今晩、彼と一緒にプレゼントを配りに行くのだ(一人前のサンタは1人で全部こなすけれど、若いサンタはみんな、ペアで仕事をするのだ)。
ちなみにここは、クリスマスにサンタクロースが子どもたちに配るプレゼントを保管・管理しているセンター。
どのサンタも、自分の担当地区の子どもたちをリサーチして、クリスマスまでにプレゼントを用意したら、ここでソリに積んで、子どもたちに配りに行くのである。
誰にどのプレゼントを配るのかはコンピュータ管理されているけれど、先に回る家のプレゼントが手前に来るように積まないといけないから、最終確認は、そのソリのサンタが自分たちで行わなければならないのに、睦月は先ほどから寒がってばかりで、何もしていない。
「むぁ~~~、ショウちゃん、寒い~~~!!!」
「しょうがないでしょ、冬なんだから。サンタが寒がってどうすんの! ホラ、早く確認して、ソリに積も? 遅れちゃう」
「ん゛ん゛~~~」
サンタだって寒いものは寒いのに、翔真はまったく相手にしてくれなくて、睦月はしょんぼりとしながら、翔真から手渡されるプレゼントをソリに積み込んでいく。
ソリの見た目は小さいが、実は中にいっぱい積み込める仕様になっていて、この1台で、結構な数のプレゼントを配ることになる。
つまりサンタクロースは、へたな運送屋よりも、よっぽど仕事をこなさなければならないのだ。
「でもそれだって、一晩だけのことでしょ。運送屋さんは、雨が降っても雪が降っても、毎日配んなきゃいけないんだから。はい、あと10個で終わりだから、むっちゃん、ガンバ」
「にゃ~~~」
翔真から、何の慰めにもなっていない慰めの言葉を貰いつつ、睦月は、あと10個も入るかなぁ…? と残りスペースを見ながら、若干心配になってくる。
ソリは、たくさんプレゼントを積める構造にはなっているが、魔法のポケットではないので、スペースには限りがあって、ちゃんと考えて積まないと、積み切れないという事態にもなる。
実は睦月は去年それで失敗して、残り6個が入らなくて、全部積み直したという前科があるのだ(プレゼントをソリに積む練習なら、学校でもするのに…)。
「えと、ショウちゃん、あと何個て…?」
「むっちゃん、ホラ、早く積んで! え、何?」
睦月が恐る恐る聞き返した言葉は、翔真には届いていなかったようで、次のプレゼントを手渡してくるから、睦月は慌ててストップを掛けた。
次に見えてるプレゼント、デカすぎるって!
「むっちゃん? え、まさかもう入んないとか…?」
翔真ももちろん、睦月の前科を知っているのだが(去年も睦月とペアだったから)、睦月が1年掛けて、プレゼントをきっちり積み込む練習をしてきた(いや、させられてきた)のを知っているから、大丈夫だと思って、積み込み作業を任せたのに。
「え、まさかもう入んないとか?」
翔真も相当ビックリしているのか、同じセリフをもう1度言って来た。
去年は残り6個までがんばれたのに、1年練習して、今年は残り10個でアウト?
「だ…大丈夫だよショウちゃん! ここまだ入る! ギュッてすれば」
「ちょっと待った、むっちゃん! ギュッてしちゃダメ!」
中身は子どもたちに配るプレゼントなのだ。
考えなしにギュッと詰め込んだら、プレゼントが潰れたりグチャグチャになったりしてしまう。
「ちょっと待って。ここのをこっちにずらして…」
このまま睦月に任せていたら、無理やりにでもプレゼントを押し込めてしまいそうだと思い、翔真は、中の荷物を少しずつ動かしてスペースを作っていく。
それにしてもこの積み方は、ちゃんと練習の成果が出てるのかなぁ…。
「よし、これでまだ入る。むっちゃん、次のプレゼント貸して?」
「…ん。でもこれ、超デカいよ? 入る?」
先ほど睦月がビビったとおり、次に積むべきプレゼントは、結構かさばっていて、これを入れると、その次のものが難しそう。
それとも、翔真に任せればどうにかなるのだろうか。
「んー…、じゃあその次の貸して? そのデカいのは一番最後にしよ」
「そう?」
よく分からないが、翔真がそう言うのだから間違いないのだろう、と睦月は素直にその次のプレゼントをチェックして、翔真に手渡す。
先ほどまで、あと10個なんてとても無理! と思っていたはずのスペースに、どんどんとプレゼントが積み込まれていく。やっぱり、睦月に任せなくて正解だった。
「ショウちゃん、最後はこのデカいヤツだよ? 入りそう?」
「うーん…、さすがにそれは厳しいかも…」
「マジ? どうする? 置いてく?」
「いやいや、置いてっちゃダメでしょ」
サンタさんなのに、プレゼント置いてってどうするの、と翔真は頭を抱える。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love