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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (86)
2011.12.11 Sun
「ハルちゃん、ハルちゃん、うぅ…重い…」
体の力が抜けた遥希が伸し掛かるような状態になってしまったので、屈んでいた友人の彼はまともに体重を掛けられてしまい、ツライ体勢に眉を寄せた。
「大丈夫? よいしょ…と」
琉は友人くんから遥希を引き剥がすと、肩を貸して立たせてやった。
「えっと…ちーちゃん? ハルちゃんのお友だち?」
「あ…千尋…、村瀬千尋です…」
遥希が『ちーちゃん』と呼んだのを聞いて琉が尋ねれば、彼はホッと息をついて立ち上がり、自己紹介した。
「千尋くん、俺、ハルちゃんがこんななって心配だから、連れて帰りたいけど……ダメかな?」
これじゃあ、休憩する? て言ってホテルに連れ込むどこかのナンパ男と同じようだと思ったが、遥希が心配なのも確かなので、琉は千尋に言ってみた。
一緒に来ていた千尋だって、すごく遥希のことを心配しているのが分かるから、彼を無視することは出来ない。
「ダメではないですけど…」
「じゃあ、そうする。裏にタクシー回してもらうから、一緒に来て」
戸惑っている千尋にそう言うと、琉は遥希に肩を貸して歩き出す。
酔い潰れてへたっている人間なんていくらでもいるから、琉たちが特別目立つわけでもない。
「大和、潤也たちに帰るつっといて」
「メールしときゃいいじゃん。俺も行くし」
「はぁ? じゃあメールしといてよ」
トイレに行くと言ってVIPルームを出て来てしまっているから、このまま戻らないのもマズイと思ったのに、大和は自分も付いてくるとか言い出す始末。
大和が、言い出したら聞かない性格なのはよく分かっているので、琉はこれ以上言うのをやめてお願いした。琉は遥希を支えているから、メールどころではないのだ。
ちなみに千尋は、琉が来てくれたことにも驚いたけれど、まさか大和までいるとも思っていなかったから、ポカンと口を開けていた。
「ハルちゃん…、何でこんな…」
外に出るとすぐにラブホ街だし、人通りも多いから、外でタクシーを拾うのをやめて、スタッフに行ってタクシーを呼んでもらう。
扉を隔てて、中の爆音がいくらかおだやんだ場所で、タクシーを待つ間、千尋が心配そうに遥希の顔を覗き込んでいる。
「だってハルちゃん、相当お酒弱いでしょ? 飲めばすぐ潰れちゃわない?」
「でも1杯しか飲んでない!」
何で1杯だけでこんなになるの? と千尋は困惑した表情だが、琉にしたら、先週一緒にご飯したとき、サワーの1杯半で酔い潰れている遥希を見ているから、それは何となく自然のことのように思える。
しかし千尋は、それには納得していないようだった。
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体の力が抜けた遥希が伸し掛かるような状態になってしまったので、屈んでいた友人の彼はまともに体重を掛けられてしまい、ツライ体勢に眉を寄せた。
「大丈夫? よいしょ…と」
琉は友人くんから遥希を引き剥がすと、肩を貸して立たせてやった。
「えっと…ちーちゃん? ハルちゃんのお友だち?」
「あ…千尋…、村瀬千尋です…」
遥希が『ちーちゃん』と呼んだのを聞いて琉が尋ねれば、彼はホッと息をついて立ち上がり、自己紹介した。
「千尋くん、俺、ハルちゃんがこんななって心配だから、連れて帰りたいけど……ダメかな?」
これじゃあ、休憩する? て言ってホテルに連れ込むどこかのナンパ男と同じようだと思ったが、遥希が心配なのも確かなので、琉は千尋に言ってみた。
一緒に来ていた千尋だって、すごく遥希のことを心配しているのが分かるから、彼を無視することは出来ない。
「ダメではないですけど…」
「じゃあ、そうする。裏にタクシー回してもらうから、一緒に来て」
戸惑っている千尋にそう言うと、琉は遥希に肩を貸して歩き出す。
酔い潰れてへたっている人間なんていくらでもいるから、琉たちが特別目立つわけでもない。
「大和、潤也たちに帰るつっといて」
「メールしときゃいいじゃん。俺も行くし」
「はぁ? じゃあメールしといてよ」
トイレに行くと言ってVIPルームを出て来てしまっているから、このまま戻らないのもマズイと思ったのに、大和は自分も付いてくるとか言い出す始末。
大和が、言い出したら聞かない性格なのはよく分かっているので、琉はこれ以上言うのをやめてお願いした。琉は遥希を支えているから、メールどころではないのだ。
ちなみに千尋は、琉が来てくれたことにも驚いたけれど、まさか大和までいるとも思っていなかったから、ポカンと口を開けていた。
「ハルちゃん…、何でこんな…」
外に出るとすぐにラブホ街だし、人通りも多いから、外でタクシーを拾うのをやめて、スタッフに行ってタクシーを呼んでもらう。
扉を隔てて、中の爆音がいくらかおだやんだ場所で、タクシーを待つ間、千尋が心配そうに遥希の顔を覗き込んでいる。
「だってハルちゃん、相当お酒弱いでしょ? 飲めばすぐ潰れちゃわない?」
「でも1杯しか飲んでない!」
何で1杯だけでこんなになるの? と千尋は困惑した表情だが、琉にしたら、先週一緒にご飯したとき、サワーの1杯半で酔い潰れている遥希を見ているから、それは何となく自然のことのように思える。
しかし千尋は、それには納得していないようだった。
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